お風呂の排水口には汚れやすい場所が3か所あります。
臭いやすい場所には3つの対処法があり、イヤな臭いを簡単に解消できます。
お風呂の排水口が臭くなる原因や掃除後に臭くなったときの対処法を紹介します。
お風呂の排水口で臭くなりやすいのはどこ?
お風呂は家の中でも特にたくさんの水を使うため、複数の排水経路が用意されています。
そのためどこかひとつを掃除しても臭いが解消されないということが少なくありません。
お風呂の排水口や排水経路で臭くなりやすいのは以下の3か所です。
以下の模式図で赤い丸がついている部分が汚れやすい箇所です。
① 浴槽の排水管
入浴後のお湯には皮脂や髪の毛などの老廃物のほか、細菌なども多く含まれています。
お湯を抜くと排水管を通って流れていくので、内部に汚れが付着しやすいです。
こまめな手入れが難しい部分でもあるので、汚れが蓄積して悪臭の発生源にもなります。
② 浴室の排水口の底
浴室の排水口はバスタブのすぐ横にあることが多いです。
排水トラップが設置されているので、もしここから悪臭がする場合は排水トラップや封水になんらかの原因がある可能性が高いです。
浴槽からの排水もシャワーを浴びた際の排水も、1度浴室の排水口の下に集まって下水に流れていきます。
排水が集まることで封水が作られますが、汚れも集まりやすい点に注意が必要です。
③ 下水に繋がる排水管
お風呂の排水は水温が温かく、汚れも水に溶けていることが多いです。
しかし下水に繋がる排水管近くまで来ると水温が下がり、溶けていた汚れが固くなったり沈殿しやすくなったりします。
すると汚れ同士がくっついて固まってしまい、つまりや悪臭の原因になります。
つまりや臭いを予防するには液体パイプクリーナーをこまめに使うことが有効です。
お風呂が急に下水臭くなったときの対処法は関連記事でも紹介しています。あわせてご覧ください。
お風呂の排水口が臭くなる原因物質
お風呂の排水口から漂うイヤな臭いの原因物質は大きく分けると以下の3つです。
これらの物質が集まって汚れになると、排水管をつまらせたり悪臭を発したりします。
臭いの原因物質について知り、効果的な除去方法を学びましょう。
髪の毛や皮脂などの老廃物
お風呂で髪や体を洗うと、髪の毛や皮脂などの老廃物が流れていきます。
身体から出る老廃物の主成分はタンパク質で、カビや細菌類が好むエサのひとつです。
排水管に溜まってしまい、いつのまにかヘドロのような汚れに変化することも少なくありません。
また髪の毛が原因の汚れやつまりは髪が長い人に特有の問題と勘違いしている人も多いですが、髪が短い方も注意しなければなりません。
ある程度長い髪であれば排水口に設置するヘアキャッチャー(目皿)に溜まり、ゴミとして捨てることで排水管への流入を少なくできます。
一方で短い髪はヘアキャッチャーをすり抜けて排水管に流入することもあるので、髪の長さに関わらず定期的なお手入れが必要です。
石鹸かす
石鹸かすとは、皮脂や石鹸の成分と水道水中に含まれるミネラルなどが結合した汚れを指します。
名前に石鹸が含まれているため、石鹸が発生原因と勘違いされることも多いですが、理論上は皮脂と水があれば発生します。
石鹸かすが排水口の臭いの原因になる場合、排水口の入り口や入り口付近の排水管にこびりついていることが多いです。
石鹸かすを落とすには酸性洗剤を使いましょう。
ナチュラルクリーニングでよく使われるクエン酸も酸性の洗剤のひとつですが、洗浄力が足りないこともある点にご注意ください。
黒カビ
黒カビは浴室だけでなく様々な場所で繁殖するカビです。
正式名称は「クラドスポリウム」といい、食べ物や衣類にも生える厄介なカビです。
お風呂場の場合はドアのゴムパッキンなど柔らかいところに根を張り、除去しづらいガンコな汚れになっていることも少なくありません。
繁殖力が高いので、黒カビを発見したら浴室全体を掃除することをおすすめします。
塩素系カビ取り剤を使うことで効率的に掃除ができます。
お風呂の排水口の臭いの対処法3選
お風呂の排水口からするイヤな臭いの原因は蓄積した汚れであることが多いです。
紹介する3つの対処法で蓄積した汚れを一網打尽にしましょう。
お風呂の排水口掃除についてもっと詳しく知りたい方は関連記事をご覧ください。
臭いやドロドロ汚れの除去方法、汚れ別におすすめの洗剤なども解説しています。
お風呂の排水口近くのヌメリを浴室用洗剤で落とす
お風呂の排水口周辺がヌルヌルしているときはカビが発生しやすい環境というサインです。
黒カビが繁殖を始める前に、普段の浴室掃除で使っている洗剤でヌメリを落としましょう。
ヌメリの落とし方は3ステップでとても簡単です。
- ヌメリに洗剤を噴霧する
- 掃除用のブラシでこする
- 流水で洗剤を流す
