最終更新日: 2022年05月27日
クロゴキブリの行動範囲は?
クロゴキブリは屋外・屋内の両方で活動するゴキブリで、家の中に棲みつくことは少ないです。窓や玄関、水回りの配管のすきまやエアコンの室外機などから家の中へ侵入します。
クロゴキブリとチャバネゴキブリの違いは?
クロゴキブリが体長30~40mm程度で黒褐色なのに対し、チャバネゴキブリは10~15mm程度で薄茶色です。クロゴキブリは屋内外両方で活動しますが、チャバネゴキブリは主にビルや飲食店などの屋内に棲みつきます。
クロゴキブリの特徴を解説!他のゴキブリと何が違うの?
世界に3,000種類以上いるとされているゴキブリですが、その中でも日本に限定すると数十種類、家屋の中まで侵入してくるゴキブリとなると、数種類しかいないと言われています。
全国的に日本の家屋でみられるゴキブリの種類は、クロゴキブリも含めて以下の4種類です。
- クロゴキブリ
- チャバネゴキブリ
- ヤマトゴキブリ
- ワモンゴキブリ
このなかでクロゴキブリは、ツヤがある黒色をしており、胸部が太く大きいのが特徴です。
同じく黒色をしているヤマトゴキブリとは見分けにくいですが、クロゴキブリと比べると体にツヤが無く、ほっそりとした形が特徴です。
クロゴキブリの大きさを比較
まずは、クロゴキブリと他のゴキブリとの大きさを比べてみましょう。以下の表では、大きい順に並べてみました。
ワモンゴキブリ | 30~45mm |
クロゴキブリ | 30~40mm |
ヤマトゴキブリ | 25~35mm |
チャバネゴキブリ | 11~15mm |
クロゴキブリはこの4種類のなかでは2番目に大きく、体長は30~40mmほど。
日本で屋内に生息するゴキブリの中で1番大きいのは、「ワモンゴキブリ」です。もともと南九州や沖縄に生息していましたが、現在は北海道でも姿が確認されています。
またクロゴキブリに並んでよく見聞きする「チャバネゴキブリ」は、サイズ自体はかなり小さめですね。
クロゴキブリの分布地域を比較
どのゴキブリも日本各地に広く分布していますが、地域によって多い種類に差があります。それぞれの種類が、特に多く分布している地域を以下にまとめてみました。
クロゴキブリ | 関東以南、西日本 |
チャバネゴキブリ | 全国 |
ヤマトゴキブリ | 本州の東部 |
ワモンゴキブリ | 九州や沖縄 |
クロゴキブリ、チャバネゴキブリ、ワモンゴキブリは外来種とされており、寒さに弱いのが特徴とされています。しかし温暖化の影響や、暖房器具の充実などの要因から北海道でも見られるようになりました。
そのためクロゴキブリは関東地方から西日本にかけて多いですが、北海道でも発見される例があります。ただしやはり、北日本に生息している数は少ないようです。
クロゴキブリの繁殖力、産卵時期などを比較
つぎに、クロゴキブリの繁殖力を比べてみましょう。以下は、「1回に産む卵の数」と「一生のなかで産卵する回数」をまとめた表です。
ちなみにゴキブリの卵は、1つの卵鞘(らんしょう)という殻のなかに、ぎっしりと個体が詰まっています……。
卵の数 | 産卵回数 | |
クロゴキブリ | 22~28個 | 15~20回 |
チャバネゴキブリ | 30~40個 | 3~7回 |
ヤマトゴキブリ | 10~14個 | 6~8回 |
ワモンゴキブリ | 6~18個 | 50回以上 |
たとえばクロゴキブリが1回に産む卵の数を25個、産卵回数を17回と仮定すると、一生で425個もの卵を産む計算になります。
このように間を取って産卵数を計算すると、チャバネゴキブリが175個、ヤマトゴキブリが84個、ワモンゴキブリが600個となります。
そのためクロゴキブリの繁殖力は、ほかのゴキブリと比べて(ワモンゴキブリを除く)かなり高いと言うことができます。家に住みつかれたら、かなり厄介ですね。
ただし寿命を踏まえると、チャバネゴキブリのほうが短い周期で繁殖を繰り返すので、クロゴキブリより対策が難しいかもしれません。
ちなみにゴキブリは交尾をしなくても、メスだけで卵を産むことができる「単為生殖」が可能です。
クロゴキブリの寿命を比較
クロゴキブリの寿命は、他のゴキブリと比べるとどの程度でしょうか?以下、寿命が長い順に並べてみました。
ワモンゴキブリ | 3年前後 |
ヤマトゴキブリ | 2年前後 |
クロゴキブリ | 2年前後 |
チャバネゴキブリ | 5カ月前後 |
ちなみにどのゴキブリも、寿命のうちの大半の時間を「成虫になるまで」の期間に充てています。そのため実際に成虫してからの活動期間は数カ月程度のものが多いです。
クロゴキブリの場合には、卵から孵化するまでに1カ月、また成虫になるまでに1年以上もかかります。そのためクロゴキブリが成虫でいる期間は5~7カ月ほどです。
クロゴキブリがこのたった数カ月の成虫でいる期間に、425個もの卵を産んで子孫を残すと考えると、かなり恐ろしさが増しますね。
クロゴキブリがもたらす被害は?
