「担当者が辞めて経理が止まる」「インボイスや電帳法の対応で現場が疲弊している」。 従業員数100名を超える中堅・大手企業や急成長中の企業にとって、経理部門の人手不足や法対応の負担は、もはや個人の努力で解決できる問題ではありません。
問題を放置すれば、重大な経営リスクにつながります。 今、多くの企業が単なる記帳代行ではなく、業務プロセスの見直しや緊急時の事業継続(BCP)対策まで任せられる「大手経理アウトソーシング」を選んでいます。
失敗しない選び方や費用相場を含め、大手経理アウトソーシング主要6社の特徴について解説します。
大手経理アウトソーシングおすすめ各社の特徴・得意領域一覧
大手・中堅企業から選ばれている主要な経理アウトソーシング会社の特徴を整理しました。 自社の課題や業界に合わせて比べてみましょう。
| 会社名 | 特徴・強み | 得意領域・適合企業 |
|---|---|---|
| トランスコスモス株式会社 | IT活用・自動化(BPaaS) AI-OCRやRPAを駆使し、業務プロセス自体を改革 |
大規模・DX推進 数千名規模の大企業、SAP等のERP導入企業 |
| 株式会社NTTビジネスアソシエ東日本 | 圧倒的な信頼性と安定運用 NTTグループのシェアードサービスで培った堅実な体制 |
公共・金融・インフラ 高セキュリティと長期安定を求める企業 |
| 株式会社LIXIL住生活ソリューション | 実務密着・業界特化 訪問型と在宅型を組み合わせ、現場感のあるサポートを提供 |
建設・不動産・住宅 業界特有の商慣習や会計処理がある企業 |
| 株式会社kubellパートナー(Chatwork 経理アシスタント) | スピード・クラウド連携 チャットツールを活用した迅速なレスポンスとオンライン完結型 |
IT・ベンチャー・成長企業 クラウド会計利用者、スピード重視 |
| 株式会社パソナ(BPO・アウトソーシングサービス) | 人材力と柔軟な体制構築 常駐(オンサイト)とセンター(オフサイト)のハイブリッドが可能 |
柔軟性重視・BCP対策 原本処理が必要な企業、繁忙期の増員対応 |
| 株式会社つばさ会計事務所 | 税務ワンストップ・専門性 会計事務所母体ならではの税務判断を含めた対応 |
費用・専門性重視 税務申告まで一気通貫で依頼したい企業 |
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大手経理アウトソーシング会社が選ばれる理由
企業の経理部門が抱える課題は、単なる「人手不足」から「構造的に維持が難しい状態」へと深刻化しています。大手経理アウトソーシング会社を利用する主な理由は、以下3点です。
属人化の解消とBCP(事業継続計画)対策が必要なため
中小規模の代行会社や個人の税理士への委託、あるいは社内担当者のみに頼る体制には、「担当者の不在=業務停止」という大きなリスクがあります。
大手BPOベンダーは業務を標準化し、複数名のチーム制で運営するため、誰か一人が欠けても業務が滞りません。
担当者の退職や休職、あるいはパンデミックや災害時においても、安定して決算業務を進められるBCP対策として機能します。
高度なセキュリティとコンプライアンス遵守するため
上場企業やその関連会社にとって、情報の取り扱いは経営の生命線です。大手ベンダーは、プライバシーマーク(Pマーク)やISMS(ISO27001)といった第三者認証を取得しており、堅牢なデータセンターでの管理や、VDI(仮想デスクトップ)環境による情報漏洩対策を徹底しています。
委託するだけで電子帳簿保存法やインボイス制度などの法規制に準拠できるため、法対応にかかる費用や手間を大幅に抑えられるでしょう。組織的な体制で確実に対応するため、企業のコンプライアンスリスクを低減できます。
BPR(業務プロセス改革)とDXを同時に推進するため
「現在の業務をそのまま引き継ぐ」のではなく、「業務フロー自体を最適化する」提案を受けられるのが大手の強みです。
最新のトレンドである「BPaaS(Business Process as a Service)」モデルでは、BPOとクラウドシステムをセットで提供します。AI-OCRやRPAを活用して作業を自動化し、人が行う作業を「判断・承認」のみに減らすことで、圧倒的な生産性向上とDXを同時に実現します。
失敗しない!大手経理アウトソーシング会社の選び方
数ある経理アウトソーシングサービスの中から自社に最適な一社を決めるための、実務的な選び方について解説します。
「常駐型」か「オンライン型」か(提供形態の適合性)
業務をどこで行うかは、セキュリティと物理的な制約によって決まります。紙の原本持ち出しが禁止されている場合や、社内ネットワークでしか動かないシステムへの入力が必要な場合は、スタッフが貴社で作業する「常駐型(オンサイト)」を選びましょう。
一方、クラウド会計を利用している、あるいは資料のデータ化が可能であれば、費用対効果とスピードに優れる「オンライン型(オフサイト)」が適しています。
