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マンション買取とは?仲介との違いや買取業者を選ぶときの注意点を解説

最終更新日: 2024年04月10日

マンションを売却する方法には、買取と仲介の2種類があります。買取と仲介の違いについて、正しく把握しておきましょう。また不動産会社が買主となる買取のメリットやデメリット、買取業者を選ぶ際の注意点についても解説します。

マンション売却方法の『買取』と『仲介』の違い

マンションの売却方法には、『買取』と『仲介』があります。売却したいタイミングや、売却したいマンションの状態によって、どちらを選ぶか検討しましょう。

買取とは不動産会社に直接マンションを売却する方法です。買主が不動産会社になるため短期間で売却できますが、市場価格よりも売却価格が低くなるケースがほとんどです。

仲介とは不動産会社の仲介により購入希望者を探してもらう方法で、買主は第三者になります。市場価格で売却しやすい方法ですが、売却までに時間がかかるケースや、購入希望者が見つからず売却できないケースもあります。

また仲介を依頼する際は、不動産会社への仲介手数料が発生したり、購入希望者の内覧に対応したりと、費用や手間がかかる点を覚えておきましょう。

マンションの買取パターン2種類

マンションの買取には『即時買取』と『買取保証』の2種類があります。それぞれの特徴と、向いている人について確認しましょう。

即時買取

即時買取とは不動産会社がすぐにマンションを買い取ってくれる方法です。不動産会社と買取価格を交渉し、成立すればすぐに買い取ってもらえるため、1週間から1カ月程度で売却が完了します。

仲介手数料はかからないものの、市場価格よりも低い価格になりやすい点に注意が必要です。「とにかく早く売却したい」「すぐに現金が必要だ」というケースに向いています。

買取保証

買取保証は仲介と買取を組み合わせた方法です。事前に定めた期間中は仲介してもらって販売し、そこで売れなかった場合に、あらかじめ決めておいた価格で不動産会社が買取を行います。

仲介に出している期間に売却できれば、市場価格に近い価格での売却が可能です。期間中に売れなくても、確実に不動産会社が買い取ってくれるため、仲介のデメリットである「売却できない」というケースを回避できます。

仲介の期間中は広告を出したり、購入希望者が現れたら内覧を行ったりと、仲介で販売する場合と同様の手間がかかる点を覚えておきましょう。

「決められた期日までに確実に売却したいが、なるべく高く売却したい。なおかつ時間に余裕がある」という人に向いている方法です。

マンション買取のメリット

マンション買取にはメリットとデメリットがあります。どちらについてもしっかり把握し、仲介と買取のどちらを選択するか検討しましょう。まずは買取のメリットについて解説します。

短期間で売却できる

不動産会社に依頼し、広告やチラシで購入希望者を募って売却する仲介に比べて、不動産会社が買主となる買取は、短期間で売却できる点がメリットです

仲介の場合は、不動産会社が販売活動をして購入希望者を探します。そのため仲介で売却する際には、3カ月以上かかるケースが多く、購入希望者が現れなければ、売れないという可能性もあります。

不動産会社が直接買い取ってくれる買取なら、購入希望者を探す時間がかかりません。不動産会社と売主の間で契約が成立すれば、数週間程度で売却が可能です。

手続きや内覧対応などの手間が少ない

買取の場合は不動産会社とともに行う売却活動の手続きや、購入希望者への内覧対応などが不要なので、売却までの手間がかかりません

不動産会社に仲介を依頼すると、媒介契約の締結・販売活動・契約条件の交渉・売買契約の締結など、さまざまな契約や交渉が発生します。仲介は売却するまでに手間と時間がかかるものです。

一方で買取は不動産会社から納得できる買取価格を提示されたら売買契約を交わすだけなので、手間がかからない点がメリットです。

仲介手数料がかからない

仲介でマンションを売却する際は、不動産会社に対する成功報酬として、仲介手数料がかかります。仲介手数料は国土交通省により定められており、売却価格によって以下のように異なります。

