「ベンチャー企業とはどのような企業か」と聞かれたとき、正しく説明できますか。いざ説明しようと思ったときに、うまく説明できないと感じる人が多いかもしれません。ベンチャー企業の概要や特徴、国内のベンチャー企業が抱えている課題を解説します。
ベンチャー企業とは?
ベンチャー企業とは、どのような企業を指すのでしょうか。ベンチャー企業の概要について説明します。
独自の技術をもとに新しいビジネスを展開
ベンチャー企業とは独自の技術によって、リスクと戦いながら新しいビジネスモデルを作ろうとする企業です。「ベンチャー(venture )」とは日本語で「冒険」を意味します。
ベンチャー企業という言葉に明確な定義はありません。一般的には創業から約5年以内の企業を指すことが多く、比較的若い企業のことをベンチャーといいます。日本国内においてベンチャー企業が盛んな業界はIT業界です。
一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンターが2022年3月に発表した「直近四半期 投資動向調査」によると、国内にあるベンチャー企業の中で投資金額が多いのは「コンピュータ及び関連機器、ITサービス」でした。
参考:一般財団法人ベンチャーエンタープライズセンター「ベンチャーキャピタル等投資動向調査」
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ベンチャー企業の特徴
ベンチャー企業には、共通して見ることのできる特徴があるのです。まずはベンチャー企業の特徴について解説します。
既存の価値観を壊す人が集まる
ベンチャー企業の特徴として、固定概念や今までの価値観を壊したい人が集まる傾向にあります。ベンチャー企業の取り組みは、これまでになかったサービスを作る目的があるからです。
ベンチャー企業で働く従業員には、常に好奇心を持って業務にあたることが求められます。好奇心を持ち続けるには、既存のビジネスモデルに対して疑い続けることが大切でしょう。
既存のビジネスモデルに疑問を持ち、好奇心と挑戦心を持って業務にあたる人がベンチャー企業に集まっているといえます。
意思決定までのスピードが速い
ベンチャー企業は仕事上の決断スピードが速い特徴があります。経営者自身がおよぼす影響力が大きく、従業員の人数も少ないため、少数の考えて業務を推し進められるのです。
大企業の場合は新しい事業を始める際には、何度も会議に参加しなければなりません。物事が決定するまでの流れが複雑で多いため、業務に着手するまでには時間がかかります。
一方でベンチャー企業は、経営者の考えや選択によって業務を進めていきます。フットワークが軽いといえるでしょう。
このように一般的な企業とベンチャー企業の意思決定スピードには、大きな差があります。
経営者の考え方が強く表れる
ベンチャー企業は、経営者の考え方が強く表れる企業です。社長自ら表立って社員を引っ張っていく必要があるからです。
経営者には強いビジョンがあるため、情熱を持ってそのビジョンのために全力で業務をこなしていくでしょう。
そのような姿をみて、人によっては「ワンマン」と評価されることもあるかもしれません。ワンマンと呼ばれるくらいに、経営者が社員をリードしているのがベンチャー企業の特徴です。
変化に対しての対応力がある
ベンチャー企業には、変化に対応するための力があることも特徴のひとつです。大企業と比べると、ベンチャー企業の経営は安定していません。受け身だと変化に対応できず、すぐに会社の経営が立ちいかなくなってしまうためです。
ベンチャー企業で身に付けたスキルや知識は、後からすぐに新しい技術が出てくることが多く、古くなるスピードも早いでしょう。そのため常に知識をアップデートしていく必要があります。
刻々と変わる世の中の状況に対して、柔軟に対応できる人たちがベンチャー企業に集まっているのです。
ベンチャー企業の起業について
ベンチャー企業の理解を深めるために、ベンチャー企業がどのようにして起業するのか見ていきましょう。
ベンチャーキャピタルによる資金援助
ベンチャー企業の起業には、ベンチャーキャピタルによる資金援助が不可欠です。ベンチャーキャピタルとは、上場していない会社を対象に先行投資を行う投資会社です。
ベンチャー企業は財政面でリスクを抱えています。進めている事業が成功するかの未来が見えづらく、融資を受けるのが難しいためです。そのため事業を行うための資金を、ベンチャーキャピタルから受ける必要があります。
先行投資をしたベンチャー企業が成長し、企業としての価値が高くなったタイミングで株式を売却することによって利益を得ます。
ベンチャー企業の起業は、ベンチャーキャピタルによって支えられているといっても過言ではないのです。
起業する前のビジネスプランが大切
ベンチャー企業が起業する際には、ビジネスプランが重要です。あやふやな目的や計画で起業すると、起業しただけで終わってしまい失敗につながります。
ビジネスプランを立てる際には、「なぜ起業をするのか、どのような商品を売るのか」という目的を明確にしましょう。
企業したいという心理的な目的だけではなく、どのようなコンテンツを売るのか、ターゲットや単価はどうするのかなどを具体化するのです。
同時に失敗したらどうするのか、予測できないトラブルが起こったらどうするのかといったリスク対策まで事前に考えておく必要があるでしょう。
ベンチャー企業に対する日本の課題