「常駐型」と「オンライン型」を組み合わせたハイブリッド運用が可能なベンダーであれば、繁忙期のみ常駐スタッフを増やすといった柔軟な対応も可能です。
対応業務の範囲と専門性(連結・税務・給与)
委託したい業務が「記帳」だけで終わるのか、それとも「決算」から「開示」、「税務」まで及ぶのかを確認しましょう。大手BPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)の場合、支払代行や請求書発行、給与計算といった周辺業務はもちろん、上場企業の連結決算や開示資料作成まで対応できるケースがあります。
税理士法人が母体のサービスであれば税務申告まで一括して完結しますが、IT系企業の場合は税務判断を含まないこともあります。自社の顧問税理士との役割分担を明確にし、どこまでを委託先に任せるか事前に線引きしておくことが重要です。
導入実績と類似業界でのノウハウ
同規模・同業種での実績は、移行がスムーズに進むかを判断する重要な材料です。たとえば、建設業における「工事進行基準」や、小売業における「店舗別損益管理」など、業界特有の会計処理や商慣習への理解度はベンダーによって異なります。
自社に近い業種での導入事例があるか、その際にどのような課題を解決したかを確認することで、契約後のミスマッチを防げます。
独自システムへの対応力
中堅・大手企業では、SAPやOracle、奉行シリーズなどの基幹システム(ERP)を使用しているケースが大半です。汎用的なクラウド会計ソフトのみ対応していないベンダーでは、これらの基幹システムの操作に対応できません。
自社が利用しているシステムの使用経験があるスタッフが在籍しているか、あるいは新たなシステム操作を習得する教育体制があるかを確認しましょう。
費用の構造と変動費化の柔軟性
費用の削減だけでなく、固定費(人件費)を変動費(委託費)に変えられる点がアウトソーシングの財務的な利点です。単純な月額固定制だけでなく、処理件数に応じた従量課金プランや、繁忙期・閑散期に合わせてリソースを増減できる契約形態があるかを確認しましょう。
無駄な出費を抑えつつ、必要な時に必要なだけのリソースを確保する体制が整えば、経営の効率性は格段に向上します。
大手経理アウトソーシングおすすめ6選
数多くの経理アウトソーシングの中から、大手サービスについて紹介します。各社の強みが自社の課題にどう合うかを確認しましょう。
トランスコスモス株式会社
- 経理業務を自動化する最新技術の導入
- ヒトとシステムの融合で業務効率を最大化
- 経費精算のプロセスを支える継続的なサポート体制
トランスコスモスのコーポレートバックオフィスサービスは、業務オペレーションの刷新からシステム導入、運用保守まで、ヒトとシステムを一体化したBpaaS(Business Process as a Service)を提供します。
AI-OCRによる証憑の自動読み取りとRPAを組み合わせたシームレスな自動化で、経費精算や請求支払を効率化しますが、目視が必要な部分は専門スタッフが「差し戻し」や「承認」を行い、各企業の運用ルールに従います。
導入支援ではマニュアル作成や教育を通じた定着を促進し、ヘルプデスクやシステム変更への対応も行います。
株式会社NTTビジネスアソシエ東日本
- 経理業務のアウトソーシングによる業務効率化
- 単純業務の委託で人的リソースを最適配置
- 安定したサービス提供で業務品質を向上
NTTビジネスアソシエ東日本の経理アウトソーシングサービスでは、企業の経理業務全般を委託することで、業務効率と品質の向上を図ります。
記帳代行や支払、請求処理、入金確認といった日常業務をアウトソーシングすることで、人件費の削減と業務負荷の軽減を実現します。
また、社内リソースを戦略的業務や営業活動に振り向けることが可能です。さらに、受託業務で培ったスキルとノウハウにより、安定したサービス品質を維持し、社内教育の負担を軽減します。オーダーメイド型の委託により、クライアントのニーズに柔軟に対応できるのも強みです。
株式会社LIXIL住生活ソリューション
- 経理アウトソーシングで企業リソースを本業に集中
- 訪問型と在宅型で柔軟に対応する経理代行サービス
- 経験豊かなスタッフによる高品質な経理業務サポート
LIXIL住生活ソリューションでは、経理業務をアウトソーシングすることで、企業の資源を本業に集中させるサポートを提供しています。
サービスは、領収書や伝票の整理、会計システムへの仕訳登録、立替経費精算チェック、支払業務、売掛金管理、月次決算補助まで多岐にわたります。
経理専門スタッフが顧客の事務所に訪問する「訪問型」と、自宅で経理処理を行う「在宅型」の二つの方法で、効率的な経理部門運営を実現します。
経験豊かなスタッフによる代行により、顧客は安心して業務を任せることができ、コアビジネスに専念する環境を整えます。
株式会社kubellパートナー(Chatwork 経理アシスタント)
