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ヒューズとブレーカーは何が違う?仕組みと復旧方法を解説します

最終更新日: 2021年06月21日

自宅にある分電盤に「ヒューズ」が使用されている場合、復旧に手間がかかることからブレーカーへの交換を考えている人も多いでしょう。ヒューズとブレーカーの違いや、ブレーカー式に切り替えるメリットを解説します。

ヒューズとブレーカーの役割

ヒューズとブレーカーは、どちらも同じような役割を持っています。どのような違いがあるのか、それぞれの性能や近年の普及状況を知っておきましょう。

どちらも火災を防ぐ安全装置

「ヒューズ」と「ブレーカー」は、一定量以上の電気が流れたときに電流を遮断する装置です。電気の使い過ぎや機器の故障による発熱・漏電を防止し、火災を防ぎます。

ヒューズとブレーカーは同じ役割を持つ機械ですが、まったく同じものではありません。両者には「すぐに復旧できるか否か」という違いがあります。

ブレーカーはスイッチの形になっており、過電流によって遮断されてもスイッチを入れ直すことで何度でも復旧し利用できるのが特徴です。

ヒューズは基本的に電流を止めるとその役割を果たし、再利用できなくなるため、新しいものに取り替える必要があります。築年数の古い家屋や車の電装品コントロールに多く使用されています。

一定回数の再利用ができる「ブレーカー機能付きヒューズ」もありますが、こちらは家庭用ではなく、車のヒューズボックスで使用されるタイプです。運転席の足元近くに設置されています。

近年はブレーカーが主流

最近はヒューズを利用している家をあまり見かけませんよね。ブレーカーが開発されたことにより、部品交換が必要なヒューズが廃れていったのが理由です。

松下電工(現パナソニック)は1962年、「ヒューズ式分電盤」の発売を開始しています。その後、1968年に一般家庭向けにブレーカーが開発されました。

ヒューズが残っているのは、ブレーカーが一般家庭に流通するまでに建築された家屋であることがほとんどです。

その他電流を遮断する「引込開閉器盤」も過電流を防ぐ機械です。分電盤と電気メーターの間にある機器で、開閉器盤内部に「ナイフスイッチ」と呼ばれるヒューズが使われています。

開閉器盤は分電盤と電気メーターの距離が長い場合に設置される機器です。ヒューズタイプとブレーカータイプがあります。

電気を遮断する仕組みと復旧方法

ヒューズとブレーカーは電気を遮断する仕組みが異なります。自宅で使用している分電盤の種類によっては、ヒューズとブレーカーを併用したタイプもあるでしょう。一般的な仕組みや、電気が遮断されたときの復旧方法も解説します。

ヒューズ

ヒューズ

ヒューズは端子と端子の間を、細い金属でつないだ形状です。電気の使い過ぎや機器のショートが発生すると端子をつなぐ金属部分が発熱し、溶けて焼き切れます。

切れたヒューズは復旧できません。新しいヒューズを用意し、付け替える必要があります。

ネジ式の分電盤では、ヒューズの取り出し・取り付け作業にドライバーが必要です。切れているヒューズを確認し、新しい部品に付け替えましょう。

車のヒューズなど、抜き差しで付け替えができるタイプはペンチを使用して切れたヒューズを抜きます。

ブレーカー

ブレーカー

ブレーカーはスイッチ式の遮断器です。一定以上の電流を感知すると、内部の金属板が発熱します。

2種類の金属を貼り合わせた板が発熱によって膨張し、板が曲がる仕組みです。曲がった板がスイッチを押し、ブレーカーが落ちます。

ブレーカーの種類によって電磁石の力を活用するタイプもありますが、何らかの力でスイッチが押される仕組みは同じです。

ブレーカーはスイッチをオンにするだけで復旧ができます。ただし発熱によりブレーカーが落ちるタイプはすぐに復旧できるとは限りません。再度スイッチが押されることのないよう、金属板が冷めるまで少し待ちましょう。

ブレーカーに交換するメリット&デメリットと変更方法

ヒューズを使用している分電盤または引込開閉器盤は、ブレーカーに変更できます。機器の交換によるメリットや交換方法を見ていきましょう。

ブレーカーは当日中に復旧できる

ブレーカーはスイッチをオンにするだけで復旧できます。安全器やヒューズ式の開閉器盤をノーヒューズブレーカーに交換すると、電力が遮断されても復旧の手間がかかりません。

ヒューズ式の分電盤や開閉器盤は何か起きたときに原因の確認が必須です。機器の故障なのか、どのヒューズが切れたのか確認するだけでも手間がかかります。

また、新しく交換する部品がないときは復旧ができません。夜間の場合、店が開く翌日まで待つことになります。短時間で電力を復旧したいときは、分電盤自体のブレーカー切り替え工事を検討しましょう。

部品購入や交換作業の手間がない

ヒューズ式の分電盤や開閉器盤は、作業時に替えのヒューズが必要です。トラブルが起きる度に交換し、その都度費用もかかります。ブレーカー式なら本体の寿命が来るまで部品代や交換作業は不要です。

さらにヒューズは1種類ではありません。機器に合う形と電圧の部品を探し、付け替えが必要です。古い機器では交換用のヒューズを扱う店舗も少なくなっているでしょう。

切れたヒューズを外して新しいものに付け替える作業は、手間のかかるものです。自分で作業ができない場合、業者にその都度来てもらわなければなりません。

多機能タイプを選べる

ブレーカー式の分電盤は多様な種類があります。大きな地震の際に自動でブレーカーが落ちる「感震式」や、雷対策に役立つ「避雷式」は防災を意識する人に最適です。「エコキュート」「IHヒーター」「太陽光発電」に対応したタイプも選べます。

分電盤に何を求めているかで、合うタイプは異なります。電力遮断だけで問題ない場合は、シンプルなブレーカー式でも問題はありません。

電力消費が大きい機器を利用している場合は、それぞれの機器に対応したタイプを選びましょう。

交換は専門業者へ依頼する

ヒューズ式の分電盤または引込開閉器盤の交換を考えている場合は、「電気工事を扱う専門業者」に依頼しましょう。分電盤の交換は電力会社の管轄外です。

ブレーカー式への交換は専門業者に依頼しても数万円程度です。交換作業の煩わしさを解消したいなら、交換を検討しましょう。

取り扱っている分電盤の種類や得意な作業内容は、業者によって異なります。予算の見積もりと相談は、複数の業者に依頼するのがおすすめです。

ミツモアでは簡単な質問に答えていくだけで自分に合ったプロとマッチングできます。目的に合う専門業者が見つかるでしょう。

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ブレーカー式分電盤への交換を検討しよう

電気の使い過ぎで電流が遮断されると、電気の復旧作業が必要です。部品の交換が必要なヒューズ式からブレーカー式に交換すると、すぐに復旧ができます。

分電盤の交換は数万円程度でできる簡単な工事です。ヒューズの交換作業に困っている場合は切り替えを検討しましょう。

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