劣化してきたふすまを自分で張り替えたいけど失敗しないか不安、自分でやってみたらうまくいかなかった……という方もいらっしゃるかもしれません。
ふすまの張替えで失敗しやすいポイントと対策、失敗してしまった際の対処法について紹介します。
ふすまにシワが寄ってしまったときはどうする?
ふすまは乾燥すると縮んで伸びるので、少しのシワであればそのまま乾燥させましょう。シワや浮きが大きい場合、乾く前であればはがして再度内側からゆっくり空気を抜きます。
ふすまを張り替えるとき、古いふすま紙ははがしたほうがよい?
ふすま紙は2~3枚であれば上から重ねて張ることができます。自分で張り替える場合は古いふすま紙の上にそのまま張るのがおすすめです。
よくあるふすま張り替えの失敗と対処法
まずはふすまを張り替えるときによくある失敗と対処法、失敗を防ぐための対策を紹介します。
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空気を押し出すときにシワやたるみができてしまった
のりで張るタイプのふすま紙は、空気を押し出すときにシワが寄ったり、たるみができたりしてしまうことがあります。
ふすま紙は水分を含むと伸び、乾くと縮みます。空気を押し出した直後はシワが寄っているように見えても、乾くとピンと張ることも多いので、あまりシワを強くおさえないようにして乾燥させましょう。
また、なるべくたるみ・シワができないようにするには、水分をしっかり含んで伸びきった状態で空気を押し出すことが大切です。十分に伸びていない状態で張ると、あとでさらに紙が伸びてしまってシワの原因になります。
ふすま紙がボコボコに波打ってしまった
アイロン接着タイプやのりタイプのふすま紙を張るときに、紙がふくらんでボコボコになってしまうケースもあります。
ふすま紙が過剰に水分を含んでしまっている状態だと考えられます。ボコボコになるのを防ぐには、張るときに以下のポイントに注意しましょう。
- アイロン接着タイプ:スチームアイロンを内側から外側に向かってこまめに動かし、1か所にあてすぎない
- のり接着タイプ:のりをムラなく均等に伸ばし、つけすぎない
波打ってしまった場合、スチームアイロンをあてた後にドライアイロンをあてる、いったん剥がしてもう一度ゆっくり空気を押し出すなどの対処法があります。
少しのふくらみであれば、そのまま乾かせばピンと張ることも多いです。
何度張ってもふすま紙がはがれてくる
接着したはずのふすま紙がはがれてしまう場合、ふすま用両面テープで補強したり、のりを溶く水の量を少し減らしたりしてみましょう。
また下地に凸凹な部分があったり、汚れが残っていたりすると、ふすま紙と密着しづらいです。茶チリ紙でカバーするなどして接着面を平らにしましょう。
シールタイプのふすま紙がずれてしまった
シールになっているふすま紙は、のりと違ってずれたときの修正がしづらいです。特に1人で作業していると起きやすい失敗です。
一度張ってしまった場合、剥がしてやり直せるかどうかは下地とシールの材質によります。はがせそうなときはゆっくりはがして2~3人で再度張り直しましょう。
裏紙を少しずつはがして、空気を抜きながら張るのがポイントです。
ふすま本体とふすま紙の種類を確認しよう
一口に「ふすま」と言っても、実は材質には様々なバリエーションがあります。
ふすま紙とあわせて種類や相性をみていきましょう。
ふすまの種類
ふすまの張替え前には、家のふすまのタイプを確認しておきましょう。主に以下の4種類があります。
本ふすま |
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戸(板)ふすま |
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チップボールふすま |
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ダンボールふすま |
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発泡スチロールふすま |
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ふすま紙の種類
ふすまの表面に張られた紙を「ふすま紙」といい、以下のような種類があります。
DIYで張り替える場合は、自分でのりを溶いて塗らなければいけない和紙よりも、「再湿のりタイプ」「アイロン接着タイプ」「シールタイプ」などがおすすめです。
和紙 |
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織物ふすま紙 |
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再湿のりタイプ |
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アイロン接着タイプ |
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シールタイプ |
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ふすま本体とふすま紙の最適な組み合わせは?