- 幅広い経理業務を代行するプロフェッショナルサービス
- 必要に応じた柔軟なプランで業務効率を最大化
- 経理の困りごとを解決するChatwork 経理アシスタント
Chatwork 経理アシスタントは、人手不足や繁忙期の残業に悩む企業向けに、経理業務を効率的に代行するサービスを提供しています。
豊富な経験を持つプロフェッショナルが請求書発行や仕訳登録、経費精算などをサポートし、業務負担を軽減します。サービスは定常業務から専門領域に対応しており、顧問税理士との連携も可能です。
チケット制プランにより、必要な業務だけを組み合わせて依頼でき、余った時間は翌月に繰り越されるなど、無駄のない契約が実現します。
また、cloudサービスとの連携により、会計業務の効率化も図れ、よりコアビジネスに集中できる環境を整えます。
株式会社パソナ(BPO・アウトソーシングサービス)
- 経理・財務業務を効率化するBPOサービス
- 戦略的な人員配置でコア業務に集中
- 経理・財務の業務プロセスを一貫サポート
パソナの経理・財務BPOサービスは、経費精算や入金処理といった経理業務をアウトソーシングすることで、企業の負担を軽減し、業務効率化を実現します。繁忙期の業務処理を最適化し、ミスのない正確な運用を確保します。
パソナは、豊富な受託実績に基づき、業務調査、設計、運用までを一貫してサポートし、自然災害や緊急事態時のBCP対策も支援します。経理・財務BPOは、業務委託やユニット派遣など、クライアントのニーズに柔軟に対応するプランを提供し、経理業務の安定運営と最適化を目指します。
株式会社つばさ会計事務所
- ワンストップで実現する経理財務アウトソーシング
- 低コストを実現するオンラインおよび訪問型サービス
- 経理業務の全面支援を提供する常駐型アウトソーシング
つばさ会計事務所では、経理をはじめとする財務業務をワンストップで提供し、コストを抑えた効率的なアウトソーシングを実現しています。
オプションとして、オンライン型経理財務アウトソーシングでは、資料やデータをオンラインで収集し、すべての業務を社外で処理することで、社内に新たな作業環境を設ける必要がありません。
訪問型では、スタッフが定期的に企業に訪問し、必要に応じて経理業務をサポートします。また、人員が不足している場合には、常駐型サービスによりスタッフを派遣し、全面的な支援を行うことも可能です。
これにより、振込、請求管理、会計入力といった経理業務を効果的に管理し、二重払いのリスクを避け、トータルコストを削減することができます。
大手経理アウトソーシングの費用相場と費用削減の考え方
大手向け経理アウトソーシングを検討する際、「月額数万円」といった中小企業向けのパッケージ価格は参考になりません。正しい予算感を持ち、投資対効果(ROI)で判断することが大切です。
委託範囲による費用の試算
経理アウトソーシングの費用は、委託する業務の範囲(記帳のみか、決算までか)、処理の量、必要な体制(専任チームか、複数社共有のシェアードか)によって大きく変わります。
- 中規模BPO(記帳+給与計算など): 月額20万円〜50万円程度が目安。
- 大規模BPO(業務改革込み・専任チーム): 月額数百万円〜。初期に業務設計費やシステム導入費がかかる場合がある。
上記の金額はあくまで目安であり、企業の要件に応じた個別の見積もりが前提です。
目先の委託費だけでなく「総額の費用」で比較する
経理アウトソーシングの費用だけを見ると、社内で雇用する場合の給与総額より高く見える場合があります。しかし、比較すべきは以下の「見えにくい費用」を含めた総額(TCO)です。
- 採用・教育費用(採用媒体費、新人教育にかかる費用)
- 設備・システム費用(パソコンや会計ソフトの利用料、オフィスの家賃)
- リスク対応費用(退職による業務の停滞、法対応のためのシステム改修費など)
見えにくい費用まで総合的に考えれば、プロフェッショナルなチームへの委託は、長期的な費用の削減と経営の安定化という大きな利益をもたらします。
大手経理アウトソーシング導入までの流れ
大手経理アウトソーシングの導入は、以下の手順で進めます。
現状分析と業務の整理
社内の経理業務を洗い出し、「コア業務(判断が必要・自社に残すべき)」と「ノンコア業務(定型化できる・任せるべき)」を切り分けます。
情報提供・提案依頼書(RFI/RFP)の作成
委託したい範囲、求めるセキュリティ基準、予算感などをまとめた資料を作成し、ベンダーに提示します。
会社選定と契約
提案内容を比較検討し、ベンダーを選びます。 この際、セキュリティチェックシートを使った審査も行います。
業務移行期間(並行稼働)
契約後、すぐにすべてを任せられるわけではありません。 マニュアル作成や業務ルールの引き継ぎを行い、数ヶ月間は並行して稼働します。
大手の場合、移行期間として3ヶ月〜半年程度を見込んでください。
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