  • 400万円超:売却価格(税抜)×3%+6万+消費税
  • 200万円超~400万円以下:売却価格(税抜)×4%+6万+消費税
  • 200万円以下:売却価格(税抜)×5%+6万+消費税

しかし不動産会社が直接マンションを買い取ってくれる買取なら、仲介手数料が発生しません。

さまざまな費用がかかるマンションの売却において、仲介手数料は金額が大きくなりがちです。仲介手数料がかからない点は、買取の大きなメリットといえます。

近隣に知られずに済む

仲介の場合には購入希望者を募るために、インターネットへの広告掲載や、チラシのポスティングなどで、売却するマンションの情報を公開する必要があります

売却活動は不動産会社が行うので、売主に手間はかかりませんが、近隣や知り合いにマンションを売りに出している事実を知られる可能性が高いでしょう。

買取なら不動産会社が買主なので、購入希望者を探す必要がありません。広告活動や物件情報の公開をせずにマンションを売却できるため、近隣や知り合いに知られずに済みます。

築古の物件でも売れる

築年数が経過しているマンションは、購入希望者から敬遠されがちです。しかし不動産会社なら買い取ってくれるケースが多く見られます。

築古のマンションを売却するためにリフォームやリノベーションを施すのは、時間や手間、費用がかかる上に、必ず売却できる保証はないので、リスクが大きいものです。

不動産会社は買い取ったマンションにリフォームやリノベーションを施してから再販します。そのため築古の物件で手入れをしていない状態でも、買い取ってくれます

契約不適合責任が免除される

買取で不動産会社がマンションの買主になった場合、『契約不適合責任』が免除されます

契約不適合責任とは『売買の契約内容に沿った物件を、買主に引き渡す義務』です。契約時に伝えていなかったマンションの欠陥が売却後に見つかった場合、売主が責任を負わなければなりません。

たとえ契約時に売主が認識していなかった欠陥でも、買主から修繕費や損害賠償を請求されるなど、トラブルに発展する可能性もあります。

買主が不動産会社である買取の場合、プロが確認した上で買い取っているため、契約不適合責任が免除されるのです。

マンション買取のデメリット

買取は急いで売却したい人や周りに知られずに売却したい人には、多くのメリットがあります。しかしなるべく高値で売却したい場合、売却価格が市場価格よりも安くなるケースが多いデメリットを把握しておく必要があります。

売却価格が安い

マンション買取は仲介よりも、売却価格が安くなる傾向にある点がデメリットです。買取価格は市場価格の6~8割程度になるケースが一般的です。

不動産会社は買い取ったマンションに、リフォームやイノベーションを施して再販します。買取の価格交渉では再販に必要な費用を差し引いた価格を提示してくるため、市場価格よりも安くなるのです。

マンションに手を入れずに購入希望者が見つかりそうな状態で、なおかつ期限に余裕がある場合は、買取保証を選択するのも一案といえるでしょう。

仲介よりも買取を選んだ方がよいケース

マンションの売却は大きな金額が動くため、仲介と買取のどちらが正解なのか迷うものです。仲介よりも買取を選んだ方がよいケースを紹介します。優先したい項目を考慮して検討しましょう。

早く売却したい

「早くマンションを手放したい」「急ぎで現金が必要」といった場合、仲介よりも買取が向いています

仲介はその性質上、売却までに3カ月程度はかかる上に、売れるタイミングが売主にも不動産会社にもわかりません。

また売却できない可能性がある点にも、注意が必要です。「少しでも高く売りたい」と考えて仲介で売却に出していても、いつまでも売れなければ、不動産会社から値引きを提案されるケースもあります。

一方で買取なら提示された金額に納得できれば合意し、売買契約を結んで、引渡しと決済を行うだけです。最短で数日から数週間程度でマンションの売却が完了します。

近隣住民に売却を知られたくない

マンションの近隣住民や知り合いなどに、マンションの売却について知られたくない場合は、買取が向いています

仲介の場合には不動産会社が購入希望者を探すために、インターネットやチラシなどの手段を用いて物件情報を公開するため、多くの人にマンションを売りに出している事実が知られます。

