ゴキブリにはハーブの香りが効果的と聞いたことはありませんか?
この話は事実ですが、注意点があります。ハーブの中でもゴキブリ除けに効果のあるものと、逆効果になるものがあるんです。
この記事では、どんなハーブがゴキブリに有効なのか・どんな使い方をすれば効果的なのかを解説していきます。
リラックス効果のある香りを楽しみながら、ゴキブリ対策をしてみませんか?
ハーブにはゴキブリに対して忌避効果がある!
ゴキブリは多くのハーブ・スパイスの香りを苦手としています。ハーブはゴキブリを「駆除・殺虫」するものではなく、「忌避」させるものとして使用できます。市販のゴキブリ除けアイテムにハーブが使用されていることもあるんですよ。
ハーブといってもたくさんの種類がありますが、ゴキブリへの効果はまちまちです。
- 非常に効果が高い:スペアミント、日本ハッカ、クローブなど
- ある程度効果がある:レモングラス、ユーカリなど
- 効果がない:アニス、バニラビーンズなど
個々のハーブについての詳細は後述しますが、全てのハーブ・スパイスが効くわけではない点に注意が必要です。
どうしてゴキブリはハーブを嫌う?
ゴキブリがハーブを嫌う理由は、香りの成分にあります。ハーブの中には、自身を雑菌や害虫から守るために、刺激性や抗菌性のある香り成分を出すものがあるのです。ガーデニング経験者であれば「ハーブには害虫がつきにくい」という話を聞いたことがあるかもしれませんね。それと同様に、ゴキブリも寄り付きにくくなるのです。
ゴキブリに特に効くと言われている代表的な成分は以下の通りです。
- チモール
- リモネン
- オイゲノール
いずれも清涼感や、刺激のある強い香りを持っているのが特徴で、強い抗菌・殺菌効果があります。後ほど、これらが含まれている効果的なハーブを紹介しますね。
ゴキブリ除けにハーブを使うメリット・デメリットと殺虫剤との比較
ゴキブリ除けにハーブを使う場合のメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
- 安全性が高い
- 姿を見なくて済む
- ハーブを育てている場合・アロマテラピーが好きな場合は、楽しみながらゴキブリ除けもできて一石二鳥
【デメリット】
- 殺虫力はほとんどない
- すでに家の中に巣がある場合は、効果が薄い
ハーブを使ったゴキブリ除けは、殺虫剤よりも効果が低いことがメリットでもあり、デメリットでもあります。「即効性や殺虫効果が無くてもいいから、できるだけ安全に・楽しくゴキブリ対策をしたい」という方におすすめです。
ハーブを使ってもゴキブリが減らないときの対策
ハーブを使ってもゴキブリが減らない場合は、以下のような対策があります。
- ゴキブリ用の毒エサをしかける
- くん煙剤(集合住宅の場合は、煙の少ないタイプも)を使う
- 害虫駆除専門の業者に依頼する
市販アイテムを活用したゴキブリ防止・駆除の方法は以下の記事で詳しく解説しています。
大量発生してどうしようもない場合は、駆除業者に徹底的に駆除してもらうのがおすすめです。地域で自分にぴったりの駆除業者を探す際は、是非「ミツモア」の一括見積もりをご利用ください。希望の条件に沿った業者を見つけることができますよ。
ゴキブリ除けおすすめハーブ8選!ブレンドに良いハーブや、NGハーブも紹介
ゴキブリ対策に押さえておきたいハーブを紹介していきます。以下の一覧を参考に、選んでみてください。
ハーブの種類 | エッセンシャルオイルとして使う | 乾燥ハーブ・スパイスとして使う | 植物のままで使う |
ミント/ハッカ | ○ | ○ | ○ |
ベチバー | ○ | ||
クローブ | ○ | ○ | |
柑橘類 | ○ | ○ | ○(果実を使う) |
ナツメグ | ○ | ○ | |
タイム | ○ | ○ | ○ |
キャラウェイ | ○ | ○ | |
ジョチュウギク | ○ | ○ |
ハーブをゴキブリ除けに利用する場合、次のいずれかの状態で使います。
- エッセンシャルオイル:アロマオイル専門店や通販で購入できる