国内ベンチャー企業の状況は、思ったように起業が進んでいないのが現状です。国内のベンチャー企業が抱えている四つの課題を解説します。
起業に挑戦する人が少ない
国内のベンチャー企業が抱える第一の課題は、起業する人が少ないことです。日本では失敗を恐れて、起業をためらう人が多いからです。
2021年5月にみずほ情報総研株式会社が発表した「起業家精神に関する調査報告書」によると「失敗することに対する恐れがあり、起業を躊躇している」の割合(失敗脅威指数)は38.5でした。
失敗脅威係数とは、数値が高いほどリスクを許容できる人ということです。
アメリカでは50.5、イギリスの56.2と比較すると、日本は他国と比べて起業をする際に「失敗したくない」と考える人が多いことがわかります。
課題解決には起業家との出会いの場を設けることや、学生のうちに起業体験をすることにより、起業に関する知識を広めるとよいでしょう。
参考:みずほ情報総研株式会社「起業家精神に関する調査報告書(令和2年度)」
新しく入社する社員の教育不足
国内のベンチャー企業は、新しく入ってきた社員への教育が不足しているという課題を抱えています。ベンチャー企業は基本的に人員が足りていないため、新人の教育を行う余裕がないからです。
ベンチャー企業は起業してから日が浅いため、目の前の業務で手一杯になりがちです。自分のことだけで精一杯な状況で、新しく入ってきた社員を教育する時間はなかなか取れないでしょう。
ベンチャー企業が人員を求めていても、育成する時間がないため採用事態が難しくなります。マニュアルの整備や人材教育のために多少の経営悪化を受け入れるなど、新しく入社した社員が活躍できる環境作りが必要です。
起業する人に対する評価が低い
日本では「起業家になる」と言うと、多くの人が賞賛よりも不安や未来への恐れを口にします。起業家への評価が低いのです。日本ではまだ起業文化が浸透しておらず、失敗を恐れる人が多いためです。
2021年5月にみずほ情報総研株式会社が発表した「起業家精神に関する調査報告書」によると、日本における起業活動浸透は23.3でした。ほかの諸外国を見てみるとアメリカは60.9、中国は2019年時点で66.2です。
これらの結果から日本では起業活動が浸透しておらず、起業活動がほかの先進国と比較して、活発ではないことがわかります。
起業活動を浸透させるためには、国が起業についての情報を活発に伝えていくことが重要です。
参考:みずほ情報総研株式会社「起業家精神に関する調査報告書(令和2年度)」
ベンチャー企業と混同しやすい組織や企業
ベンチャー企業と似たような言葉に、「スタートアップ・中小企業・社内ベンチャー」があります。それぞれのベンチャー企業との違いを説明します。
スタートアップとの違い
ベンチャー企業とスタートアップとの違いは、大きくわけてサービス面と収益性です。
サービス面では、ベンチャー企業は既存のビジネスモデルをもとにして、新しいサービスを作ります。対してスタートアップは、イノベーション(変革)を起こして今までの常識では考えられなかったサービスを作るのです。
収益性にも違いがあります。ベンチャー企業は中長期的に、着実な成長を遂げるため早い段階から黒字経営を目指します。
対してスタートアップは、土台となるサービスができるまで赤字で経営することになります。設立から数年の間は「死の谷」と呼ばれるほど過酷です。しかしこの期間を乗り越えることで、急激な成長を遂げて莫大な利益をあげることが多いのです。
中小企業との違い
ベンチャー企業と中小企業は、明確な違いがあるわけではありません。中小企業の範囲の中に、ベンチャー企業が含まれています。先述したようにベンチャー企業には定義はありませんが、中小企業には定義があります。
製造業やその他の業種は「資本金の額又は出資の総額が3億円以下」、もしくは「従業員の数が300人以下の会社」と定められています。
ベンチャー企業は中小企業と同じように従業員数が300人以下であることが多いため、中小企業の範囲内にいるといえます。
参考:中小企業庁「中小企業・小規模企業者の定義」
社内ベンチャーとの違い
ベンチャー企業と社内ベンチャーの違いは、ひとつの会社として事業を展開するのか、社内で一部門として事業展開するのかといった形態の違いがあります。
社内ベンチャー企業とは新たなビジネスモデルの開発のために、企業の中で独立した組織です。社内で発足したベンチャー企業のようなイメージとなります。
社内ベンチャーは、企業に蓄積されたノウハウや資金を活用できます。ベンチャー企業としてイチからはじめるよりも、リスクを軽減させつつ事業を展開できるでしょう。
しかし背景にいる親会社の意思決定に従う必要があるため、ベンチャー企業ほど自由度がないかもしれません。ベンチャー企業と社内ベンチャーには、事業展開の仕方に違いがあるのです。
ベンチャー企業について理解を深めよう
ベンチャー企業とはすでにあるビジネスモデルをもとに、新しいビジネスに挑戦する企業を指します。ベンチャー企業の特徴としては、今ある価値観を壊そうと考える人が集まることや、意思決定までのスピードが速い点があるでしょう。
国内のベンチャー企業が抱える課題として、アメリカや中国と比べるとベンチャー企業への投資金額が少ないことや、起業家への評価が低い点があります。
ベンチャー企業はこれから成長していく可能性に満ちているのです。
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