ジャグジーは気泡を噴出させる浴槽設備です。バスタイムを充実させたい人は、ジャグジーの設置が理想のバスタイム実現につながるかもしれません。
ジャグジーのメリットやデメリット、さらには設置方法の種類や費用相場・業者の選び方を紹介します。
ジャグジーとは?
バスタイムを充実させたいときのアイデアとして、ジャグジーの設置を検討する人が少なくありません。
そもそもジャグジーとはどのような設備なのでしょうか?ジャグジーの概要とジェットバスとの違いについて紹介します。
気泡発生装置が付いた浴室設備
ジャグジーとはいわゆる「気泡風呂」をかなえてくれる設備です。
浴槽の横や下部に複数の穴が開いていて、無数の気泡やお湯が噴出されます。ぶくぶく泡立つお湯に癒やしや心地よさを感じる人は多く、スポーツクラブや温泉施設などでは非常にポピュラーな設備といえるでしょう。
ひと昔前まではどちらかというと特別感の高い設備でしたが、近年は一般家庭用の製品も豊富です。機能・価格面で我が家のニーズにあうものがみつかるでしょう。
ジャグジーとジェットバスの違い
ジェットバスはお湯や気泡を噴射する機能がついた浴槽全般を指します。ジャグジーと区別されることがありますが、基本的には「どちらも同じ」と考えて問題ありません。
両者の違いは機能や仕組みの違いではなく、「商標の違い」です。ジャグジーとは「JACUZZI社」の登録商標で、同社以外の商品は厳密にはジャグジーとは呼べません。
ジェットバスはJACUZZI社が開発したもので、「ジェットバス=ジャグジー」とイメージする人が少なくありません。そのため現在でも、ジェットバス全般について「ジャグジー」と呼ぶことが定着していると考えられます。
ジャグジーを後付けするメリット・デメリット
ジャグジーを浴室に設置すれば、家庭で気軽に気泡風呂を楽しめます。とはいえ安易に設置を決めると、後悔することになるかもしれません。
まずはジャグジーを後付けするメリット・デメリットを知り、納得したうえで導入を検討しましょう。
メリット
ジャグジーで期待できるメリットは、以下のとおりです。
- マッサージ効果
- 美肌効果
- リラックス効果
ジャグジーに入ると、気泡発生装置によって生み出された泡が次々と体に当たって破裂します。これによりマッサージ効果が生まれ、美肌につながるといわれているのです。
また気泡が肌を刺激するお湯に入ると、心地よくリラックスしやすくなるのもメリットの一つ。疲れていたり気分を変えたかったりするときに、ジャグジーは最適です。
とくに外気の温度が低くなる季節は、冷えによる心身の不調を感じることが少なくありません。家庭にジャグジーがあれば、マッサージ効果やリラックス効果をより実感しやすくなるでしょう。
デメリット
ジャグジーのデメリットには、以下のものがあります。
- こまめな清掃が必須
- 入浴剤の使用が制限される
- 振動・騒音
ジャグジーは噴射・吸込口・配管内部などの掃除が必要です。掃除を怠ると詰まりが発生して水流が弱まったり、故障したりする恐れがあります。
また目詰まりの原因となることから、ジャグジーでは入浴剤が使えません。入浴剤を入れる習慣がある家庭なら、これもデメリットとなります。
この他ジャグジーの稼働音・振動も注意すべきポイントです。音や振動のレベルは商品により異なりますが、大きな音・激しい振動のものも散見されます。集合住宅はもちろん戸建てでも、別途適切な防音対策が必要となるかもしれません。
選べる!ジャグジーの設置方法
「我が家にジャグジーを設置しよう」と決めた場合、主な設置方法は四つあります。どれを選ぶかで満足度やコストが変わるため、わが家のニーズにあうものを選びましょう。
家庭にジャグジーを設置するとき、選択できる4種類の方法を紹介します。
取り付け式
水流を生み出す装置を吸盤などで浴槽に取り付けるタイプです。現在の浴槽をそのまま使用できるうえ、設置工事もいりません。安価で扱いやすく、装置を購入したその日から気軽にジャグジー気分を楽しめるでしょう。
