浴室に窓があるかどうかは、浴室の環境や入浴中にさまざまな影響を与えます。窓の種類によって印象や浴室環境も変わるため、それを理解して選ぶのが大切です。
リフォームする際に覚えておきたい、浴室窓についての知識を解説します。
浴室窓の役割を知ろう
浴室窓の有無は、バスタイムにどのような影響を与えるのでしょうか?浴室窓の役割を見ていきましょう。
日光を取り入れて風通しも改善
浴室窓があれば日光の取り込みができます。窓から太陽の光が差し込むため、浴室が明るい印象になるだけでなく、直接日光があたることで殺菌効果が得られるのがメリットです。
風通しもよくなり、じめじめしがちな浴室の湿気対策ができます。浴室は温度や湿度の関係でカビが発生しやすい環境ですが、窓があればカビ予防にも効果的です。
浴室には換気設備がありますが、換気扇を回すだけでは空気を排出できても、新しい空気を取り込むことができません。窓を開けられれば、外から風が入ってきて、効率よく浴室の空気を入れ替えられます。
窓の有無で開放感が変わる?
浴室に窓があるかどうかによって、入浴時の開放感が大きく違ってきます。特に狭い浴室の場合、窓があるだけで広く見え、開放的な気分になれるでしょう。
庭に面した場所に浴室があれば、窓から庭を眺めることもでき、入浴中の楽しみが増えます。周囲の環境や窓の大きさによっては、窓を開けて入浴すると露天風呂のように感じられるかもしれません。
景観がよい場所でなくても、光を取り込む窓の近くに植物を置けば、リラックスしやすい空間を演出できます。
浴室に設置する窓の種類
浴室に設置する窓には、いくつかの種類があります。浴室窓によく使用される種類と、それぞれの特徴を見ていきましょう。
左右に開閉する「引き違い窓」
引き違い窓は左右に開閉する方式で、昔から一般的な住宅の窓として使用されてきました。レールの上を水平にすべらせて開閉し、開けたい幅を自由に調整できます。正面からの風を取り込みやすく、それ以外の向きの風を取り込みにくい構造です。
開け閉めがしやすいのが特徴ですが、大きさによっては容易に人が出入りできてしまう可能性があります。窓の高さによっては、外からの視線を感じやすいため、目隠しをするなどの工夫も必要です。
外側に開閉する「縦すべり窓・横すべり窓」
縦すべり窓と横すべり窓は、窓枠に取り付けられたレールに沿って、外側に開閉する仕組みです。縦すべり窓は上下にレールがあり、ドアのように開くタイプで、斜めに開いた窓に当たった風も取り込むため、正面以外からの風も取り入れられます。
横すべり窓は左右にレールがあり、シェードのような形に開く形です。雨のときに窓を開けても、中に雨が吹き込みにくい上、外からの視線を直接通さない形になるため、浴室に設置するタイプとして人気があります。
どちらも窓を閉めたときに、気密性が高いのが特徴です。
室内側に倒れて開く「内倒し窓」
窓の下部が固定されており、上部が室内側に倒れるように開くのが内倒し窓です。人が容易に通れない形状で、防犯面で非常に優れています。すりガラスにすれば、窓を開けていても外から内側が見えないため、浴室にもぴったりです。
外側に開く窓の場合、建物の外側に空間が必要になります。しかし、内倒し窓は室内側に倒れるため、周囲の環境を気にする必要がありません。また、すべり窓と同様に、窓を閉めたときの気密性は高いタイプです。
その他の窓の特徴
その他、浴室に設置される窓には、上げ下げ窓や出窓があります。上げ下げ窓とは、その名の通り上下に動かして開閉できる縦長の窓です。両方のガラスが動かせるものと、上部のガラスが固定されており、下部だけが動かせるタイプがあります。
引き違い窓の場合、すべりをよくするための戸車が付いているのが一般的ですが、上げ下げ窓にはそれがないため、気密性が高いのが特徴です。幅が狭いタイプなら、防犯性も高まるため、浴室窓として人気があります。
出窓は、壁から外に飛び出るように設置された窓です。室内側にはスペースができるため、浴室が広く感じられます。物を置くこともできるため、インテリア性が高い窓といえるでしょう。
浴室に窓を設置する際のポイント
浴室に窓を設置する際、どのような点に気を付ければよいのでしょうか?リフォーム前にチェックしておきたい、ポイントを紹介します。
一般的な窓の大きさと高さをチェック
