プロキシ設定は外部のネットワークに接続する際、接続を代理で行います。プロキシについて理解を深めることで、セキュリティ面を万全にできるでしょう。プロキシ設定の仕組みやメリット、Windows10・Macのプロキシ設定方法を解説します。
プロキシ設定とは?
パソコンやスマートフォンを新しくした際、「プロキシ」という単語を見かけたことがあるかもしれません。プロキシ設定について知りたい人のために、概要を説明します。
外部のネットワークにつなげる橋渡し役
プロキシ(proxy)には「代理」という意味があります。プロキシとは外部のネットワークへ接続を行う際に、アクセスを代理で行う役割を持つサーバーのことです。「プロキシサーバー」とも呼ばれています。
通常はパソコンやスマートフォンなどの端末は、直接ウェブサイトに接続しています。プロキシ設定を行なった場合、端末と接続先のウェブサイトの間にプロキシサーバーを挟んでいるのです。
端末からプロキシサーバーに接続し、プロキシサーバーからウェブサイトに接続する流れです。
プロキシ設定の仕組み
プロキシ設定について理解を深めましょう。プロキシ設定の仕組みについて説明します。
プロキシサーバーを通して外部に接続する
会社でパソコンを使用する際は、専用のプロキシサーバーを指定されることがあるかもしれません。社内用の端末がプロキシサーバーを介して、Webサイトに接続するときの流れは以下の通りです。
- 社内にある端末からプロキシサーバーに、接続したいサイトのリクエストを送信
- プロキシサーバーが、接続したいサイトのサーバーに対してリクエストを送信
- リクエスト結果をプロキシサーバーが受信する
- プロキシサーバーがリクエスト結果を端末に送信する
- 端末の画面に、接続したいサイトが表示される
外部のネットワークに接続するときは、プロキシサーバーを経由することで安全性が確保できるでしょう。
プロキシ設定をするメリット
プロキシ設定を行わなくても、インターネットは使用できます。では、プロキシ設定を行うメリットとは何でしょうか?プロキシ設定特有のメリットを解説します。
サイバー攻撃を未然に防げる
プロキシ設定を行うメリットとして、サイバー攻撃を未然に防げる点があげられます。
プロキシサーバーを経由することにより、接続する端末のIPアドレスを隠してWebサイトに接続できるのです。
IPアドレスとは端末を識別する番号で、ネット上における住所のようなものです。もし悪意ある第三者が端末のIPアドレスを知ってしまうと、サイバー攻撃の被害に遭う可能性があります。
プロキシサーバーを経由する接続は、端末のIPアドレスではなくプロキシサーバーのIPアドレスが送信されます。接続する端末の匿名性を確保できるため、IPアドレスを隠さない状態より安全性は高まるといえるでしょう。
不正アクセスが行われた際に分析できる
不正アクセスが行われた場合、プロキシサーバーを介して入れ歯不正アクセスを分析できます。
プロキシサーバーを代理として接続した端末は、サーバー上に記録されます。不正アクセスが行われた際には、記録したデータ(ログ)を分析することで被害状況の確認だけでなく、不正アクセスを特定することにもつながるのです。
不正アクセスに対処するためにも、プロキシ設定の導入は有効です。
サーバーの負担を軽減できる
サーバーの負担を減らせることは、プロキシ設定をするメリットでしょう。プロキシサーバー内に「キャッシュ」を保存できるのです。
キャッシュとは、閲覧したウェブサイトの情報のことです。プロキシはこのキャッシュを一時的に保管しています。次に同じWebサイトにアクセスしたときに、素早く表示させることが可能です。
キャッシュを利用することでWebサイトへ再度表示をリクエストする必要がなくなるため高速化ができます。
またプロキシサーバーには「ロードバランシング」機能を持たせることができます。ロードバランシングとはサーバーに負荷が集中しているとき、他のサーバーに負荷を振り分ける機能です。サーバーに負荷が集中している状態を改善できます。
キャッシュ機能やロードバランシングを活用することで、サーバーの負荷を軽減できるでしょう。
プロキシ設定のデメリット
プロキシ設定はメリットだけではなく、デメリットも存在します。プロキシ設定のデメリットを解説します。
サーバーが悪用されると情報が盗まれる