- 乾燥ハーブ・スパイス:スーパーやネット通販で購入できる
- 植物のままで使う:ホームセンターなどで種や苗が購入できる
おすすめハーブ1:ミント/ハッカ
最も手に入りやすく、効果も高いハーブがミントです。ミントには様々な種類がありますが、特に「スペアミント」「日本ハッカ」に高い効果があることが分かっているので、迷ったらこのどちらかにするのがおすすめ。
エッセンシャルオイルや薬局などで購入できる「ハッカ油」を使用するのも良いでしょう。
おすすめハーブ2:ベチバー
九州大学の研究で「ゴキブリ忌避効果が極めて高い」と公表されたのが、イネ科のハーブ「ベチバー」のエッセンシャルオイル。ウッディーで湿った土のような独特な香りが特徴です。
ゴキブリ除け商品にも使われているように、効果は折り紙付き。様々なエッセンシャルオイルと相性がいいため、他のオイルとのブレンドも楽しめます。
おすすめハーブ3:クローブ
手軽で安価に手に入るのが、スパイスとして有名な「クローブ」。オイゲノールと呼ばれる成分が、強力なゴキブリ除けになります。海外の研究で、ゴキブリ除け効果が実証されている成分なんですよ。
お茶パックに入れる・スプレーにして振りかけるなどの使い方ができます。
おすすめハーブ4:柑橘類
レモンやグレープフルーツといった柑橘類にも、ゴキブリ除けの効果があります。有効成分は「リモネン」、柑橘の皮に多く含まれる成分です。
ゴキブリ除けとして使うには、エッセンシャルオイルやオレンジポマンダー(香り玉)などにすると良いでしょう。オレンジポマンダーの作り方は後述します。
柑橘類の香りは親しみやすく、ハーブ系の香りが苦手な人でも取り入れやすいのが魅力ですね。
おすすめハーブ5:ナツメグ
独特な香りのナツメグは、スパイスの一種です。料理に使用されるため、スーパーなどでも手に入りやすいのが嬉しいですね。
ゴキブリが苦手とする「オイゲノール」「リモネン」が含まれており、高い忌避効果があります。
ゴキブリ除けとして使うには、エッセンシャルオイルか、乾燥スパイスを使います。
おすすめハーブ6:タイム
タイムは高い抗菌・殺菌効果のあるシソ科のハーブです。「チモール」という成分に、ゴキブリ除け効果があると言われています。
カーデニングで育てやすい植物ですので、「ゴキブリ除けにハーブを育ててみたい!」という方にもおすすめ。爽やかな香りで、料理にも使いやすいハーブですよ。
ゴキブリ除けには、エッセンシャルオイル・乾燥ハーブ・植物のままの、いずれの使い方も可能です。
おすすめハーブ7:キャラウェイ
キャラウェイはゴキブリ抑制効果が高いと言われているハーブの一つ。種がスパイスとして利用されており、ゴキブリの苦手な「リモネン」が含まれています。育てることもできるため、栽培すれば庭のゴキブリ除けにもなりますよ。
ゴキブリ除けには、種の部分を乾燥させたものを使用します。
おすすめハーブ8:ジョチュウギク
蚊取り線香の原料として有名なジョチュウギク(除虫菊)は、ゴキブリ対策にも効果があります。昆虫・爬虫類・両生類の神経毒となる「ピレスロイド」という成分を含む植物です。
種が手に入りやすいので、お庭で栽培するのもおすすめ。かわいらしい花を咲かせますし、家周りのゴキブリ対策にもなるでしょう。
エッセンシャルオイルか、植物のままの状態で使いましょう。
ブレンドにもおすすめのハーブ
他のオイルとブレンドして使用するには、以下のようなものがおすすめです。
- レモングラス
- シトロネラグラス
- ユーカリ
前述した8つのハーブには劣るものの、それなりにゴキブリ除けの効果が見込めるハーブです。「楽しみながらゴキブリ対策をしたい」という方はぜひ利用してみてください。
ゴキブリを引き寄せてしまうNGハーブ
多くのハーブ・スパイスを苦手としているゴキブリですが、中にはゴキブリ好みのものもあるので要注意!以下のようなハーブは、くれぐれもゴキブリ除けとしては使用しないように注意してください。
- アニス
- バニラシード
- 山椒
ゴキブリ対策に効果的なハーブの使い方!