注意点としては「装置を設置した箇所からしかジェット水流が発生しない」「充電式かコード式でパワーが弱い」点です。本格的なジャグジーと比較すると水勢は圧倒的に劣るため、健康効果やリラックス効果を実感するのは難しいかもしれません。
通常のジャグジーと同等のレベルを期待する人には、どちらかというと不向きです。
マット式
ジェット噴射機能を持つマットを浴槽の底に設置して使います。マット全体にジェット噴射用の穴が開いているため、全身くまなく気泡をあてることが可能です。気泡が出るのは下からのみですが、使用感は本格的なジャグジーに近いといえます。
設置については専門的な知識や業者の手は必要ありません。浴槽工事も不要で、「すぐに使いたい」というニーズにも対応できます。
ただし購入の際は、マットサイズの確認が必須です。本体が浴槽の幅や長さにあわない場合は、ジャグジーのような効果を期待できません。
組み立て式
ビニールプールのように屋外やベランダなどに設置するタイプです。
空気を入れて膨らませるタイプが一般的で、一見すると頼りなく感じるかもしれません。しかし製品によってはパワフルなジェット噴射機能を備えているものもあり、本格的なジャグジーに遜色ない使用感のものもみつかります。
ただし組み立て式は、どちらかというとレジャー要素の強いアイテムです。「日々の入浴で癒やされたい」という人のニーズにはあわないかもしれません。
設置式
ジェット噴射機能が付いた家庭用の浴槽です。機能性・ジェット噴射力とも高く、家庭で本格的なジャグジーを楽しみたい人には最適です。
設置方法は、「浴槽が浴室と一体化しているかどうか」によって異なります。
ユニットバスで浴室と浴槽が一体化している場合、ユニットバスを丸ごと交換しなければなりません。一方、浴槽と浴槽が分離している場合は、浴槽だけの交換が可能です。
なお在来工法も浴室と浴槽が分離していますが、浴槽のみを交換したほうがよいとはいい切れません。浴室の仕様・形状によっては丸ごとユニットバスに変えることも検討したほうがよいでしょう。
設置に必要な費用は?
設置式のジャグジーを選択した場合、設置の状況や設置工事の内容などによって費用が異なります。家庭の浴槽を設置型のジャグジーにした場合、コストはどのくらいかかるのでしょうか?
ケースごとの費用相場について紹介します。
また、以下の関連記事では、浴室全体のリフォームの費用相場を紹介しています。浴室全体のリフォームを検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
ジャグジー設置にかかる費用相場
ジャグジーの設置にかかる費用相場をケース別にみてみましょう。
- 新築でジャグジーをオプションで選択する場合:追加費用として約150,000~300,000円
- 注文住宅でジャグジーを設置する場合:約500,000~2,000,000円
- 既設のユニットバスからジャグジーに変更する場合:約500,000~1,000,000円
- 既設の在来浴室からジャグジーに約800,000~1,600,000円
新築でオプションとしてジャグジーを選択する場合は、サイズがコストを左右します。標準より大きいサイズの場合は、製品代・工事費用がさらに上乗せされる点に要注意です。
一方注文住宅の場合は、ジャグジーのグレードによってコストが変わります。家庭でジャグジーに必要な機能・こだわり明確にしておくのがおすすめです。
またリフォームの場合は、浴槽だけを交換するか・浴室をすべて交換するかで費用は大きく異なります。
特に独自性の高い在来工法の浴室は、素人が設置方法や費用を予測するのは困難です。リフォーム会社に見積もりを取ってから費用を検討した方ほうがよいでしょう。
浴槽によっては高額になることも
浴室をリフォームしてジャグジーを設置する場合、設置工事の内容によって費用は大きく変わります。例えば「浴槽のみ交換」の場合は工事日数もさほどかからず、人件費や工賃をおさえられるでしょう。
