IT市場の拡大や人材不足によって、エンジニアの獲得競争は激しさを増してきました。スカウト型採用は、低コストで優秀な人材を得られる手法として注目されています。求人サイトや人材紹介とは異なる、スカウトサービスのメリットや選び方を解説します。
エンジニア採用におけるスカウトサービスの強み
スカウトサービスの強みとして、採用候補者の母数を増やせることや求人条件に合った候補者に限定してアプローチできることなどが挙げられます。低コストであることも魅力なスカウトサービスのメリットを、順番に説明します。
採用候補者の母数を増やせる
スカウト(ダイレクトリクルーティング)とは、企業が欲しい人材に直接アプローチする採用方法です。スカウトサービスとは、スカウトに必要な求職者リストや手軽な交流ツールを提供するプラットフォームを指します。
スカウトで探せる人材は、通常の求職サイトや人材紹介サービスで見つけられる転職顕在層(すぐに転職したい人)だけではありません。「急いではいないものの、今より条件のよい仕事があれば転職したい」と考えている転職潜在層からも、候補者を見つけられるのが強みです。
候補者の母数・採用人数を増やせるうえ、顕在層より獲得競争が穏やかなので、中小企業でも優秀な人材を採用できる可能性が高いといえます。
自社にマッチした候補者にアプローチできる
スカウトサービスは自社で選んだ人材に絞ってアプローチできるため、人材紹介サービスのように候補者の質が高いのも特徴です。
経歴やスキルが企業の条件に合わない求職者は、自動的に弾かれる仕組みです。候補者を発掘するためにプロフィールを読み込む作業も必要ですが、検索機能によって、ある程度はふるいにかけられます。
経歴やスキルが企業の条件に合う質の高い求職者だけに時間や手間をかければよいので、採用コストを有効に活用できます。
費用を抑えられる
スカウトサービスのもう1つの強みは、コストを抑えられることです。求人サイトのような広告費や、人材紹介サービスのような紹介料はかかりません。あまり採用コストをかけたくない企業にとっては大きな魅力でしょう。
注意点は、採用業務に手間がかかることです。候補者を口説いて信頼関係を構築し、企業の魅力を十分に伝えるコミュニケーション力も必要になります。そこまで手間をかけられない場合は、スカウト代行サービスを利用する方法もあります。
エンジニア採用に使うスカウトサービスの選び方
スカウトサービスの中から自社に合ったものを選ぶには、求める採用条件に合った登録者の母数を調べる必要があります。発掘した候補者を獲得できる確率の高さも、大きなポイントです。2つの要素の見極め方を紹介していきます。
登録者の人数とスキル傾向を調べる
スカウトサービスを選ぶには、登録されている人材のスキル・年齢などの傾向が求める人材の条件と合うかが重要です。欲しい人材に連絡を取っても、必ず採用に応じてくれるとは限りません。
断られることも計算に入れた場合、エンジニアの登録者人数が採用したい人数の250倍以上ないと、候補者不足になる恐れがあります。
登録されている人材の傾向を知るには、実際に検索するのが効果的です。条件を絞って検索したときに、ヒットする人数がどれくらいか調べてみましょう。
他の導入企業に比べて自社に競争力があるか分析する
スカウトサービスを利用している企業の数や業種は、サービスの質や向いている業種を把握する材料になります。また導入企業の規模にも気を付ける必要があります。
導入実績の高さと、人材を採用できる確率の高さは別物です。優秀な人材は、他の企業からもスカウトされていると考えられるからです。
例えば、大企業が多く登録しているサービスは信頼感がありますが、優秀な人材は大手に行ってしまう可能性が高いでしょう。自社の採用条件・強みに応募するエンジニアが多く見込めるサービスなら、スカウトの成功率も上がります。
費用は先行投資型か成果報酬型か確認する
スカウトサービスの費用体系には、大まかに分けて先行投資型と成果報酬型があります。全体でかかる費用を見積もり、自社に合った料金体系を選びましょう。
先行投資型はデータベースの利用料を前払いする料金体系です。定額なので採用人数が多いほど費用対効果は高まりますが、採用できなくてもコストがかかります。スカウト数に制限があることが多いので注意が必要です。
成果報酬型は初期コストが低めで、採用できたときに支払いが発生する、コストパフォーマンスの高さがメリットです。採用した人の理論年収15%程度が相場となっています。同じ成果報酬型である人材紹介サービスは相場が30%程度なので、比較的安いといえます。
登録者情報の詳しさと返信率をチェックする
サービスの使いやすさを比較するには、登録者情報の詳しさとサイトの返信率も大事です。例えば、登録者のスキル・経験だけでなく働き方の希望や転職目的まで書いてあれば、アプローチ前に自社とよりマッチする人材を絞れます。
自社が候補者の求める条件に合い、かつ職場の魅力を十分にアピールできるなら、返信率も高くなります。サイト自体の返信率が高いということは、転職に意欲のある登録者が多いので採用成功率が高くなるでしょう。
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エンジニア特化型スカウトサービス5選
同じエンジニア特化型スカウトサービスでも、それぞれに特徴があります。登録者の人数や傾向、費用は先行投資型か成果報酬型か、システムの使い勝手などを比較していきます。自社に合ったサービスを見つけましょう。
「Green」エンジニア特化サービスの大手
- 20代・30代のエンジニア経験者が豊富
- いくらでも求人を掲載・投稿できて、ランニングコストは無料
- 一括アプローチや詳細検索で採用作業を軽減
登録者が120万人を超え、そのうち50%以上がIT・Web系エンジニア経験者なのが「Green」です。
