ミツモアメディア

不動産の売却にかかる費用一覧!仲介手数料や税金の計算方法を解説

最終更新日: 2024年04月10日

不動産を売るとき多くの人が気にするのは不動産の売却額です。しかし売却額がいくら高くても、売却に多くの費用がかかれば、手元に残るお金が少なくなってしまいます。不動産売却を検討するなら知っておきたい、売却にかかる費用を解説します。

不動産売却の費用1|仲介手数料

仲介手数料とは、売買契約が成立した際に不動産会社に支払う費用のことです。あくまで成功報酬のため、売買契約が成立しなければ負担する必要はありません。

仲介手数料は不動産会社が独自に設定できますが、宅地建物取引業法による上限が定められています。仲介手数料の上限(税込)は以下の通りです。

売却価格 仲介手数料の上限(税込)
200万円以下の部分 売却価格×5.5%
200万円超~400万円以下の部分 売却価格×4.4%
400万円超の部分 売却価格×3.3%

上記の上限を基に算出される売却価格別の仲介手数料(税込)の目安は、以下となります。

売却価格 仲介手数料の目安(税込)
2,000万円 72万6,000円
3,000万円 105万6,000円
5,000万円 171万6,000円

仲介手数料は、売買契約時と引き渡し時の2回に分けて払うのが一般的です。

不動産売却の費用2|印紙税

印紙税とは、経済取引で交わされる文書に対して課される税金です。課税される文書は契約書・手形・保険証券など20種類に及びます。

納める印紙税の税額は取引金額によって決まります。契約金額別の不動産売買契約書の印紙税額は以下の通りです。2024年3月31日までに作成されるものに関しては、軽減税率が適用されます。次の表は軽減税率適用後の印紙税額です。

取引金額 印紙税額
10万円を超え50万円以下 200円
50万円を超え100万円以下 500円
100万円を超え500万円以下 1,000円
500万円を超え1,000万円以下 5,000円
1,000万円を超え5,000万円以下 1万円
5,000万円を超え1億円以下 3万円
1億円を超え5億円以下 6万円
5億円を超え10億円以下 16万円
10億円を超え50億円以下 32万円
50億円を超えるもの 48万円

印紙税は、納める税額の収入印紙を郵便局や法務局で購入し、文書に貼り付けて、契約当事者双方もしくは片方が消印を押して納税します。

不動産売却の費用3|抵当権抹消登記費用

抵当権とは金融機関などの債権者が、融資を受けた物件(例えば住宅)を担保として、その物件から優先的に借金の返済を受ける権利を指します

例えば、住宅ローンを利用して家を購入した場合、購入した家(自宅)が抵当物件となり、その家を担保にして金融機関から融資を受けます。この場合、金融機関は債権者となり、ローンの返済が滞った際には、その家を売却して債務を回収する権利を持つのです。

債権者は第三者に権利を主張するため、抵当権の存在を登記簿謄本に登記します。記載された登記を削除する手続きが『抵当権抹消登記』です。

抵当権抹消登記にかかる費用は以下の通りです。

  • 登録免許税(抵当権抹消に必要な税金):不動産1個に対して1,000円
  • 事前調査費用(登記申請書を作るための費用):不動産1個につき332~600円
  • 抵当権抹消後に登記事項証明書を受け取るときにかかる費用:不動産1個につき480~600円

抵当権の抹消を司法書士に依頼すると、上記に加え司法書士手数料(1万5,000円前後)がかかります。

不動産売却の費用4|住宅ローンの返済手数料

不動産を売却するには、売却予定の不動産の住宅ローンを完済し、物件に設定されている抵当権を抹消する必要があります。手数料を支払って繰り上げ返済を実行し、住宅ローンを完済する手続きが欠かせません。

住宅ローンの繰り上げ返済手数料の額は、金融機関によって異なります。例えば三菱UFJ銀行では、申し込み方法別に下記のような手数料を設定しています。

  • インターネット:1万6,500円
  • テレビ窓口:2万2,000円
  • 窓口:3万3,000円

繰り上げ返済手数料の相場は1万~5万円程度です。

不動産売却の費用5|譲渡所得税

不動産の売却で得るお金にも税金がかかります。それが譲渡所得税です。譲渡所得税とは、不動産の売却益に対して課せられる所得税や住民税の総称です。譲渡所得税の基礎知識を解説します。

