PCが異常な動きをすると、業務に支障が出て困ってしまいますよね。中でも勝手に再起動してしまうトラブルはデータ破損のリスクもあり、早急な対応が求められます。
PCが故障している恐れもありますので原因を分析し、冷静に対応することが大切です。
PCが勝手に再起動を繰り返す原因は?
PCが意図せず再起動を繰り返すと、不安になって強制終了してしまうことやコンセントを抜いてしまうこともあるでしょう。
しかし突然電源を落とすのはそれ自体が故障につながりますからおすすめできません。あわてて行動せずに、まずは再起動を繰り返す場合の原因を探りましょう。
利用環境や周辺機器、ソフトウェアが原因
PCが再起動を繰り返す場合の原因として、まず確認すべきなのが「PCを利用している環境」です。
湿度や温度が高い部屋でPCを利用し続けると、PC本体内に熱がこもり故障防止の機能によりPCがシャットダウンされることがあります。PC作業にとって快適な状態かどうかチェックしてみましょう。
2点目は「周辺機器とそのプログラム設定」です。BIOSと呼ばれる周辺機器を管理するプログラムの設定によっては、PCの動作に問題が発生する可能性があります。BIOSの設定を確認して初期化することで、PCの異常が解決する可能性があるので試してみましょう。
BIOSの確認方法・初期化方法については、後述しておりますのでそちらをご参照ください。
さらに「インストールした常駐ソフトウェア」の動作状況も確認しましょう。導入したソフトウェアによってはエラーを起こして再起動を繰り返している恐れがあります。
動作状況の確認については、タスクマネージャーを開くのがもっとも効率的です。ツールバーで右クリックをすると「タスクマネージャー」という項目があるので、クリックして開きます。パフォーマンスが重いソフトを探したり、バージョンが古いものをオフにして、正常に起動するかを試してみてください。
常駐するタイプのソフトであれば無効化して、改善されるかどうか確認します。
まずチェックしてみるべきポイント
PCに異常が起こった場合には、チェックするべきポイントが存在しています。そのポイントについて1つずつ点検状況を確認していきましょう。
ウイルス感染の有無
まずコンピューターウイルスに感染しているかどうかを確かめることが大切です。ウイルス感染の場合は予期せぬ動作を繰り返すだけでなく、乗っ取られたり、被害を拡大させたりする危険もあります。
感染が疑われるケースで最初にするべき行動は、インターネット環境や社内ネットワークとの接続を物理的に断つことです。LANケーブルを外しネットワークから切り離したスタンドアローン状態にします。
次に、再起動が繰り返され操作ができない場合は、セーフモードで起動する手段を選択しましょう。Windows10の場合、以下の手順でセーフモードの設定ができます。
- 左下の「スタート」から「設定」を選択
- 「更新とセキュリティ」を選択
- 左側のメニューより「回復」→右側に表示される「今すぐ再起動」を選択
- オプション画面より「トラブルシューティング」→「詳細オプション」→「スタートアップ設定」→「再起動」の順番に選択
- 一覧より「4)セーフモードを有効にする」を選択(インターネットを使用する場合は「5)セーフモードとネットワークを有効にする」を選択)
セーフモードで起動した場合は、ウイルスチェックを行い、感染していないかどうかを確認することが大切です。問題がない場合は別のトラブルの確認へ移りましょう。
Windows Updateの不具合
Windows Updateを定期的に実行していない場合、更新対象の項目が溜まりすぎ、挙動が極端に遅くなることがあります。
またWindows Updateプログラムが更新エラーによってインストールできない場合にも、再起動を繰り返すケースがあるため、時間をかけて更新が行われるのを待ちましょう。
更新中に電源が落ちたり、ネットワーク接続が切れてたりすると、システム不良となってトラブルシューティングからの修復作業が必要な場合もあります。操作には気を付けましょう。
自動再起動の設定
エラー発生時に「自動的に再起動を行う」と設定していると、エラー時に予期せぬ再起動が起きることがあります。解除するためにはセーフモードによる対処が必要です。
まずは起動時にF8を押してブートメニューを開きセーフモードで起動を行いましょう。起動を確認したらシステムのプロパティを開き「起動と回復」から設定を選択します。
「起動と回復」の項目から「システムエラー」の設定を変更し、「自動的に再起動する」のチェックを外しましょう。この解決策によって、問題が改善するかを確認して完了となります。
熱暴走していないかどうか
廃熱が適切に行われず「熱暴走」している場合にも、再起動を繰り返すことがあります。長年利用しているPCの場合は、冷却装置にほこりやごみが付き、廃熱が間に合わない場合が考えられます。
廃熱が間に合わないPCは高温状態になることで、誤作動を起こし、再起動を繰り返すことがありえるのです。
熱暴走によって高温になった場合、PCの故障につながることもあります。熱暴走の場合は一度電源を切り、清掃することで廃熱できるようにすることが必要です。定期的に冷却装置の状態を確認しましょう。
ソフトウェアが原因の場合
原因が物理的なものや周辺環境、ウイルスなどではない場合、ソフトウェアの可能性があります。
Windows Update関連や高速スタートアップなどの機能追加によって、不具合が起こるケースもあるため、ソフトウェアの確認を行いましょう。
アクティブ時間を変更する