ゴキブリ除けとしてハーブを使う方法を5つ紹介します。
- エッセンシャルオイル
- ハーブスプレー
- ハーブパック
- アロマポット・アロマディフューザー
- オレンジポマンダー
いずれもゴキブリ除けとして使用するので、置く場所やかける場所が大事。ゴキブリの侵入経路となりやすい窓際や玄関、キッチン回りを重点的に対策すると効果的です。
各方法とも特徴が様々なので、自分にぴったりの方法を試してみてください。
エッセンシャルオイル(携帯性◎、持続性△、使いやすさ◎、費用○)
エッセンシャルオイルのみを用意し、ティッシュや布巾などに垂らして拭き掃除する方法です。特別な道具や機器を使うものではなく、普段の掃除にエッセンシャルオイルをプラスするイメージです。
原液のエッセンシャルオイルをそのまま使用するので、忌避効果も比較的高いのがメリット。日頃からできるゴキブリ対策として積極的に活用したい方法です。
【材料】
- エッセンシャルオイル
- 掃除用具
など
【使い方】
- 布巾やモップにエッセンシャルオイルを1・2滴垂らし、普段通り掃除します。
特にゴキブリが寄りつきやすい窓際・玄関周り・キッチンなどを掃除する際に使用すると効果的です。
ハーブスプレー(携帯性◎、持続性△、作りやすさ○、費用○)
アルコールでハーブの成分を抽出したミストスプレーを作り、ゴキブリ除けに使用する方法です。ゴキブリの侵入経路や隠れ場所にかけることで、ゴキブリを寄りつかなくさせる効果が見込めます。
小さめのボトルに入れて作るので、携帯性の良さが魅力。持ち運んだり、家の各部屋に常備できたりと、サッと使えるゴキブリ除けです。持続性は高くないので「掃除のときに必ずスプレーをする」など、習慣化しておくと良いでしょう。
【材料】
- エッセンシャルオイル
- 乾燥ハーブ・スパイス(エッセンシャルオイルがない場合は、乾燥ハーブ・スパイスで代用します。)
- 無水エタノール(ドラッグストアや薬局で購入可能、価格は500mlで1700円ほど。)
- 精製水(ドラッグストアや薬局で購入可能、価格は500mlで120円ほど。)
- ミストスプレーボトル
ミストスプレーボトルは、茶色などの色付きで遮光性のあるものを用意しましょう。使用期限はひと月程度なので、小さめのボトルでもOKです。ネット通販で数本まとめて購入すると安いですが、100均で1本ずつでも購入できます。
【作り方】
- 遮光性のスプレーボトルに、無水エタノール10mlと精製水40mlを入れます。
- ボトル内にエッセンシャルオイルを4,5滴垂らします。乾燥ハーブを使用する場合は、ボトルが溢れない程度まで乾燥ハーブ・スパイスを入れていきます。
- よく振り混ぜれば完成。乾燥ハーブ・スパイスで作った場合は、数日おくと成分がよく抽出されます。
エッセンシャルオイルや乾燥ハーブは、長期間放置すると成分が変質する可能性があります。直射日光を避けて保存し、作ったらひと月以内を目安に使い切るようにしてください。
ハーブパック(携帯性○、持続性◎、作りやすさ◎、費用◎)
乾燥ハーブをお茶パックに詰めて作るハーブパックは、手軽に作ることができるうえ効果が持続しやすいのがポイント。ゴキブリの侵入経路や隠れ場所に設置して使用します。たくさん作れば作るほど効果が増すので、気になる場所には複数設置しましょう。
赤ちゃんやペットによる誤飲誤食の危険性がないお宅におすすめの方法です。
【材料】
- 乾燥ハーブ・スパイス
- お茶パック(100均で買えるものでOKです。)
- 剥がれやすいテープ(マスキングテープなどが最適です。100均でも購入できます。)
【作り方】
- お茶パックの中に、乾燥ハーブ・スパイスをティースプーン1杯ほど詰めます。
- ゴキブリの侵入経路や、家の隅・家具の裏などに置き、剥がれやすいテープで固定します。
- 1年経過したら、新しいものに取り替えます。
香りは1年程度で無くなるので、1年おきに新しいものに入れ替えましょう。使い古したものは、庭や倉庫など家の外のゴキブリ除けとして再利用できますよ。
アロマポット・アロマディフューザー(携帯性△、持続性△、使いやすさ◎、費用△)
アロマポットなどを使い、エッセンシャルオイルの成分を空気中に拡散させる方法です。持続性はあまりないので、「焚いている間」のみ効果を発揮すると考えてください。効果を実感するには、夜間や夏場などゴキブリが出やすい時期・部屋に集中して試してみましょう。
【材料】
- エッセンシャルオイル
- アロマポットやアロマディフューザーなど、オイルを空気中に拡散させる機器(インテリアショップや、アロマオイル専門店で購入できます。価格は安いもので2,000円ほど。)
【使い方】
- エッセンシャルオイルをアロマポットやアロマディフューザーにセット(数滴垂らす)します。
- スイッチを入れます。
スイッチを押すだけなので手軽ですが、他の方法と比べて機器類の購入に費用がかかることと、エッセンシャルオイルの消耗が激しいことがデメリットです。アロマテラピーとしてのリラックス効果もあるため、趣味と実用を兼ねて使用するのがおすすめです。
