自然界のどんな生物にも天敵はいるもの。人間を恐怖のドン底に突き落とすゴキブリですが、もちろんゴキブリも例外ではありません。意外にもゴキブリの天敵は多く、私たちがよく知る昆虫や動物などを恐れていることもあるのですよ。
この記事ではそんなゴキブリの天敵たちをご紹介していきます。もし庭や家の中などで見つけたら、そっとしておいてあげるとゴキブリを食べてくれるかもしれませんよ。
ゴキブリの天敵一覧!こんな生き物がいたらゴキブリを捕食してくれるかも?
家の中を我が物顔で動き回るゴキブリですが、自然界では被捕食者として食べられる側で、食物連鎖ではほぼ最下層なのです。それではさっそくゴキブリの天敵たちを見ていきましょう。
- 蜘蛛(アシダカグモ/ハエトリグモ)
- 猫
- ネズミ/ハムスター
- ムカデ/ゲジゲジ
- ハチ
- アリ
- カマドウマ
- カマキリ
- ヤモリ/トカゲ
- カエル
①蜘蛛(アシダカグモ/ハエトリグモ)
八本の強じんな足で獲物を捉える、生粋のプレデターである蜘蛛。多くの蜘蛛がゴキブリを捕食対象としており、とりわけアシダカグモとハエトリグモはゴキブリの天敵の筆頭です。
アシダカグモはゴキブリキラーとして非常に有名な蜘蛛で、全長10cmにも達する巨大な体が特徴。巨大な見た目からゴキブリ以上に恐怖感を抱きやすいものの、1日に10匹以上もゴキブリを食べてくれるとても有難い存在なのです。
同じ蜘蛛でも体長1cmほどで小さく可愛らしいのがハエトリグモ。ぴょんぴょんと楽しそうに跳ね回りながら動きます。小さいので大きなゴキブリは食べられませんが、ゴキブリの子どもを食べて減らしてくれますよ。
アシダカグモとハエトリグモは、どちらも巣を作らないで動き回る徘徊(はいかい)型の蜘蛛で、確実にゴキブリを減らしてくれます。もし見た目による不快感を許容できるなら、見つけ次第家の外に逃がしてあげると良いでしょう。
蜘蛛についてもっと知りたい方は、下記の記事も読んでみてください。
②猫
犬と同じく古来より人間のパートナーとして寄り添ってきた猫。現代は可愛らしい愛玩動物という役割が主ではありますが、元々は食物を荒らすネズミを捕まえる役目として重宝されていました。
猫の狩りの対象となるのは、何もネズミだけではありません。素早く動く黒い虫であるゴキブリも、猫の狩猟本能を大いに刺激するのです。好奇心旺盛な猫にとってゴキブリはオモチャのようなもの、文字通り死ぬまで追いかけ回してくれるでしょう。
しかし猫は本来雑食の生き物です。追いかけるだけでなくゴキブリを食べてしまう可能性もあるので注意しましょう。
猫がゴキブリを食べる詳しい説明は、下記の記事も参考にしてみてくださいね。
③ネズミ/ハムスター
猫には狩られる側のネズミですが、相手がゴキブリとなれば狩る側に回ります。ネズミは雑食性なので何でも食べ、中でも栄養豊富な昆虫類はごちそうでしょう。下水道に住み着くドブネズミや、人家の屋根裏に出没するクマネズミは、ゴキブリにとって特に天敵です。
とはいえ、ネズミも家に棲みつかれたら困る生き物です。発生しやすい状況や駆除については以下の記事を参考にしてみてください。
そして意外と忘れがちなのが、ペットとしてお馴染みであるハムスター。小さくて愛くるしいハムスターですが、彼らもネズミと同じく立派なげっ歯類の仲間です。
また都市部ではなかなか見る機会は少ないものの、リスも同じくネズミの仲間。どんぐりなどの木の実を食べるイメージが強いかもしれませんが、中には好んでゴキブリを食べるリスもいるのですよ。
④ムカデ/ゲジゲジ
昆虫界では蜘蛛と並びトップクラスのゴキブリハンターである生き物が、ムカデとゲジゲジです。どちらもゴキブリが大好物なので、ゴキブリ退治には心強い味方。ですが大半の人にとっては、嫌悪感の凄まじい見た目なのがネックですね。特にムカデは毒も持っているので、ゴキブリ以上に警戒すべき害虫と言えるでしょう。
蛇のようにくねくねと動くムカデは、毒がある上に攻撃性が高く非常に危険です。持っている毒はとても強力で、噛まれてしまうと激痛に襲われます。対処する時はくれぐれも注意してください。
ムカデと少し似ているゲジゲジですが、こちらは攻撃性や毒は無いので全くの無害。見た目は恐ろしいですがゴキブリを減らしてくれるため、むしろ益虫と呼ばれることもあります。
ゲジゲジの生態や予防策を知りたい方は、下記の記事も読んでみてくださいね。
⑤ハチ
ハチと言えば巣を作って花の蜜を食べているイメージがありますが、実は種類によって多種多様な生態を持っています。肉食性のハチも多く、ゴキブリはそういったハチのターゲットとなるのです。
日本で有名なハチと言えば、毒を持つ危険なスズメバチですね。彼らは狩りを行うハチで、成虫はゴキブリなどの昆虫を襲い、強じんなアゴで獲物を肉団子にしてしまいます。その肉団子は成虫が食べるのではなく、巣にいる幼虫にエサとして与えられます。
