IP電話は固定電話にはない特徴を持っており、プライベートにもビジネスにも役立ちます。また有料のものだけでなく、無料で使えるものもあります。IP電話の種類や選び方についても解説するので、ぜひ導入を検討してみましょう。
IP電話の基礎知識
そもそもIP電話はどのようなものなのでしょうか。固定電話との違いもあわせてみていきましょう。
IP電話とは?
IP電話とはインターネット回線を利用した電話であり、VoIP(Voice over Internet Protocol)という技術を使っています。
VoIP技術とは電話で話した音声を細かくわけ、デジタル化して相手に送信する技術です。デジタル化したものを再び音声に変換することで、相手は音声として聞き取ることができます。
使用するインターネット回線には種類がいくつかあります。工事が必要にはなりますが快適な通信速度の光回線や、工事不要ですぐ使えるモバイル回線などがあります。
使用環境は人それぞれ異なり、割引やアフターサービスなども業者によって違うので、どの回線が合っているかは比較検討して決めましょう。
固定電話との違い
固定電話はメタルや銅線で作られた電話回線を通じて音声が送られます。一方IP電話はインターネット回線を通じて音声を送ります。
そのためIP電話はインターネット回線の速度の影響を受けてしまいます。速度が遅ければ通話も安定しません。固定電話と違い、緊急通報電話やフリーダイヤルは使えません。
IP電話にも大きなメリットがあります。固定電話は35,000円程度かかる電話加入権を買わないといけませんが、IP電話は初期費用がそこまでかかりません。インターネット回線を使っているからこそ、固定電話ではできないネットを活用した便利な機能が豊富にあります。
3種類のIP電話
IP電話は大きく3種類にわけられます。それぞれにメリットとデメリットがあるので、違いを理解して自分にあうものを選びましょう。
050型
050型は名前の通り、050から始まる電話番号を持っているIP電話です。電話番号が与えられるIP電話の中では、通話料金が安いメリットがあります。
一方でデメリットもいくつかあります。まず通話品質があまり良くないものが存在します。IP電話の通話品質は、総務省によってA~Cまでランク付けされています。050型の場合、1番下のランクのCであっても販売には問題ないとされています。
110番や119番のような緊急連絡や、0120のようなフリーダイヤルへの通話ができないものがほとんどです。このようなデメリットが気にならず、通話料金が安いものを探している場合に050型はおすすめです。
0ABJ型
0ABJ型は固定電話と同じように、市外局番からはじまる電話番号が与えられるIP電話です。総務省によって決められた、「安定品質」や「ネットワーク品質」などの基準に達しているもののみ、0ABJ型として利用されています。
そのため固定電話並の通話品質があるのです。聞き取りづらさによって聞き直しが増えることを防げます。
またFAXや緊急連絡ができるものでなければ0ABJ型とは認められません。IP電話のサービス提供会社を変更したいとき、0ABJ型であれば電話番号を変更せず引き継げます。
そのため電話番号を何かの契約の登録情報にしていた場合の、変更手続きをする必要がありません。取引先へ新しい電話番号を伝える必要もありません。
電話番号がないタイプ
電話番号がないタイプとは、同じソフトウェアを入れている人同士で通話できるものを指します。主にスマートフォンやパソコン用のアプリであることが多いです。
大きなメリットとして、無料で通話ができることがあげられます。チャットやビデオ通話ができるものもあります。
しかし電話番号がないタイプは固定電話への発信はできません。そのため、アプリの中には有料に切り替えればIP電話の電話番号が与えられ、固定電話に発信可能になるもあります。
無料バージョンと有料バージョンを用意しているアプリもあり、無料バージョンでは通話時間を制限するといった制限をかけているものもあります。電話番号のないタイプの例としては、LINEやZoomなどがあります。
IP電話を利用するために必要なもの
IP電話は電話機だけでは機能しません。ここではIP電話の利用に欠かせないものと、あると便利なものについて解説します。
一般的に必要なもの
IP電話の利用にはインターネット回線を使用するため、IP電話に対応しているルーターやアダプタの用意が必要です。