浴室窓の大きさは、浴室のサイズや窓のタイプによって差があります。例えば引き違い窓なら、幅60~80cm、高さ80~120cm程度が一般的です。
上げ下げ窓や内倒し窓の場合は全体的にもう少し小さくなり、幅30~60cm程度になります。高さは窓の種類や設置環境によっても違いますが、防犯を考えて小窓にするなら、40~55cm程度にするケースもあるでしょう。
大きさを決めるときには、浴室の状況をチェックし、開閉のしやすさをイメージすることがポイントです。
防犯対策を万全にしておく
浴室やトイレの窓は、空き巣の侵入経路として使用されやすいため、防犯対策を万全にしておきましょう。人が入れない大きさなら安全と思うかもしれませんが、窓を割ったり、窓自体を取り外したりして侵入される可能性もあります。
防犯対策としては、面格子や目隠しシールが効果的です。面格子は窓の外側に設置する格子で、取り外さなければ侵入できません。
取り外すには時間がかかるため、空き巣から敬遠されやすいのがメリットです。おしゃれなデザインもあるため、自宅にぴったりのタイプを探してみましょう。
また、窓に目隠しシールを貼ると、外から内側が見えにくくなります。ガラスの飛散防止にも効果があり、後からでも比較的簡単にできる防犯対策として人気です。
浴室の寒さ対策も必要
浴室に窓があると、熱が窓から逃げてしまうのがデメリットです。冬場は浴室が冷えてしまう可能性もあるため、寒さ対策も重要になります。
窓のサッシを樹脂サッシにするのは、寒さ対策として効果的です。窓によく使用されるアルミサッシは熱伝導率が高く、浴室の熱を外に逃がしてしまいますが、樹脂サッシなら熱を通しにくい性質があります。
また、窓ガラス自体の対策として、ペアガラスに交換して断熱性を高めるのもおすすめです。その他、窓の内側に内窓を付けても、断熱効果が高められます
浴室の窓をリフォームする場合の費用
リフォームするときに気になるのが費用です。浴室の窓のリフォームには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか?
以下の関連記事は、浴室全体のリフォームにかかる費用を詳しく紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
以下の関連記事では、お風呂リフォームに関する費用相場を詳しく紹介しています。
浴室窓の施工にかかる費用相場
費用は施工内容や窓の大きさによって大きく差があります。例えば、樹脂サッシへの交換は30,000~250,000円、ペアガラスへの交換は20,000~200,000円が相場です。内窓や二重サッシを設置する場合は、50,000~300,000円かかります。
費用が特に大きくなるのが、周囲の壁を壊したり削ったりする作業が必要なケースです。窓のサイズ変更は、工法にもよりますが100,000~300,000円になります。浴室全体に関わる大きなリフォームになると、500,000円以上の費用がかかるかもしれません。
費用を安くしたい方は以下の関連記事を参考にしてみてください。浴室リフォームの際に使える補助金について紹介しています。
価格を左右する業者選びのポイント
費用は業者によって大きく異なるため、業者選びは重要なポイントです。一つの業者だけではなく、必ず複数の業者から相見積もりを取るように心がけましょう。
最低でも3社は見積もりを取ると、それぞれの業者の特徴や価格を比較しやすくなります。個別に業者のサイトから見積もりを依頼する方法もありますが、その場合、必要な情報を何度も入力しなければいけません。
複数業者への見積もり依頼は、お風呂リフォームの業者登録数日本最大級のミツモアを活用するのがおすすめです。ミツモアはお住まいの地域の郵便番号を入力したら、選択肢を選ぶだけの簡単な作業で、2分で見積もり依頼が完了します。
最大5社から提案と見積もりが届くため、後はチャットで依頼する業者を決めればOKです。
理想の浴室窓で快適なバスタイムを
浴室窓は浴室を清潔に保ったり、開放感をアップさせたりと、さまざまなメリットがあります。いろいろなタイプがありますが、自宅の浴室や周囲の環境にマッチした窓を選ぶことが大切です。
バスタイムを快適に過ごせるよう、理想の浴室窓を選びましょう。