クロゴキブリの食害
クロゴキブリは雑食性で、人間が食べるような食品をはじめとして木材、パルプ、革製品などに食害を与えます。
次の見出しで解説しますが、ゴキブリは「衛生害虫」といって、病原体や有害物質などをもたらす害虫です。
そのため、もし「自分がこれから口にする食べ物にゴキブリが付いていた」となると、最悪の場合には健康への害も考えられます。
工場で製造している食べ物にゴキブリが混入して、ニュースになってしまうことも。
衛生害虫としての被害
クロゴキブリは、不衛生で湿気の多い場所を好みます。おもに下水のなかに生息しているので、雑菌だらけです。
このように、人間に衛生的な害を与える可能性がある虫を、「衛生害虫」と呼びます。
クロゴキブリは「赤痢アメーバ」などの病原菌を持っていることがあります。実際に人間に対してどの程度有害か、という影響は明確ではありません。しかし、そんな汚い状態で部屋の中を歩かれるのはイヤですよね。
またクロゴキブリの死骸やフンも有害です。これらがあると、人によってはアレルギー症状を引き起こしてしまいます。
またゴキブリのフンは「集合フェロモン」を出しており、他のゴキブリを呼び寄せる性質があるのです。
クロゴキブリはどこから家に侵入する?
生息場所や侵入経路
クロゴキブリは、どこから家の中に侵入してくるのでしょうか?
実はクロゴキブリは、屋内だけでなく屋外でも生活している、行動範囲が広い種類です。チャバネゴキブリが屋内でしか活動をしないので、対照的ですね。
そのためクロゴキブリの侵入ルートは、開いている扉・窓や、キッチン・洗面台などの配管まわり。1階や2階の部屋はとくに侵入されやすいので、注意しておいたほうがよいでしょう。
ちなみに、クロゴキブリが家の中に住み着くということは、ほとんどありません。ただし屋根裏で雨漏りしているときや、水たまりができている床下など、条件が整った場所には巣を作るので注意が必要です。
クロゴキブリの駆除・予防方法
クロゴキブリが発生したら、どのように駆除すれば良いのでしょうか。
以下の記事では、状況別に駆除の方法を詳しく解説しているので参考にしてください。
見つけた際の駆除方法
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クロゴキブリの駆除方法は、殺虫スプレーを使うのがオーソドックスです。ただしスプレーを噴射してもしばらく動き続けることが多いので、冷凍して動きを止めるタイプのスプレーもオススメ。
また熱湯や食器用洗剤を直接クロゴキブリにかけるのも有効です。熱湯はタンパク質を凝固させて、洗剤は界面活性剤が呼吸をできなくさせて、どちらも死に至らしめます。
新聞紙などを丸めて叩くという方法を採る人もいますが、これはあまりオススメできません。体液が飛び散る可能性があるうえ、逃がした場合が厄介です。
ゴキブリのメスは身の危険を感じると、逃げるために卵をその場に産み落とすという習性があります。結果として予期しない場所で繁殖を許してしまうことになりかねません。
金属部品などの掃除に使うパーツクリーナーも駆除には有効です。詳しくは関連記事をご覧ください。
居場所が分からないときの駆除方法
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居場所が分からない場合の駆除方法は2種類あります。まずは毒餌をまく「ベイト工法」です。ブラックキャップなどが有名ですね。毒餌を食べたゴキブリが巣で死んだりふんをしたりすると、その死骸やふんを仲間のゴキブリが食べて、死に至らしめることができます。
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バルサンなどの燻煙剤(くんえんざい)も有効です。隅々まで煙が行き渡ってゴキブリを殺すことができます。ただし卵に対しては効果がないため、卵が孵ったタイミングとあわせて計2回行うのが効果的です。
普段からできる対策
クロゴキブリの対策は、まず侵入を防ぐことが第一です。家の中に巣を作りやすいチャバネゴキブリと違って、その点では日ごろからの対策が取りやすいといってよいでしょう。
排水口周りのすき間をガムテープなどでふさいだり、ゴキブリが近寄らないように、忌避剤をまいたりするのが効果的です。
また残飯や食べ物をそのままにしない、家の中を清潔にする、ダンボールはあまりとっておかず速やかに処分するなど、家の中にゴキブリが生息できる環境をなるべく作らないことも大切です。
【まとめ】クロゴキブリは侵入を防いで対処しよう!
この記事ではクロゴキブリについて、他の種類と比較しながら特徴や駆除方法を解説してきました。
チャバネゴキブリと並んで、全国で多く見られるクロゴキブリ。おもに与える被害は、あらゆるものを食べ散らかす食害と、衛生面での害です。
基本的には下水などに住処をつくるので、そこから部屋の中に侵入させない対策をとるのがオススメです。玄関まわりや排水管まわりに忌避剤をまいておいたり、密着性を高めておきましょう。
もし家の中で見かけたら、殺虫スプレーやバルサン、ブラックキャップなどで対応できます。徹底的に巣作りなどを防止するなら、業者に依頼してプロの仕事をしてもらいましょう。
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