料金は1件当たり60~120万円の成功報酬型で、職種ごとに一律で決められています。スカウトは月1,000件までは無料です。採用した人の理論年収で料金が変動しないため、予算を立てやすく無駄なコストを抑えられます。
求人票以外に各企業の広報ページが用意されており、プロのカメラマンやライターのサポートを受けながら作成できます。腰を据えてよいエンジニアを探したい企業に向いています。
「paiza転職」レベルチェックで採用を効率化
- 登録者のプログラミングスキルを5段階でランク付け
- 作成コードから候補者の考え方まで把握できる
- 登録・求人掲載などの初期費用が無料
「paiza転職」の特徴はプロフィールや資格だけでは判断が難しい、登録者の実力が可視化されていることです。求職者はプログラミングテストを受け、スキルの高さによってランク付けされています。
登録者は約63万人おり、料金は採用した人の理論年収25%~の成功報酬型です。具体的な割合は、ランクによって変動します。
スカウト前にエンジニアの実力が分かるため、社内で育成する若手か入社してすぐに使える人材か、求める条件でターゲットを絞りやすいサービスです。
「LAPRAS SCOUT」手厚いサポートが嬉しい
- 返信率の高いSNSのDMを活用
- 候補者の転職意欲が高まる好機を通知
- ワンクリックでカジュアル面談につなげるための「興味通知」
登録者のSNS(X)にDMを送ることで、メッセージを読んでもらいやすくしているサービスです。スカウトのベストタイミングを知らせてくれるので、成功率の高いアプローチができます。
登録人数は約2万8,000人(2023年3月時点)で、料金形態は定額制の先行投資型です。具体的な料金は、企業規模によって異なります。
LAPRAS SCOUTの活用方法や個別化したスカウトメールの書き方など、エンジニア採用の幅広いアドバイスも受けられます。
「Findy Enterprise」OSS技術に敏感な人材が多い
- 自社の魅力を引き出す求人票作成をAIが支援
- エンジニア採用のノウハウを持った専任サポートあり
- マッチング作業は「いいね」ボタンを押すだけ
数万件の求人票解析データを基にしたAIの求人票作成サポートや簡単なマッチングシステムなど、採用担当者の作業量を少なくしてくれる工夫があります。
登録人数は約8万人です。オープンソースソフトウェア(OSS)の開発・保守スキルを持つエンジニアが多い傾向があり、スキルスコアによって求職者のスキルが分かりやすくなっています。
月額の基本利用料に加えて、成功報酬が発生する料金形態です。
「ミイダス」人材の内面特性まで分析・検索
- 人材分析により、社内で活躍できる内面特性を見える化
- 1,733種類の検索項目で自社にフィットした人材を発見
- 作業負担を軽くする自動スカウトメール
候補者のスキルの高さだけでなく、職場に馴染めるか、どのように活躍できるかまで予測できるのが強みです。
先に自社の社員にテストを受けてもらい、組織の特性と活躍している人材の傾向を把握することで、社風にマッチした人材の条件を調べます。分析結果を元にマネジメント力やパーソナリティ・ストレス耐性などから、候補者の活躍度を測定可能です。
料金形態は先行投資型ですが人材検索までは無料なので、候補者数を確かめてから利用できます。1時間からの業務委託も募集可能です。
エンジニアの登録人数が多い総合型2選
一般に、エンジニアの登録人数が多い総合型スカウトサービスは、特化型よりエンジニアの母数が多い傾向にあります。ハイクラス求人に強い「ビズリーチ」と、社風に合った人材を見つけやすい「Wantedly」を紹介します。
「ビズリーチ」即戦力が集まる転職サイト
- 無料のお試し検索で条件に合った候補者数が分かる
- 2万4,800社以上の導入実績に裏付けられたサポート力
- 選べる4つの料金プラン
ビズリーチを利用する求職者は現在の年収や経歴によって審査を受け、ハイクラス会員とタレント会員に分けられます。クラスごとに閲覧できる案件を分けることで、企業と求職者の双方にとってマッチングしやすいのが特徴です。
登録人数は202万人以上(2023年4月末時点)で、採用コストに合わせて4つの料金プランから選べます。ハイクラス会員からは、高い専門性・マネジメント力を持ったエンジニアを見つけやすいでしょう。
「Wantedly」意欲的な人材に出会える
- 企業理念や職場の魅力を伝えやすい募集・会社ページ
- スキルから希望する働き方まで、自社にマッチした候補者にアプローチ
- プロによるPR写真や動画撮影がオプション
登録人数が約350万人と多く、返信率は平均約20%、月間応募数(1社当たり)は約25件と転職意欲の高い求職者にスカウトを送れます。
企業の応募ページには本数制限がなく、採用したい職種など切り口を変えながら企業の魅力をアピール可能です。ブログ形式の企業ページは、SNSやインターネット検索と連携してファンの流入を図れます。
応募・企業ページを評価する求職者を検索し、仕事の価値観でもマッチングを見極められるシステムです。自社に魅力を感じてスカウトを受けた候補者なら、働く意欲も高いでしょう。
エンジニア採用にはスカウトサービスを活用しよう
スカウトサービスは、求人サイトや人材紹介に比べて低コストに利用でき、欲しい人材にピンポイントでアプローチできるのが強みです。企業の条件に合う候補者だけに対応すればよいので、採用コストを効果的に使えます。
また、スカウトのベストタイミングを知らせてくれたり、自社に興味のある候補者を見つけやすい工夫があったり、サービスによってマッチングを高める機能が付いています。料金体系や登録者の傾向も踏まえて、自社に合うスカウトサービスを見つけましょう。
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