また購入希望者が現れた場合、内覧に訪れるのが一般的なため、近隣住民の目に触れる可能性が高いでしょう。

買取なら購入希望者を探す必要がないので、物件情報の公開・広告の実施や、内覧への対応が不要です。そのため近隣住民に知られずにマンションを売却できます。

築年数が古い物件

築年数が古い物件は、築浅の物件に比べて需要が少ないため、仲介で購入希望者を探しても見つかりにくいケースが多く見られます。売れるまでに時間がかかる上に、売れない可能性も否定できないでしょう。

売れやすくするために自分でリフォームしてから仲介で売却するのは、手間も時間も費用もかかります。

前述の通り、不動産会社はリノベーション・リフォームを前提として買い取ります。築年数が古いマンションでも手入れせずにすぐに売れるため、築年数が古い物件は買取が向いているでしょう。

訳あり物件

訳あり物件とは事件や事故があった物件だけではありません。孤独死・近隣トラブル・欠陥住宅なども含まれます

これから自分が住む家を探している購入希望者としては、訳あり物件はできるだけ敬遠したいものです。そのため仲介では買い手がつかないリスクが考えられます。

不動産会社による買取であれば、再販できそうな物件なら買い取ってもらえる可能性が高くなります。訳あり物件であることを伝え、複数の不動産会社に買取査定を依頼するとよいでしょう。

マンション買取の流れ

仲介に比べて短期間で売却できるのがメリットである、マンション買取の流れについて解説します。引渡し後の確定申告に特に注意して、流れを把握しておきましょう。

買取査定の依頼

まずは買取を依頼したい不動産会社を複数見つけて、買取査定を依頼します。査定には簡易査定と訪問査定があります。それぞれの特徴は以下の通りです。

  • 簡易査定:不動産会社が持っているデータと必要情報のみで査定。数日程度で査定額がわかる
  • 訪問査定:不動産会社が実際に物件を見て査定するので精度が高い。1週間程度で査定額がわかる

簡易査定は不動産会社が物件を直接見ずに、データのみから査定します。精度が低いものの、複数社に依頼すれば手間をかけずに市場価格を把握できるでしょう。

訪問査定は不動産会社が実際に物件を見て査定するため、立ち合いが必要です。査定額が算出されるまでに1週間程度かかりますが、精度が高いため売却価格に近い値段がわかります。

まずは複数社に簡易査定を依頼し、その中から絞って訪問査定を依頼しましょう。

買取価格の提示

査定後に不動産会社から正式な買取価格が提示されます。引渡しまでのスケジュールや引渡し時の状態、手続きの流れなどについても説明されるので、しっかり聞いておきましょう。

不動産会社から提示された情報をもとに、契約する不動産会社を決めます。このときに価格の交渉や疑問点の解決、引渡し日の調整などを行いましょう。

契約する不動産会社を決めて、すべての条件に納得できたら、売買契約の締結に進みます。

売買契約締結

売買契約書は不動産会社が用意するため、提示されるのを待ちましょう。契約書が作成されたら、売買契約の締結です。

売買契約書にサインする前に、重要事項説明書の内容を確認し、同意する必要があります。重要事項説明書とは不動産会社が売主に対して、宅地建物取引の契約における重要事項を説明するものです。

重要事項説明書だけでなく、売買契約書の内容も確認しましょう。売却金額・引渡し時期・条件・契約不適合責任の有無など、確認すべき事項は数多くあります。『売主の契約不適合責任の免責』が入っているかどうかは、特に重要です。

売買契約書の内容に納得できたら、サインをします。多くの場合この時点で売却金額の10%程度が、不動産会社から売主に手付金として支払われます。

引渡し

売却代金が振り込まれたら、マンションを引き渡します。手付金を受け取っている場合は、売却金額から手付金を差し引いた金額が振り込まれます。

振り込みのタイミングについては、売主の都合に柔軟に対応してくれる不動産会社がほとんどです。

売買契約の締結から1カ月前後で引き渡すケースが多く、引渡し日は売買契約書に記載してあります。引渡し日に間に合うように、マンションを契約通りの状態にしておきましょう。