オレンジポマンダー(携帯性△、持続性○、作りやすさ△、費用○)
西洋に伝わる魔除けの飾りで、オレンジなどの柑橘類の皮にクローブなどの香辛料を差し込んで作られます。ゴキブリが苦手とする「柑橘」「クローブ」を使用するため、天然のゴキブリ除けとして使用できる優れものです。
ただし、他の方法に比べて作るのに圧倒的に手間がかかります。工作が好きな人はぜひチャレンジしてみてくださいね。子供と一緒に楽しみながら作るのもおすすめです。
【材料】
- オレンジなどの柑橘類の果実
- 乾燥クローブ(ホール)
- シナモンパウダー
- リボンなどの飾り
【作り方】
- オレンジの果実を用意し、皮の上から乾燥クローブを均一に刺していきます。
- オレンジ全体に刺し終えたら、袋に入れて上からシナモンパウダーをまぶします。
- 風通しの良い日陰で、カラカラになるまで乾燥させます。
- リボン等で飾り付けし、部屋内に飾ります。
カビが生えないように上手に作るポイントは、梅雨や夏場を避けてひと月程度しっかりと乾燥させること。できあがったポマンダーはオレンジとスパイスが香る西洋菓子のような芳香がします。室内のインテリアとして飾り付けてください。
ハーブでゴキブリ対策をする際の注意点
ハーブを使ったゴキブリ除けには注意点もあります。次の5つのポイントに気をつけてハーブを利用しましょう。
- 効果が感じられないときは、オイルを優先して試す
- アロマオイルは天然成分100%のエッセンシャルオイルを使用する
- ハーブを育てるのであれば、鉢植えに注意
- 赤ちゃんやペットの誤飲誤食に注意
- ゴキブリが発生しないよう家を清潔に保つ
効果が感じられないときは、オイルを優先して試す
植物のままのハーブを使用しても効果が感じられない場合、エッセンシャルオイルを使ったゴキブリ除けを優先して試してみましょう。
理由はゴキブリ除け成分の濃度にあります。有効な香り成分だけを抽出したエッセンシャルオイルは、生のハーブ以上にハーブの持つ力が凝縮されているのです。
なお、生のハーブと乾燥ハーブであれば、水分が抜けた分成分が濃い「乾燥ハーブ」の方が効力は上。効果を早く感じたい場合は、エッセンシャルオイルや乾燥ハーブパックを使った対策を重視しましょう。
オイルは合成香料NG!天然のエッセンシャルオイルを使う
せっかくゴキブリ除けにアロマオイルを買ったとしても、合成香料のものではその効果は見込めません。ハーブの有効成分は、天然の香りの中に含まれているからです。
100均にもアロマオイルが売っていますが、ほとんどは合成香料によるもの。アロマオイルを購入するときは、専門店などで「エッセンシャルオイル」「精油」等の表記があるものを選んでください。
ハーブを育てるのであれば、鉢植えに注意
ゴキブリ除けにハーブを育てる場合、鉢植えは綺麗に保つことを心がけましょう。というのも、ゴキブリは堆肥のにおいや湿った土、水が大好き。鉢植えの水受けを放置したり、落ち葉や枯れ葉をそのままにしたりすると、逆にゴキブリを呼び寄せる原因になってしまうこともあります。
ハーブを育てるときは、ゴキブリ除け効果を最大限生かすため、ほったらかして管理しないように気をつけましょう。
赤ちゃんやペットの誤飲誤食には気をつけて
比較的安全性の高いハーブですが、赤ちゃんが大量に食べてしまったり、ペットがエッセンシャルオイルをなめてしまったりすると危険です。
特に、犬や猫にとっては毒性が強いものが多いので要注意。犬や猫はハーブの成分を体内でうまく分解できず、肝臓に多大な負担をかけることがあります。
赤ちゃんやペットがいる家でハーブを使うときは、絶対に誤飲誤食しないような場所に少量のみ設置するか、使用を控えましょう。
ゴキブリが発生しないよう家を清潔に保つ
ハーブによる対策以前に大事なのが、家の内外を清潔に保つこと。まずは、以下の対策が大前提です。
- 生ゴミは密閉し、放置しない。
- キッチンの油汚れ・食材カスはすぐに掃除する。
- 部屋のホコリを放置しない。
- 床にはなるべくものを置かない。
- 水回りの水分を拭き取る。
基本的な対策を徹底したうえで、ハーブを取り入れればより高い効果を感じることができますよ。
以下の記事では、ハーブや忌避スプレーなどゴキブリの嫌うアイテムを使う方法から、すき間テープやパテで侵入経路を物理的にふさぐ方法まで解説しています。
発生してしまったゴキブリの駆除は業者への依頼もおすすめ
すでに発生したゴキブリはハーブで駆除することはできません。
目の前のゴキブリを駆除するだけであれば殺虫スプレーが便利ですが、潜んでいる個体をまとめて駆除するにはくん煙剤や毒エサを使いましょう。
アイテムを使っても定期的に現れて困っている場合、業者に依頼して発生源から対処してもらうのもおすすめです。
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