ふすまの材質によって、どんなふすま紙が向いているかが異なります。
※量産ふすまはダンボールふすま、発泡スチロールふすまなど安価な素材で大量生産されたふすまのことです。
アイロン | 再湿のり | シール | |
本ふすま | △ | ○ | △ |
板ふすま | ○ | △ | ○ |
量産ふすま | ○ | × | ○ |
本ふすまは木枠の部分が浮きやすいので、のりで張って密着させられるふすま紙が向いています。
ダンボールふすまや発泡スチロールふすまは下地が弱く、水分を含むと反る可能性があります。水を使う再湿のりタイプはおすすめできません。
【種類別】失敗しにくいふすまの張替え方法
用意するもの
襖の張り替え作業を専門の業者に依頼せず、自分自身で行う場合、必要な道具としては以下が挙げられます。
アイテム | 用途 |
ふすま紙 | |
カッターナイフ | ふすま本体よりふすま紙が大きい場合、ふすま紙をカットするのに使用 |
マスキングテープ | ふすま本体よりふすま紙が大きい場合、外枠保護のために使用 |
インテリアバール | ふすまの引手を外すときに使用 なければマイナスドライバーやペンチで代用 |
定規 | 空気を押し出してふすま紙を密着させるときの補助 |
スチームアイロン | アイロン接着タイプの場合 |
刷毛、スポンジ | 再湿のりタイプの場合 |
おすすめのふすま紙
- 和モダンふすま紙
一般的な襖のイメージとしては、真っ白なものや、下部などのワンポイントに和風な絵柄が施されているものを思い浮かべるのではないでしょうか?色を変えるだけでも雰囲気を大きく変えることができます。ドアと比べて襖の良い点はデザインを変えやすいところでしょう。
- 洋風 北欧 オリジナルデザイン
実際に襖の張り替えをするときの手順については、以下で詳しく紹介をしていきます。
アイロン接着タイプのふすま紙を張る方法
新しく「アイロン接着タイプのふすま紙」を使う場合の手順です。
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シールタイプのふすま紙を張る方法
次に「シール襖紙」を使って襖の張り替えをする場合の作業方法を紹介します。
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再湿のりタイプのふすま紙を張る方法
やや難易度を上げて、最後は「再湿のり襖紙」の具体的な張り方を解説します。
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上下左右の枠を取り付けるとき混乱しないように、取り外す時点で印を付けるようにしましょう。
どの部分の枠かを分かるように工夫しておくとスムーズになります。
このように再湿のり襖紙の張り替えには時間と手間がかかり、やや面倒には感じられます。
しかし、きれいな仕上がりになるため見栄えにこだわりたい人はチャレンジしてみることをおすすめします。
ふすまの張替えを失敗せずきれいに仕上げるコツ
襖の張り替えに失敗をすると、しわができたり汚れが残ったりして見栄えが悪くなってしまうでしょう。
ここからは襖をきれいに張り替える上で重要なポイントとコツを解説していきます。
湿気の高い時期(6~8月頃)に張り替える
ふすま紙は水分を含むと伸びる性質なので、湿気の多い環境で張った方がうまくいきます。
そのためふすまの張替えは梅雨の時期、あるいは夏の雨が降っている時期を選びましょう。
逆に乾燥している時期に張り替えると、湿度が高い時期にふすま紙が伸びてシワや浮きが発生することがあります。
エアコンの風を当てない
特に再湿のりタイプのふすま紙を使う場合、エアコンが直接当たるとふすま紙があっという間に乾燥してしまいます。急速にふすま紙が乾くと、反りの原因にもなります。
エアコンや扇風機などは止めるか、風が当たらない位置で作業を行いましょう。
破れているふすまは補修してから張り替える
襖の張り替えでは、2〜3枚ほどであれば古い襖の上から新しい襖を重ねていくことができます。
ただし襖が破れているときは、まず補修をしてから張り替えるようにしましょう。
襖が破れているにも関わらず、その上から新しい襖の張り替えを行ってしまうと、下地にうまく密着せず見栄えが悪くなります。
補修は専用の補修紙を使うと簡単です。襖の穴よりも少し大きめにカットした紙をスポンジでしめらせ、のりを塗って穴を塞ぎます。
こうして表面をフラットにすることで、上から襖を張っても問題なくきれいな仕上がりになるでしょう。
茶チリ紙を使う
茶チリ紙とは襖紙の下に張る茶色い紙のことで、役割はおもに以下の3つです。
- 下地の凸凹や木枠の跡、破れがふすまの表面に影響するのを防ぐ
- 重ね張りする場合、古いふすま紙の絵柄や汚れが透けるのを防ぐ
- 木製の下地の場合、アクが上がってくるのを防ぐ
茶チリ紙がないと張り替えられないわけではありませんが、あったほうが仕上がりはきれいになるでしょう。