アクティブ時間とはPCを利用している時間帯を指しています。設定している時間帯にはWindows Updateによる再起動は割り込みをしないように設定します。
更新とセキュリティの「Windows Update」の項目から「アクティブ時間の変更」を選択し、PCを利用している時間帯をアクティブ時間に設定しましょう。
この設定によって突然の再起動を防ぐことが可能です。ただしWindows Updateによる更新は必要なため、確実に更新を行うようにしましょう。
高速スタートアップを解除する
Windows8から導入された「高速スタートアップ」によって勝手に再起動するケースがあります。
高速スタートアップはPCの起動を早くするため、シャットダウン時のメモリやCPUの状態を保存する機能です。
しかし周辺機器が古い規格の場合は認識されない不具合があり、再度PCを起動した際にエラーが起こる可能性があります。
そのため高速スタートアップを利用している場合は、解除するようにしましょう。
常駐ソフトをオフにする
常駐ソフトを考える場合は、最近入れたばかりのソフトウェアがなかったかどうかも合わせて確認が必要です。
例えば最近新しいソフトをインストールしてから動作不良になった場合は、常駐している当該ソフトをオフにし、アンインストールしましょう。
新しく導入したソフトによる不具合は、マシンスペックなどによって起こり得るため、まずはアンインストールして様子を見ることが大切です。
BIOSを初期化する
BIOSは周辺機器の管理を行うプログラムのため、設定ミスにより起動順序が変わることで動作不良が起こり得ます。動作不良が疑われるときは、BIOSを初期化する作業を行いましょう。システムを終了し、再度起動する際に「F2キー」を押しながら起動することでBIOS画面に入ることができます。
機種によってはF2キーではない場合もあるため、あらかじめ確認しておきましょう。BIOS画面に入ったらF9キーを押すことで、初期化の確認ダイアログが表示されます。エンターキーで確定し、保存して終了すれば初期化は完了です。
システムの復元を行う
ソフトウェアが原因で再起動を繰り返す場合、システムの復元を行うことで直すことが可能です。
システムの復元にはWindowsのインストールメディアが必要となります。ない場合はMicrosoftの公式サイトから「Windows用のインストールメディア作成」を参考に作成しましょう。
インストールメディアの準備ができたら、インストールメディアを最初に起動するように設定し、PCを起動します。画面上に出てくる項目の中にシステムの復元が出てきますので、選択してシステムの復元を行いましょう。
ハードウェアが原因の場合
周辺機器やソフトウェアにも問題がなければ、残る確認項目はハードウェアとなります。上記のチェックポイントを試した上で、ハードウェアの故障かどうかの切り分けを行いましょう。
放電を行う
PCを長時間電源につなでいることで、帯電することがあります。
アースに接続している場合は、帯電する電流がアースに流れるため、帯電はおきません。しかしアースへの接続が正しくできていない、あるいはアースを利用していない場合は、帯電することでOSが突然終了することがありえます。
その場合は、電源プラグを抜いた状態で、電源ボタンを数回押して数分から数十分放置しましょう。
これによって帯電した電気は放電されるため、改めて起動しましょう。放電で直る場合は、再び帯電が起こることを考えてアースを利用することをおすすめします。
不良セクタの修復を行う
Windows10にはディスクチェックツールという機能があり、ハードディスクの不良がないかチェックすることができます。
ドライブの画面から、確認したいハードディスクを選択し、プロパティの画面を出し、エラーチェックの画面からチェックを行いましょう。
スキャンが行われ、不良セクタがあれば「ドライブのスキャンと修復」から「ファイルシステムを修復する時間」を選択し修復を開始します。
定期的なディスクチェックを行うこともメンテナンスには必要なため、定期的に行いましょう。
解消されない場合は業者に相談
さまざまな方法を試しても解消されない場合は、メモリやマザーボードなどの不具合や故障であると考えられます。
その場合、個人で修理することは難しいため、業者に相談しましょう。
業者に依頼する際の注意点
業者に修理や見積もり依頼をする場合には、先にデータのバックアップを行う必要があります。PC修理業者は原則としてデータ内容の保存を保証しません。
また機密情報が入っているPCの場合は、会社の規定などに従うようにしましょう。個人で修理に出すことで情報漏洩につながることもあります。
規定に問題がなく、業者を利用する場合は症状に対して見積もりをお願いし、修理費用の目算を立ててから依頼しましょう。口約束で依頼すると、高額請求につながる恐れもあります。
あわてず冷静に原因を特定しよう
PCが勝手に再起動してしまう問題の対処法について解説してきました。精密機器であるPCは、突然故障することやコンピューターウイルスの被害に遭うことがありえます。
まずはあわてずにウイルスの影響も考えて、ネットワークから遮断することが大切です。その後は冷静に何が原因になっているのかを特定しましょう。ウイルスや完全な故障でない限りは、1つずつ原因を探ることで、原因の究明が可能です。
機械の異変はあせってしまいがちですが、落ち着いて行動することを心掛けて問題解決につなげましょう。
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