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マンション売却の流れを解説!スケジュール感や必要な手続きが詳しく分かる

最終更新日: 2024年07月29日

マンションの売却に必要な作業は、書類の準備から引き渡しまで多岐にわたります。売却の各過程やスケジュールを把握しておけば、マンション売却をスムーズに進めることが可能です。それぞれの作業にかかる時間の目安や、売却を進めるコツを見ていきましょう。

監修者

髙杉義征

髙杉義征(セカイエ株式会社元執行役員/宅地建物取引士)

株式会社日京ホールディングスの元取締役、セカイエ株式会社の元執行役員を経て、現在は株式会社ミツモアの事業部長として全体を統括。一貫して不動産業界に携わり、不動産仲介会社、不動産管理会社、不動産テック企業での経験を有する。不動産売却希望者と不動産会社をマッチングするサービスでは、執行役員として事業立ち上げからグロースまでを担当。また、不動産関連のセミナーやライブ配信にも登壇している。

マンション売却の全体の流れとスケジュール感

マンション

マンションを売却するには、売却前の準備や売却活動などさまざまな作業が必要です。マンション売却前に必要な以下の作業にかかる時間は、1カ月前後といわれています。

  • 必要な書類の準備(数日~1週間)
  • 査定を依頼する(1週間程度)
  • 不動産会社を選び媒介契約を結ぶ(数日~1週間)
  • 販売価格を決める(数日~1週間)
  • 付帯設備表を記載する(数日~1週間)

続いてマンションの売却や売却後の作業にかかる時間の目安です。売却活動の開始から引き渡しまでには、5~6カ月程度かかると考えておきましょう。

  • 売却活動を行う(3カ月程度)
  • 売買契約を結ぶ(1~2カ月)
  • 引き渡しを行う(1~2カ月)
  • 確定申告(1週間)

マンションを売却した翌年には確定申告を行います。確定申告も含めて、作業全体に半年以上の時間がかかることを覚えておきましょう。

売却前の準備「1~2カ月」

実際にマンションを売却する前に、不動産会社と契約を結ぶ必要があります。マンション売却の成功に欠かせない、売却前の準備についてチェックしましょう。

書類を準備する

マンション売却に必要な書類には、不動産会社に渡すものとマンションの買主に渡すものの2種類があります。用意すべき書類を確認しましょう。

  • 本人確認ができる書類(運転免許証やマイナンバーカードなど)
  • マンションの管理規約
  • マンションの間取り図(パンフレットなど)
  • 権利証(登記識別情報通知書)
  • 売買契約書
  • 登記簿謄本か登記事項証明書
  • 固定資産評価証明書か固定資産税納税通知書
  • 土地測量図・境界確認書
  • 建築確認済証・検査済証
  • 耐震診断報告書
  • 長期優良住宅など住宅の性能を証明する書類

書類の中には発行にある程度時間がかかるものもあるため、市区町村役場などで早めに入手しておくのがおすすめです。提出が遅れて全体のスケジュールが滞る事態にならないよう、余裕を持って行いましょう。

またマンションの権利証は一度発行すると、再発行ができないのが特徴です。紛失してしまった場合は失効手続きを行う必要があり、手間がかかるため、注意が必要です。

査定を受ける

書類の準備と並行して、マンションの査定を行います。不動産会社に査定を依頼してから結果が出るまでには1週間以上かかるため、依頼を行った後に書類の準備を始めれば時間を節約できるのがメリットです。

机上査定ではなく実際に訪問してもらう形で査定を行うには、室内の状況を確認しなければいけません。都合に合わせて、不動産会社が訪問する日程を決めましょう。

机上査定は過去の事例からおおよその金額を出すことが可能ですが、正確な査定額を出すためには訪問査定が必要です。室内の傷などはそれほど査定に影響しませんが、訪問前に軽く掃除をしておくとよいでしょう。