茶チリ紙を張るときは、まず前準備として6枚ほどの茶チリ紙を重ねて丸めた後、すぐ元どおりに広げましょう。
すると5mm〜1cmほどのズレができるため、これを「のりしろ」として利用します。
重しを置いて茶チリ紙を固定したら、「のりしろ」に濃いのりを塗りましょう。その後、四隅から順番に、それぞれ数cmずつ重ねながら空気が入らないようにゆっくりと張っていきましょう。
乾燥させて十分にしわが伸びるまで待ったら、これで新しい襖を張る準備は完了です。
張り替え後にしておきたいケア
苦労して襖を張り替えても、仕上がりが汚れてしまっていると、せっかくの新しい襖が台無しになってしまうかもしれません。
そこでここからは、張り替え後にしておきたいケアについて、詳しく解説をしていきます。
消しゴムで汚れを落とす
襖を張り替えているとき、あるいは張り替えた後に、襖紙や引手に手垢などの汚れが付いてしまうことがあり、見栄えの悪さの原因になります。
このような汚れを簡単に落とせるのが消しゴムです。汚れているところを軽くこするだけで、襖の清潔感を保てます。
張り替えの後でなくても、気になったときは小まめにきれいにするといいでしょう。
ただし汚れが移ってしまうことがあるため、消しゴムは新品を使うことをおすすめします。
防水スプレーで汚れを防ぐ
襖は張り替えから時間が経過するごとに、手垢・シミ・カビなどで自然に汚れていきます。
可能であれば、先述したように張り替えた襖の汚れを消しゴムで落としたら、すぐに防水スプレーを吹き掛けておきましょう。
それだけで新たな汚れが付きにくくなり、仮に付いたとしてもすぐに拭き取ることができます。
ひとつの襖を長持ちさせるためにもおすすめの対策です。
襖を張り替えるタイミング
襖を経年劣化したまま放置していると、部屋全体の雰囲気まで悪くなる可能性があります。
家に襖がある人は、張り替えをする適切なタイミングと、張り替えでは直らないケースについて知っておきましょう。
襖を張り替えるタイミングは「5〜10年」
襖を張り替えるタイミングに一般的な目安はありますが、部屋の環境などによっても大きく異なります。
- 襖が破れている
- 目立つ汚れやシミがある
- 襖が色あせて見える
- 模様替えをしたい
などの場合は、部屋が暗い印象になり見栄えもよくないため、張り替えを検討すべきかもしれません。
単純な経年劣化以外でも、襖が破れたときはできるだけ早めに張り替えましょう。
破れたところからカビが繁殖したり、隙間風が入ったりして、さらに穴が広がってしまう可能性もあります。
襖の枠自体が歪んでいると直らないので注意
襖を張り替えただけでは直らないケースとして、襖の枠自体の形が歪んでしまっている状態が挙げられます。
開閉がスムーズに行えなくなるため、業者に依頼して枠を削るか本体ごと交換をする必要があるでしょう。
それ以外にも、襖に大きな穴が空いてしまったとき、枠に目立たないダメージが加えられている可能性があります。
そのままのコンディションで襖を張り替えたとしても、またすぐに破けてしまいまうため、やはり本体の交換が必要です。
ふすま張替えを失敗したくないならプロに依頼がおすすめ
自力で襖を張り替えるのが難しいときは、プロの業者に依頼するのもひとつの手です。
コストはかかるものの、労力と時間をかけることなく、きれいに仕上がります。
襖の張り替えを業者に頼むときのポイントについて、詳しく見ていきましょう。
張り替えにかかる平均相場
襖の張り替えにかかる平均相場は、襖紙の種類にもよるものの基本的には1帖につき3,000〜4,000円ほどになります。
同じ襖紙の張り替えであるにもかかわらず、他の業者と比べて大幅に高額な場合、悪徳業者である可能性があるため注意をしましょう。
また激安価格を提示している場合にも、技術に不安があったり、後からオプション料金を取られたりする可能性があります。基本的には平均相場の周辺から選ぶのが無難でしょう。
リフォーム店などに依頼する
襖の張り替えは内装工事に含まれるため、リフォーム店に依頼をするのが一般的です。
リフォーム店の他に工務店やシルバー人材センターなどでも、請け負っている可能性があります。
ただし襖紙の種類や、実現したいデザインによっては、襖の専門店でしか対応できない可能性もゼロではありません。
いずれにせよ襖の張り替えを依頼したいときは、まず近くのリフォーム店に、気軽に相談をしてみましょう。
業者を選ぶときのポイント
業者を選ぶときには、複数の業者を比較するのがポイントになります。まずはホームページを参考に、料金設定や見積もりが無料で行えるかを確認しましょう。
またネット上のレビューから、過去にトラブルがあったか否かを調べられます。
実際の見積もりでは、内容が明確かどうか、また質問に対する回答が誠実で迅速かどうかをチェックすることが重要です。
全て問題がなければ、依頼に進んで問題ないでしょう。嫌な思いをせずに済むように、業者は慎重に選ぶことをおすすめします。
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