所有期間5年を境に税率が変わる

不動産の譲渡所得税は、所有期間が5年以下か5年超かによって税率が異なります。5年以下の短期譲渡所得の場合、税率は通常高く設定されます。

譲渡所得税の計算方法は『(譲渡所得 – 特別控除額)× 税率』です。譲渡所得は『譲渡収入金額 – 物件の取得費 – 売却にかかった諸経費』で計算されます。この計算式では、物件の売却から得られた収入から、その物件の購入や売却にかかった費用を差し引いた額が、課税対象の所得となります。

売却予定の不動産の所有期間が5年以下の場合、当該不動産は『短期譲渡所得』と見なされ、税率は39%(所得税30%・住民税9%)です。所有期間が5年を超えるケースでは、当該不動産は『長期譲渡所得』と見なされ、税率は20%(所得税15%・住民税5%)となります。なお、この税率に復興特別所得税(2.1%相当)を上乗せすると、それぞれ39.63%、20.315%となります。

税金控除の特例4つ

譲渡所得税の計算で適用される代表的な特例は以下の通りです

  • 居住用財産の3,000万円特別控除
  • 居住用財産の長期譲渡所得の軽減税率
  • 居住用財産の買換え特例
  • 譲渡損失の繰越控除

居住用財産の3,000万円特別控除』とは、マイホームを売却した際に適用される控除のことです。譲渡所得から最大3,000万円が控除されます。

居住用財産の長期譲渡所得の軽減税率』とは、10年を超えて保有しているマイホームを売ったときに適用される特例です。譲渡所得が6,000万円以下の部分に関して、所得税を計算するときに用いる税率が10%になります。

居住用財産の買換え特例』とは、マイホームを買替えて旧居の売却価格よりも新居の購入価格が高い場合に適用される特例です。譲渡所得にかかる所得税と住民税を将来に繰り延べられます。

譲渡損失の繰越控除』とは、住宅ローンの残債よりも低い価格で旧居を売却したときに適用される特例です。他の所得から譲渡損失を差し引けるようになり課税所得が減るため、納める所得税が安くなります。

不動産売却の費用6|その他の諸費用

不動産売却にはその他にもこまごまとした費用がかかります。不動産売却にかかる費用を漏れなくチェックしておきたいのであれば、主たる費用ではない諸費用もしっかり精査しておきましょう。不動産売却にかかるその他の諸費用を紹介します。

測量費用

測量費用とは、土地の境界を示す境界標がずれていたり、なくなったりして、土地の境目がはっきりしない不動産を売却する際に必要な『確定測量』にかかる費用です

確定測量とは、隣接する土地の全ての所有者立ち会いの下、土地の境界線を確認する測量のことです。精度が高い測量方法のため、隣地所有者とのトラブルが起きにくいとされています。

土地の境目をはっきりさせないまま不動産を売ると、境界線の位置で、隣接する土地の所有者ともめる可能性があります。測量費用の相場は約50万~100万円です。

解体費用

解体費用とは、建物を解体して更地として売りに出す場合に求められる費用です。物件のコンディションによっては、更地にした方が買い手がつきやすいケースがあります。

解体費用は、建物の構造や建材の種類によって異なります。費用の相場は下記の通りです。

価格は戸建て住宅として一般的な延床面積(30~35坪)で計算しています。

  • 木造:坪単価4万~5万円程度で総額120万~175万円程度
  • 鉄骨造:坪単価6万~7万円程度で総額180万~245万円程度
  • 鉄筋コンクリート造:坪単価7万~8万円程度で総額210万~280万円程度

頑丈な建材ほど廃棄しづらいため、木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート造の順で費用が高くなります。

ハウスクリーニング費用

ハウスクリーニング費用とは、専門の業者にクリーニングを依頼する場合に求められる費用です。住宅のコンディションが悪い場合、内覧前のハウスクリーニングが、プラスに働くケースがあります。

ハウスクリーニングのメリットとして代表的なのが、購入希望者が増える効果です。室内がきれいだと内覧での印象が良くなるので、購入希望者を増やせる見込みが高まります。

ハウスクリーニングにかかる費用の相場は下記の通りです。

  • 浴室:1万5,000~2万円
  • トイレ:8,000~1万1,000円
  • キッチン:1万5,000~2万5,000円

劣化が目立ちやすい水回りを中心に行うと良いでしょう。

不用品処分費用

不用品処分費用とは、不動産に設置されていた家財道具の処分にかかる費用です。不動産を引き渡す際には、家の中を空っぽにしておく必要があります。処分にかかる費用の相場は、戸建てなら15万~50万円程度です。

