回路図などに「gnd」と記載されているのを見かけたことがありますか?
「+(プラス)」や「-(マイナス)」は理解できてもgnd(グランド)はよく分からないという人は多いかもしれません。 gndの概要と種類、接地(アース)との違いを解説します。
回路図でよく見る「gnd(グランド)」とは?
gnd(グランド)は電気の分野に詳しくない人にとっては、なじみのない言葉かもしれません。しかし電気を安全に利用するには欠かせないものです。電気機器や音響機器などを設置する際にも重要な役割を持っているので、この機会に基本的なところを知っておきましょう。
回路動作の基準
gndとは回路に電気をスムーズに流すのに必要なもので、回路内の基準となる電位との差が「0V(ボルト)」になる部分を指します。簡単に言うと、回路内の電圧の基準を決める部分のことですが、この概念を理解するには、そもそも「電位とは何か?」を理解しなければいけません。
電位とは何か?
電位とは、電気をある場所(標準点)から別の場所まで運ぶのに必要な仕事と定義されます。それぞれの地点の電位差は電圧と呼ばれ、どちらも単位はボルト(V)です。電圧は電気を押し出す力で、電気は電圧の高いところから低いところに流れる性質があります。
例えば100Vの場所と80Vの場所があった場合、電気は100Vから80Vの方に電圧の差である20V分が流れていきます。その際、回路内の電圧の基準となるのがgndです。
機器によって電位は異なる
私たちの身の回りにはさまざまな電気機器がありますが、いずれも電位に違いがあります。そのため、どの機器を回路に接続してもスムーズに電流が流れるようにするために、最も電圧が低い場所を設定する必要があるのです。その場所がgndであり、回路内の電圧の基準となります。
家庭用コンセントの場合、向かって左側がgndの役割を果たしており、流れてきた電気の到達点となっていて、最も低い電位を持つ地面につながっています。gndを設定することにより、どのような機器を回路に組み込んでも、電気がスムーズに流れるようになるのです。
接地(アース)との違い
gndと混同されがちなものに接地(アース)があります。どちらかと言えば、gndよりもアースの方が聞いたことのある人が多いのではないでしょうか? 両者の違いを押さえておきましょう。
接地(アース)とは?
接地(アース)とは、その名の通り、地面に電気回路の一部を接続することを言います。gndと同じ文脈で使われる場合も多いですが、gndは回路内の電圧の基準となる電位であり、接地は回路を大地に接続することを表します。
多くの電気回路では電圧の基準(最も電圧が低い部分)が地面に設定されているため、両者が同じ意味で使われる場合もあるわけです。
接地(アース)は感電を防ぐもの
接地の目的は電気機器の利用者の感電や漏電による火災などを防ぐことです。長年、電気設備や電気機器を利用していると、電線の被覆などの絶縁物が経年劣化したり、機器が損傷したりして、電気が電路から漏れ出してしまう危険があります。
それを防ぐために、回路の一部を地面と接続して感電を防ぐのが接地の役割です。電流は電圧(電位)の高いところから低いところに流れるため、電位が0Vである地面をgndにすることで、常に漏れ出した電気が地面に行くようにしているわけです。
gndの種類
gndにはシグナルグランド(sg)やフレームグランド(fg)などに分類できます。さまざまな種類がありますが、ここではシグナルグランドとフレームグランドについて簡単に説明しておきます。
シグナルグランド
一般的な電子回路に使われるgndです。アナログ回路やデジタル回路など、複数の回路が混在している電気製品では、それぞれの回路の性質に応じてgndを別々に配線して、他の回路の影響を極力排除する必要があります。
フレームグランド
電気機器を構成するさまざまな部品の電位を調整する役割があります。各々の回路を筐体(シャーシ)に接続させるgndで、シャーシグランドとも呼ばれます。
電位の異なる部品の電流を安定化させるため、すべての回路の基準となる電位を筐体に統一しているわけです。例えば自動車の場合、地面をgndとすることはできないので、自動車の車体をgndに設定しています。
gndの意味を知っておこう
gnd(グランド)の意味と接地(アース)との違いを解説しました。gndは電気回路において基準となる電位との差が0Vである部分を言います。電気の回路図を理解するには必須の知識で、接地と混同されがちですが、厳密には違う概念です。
電気に携わる仕事をしている人でもない限り、あまりなじみのない概念ではありますが、私たちが日頃から使っている電気機器を安全に利用するのに欠かせない知識です。少し分かりづらい分野かもしれませんが、基本的なところだけでも覚えておきましょう。
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