プロキシ設定のデメリットは、プロキシサーバーが悪用されると情報が奪われる可能性があることです。プロキシサーバー上にはアクセス記録が残っています。
悪意のある第三者によってプロキシサーバーが設置されていた場合、そこへ接続したユーザーの情報が抜き取られる可能性があります。
対策としては、無料で使えるプロキシサーバーには注意し、セキュリティが十分に確保されているプロキシサーバーを利用することです。
アクセス履歴を見られる可能性も
プロキシサーバー上には、アクセスしたユーザーのID・パスワード情報が記録されています。
サイバー攻撃を受けるとアクセスした端末の情報が盗み見されて、ユーザーに被害が及ぶ可能性があります。
悪意のある第三者によって、ユーザーに被害が出る可能性があることは頭に入れておきましょう。
通信速度が低下する可能性がある
通信速度が下がる可能性があることは、プロキシ設定を行うデメリットです。
プロキシサーバーを導入すると、プロキシサーバーを通して外部のネットワークに接続することになります。間にプロキシサーバーを挟んでいる分だけ、通信速度が遅くなるからです。
この状態でプロキシサーバーにアクセスが集中すると、通信速度が低下するでしょう。必要に応じて、プロキシサーバーを使う運用がおすすめです。
プロキシ設定を行う手順
実際にプロキシ設定をしてみましょう。Windows10とMac向けのプロキシ設定方法を解説します。
Windows10の設定方法
Windows10でプロキシを設定する手順は、以下の通りです。今回は「設定」からプロキシ設定を行ってみましょう。
- 画面左下に「スタートメニュー」があるのでクリック→「設定」アイコン
- 「ネットワークとインターネット」をクリック
- 左側に「プロキシ」が出てくるのでそちらをクリック
- 「設定を自動的に検出する」をオン。「セットアップ スクリプト」と「手動プロキシ セットアップ」はオフ
- 自動検出ではなく、「セットアップスクリプト」もしくは「手動プロキシセットアップ」を行う場合は、それぞれの情報を規制し、残りの項目をオフにする
以上のような手順を踏むことで、Windows10でプロキシ設定が完了します。
Macの設定方法
Macを使用している人向けに、Macのプロキシ設定方法を解説します。
- アップルメニューから「システム環境設定」を選択、「ネットワーク」をクリック
- リストから「ネットワークサービス」をクリック、「詳細」から「プロキシ」をクリック
- 構成したいプロキシを選択
- プロキシサーバー設定を自動的に構成する:「自動プロキシ検出」を選択
- 自動プロキシ構成(PAC )ファイルを使用する:「自動プロキシ構成」をクリック
- URLにPACファイルのアドレスを入力
必要に応じて、「パスワードが必要なプロキシサーバーを使用」を選び、「ユーザー名」「パスワード」を入力しましょう。
ご説明した手順を踏み、Macでプロキシ設定を試してみてください。
参考:Apple「Macの「ネットワーク」環境設定でプロキシ設定を変更する」
プロキシ設定でセキュリティ強化を
プロキシ設定とは、外部のネットワークに端末を接続するための代理役です。プロキシサーバーを間に挟むことで外部のネットワークに接続します。
プロキシサーバー上にアクセス履歴が残るため、万が一不正アクセスされた場合も対処が比較的容易になるでしょう。
ぴったりのセキュリティソフトを探すならミツモアで
セキュリティソフトは製品によって機能もさまざま。「どの製品を選べばいいかわからない・・・」といった方も多いのではないでしょうか。
そんなときはミツモアにおまかせ。最短2分の自動診断で、ぴったりのセキュリティソフトが見つかります。
ぴったりのセキュリティソフトを最短2分で無料診断
従業員数や欲しい機能などの項目を質問に沿って選択するだけで、最適なセキュリティソフトを最短2分で自動診断。もちろん費用はかかりません。
ぴったりの料金プランも一緒にお届け
希望条件に沿った料金プランも製品と一緒に診断します。ソフトウェアの導入にかかる概算金額を見積もりからチェックして、理想のプランを探してみましょう。
診断結果は最大5製品!比較・検討で最適なソフトが見つかる
最大で5製品の診断結果をお届けします。検討していた製品だけでなく、思わぬソフトとの出会いもあるかもしれません。
ミツモアなら、あなたにぴったりのセキュリティソフトがすぐに見つかります。