決済や登記の手続きに必要な書類は、不動産会社か不動産会社が手配した司法書士が用意してくれるケースが多く見られます。

確定申告

マンション売却時にマンションを取得した金額よりも売却金額が上回ると、『譲渡所得』が発生します。翌年の確定申告が必要になる点を覚えておきましょう。

譲渡所得は『マンションの売却金額−(取得した金額−減価償却費)+譲渡費用』です。この計算でプラスが発生すると、税金が課されます。

売却したマンションが自宅の場合、要件を満たしていれば『居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例』が適用されます。

また譲渡により損失が出た場合には、要件を満たしていれば『マイホームを買い換えた場合の譲渡損失の損益通算及び繰越控除の特例』が適用されるので、プラスでもマイナスでも譲渡所得についてはチェックしておきましょう。

マンション買取業者の選び方

大きな金額が動くマンションの売却は、信頼できる不動産会社に依頼したいものです。マンション買取業者の選び方を紹介します。

複数の不動産会社から査定を受ける

マンションを売却する際には、相場を把握しておく必要があります。複数の不動産会社から査定を受ければ、相場を把握できるだけでなく、不動産会社による対応の違いについても確認できます。

簡易査定ならおおまかな査定額がすぐに判明する上、不動産会社への連絡だけで完結するため手軽です。まずは簡易査定を複数の不動産会社に依頼し、その中から絞り込んで訪問査定を依頼するとよいでしょう。

提示された買取価格を比較し、市場相場に見合った価格を提示しており、交渉ができる不動産会社から選ぶのがおすすめです。

買取実績が豊富な不動産会社を選ぶ

不動産会社にはそれぞれ得意分野があるため、買取実績が豊富な不動産会社を選ぶとよいでしょう

マンションの買取実績が多い不動産会社には、再販する自信と実績があると判断できます。再販できる物件として、マンションを高く買い取ってくれる可能性が高いと考えられるでしょう。

また不動産会社が得意としている地域のチェックも重要です。地域の相場に詳しい不動産会社なら、納得できる売却価格が期待できます。

口コミの評判を確認する

不動産会社について寄せられている口コミの評判を確認することも有効です。口コミの評判から、不動産会社の公式サイトの情報が正確かどうかある程度は判断できます。

また口コミには担当者の対応やどのような物件を売却したかなど、実際に利用した人の情報が記載されているケースもあるでしょう。

しかし口コミが少ない不動産会社が信用できないというわけではありません。よい口コミが多くても、サクラが混ざっている可能性もあります。

口コミの評判を確認するのは大切ですが、すべて鵜呑みにするのではなく、参考程度と考えましょう。

買取業者のチラシを鵜呑みにしない

マンションのポストに「マンション購入を希望しているお客様がいます」「あなたのマンション高く買い取ります」などと記載された、買取業者のチラシが入っていたこともあるでしょう。

いかにも高値で買い取ってくれそうな買取業者のチラシは、鵜呑みにしてはいけません。チラシに書かれている謳い文句には根拠がなく、実際の買取価格よりも高めに提示されているケースがほとんどだからです。

買取業者のチラシを鵜呑みにするべきではありませんが、気になった場合は査定を依頼し、他社と比較するとよいでしょう。

マンション買取は慎重に検討しよう

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マンションを売却する方法には、『買取』と『仲介』があります。買取は仲介に比べて短期間で売却できる上、近隣にマンションを売りに出している事実を知られにくい、内覧の手間がかからないといった点がメリットです。

しかし仲介に比べると買取価格が安くなる傾向があるため、少しでも高く売却したい人には不向きといえるでしょう。

マンションを売却するにあたっての優先事項を整理して、買取にするか仲介にするか、慎重に検討する必要があります。

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