不用品処分費用を安く抑えたいなら、業者に一括して処分を依頼するのではなく、一部の家財道具を粗大ごみとして回収してもらうのがおすすめです。

状態の良い品物はフリマアプリやオークションで売るのも良いでしょう。出品作業や発送作業などに手間はかかるものの、費用をかけずに不用品を処分できます。

契約関連書類の発行手数料

契約関連書類の発行手数料とは、売却に必要な書類を集めるのにかかる費用です。代表的なのが『固定資産評価証明書』の発行手数料です。

固定資産評価証明書とは、土地や建物などの評価額を証明する書類を指します。不動産がある市区町村役場で取得可能で、申請書と手数料(手数料相当分の定額小為替)を送れば郵送でも取得できます。かかる手数料は300円前後です。

『印鑑証明書』も不動産売却に必要な書類の1つです。不動産売却では、所有権移転登記の際に本人であることを証明するために提出します。印鑑の新規登録はおおむね無料で、発行には1通あたり300円程の費用がかかります。

不動産売却にかかる費用を抑えるコツ

不動産を売るなら、売却に関する費用を安く抑えて、手元に残るお金を少しでも多くしたいと思うものです。売却にかかる費用を抑えるポイントを紹介します。上手に実践して、損のない不動産売却を実現しましょう。

税金控除の特例を活用する

不動産売却にかかる費用を削減するには、譲渡所得の控除に関する特例を賢く利用するのが大切です。

例えば、相続もしくは遺贈で取得した居住用財産を売った場合に適用されるのが『被相続人の居住用財産(空き家)に係る譲渡所得の特別控除の特例』です。譲渡所得から最大3,000万円が控除されます。

公共事業のために不動産を売った場合に適用されるのが『収用等に伴い代替資産を取得した場合の課税の特例』です。旧居を売った金額よりも新居を買った金額が多いとき、所得税の課税を繰り延べられます。売った金額より買った金額が少ないときはその差額を収入金額として譲渡所得の金額の計算します。

複数社の査定を比べて優良な不動産会社を選ぶ

不動産売却にかかる費用を節約したいなら、慎重に不動産会社選びを行いましょう。支払う仲介手数料に見合った仕事をしてくれる不動産会社を見つけないと、コストパフォーマンスが下がってしまいます。

不動産会社を選ぶときは、複数の不動産会社に査定を依頼し、査定額や仲介手数料を比べましょう

ただし費用を抑えたいからといって、仲介手数料の安さだけで不動産会社を選ぶのは禁物です。仲介手数料が安くても販売力が乏しければ、そもそも期待したような売却が実現できません。あくまで『支払う仲介手数料の分だけしっかり仕事をしてくれるか』という視点を大切にしましょう。

不動産売却費用を抑えるには不動産会社選びも重要

不動産売却を行うとさまざまな費用がかかります。印紙税のように売却価格に応じて一定額がかかる費用もあれば、譲渡所得税のように多様な特例が設けられている費用もあるので、費用を安く抑えるには、費用それぞれの特色を知っておくことが重要です。

不動産売却にかかる費用を抑えたいなら、まずは仲介手数料に着目しましょう。仲介手数料は不動産会社が独自で設定できるので、仲介手数料が安い不動産会社を選べれば、かかる費用を削減できます。

仲介手数料の安さだけで不動産会社を選ぶのはおすすめできませんが、仲介手数料は不動産会社を選ぶ上で重要なポイントの1つといえます。一括査定を利用して、仲介手数料が安くて販売力のある不動産会社を探しましょう。

不動産売却・査定の見積もりを依頼する

サービス提供事業者さま向け
ミツモアにサービスを
掲載しませんか?
ミツモアにサービスを掲載しませんか?

ミツモアは依頼者さまと事業者さまをつなぐマッチングサイトです。貴社サービスを登録することで、リードの獲得及びサービスの認知度向上が見込めます。 さらに他社の掲載サイトとは違い、弊社独自の見積システムにより厳選されたリード顧客へのアプローチが可能です。 もちろん登録は無料。 ぜひミツモアにサービスをご登録ください。