電話回線の場合は設置場所に制限がありますが、ルーターやアダプタの置き場所は電話回線よりも制限が少なく設置しやすいです。
IP電話サービスの業者の中には、ルーターやアダプタをレンタルできるところもあります。自分で購入せずレンタルして、使用感を確かめてみるのもおすすめです。設定方法はそれぞれの機器で異なるため、その業者に問い合わせたり説明書をしっかりと確認しましょう。
電話交換機(PBX)があると便利
電話機がいくつもある場合、電話交換機を使えば電話機同士をつなぐことができ、仕事の効率化に役立ちます。
たとえば外部から会社の代表電話番号に電話がかかってきたとします。通常なら代表電話番号を割り当てられた電話機でしか受信できません。しかしPBXがある場合、ほかの電話機でもその電話を受信することができます。
外部からの電話を他の内線へ転送することも可能なため、他の社員への電話だった場合も自分の席から移動せずに取り次ぐことができます。外出している社員のスマートフォンへも転送可能です。
PBXがあれば社内での内線は通話料なしで行えるので、経費の削減にもなります。
IP電話を選ぶときのポイント
IP電話を選ぶときは、自分の希望にあっているかどうかが大事です。ここでは三つの選ぶポイントを紹介します。
料金体制が自分の通話に合っているか
IP電話は電話回線を引かなくてよいため、その分の工事費用が節約できます。基本的に通話料金のみで運用ができるため、安価で使うことができるのです。
通話料金の設定は提供会社によってさまざまです。そのため自分の通話スタイルに合ったIP電話サービスを選びましょう。電話する相手や時間帯、通話時間などを事前に想定し、どのIP電話サービスを選べば料金が安くなるかを試算してみることも大切です。
たとえば同じIP電話サービス加入者同士であれば、通話料が無料になることがあります。よく通話する相手が使っているIP電話サービスと同じものを利用すれば、格段に料金は安くなるはずです。
料金の計算方法も月額や時間単位という違いがあるので、自分にあっているプランを選びましょう。
どの程度の機能を求めるか
IP電話サービスの中には、通話以外にも便利な機能が付いていたり、オプションで機能やサービスを追加できたりするものがあります。しかし使わない機能であれば必要ありません。オプションで追加した場合は、料金もその分高くなってしまいます。
そのため「自分にはその機能は必要なのか」を考えてみましょう。機能は留守電や通話の録音、営業時間外のお知らせなどがあります。このような機能以外にも、IP電話サービスによっては独自の機能もあります。
「pickupon」というIP電話サービスでは、AIが通話内容を録音し文字起こししてくれます。また「ひかり電話A」では電話やFAXがあったことをメールでお知らせしてくれる機能があります。
ただし便利な機能のあるIP電話サービスを使いたいとしても、使っているOSに対応していないと使えないので注意してください。
サポートがあり安心できるか
初めてIP電話を導入する場合、わからないことや不安なことが多いでしょう。そのようなとき提供会社から、しっかりとしたサポートを受けられるかどうかで、安心感は変わってきます。
サポートを比較する場合は、まずサポート内容を比較しましょう。IP電話の設定だけのサポートでなく、使っているときのトラブルのサポートも受けられるところがおすすめです。
またサポート期間が短くないか、対応時間が自分の活動時間とあっているか確認しましょう。サポート方法がメールや電話など選ぶことができると便利です。コスト削減のためにも、サポートは無料かどうかもあわせて確認しましょう。
自分に合ったIP電話を導入しよう
IP電話をどのような目的で使いたいのかによって、希望する条件は変わってきます。料金や機能、通話の音質など、何を求めているのか整理してみると自分にあったIP電話が見つかるでしょう。
ぜひIP電話を導入して、仕事やプライベートのコミュニケーションに生かしてください。
ミツモアで最適なビジネスフォンを探してみよう!
ミツモアはソフトウェアの比較ができるプラットフォームです。豊富なソフトウェアサービスの中から口コミや料金、機能などの項目で比較検討ができます。
膨大な量の会社に資料を請求し、比較していた生活とはもうお別れ。ぜひミツモアのサービスをご利用ください。