不動産会社と媒介契約を結ぶ

複数の不動産会社の査定を受けた場合、その中から1社を選んで媒介契約を締結します。媒介契約を結ぶことで、不動産会社がマンションの宣伝を行ってくれるのが特徴です。

媒介契約には『専属専任媒介契約』『専任媒介契約』『一般媒介契約』の3種類があり、それぞれ異なるメリット・デメリットがあります。一般媒介契約なら複数の会社と契約できますが、一方でサポートをあまり望めないのがデメリットです。

初めての売却なら、担当者のサポートが受けられる専属専任媒介契約専任媒介契約がおすすめです。希望する引き渡し日があるなら、日程を逆算して引き渡しの3カ月前には契約を結んでおきましょう。

販売価格を決める

不動産会社と契約を締結したら、マンションの販売価格(売り出し価格)を決定します。希望額があったとしても、あまりに値段が高いと買主が見つかりにくいため、担当者とよく話し合って決めましょう。

マンションの販売価格は、似たような条件の物件の有無や市場環境からも大きな影響を受けます。下限となる価格を決めた上で、相場からそれほど離れていない値段にするのが基本です。

少しでも高い値段でマンションを売却したいなら、売却に適したタイミングを見極めるのも重要といえます。売りに出ている物件を小まめにチェックしたり、担当者の意見を聞いたりして販売価格を決めるのもポイントです。

付帯設備表を記載する

付帯設備票とは不動産を売却する際に、どの設備を引き渡すか記載したリストです。インターネット回線の有無や暖房など、どのような設備があるのかを、買主に分かりやすく伝える目的があります。

設備に故障などの不具合があった場合は付帯設備票で報告するため、必要な情報をきちんと記載しましょう。書き方が分からないなら、不動産会社にアドバイスを求めるのもよい方法です。

付帯設備票にはマンションに何が付属しているかを明確にする役割があり、買主とのトラブル予防にも役立ちます。売却後のトラブルを避けるためにも、細かな情報まで不備がないよう記載するのがポイントです。

売り出し開始「1~3カ月」

マンションの売却活動が始まった後は、マンションに興味を持った買主候補とのやりとりが始まります。マンションの内覧など、売主側が行うべき対応を見ていきましょう。

内覧準備(掃除など)と内覧の対応をする

マンションの購入を考えている人が現れたら、まずはマンションの内覧を行います。相手に清潔感のある印象を与えるためにも、内覧前には必ず掃除を行うのが一般的です。

マンションに住み続けている場合は、整理整頓をしたり目立つ汚れを拭いたりと丁寧に掃除をしましょう。人が住んでいない場合は室内に空気がこもることもあるため、事前に換気をしてにおいを取るのも効果的です。

内覧は基本的に不動産会社が対応しますが、売主が立ち会うケースも珍しくありません。質問への回答も必要になるため、きちんと説明できるよう事前に練習しておきましょう。

購入希望者と条件交渉をする

内覧を経てマンションの購入希望者が見つかったら、買主と売主の間で価格交渉が始まります。希望している売却価格より低い価格を提示されるケースもあるため、どこまで譲歩できるかを考えておくのも大切です。

なるべく希望に近い額で売却したいと思っても、相手の要望を聞かなければ購入してもらえない可能性もあります。購入希望者から出された条件は、ある程度受け入れるようにしましょう。

売却活動をスタートしてから購入の申し込みまでにかかる期間は、3カ月ほどが目安です。互いに納得できる条件が見つけられるよう、丁寧に交渉を進めましょう。

売却後の手続き「1~2カ月」

マンションの売却が決まったら、買主への引き渡しを行う段階に進みます。ローンの返済や引き渡しの際に用意するものなど、買主の決定後に必要な作業を確認しましょう。

買主と売買契約を結ぶ

価格交渉がまとまったら、買主との売買契約を締結します。契約日に行われるのは契約書への押印や手付金の授受などで、物件の引き渡し日とは異なる点に注意が必要です。

売買契約を結ぶ際には、売買契約書・重要事項説明書・物件状況報告書などの書類が必要になります。これらの書類は不動産会社の担当者が用意してくれるのが一般的です。

売買契約では説明書や契約書といった重要な書類の読み合わせに、2~3時間程度かかります。売主側が複雑な手続きを行う必要はありませんが、印鑑や本人確認ができる書類を忘れずに用意しましょう。