一方「浴室を丸ごとユニットバスに変更」の場合は、浴室の解体作業を伴います。工事日数は必然的に多くなり、人件費・工賃も高額になるでしょう。工事ついでに給湯器や配管も交換が必要となれば、トータルの設置費用が想定外に高額になることもあり得ます。
以下の関連記事では、リフォーム費用を安くするための方法を紹介しています。使える補助金の種類や申請方法について紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
「ジャグジー機能付き」おすすめメーカー
ジャグジーを設置しようと決めたら、次は「どのメーカーにするか」を検討しなければなりません。ジャグジー機能が付いた浴槽をラインアップしているメーカーから、それぞれの特徴を紹介します。
TOTO
品質の高い水回り設備を提供するTOTOでは、「ブローバス」「エアブロー」という名称でジャグジーを販売しています。
ブローバスは、側面4カ所からブロー水流を発生させるタイプです。疲れた体をリフレッシュしたいときに最適で、優しい水流が足や腰を刺激します。
一方エアブローは、浴槽底面8~11カ所から気泡を発生させるタイプです。運転強度を3段階で調整できるほか、強弱を繰り返す「揺らぎウエーブモード」もついています。
トクラス
トクラスでは「フレッシュジェットe」というジャグジー機能を選択できます。
フレッシュジェットeはソフトなパルス噴流を発生させる設備です。噴射口は浴槽背面に二つあり、程よい刺激の噴流が背中を押してくれます。「連続」「ビート」の2種類のモードを切り替えれば、体調や気分に合わせた噴流を楽しめます。
またパルス噴流をソフトな「マイクロバブル」に変更できるのも、うれしいポイントです。スイッチを切り替えれば、ミクロの泡が体全体を包みます。ぽかぽか心地よいバスタイムを過ごせるでしょう。
リクシル
国内最大手の住宅用設備機器メーカー・リクシルのジャグジー機能は、「アクアジェット」と呼ばれます。
アクアジェットは、浴槽に設置された二つまたは四つの穴から噴流を吹き出す仕様です。設備にはコンパクトかつ低騒音のポンプが使用されているため、「稼働音がうるさいかも?」などと心配する必要はありません。
またユニットバス「スパージュ」には、肩や腰にウエーブ状の水流や噴流をあてられる「S」リラックステクノロジーが搭載されています。こちらを選択した場合も、ジャグジー同様にマッサージの心地よさを体感できるでしょう。
事前に把握を!ジャグジーのお掃除方法
ジャグジーを掃除せずに使っていると、お湯が汚れたりゴミが浮いたりすることがあります。きれいなお湯でのんびりできるよう、ジャグジーはこまめに掃除しましょう。
ジャグジーに付着しやすい汚れや掃除に必要なアイテム、掃除方法を紹介します。
ジャグジーの汚れの原因
ジャグジーの汚れの原因は、主に入浴剤や皮脂汚れなどです。これらは細菌やカビのエサとなるため、配管内部には細菌やカビも繁殖します。掃除せずにジャグジーを使い続ければ、お湯と一緒に汚れ・細菌・カビも噴出されるというわけです。
特に要注意なのが、大腸菌やレジオネラ菌といった人体に有害な細菌です。とくに小さな子どもが吸い込んでしまうと、深刻な症状を発症する恐れがあります。ジャグジーを稼働してゴミや汚れが浮かんでくるようになったら、早急な掃除が必要です。
お掃除に必要なアイテム
ジャグジーの掃除に必要なのは、以下のものです。
- 歯ブラシ・掃除用ブラシ
- 風呂釜洗浄剤
- パイプ洗浄剤
ジャグジーの掃除では、噴射吸込口やパイプ・配管内部をきれいにしなければなりません。
普段は歯ブラシや小さめの掃除用ブラシで、噴射吸込口の汚れを落とします。なるべくこまめに掃除するのが好ましいため、最低でも週に1~2回を目安に掃除しましょう。
また風呂釜洗浄剤は、ポンプ・配管内部・噴射吸込口内部の掃除に必要です。液体タイプ・粉タイプなどがあるので、使い勝手がよいものを選びましょう。
この他パイプ内部の掃除用には、パイプ洗浄剤があると重宝します。ワイヤー付きで自由な角度に曲げられたり先端にブラシがついていたりするため、パイプ内部の汚れをきれいに落とすのに最適です。
ジャグジーのお掃除方法