お風呂の排水口近くのヌメリの正体は石鹸かすや皮脂など老廃物をエサにして繁殖した雑菌です。
ピンクカビと呼ばれることもありますが、繁殖しているのは酵母菌の1種である「ロドトルラ」です。
繁殖スピードが速く、放置することで色素沈着を起こすので見かけたらすぐに掃除しましょう。
ロドトルラが繁殖できる環境は黒カビが繁殖しやすい環境でもあるので注意が必要です。
ロドトルラは黒カビの栄養になるので、早めに除去しましょう。
パイプクリーナーでヘドロ汚れを除去する
使い方はシンプルですが、髪の毛などを溶かせるほどの強力な薬剤なので、手指をはじめとした皮膚に直接つかないように注意しましょう。
パイプクリーナーの一般的な使い方は以下の通りです。
- 排水口カバーを外す
- パイプクリーナーを排水口から注ぎ込む
- 15~30分ほどつけ置きする
- 勢いよく水を流して薬剤を洗い流す
悪臭の予防目的であれば、使用量の目安は「パイプユニッシュPRO」であれば7~8プッシュです。
髪の毛や皮脂などの老廃物は酸性の汚れです。
酸性の汚れを落とすパイプクリーナーの成分はアルカリ性です。
アルカリ性の洗剤はとても強力なので、直接触れてしまうとただれなどの健康被害を受けることがあります。
液体パイプクリーナーを使う時には皮膚や喉、目を守るためにゴム手袋、マスク、ゴーグルを忘れずに着用しましょう。
ワイヤーブラシで配管の内側をこする
パイプクリーナーを使った後も臭いが改善されないのであれば、ワイヤーブラシで配管内部をこすり洗いしましょう。
汚れが配管にべったりとくっついている場合は物理的にこすらないと落ちません。
ワイヤーブラシそのものは100円均一ショップでも販売されています。
もしもワイヤーの柔らかさに不安が残るのであればホームセンターなどで排水管掃除向けのブラシを購入しましょう。
洗剤を使う場合は浴室用の中性洗剤を使いましょう。
ブラシに洗剤を吹きかけて、排水管内部を洗浄します。
注意点は汚れを落としたいからといって強い力を加えないことです。
排水管がどのように配置されているかは住宅によって異なります。
配置について熟知しているわけでないのならあまり深追いせず、ワイヤーブラシを使っても臭いが変わらないなら水道管の洗浄業者に依頼しましょう。
掃除をしてもお風呂の排水口が臭いときに試すこと
徹底的に排水口の掃除をしたにも関わらず、イヤな臭いが消えないこともあります。
そのような場合は以下2点をチェックしてください。
チェックをしてもこれといった不備が見つからないこともあります。
そのような場合は浴室全体に臭いがしみついていて、浴室クリーニングで臭いのもとをリセットしないといけないケースが多いです。
また排水管がつまっており、素人には手におえない事態になっていることも考えられます。
「解消されないならクリーニングを依頼する」を参考に、依頼する業者の選び方について確認しましょう。
排水筒がしっかりはまっているかチェック
掃除をしてから臭いが強くなった場合は排水筒が正しくセットされているか確認しましょう。
カチッと音がするまで筒を回さなかったことが原因で臭いが上がってきてしまうことは珍しくありません。
排水筒を既定の位置に設置しているにも関わらず臭いが変わらない場合は、排水トラップパーツの破損などが考えられます。
パッキンに破損がないかチェック
排水筒などのパーツを取り出してみて、パッキンに破損が無いかも確認しましょう。
パッキンはゴム製で他のパーツに比べると劣化が速い傾向があります。
ひび割れていたり、欠けていたりするのならパッキンを取り替えましょう。
作業ミスによってパッキンが装着されていないケースもあるので、賃貸物件でパッキンが装着されていなかった場合はまず管理会社などにご連絡ください。
解消されないならクリーニングを依頼する
掃除をして排水筒などに異常がないことを確認しても臭いが消えない原因は浴室にあるかもしれません。
浴室クリーニングを依頼して浴室全体をきれいにすると、臭いも消えて清潔な環境でバスタイムを楽しめます。
排水口付近ではなくもっと奥に汚れやつまりが発生しているのであれば、配管洗浄が必要です。
賃貸物件で排水管の洗浄を依頼するときは必ず管理会社や大家の許可を取りましょう。
洗浄中に排水管を破損させたり、住居に何らかのダメージを与えたりした場合は損害賠償請求を受ける可能性があります。
その他にも管理会社や大家とやり取りがある業者を紹介してもらえることもあるので、無許可で行うことはおすすめしません。
お風呂の排水口からの臭いを抑える3つの工夫
お風呂の排水口からの臭いが発生しないようにするには3つの工夫が効果的です。
排水口からする臭いの原因は、もとを辿ると汚れであるケースが非常に多いです。
汚れを防ぐにはゴミが溜まらないようにすることが重要です。