ローンを返済する

マンションの住宅ローンが残っている場合は、引き渡しの際にローンを一括返済しなければいけません。ローンの残債がある住宅には抵当権が設定されており、抹消手続きをしなければ売却できないのが特徴です。

抵当権とは銀行などの金融機関が物件を担保に取る権利であり、抵当権抹消にはローンの完済を含めた手続きが必要になります。司法書士に依頼して抵当権抹消登記を済ませるのも、必要な手続きの1つです。

マンションの売却額がローンの残債より多ければ、一括返済が可能になります。残債が売却額を上回るオーバーローンの状態なら、一括返済ができるよう不足分の資金を用意しておかなければなりません。

家を引き渡す

マンションの引き渡しは、売買契約の締結から1~3カ月ほどの時間を空けるのが一般的です。買主と売主だけでなく、不動産会社や司法書士が同席して決済を行います。

引き渡し日には住民票や固定資産税・都市計画税納税通知書などの書類を不備なく用意することも重要です。マンションの鍵や残代金の受け渡しもまとめて行うため、トラブルが起こらないよう丁寧に対応しましょう。

また引き渡し日は不動産会社や司法書士に、仲介手数料を支払う日でもあります。マンションに居住者がいる場合、この日までに部屋を空室にしなければならないため、計画的に準備を進めましょう。

翌年の2~3月には確定申告を

確定申告はマンションを売却した翌年の、2月16日~3月15日の間に行う決まりになっています。譲渡によって利益が発生した場合は、譲渡所得税が発生するのがポイントです。

マンションの所有期間が5年を超えているかどうかによって、譲渡所得税の税率が異なるため、正確に計算しましょう。確定申告をせずにいると、延滞税などのペナルティが発生する可能性があるため注意が必要です。

マンションの売却によって損失が出た場合も、申告することで控除を受けられる可能性があります。節税を考えているなら、期間内に確定申告を忘れず行いましょう。

マンション売却をスムーズに進めるコツ

マンションの売却を成功させるには、不動産会社のスキルや担当者との関係も大切です。マンション売却をスムーズに進めるためのポイントを解説します。

不動産会社選びが何よりも重要

マンションの売却を成功させるには、どの不動産会社と契約するかが大きなポイントといえます。買主を見つける上では売却活動が重要なため、効果的な宣伝を行ってくれる優秀な不動産会社を選びましょう

経験豊富な不動産会社なら、相場に応じた適切な販売価格を提案してくれるのもメリットです。初めての売却にチャレンジする場合は、説明の分かりやすさやサポート面を重視しましょう。

売却のタイミングやスケジュールの決め方も、会社によって異なります。マンション売却の成否は不動産会社にも左右されるため、焦らずに複数の会社を検討するのがおすすめです。

担当者の知識量や実績を確認してから媒介契約を結ぼう

不動産会社といっても、全ての会社がマンションの売却に長けているわけではありません。公式サイトなどを確認して、マンションの売却実績があるかどうか事前にチェックするのも大切です

マンションをスムーズに売却するには、担当者のスキルや意欲も重要な要素といえます。説明を聞きながら、担当者に十分な知識があるか、信頼できる相手かどうか見極めましょう。

物件を売却する適切なタイミングを理解し、丁寧に対応してくれる担当者がいる不動産会社を選ぶのがベストです。疑問があればすぐに質問して、納得のいく回答が返ってくるかチェックしましょう。

流れを把握してマンション売却を成功させよう

マンションを売却するには、必要となる書類の準備や不動産会社選びなど、さまざまな作業が必要です。時間を節約するためにも、売却の全体的な流れを理解した上で手続きを進めましょう

不動産会社に査定を依頼し、販売価格を決定した後は、内覧への対応を行います。購入希望者の希望も取り入れながら、互いに納得できるよう交渉を進めていくことが大切です。

マンション売却を成功させるためには、不動産会社からのサポートも欠かせません。売却のスケジュールも会社選びによって変わるため、やるべきことを理解して売却に役立てましょう。

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