まず噴射・吸込口は取り外して、ゴミを取り除けばOKです。その後はきれいに水洗いして、元に戻しておきましょう。
一方パイプ・配管内部は、風呂釜洗浄剤で徹底的に掃除します。3週間に1度または月1回くらいの頻度で行うのがおすすめです。
掃除するときは以下の手順で行いましょう。
- 浴槽に約40℃のお湯をたっぷり張る
- 風呂釜洗浄剤を投入する
- ジャグジーを数分度稼働させる
- ジャグジーを停止し6~8時間放置する
- ジャグジーを15分程度稼働させる
- 排水する
- 再度水を張る
- ジャグジーを稼働させ5~15分のすすぎ運転を行う
風呂釜洗浄剤を使ってもきれいにならないときは、汚れがひどくたまっているということです。この場合は1カ月を目安とせず、より頻繁に掃除したほうがよいでしょう。
なお、風呂釜洗浄剤によって使い方は異なります。使用前にメーカーが推奨する掃除方法を確認することが必要です。
浴室リフォームをする際の業者の選び方
ジャグジーを設置する浴室リフォームには、それなりのスキルと提案力が必要です。安易に業者を選ぶと、コスト面や仕上がりに不満が残るかもしれません。納得のいくリフォームとなるよう、業者選びは慎重に行いましょう。
業者の口コミを確認
もっともよいのは、実際にリフォームをした人から話を聞くことです。
近所で浴室リフォームを行った家があれば、「工期の長さ」「対応の丁寧さ」「価格」などについて聞いてみましょう。実際にリフォームした人が好印象を語るなら、大ハズレを引く確率は低いといえます。
一方近所にリフォームした家が見つからない場合は、ネットで口コミをチェックするのもおすすめです。近年はリフォーム業者をおすすめするサイトやランキングサイトがたくさんあります。
よい口コミ・悪い口コミを確認し、納得できる業者をてピックアップしてみましょう。
施工の実績を確認
ジャグジー設置を希望する場合は、ジャグジー設置工事の実績が豊富な業者を選ぶことが大切です。
実績のある業者なら高い提案力を期待できる上、効率的な工事を心得ています。あなたのイメージに近い浴室リフォームを適正な価格で実現しやすくなるでしょう。
一般に業者の実績は、HPに掲載されています。もしも見つからない場合は、担当者に直接「これまでどんなジャグジー設置工事をしましたか?」などと聞いてみることをおすすめします。
きちんと事例を説明してくれる業者なら、信頼できます。
リフォーム業界の団体に入っているか
良質なリフォーム業者の多くは、信頼の置ける団体に加入することで、顧客の安心・安全を担保しています。団体加入には審査が必要なことがほとんどで、「団体に属していること」が良質な業者の証となるのです。
たとえば以下のリフォーム業界団体に所属している業者は、一定の水準を満たしていると考えられます。
- ベターライフリフォーム協会
- 良質リフォームの会
- 日本住宅産業リフォーム協会
- 住宅推進協議会など
ただし業界団体の中には、審査基準があいまいで誰でも加入できるようなものもあります。
「業界団体に入っているから安心」とするのではなく、「どのような主旨の業界団体に入っているのか」までしっかりチェックしましょう。
ミツモアで見積もりを取ろう
不満・不安のないジャグジー設置を実現するなら、複数の業者から見積もりを取ることが必須です。1社のみの見積もりだと価格やコストが適正か否か判断できません。複数社の内訳を確認することで、相場感がつかみやすくなるのです。
条件を設定して業者を選べば、最大5人のプロから提案や見積もりをもらえます。内容を適切に比較検討すれば、理想に合う業者がみつかるでしょう。
お風呂のリフォーム業者はミツモアで探す
自宅の浴槽をジャグジー付きに変えたい場合は、「浴槽だけの交換」「浴室を丸ごとリフォーム」の2種類のケースがあります。どちらを選択するかでコスト・工期は変わってくるため、我が家に必要なリフォームをきちんと把握しましょう。
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