ゴミが溜まらないようにし、掃除を頻繁に行うと臭いも気にならなくなるでしょう。
こまめに掃除をして汚れを溜めないようにする
お風呂の排水口だけでなく、浴室全体をこまめに掃除して汚れを溜めないようにしましょう。
汚れが固まってしまうと酸性洗剤や塩素系のカビ取り剤など、様々な洗剤を用意し使い分ける必要が発生します。
ところが汚れが固定化する前に掃除をすることで、洗浄力が穏やかな中性洗剤でも十分に汚れを落とせます。
お風呂を上がる前に壁や床をシャワーで流すなど、ちょっとしたことで浴室は汚れにくくなります。
お風呂・浴室の簡単な掃除方法について、関連記事で解説しています。
ヘアキャッチャーを設置しゴミを取り除きやすくする
これはゴミ受けの役割があり、流れてくるゴミを集めて捨てやすくするためのものです。
浴槽が設置されたときに付属しているヘアキャッチャーの中には網目が大きく、ゴミがこぼれて行ってしまうものもあります。
目が細かい製品に切り替えるとより多くのゴミを確保できます。
ただし目が細かいヘアキャッチャーは排水に支障が出る可能性がある点にご注意ください。
こまめにヘアキャッチャーを確認してゴミが溜まっていないかを確認することで、排水不良を予防できます。
ヌメリ防止アイテムを使う
排水口に設置するだけでピンクヌメリの発生を抑えてくれるアイテムを使うことでも、臭いの発生確率を下げられます。
ピンクヌメリの正体はロドトルラという酵母菌です。
この菌そのものが悪さをすることは多くありませんが、ロドトルラが繁殖できる環境は他の細菌やカビ菌も繁殖できます。
ヌメリそのものを予防して、浴室の清潔を保ちましょう。
お風呂の排水口以外からも臭いがすることがある
お風呂の排水口を掃除したにも関わらずイヤな臭いが消えない場合、原因は排水口ではなく別の場所にある可能性が高いです。
イヤな臭いの例を挙げるので、症状とあうものがあるかご確認ください。
卵が腐ったような臭いのときは「風呂釜」をチェック
卵が腐ったような硫黄臭がするときは風呂釜や配管の汚れを疑いましょう。
追い炊き運転をすると皮脂汚れなどが混ざったお湯が配管や風呂釜に入り、内部に汚れを発生させます。
風呂釜の洗浄は市販の洗浄剤で簡単にできます。
風呂釜洗浄剤は粉末タイプや液体タイプ、タブレット(錠剤)タイプなど様々な形状があるので、使いやすいものや購入しやすいものを選ぶと良いでしょう。
関連記事では風呂釜洗浄のやり方やおすすめの洗浄剤について解説しています。
汗臭いときは「床や壁・タイルの目地」をチェック
浴室でムッと汗臭さを感じる場合は、床や壁・タイルの目地に皮脂汚れが固着している可能性が高いです。
ピンクヌメリになっている場合は中性洗剤を使って掃除をしましょう。
黒ずみや黒カビが発生している場合は「カビキラー」など塩素系カビ取り剤を使って徹底的に消毒・漂白をしましょう。
浴室内に発生した汚れについて、汚れの種類別に効果的な洗剤や掃除方法について知りたい方は関連記事もご覧ください。
カビ臭いときは「換気扇」をチェック
掃除後もカビ臭さを感じるのであれば浴室換気扇をチェックしましょう。
浴室換気扇にはホコリが付着しやすく、ホコリを栄養にしてカビが繁殖するケースが多いです。
お風呂に設置されている換気扇が分解できるタイプであれば自分でお手入れすることも可能です。
浴室の換気扇はカビが生えやすいので、半年に1度を目安にお手入れをしましょう。
特別な道具や洗剤は必要なく、中性洗剤や古い歯ブラシなどできれいにできます。
関連記事では詳細な掃除手順を解説しているのでぜひご一読ください。
カビ臭いときは「浴槽エプロン」もチェック
お風呂の換気扇を掃除してもカビ臭さが消えない場合は浴槽エプロンに問題があるかもしれません。
ユニットバスは浴槽の整形や保温効果の向上などの理由からエプロンと呼ばれるカバー状のパーツが設置されています。
浴槽エプロンの裏側はカビや汚れが発生しやすい部分です。
エプロンを外せる場合は自分で掃除が可能なので、定期的にお手入れをしましょう。
外せないタイプの製品も数多くあるので、取扱説明書などでエプロン着脱の可否を確認してから掃除をしましょう。
お風呂の排水口の臭さが改善されないときはクリーニングを検討しよう
自分でできる掃除などのお手入れをしても浴室の臭さが改善されないときは、浴室クリーニングの依頼がおすすめです。
クリーニングを依頼すると浴室の隅々まできれいにしてもらえます。
特別な道具や洗剤を使うプロもいれば、身近にある洗剤や道具などで見違えるほどきれいにしてくれるプロもいます。
相見積もりを取って業者を比較し、自分にあった業者に依頼しましょう。
ミツモアは相見積もりが取りやすく、比較も簡単です。
気になる業者とチャットでやり取りをして、ぴったりの浴室クリーニング業者を見つけましょう。