また中にはゴキブリに卵を産みつけ、生餌として体の中から幼虫を孵化(ふか)させる恐ろしい生態を持つハチも。嫌われ者のゴキブリですが、寄生されて残酷な方法で食べられるのは、なんだか少し可哀想な気もしますね。
⑥アリ
ゴキブリよりも小さいので意外に思うかもしれませんが、アリもゴキブリの天敵。アリもハチと同じく種によって食性が様々ですが、多くのアリは肉食で他の虫を襲います。
アリは巣を形成する社会的な虫です。卵を産む女王アリ・育児やエサの確保などの雑用をする働きアリ・狩りや巣を守る兵隊アリの役目をそれぞれが持っています。兵隊アリたちは例え自分よりも大きいゴキブリさえも、数の暴力を持ってエサにしてしまうのです。
⑦カマドウマ
カマドウマという虫をご存じでしょうか。コオロギとゴキブリを足して2で割ったような見た目には、嫌悪感を抱く人も多いでしょう。しかし生きているゴキブリだけでなく、死んだゴキブリも食べてくれる虫なのですよ。
カマドウマは暗くジメジメした場所を好み、古くはぼっとん便所付近によく出没したため「ベンジョコオロギ」の別名も。不気味な見た目で動きもぴょんぴょんと跳ね回るので恐れられがちですが、実はゲジゲジと同じく人間には特に害のない虫なのです。
⑧カマキリ
昆虫界の上位捕食者と言えば、カマキリを連想する人も少なくないでしょう。そのイメージに相違なく、カマキリはゴキブリも捕食対象としています。自分よりも小さいサイズのゴキブリであれば、あっという間に捕まえてたいらげてしまうでしょう。
カマキリの狩りは草花の上などの一カ所で、じっと獲物を待つ「待ち伏せ型の狩り」です。そのため家の中にいるゴキブリを食べる機会はあまりありませんが、近くにゴキブリがくればきっちりと食べてくれます。
余談ですが、カマキリとゴキブリは実は近い仲間の昆虫なのですよ。
⑨ヤモリ/トカゲ
ヤモリやトカゲなどの爬虫類もゴキブリのメジャーな天敵です。特にヤモリは古くから家に出るゴキブリなどの害虫を食べてくれることから、「家守」として親しまれてきました。地域によってはヤモリを縁起の良い生き物として、大切に扱う風習もあるほど。
同じくトカゲもゴキブリを食べてくれる存在です。自分よりも小さなゴキブリであれば、一口で飲み込んでしまうでしょう。反対にあまりに大きい種類のゴキブリは、口に入らないので食べない場合もあります。
⑩カエル
爬虫類に続き両生類もゴキブリを捕食します。両生類の中でも、ゴキブリをよく食べるのがカエルです。地表性のヒキガエルや樹上性のアマガエルなどは、昔から民家の近くに住んでいることが多く、家の外壁や中にまでやってくることも。
カエルは口が非常に大きく、獲物を丸呑みするように捕食します。そのためある程度のサイズのカエルなら、多少大きいゴキブリでもペロリと食べてしまうでしょう。
ゴキブリ退治(食べてもらう)目的でペットを飼うのはおすすめしない
ゴキブリを駆除してもらう目的でペットを飼育するのは、あまり現実的ではありません。ゴキブリを食べる動物は基本的にサイズがあまり大きくないので、家の中で放し飼いにはできないからです。猫や多少大きさのあるネズミは放し飼いでも大丈夫でしょうが「可愛いペットにゴキブリを食べさせるのがそもそも…」という方も多いでしょう。
またゴキブリを食べさせることで発生する、ペットへの健康被害も懸念しなければなりません。汚いところを好むゴキブリは、何を食べているか・どんな細菌を持っているかが分からないからです。
それこそ殺虫剤の成分が体に溜まっていたとしたら、そのゴキブリを食べたペットにも少なからず影響が出るでしょう。特に飼育している蜘蛛やムカデに、捕まえたゴキブリを与えるのは非常に危険。ゴキブリに効く殺虫成分なら、他の虫にも大きなダメージとなる可能性が高いでしょう。
ゴキブリを駆除したいのであれば、きちんとした駆除アイテムを使用するのがおすすめ。
下記の記事ではゴキブリ駆除のおすすめアイテムを紹介しているので、よろしければ参考にしてみてくださいね。
またゴキブリは塩やアルコールが苦手だったり、柑橘系や刺激系のハーブの匂いを嫌ったりします。ゴキブリが家にやってこないように予防したい時には、ぜひ役立ててみてください。
逆にゴキブリの天敵を家の中でよく見かけたら、ゴキブリが発生しているサインかも
時には蜘蛛やネズミが、家の中に紛れ込んでくることがあるかもしれません。しかし短い間に何度もゴキブリの天敵を見かける場合は、エサとなるゴキブリが大量に発生している可能性があります。
ゴキブリを駆除すれば、ゴキブリをエサとする生物も連鎖的に減っていきます。ゴキブリ発生のサインを見逃さず、駆除とその後の予防を行うようにしましょう。