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GTM(Googleタグマネジャー)の基本と使い方。GA設定方法も解説

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最終更新日: 2024年06月28日

自社のサイト運営をしていく上で、アクセス解析は必要不可欠です。しかしアクセス解析ツールの導入方法について、詳しく分からない人も多いのではないでしょうか。GTMを導入すればタグを効率的に管理でき、マネジメントの負担軽減につながります。

GTM(Googleタグマネージャー)とは?

GTMとは「Google Tag Manager」の略です。「タグ」は広告表示やアクセス解析を目的に、Webページを構成するHTMLに設置する命令文を指します。

タグを一元管理できる

GTMにはさまざまなタグを一元管理できるという特徴があり、ツール自体は無料で使用できます。

例えば広告運用をするに当たって、アクセス解析のためにGoogleアナリティクスを設置するケースを考えましょう。

このときタグとしてアナリティクス用のトラッキングコードを各ページに埋め込むのではなく、GTMのタグを設置しておくことでタグを一元管理できるようになります。

工数が減る

サイト全ページのHTMLファイルに直接タグを埋め込むと時間と手間がかかる上、タグを貼り替えるたびに全ページに設置し直す必要があります。

しかしGTMのタグを一度設置しておけば、以降はGTM側で一括管理が可能です。HTMLを編集してアップロードする作業がなくなり、大幅に工数を削減できます。

またタグ差し替えに伴って、消し忘れたり別のタグを誤って消したりする操作ミスを防げるのもGTMの特徴です。ミス対応やテスト・管理に掛かる工数もカットできます。

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GTM導入のメリット

GTMはWebサイト管理の効率化を目的としており、導入することでマネジメントが楽になるとともに、複数人での運用もしやすくなります。具体的にどのようなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

表示速度の低下を防ぐ

HTMLのソースコード上に多くのタグを追加すると、Webページの表示速度が遅くなります。Webページなかなか表示されないとユーザーの離脱率が上がるため、表示の遅延は避けたいトラブルです。

GTMを導入すればHTMLソースコードに記述するのはGTMのタグだけになり、ページ表示速度の遅延を防げます。

HTMLの変更が不要

HTMLに設置する各種タグやコードは、用途に応じてHTMLソースコードのheadタグ内やbodyタグ内に埋め込む必要があります。設置時に操作を誤ると他のタグの挙動にも影響を及ぼす恐れがあるため、HTMLの知識と正確な記述が欠かせません。

しかしGTMのタグを一度設定しておけば、タグに関してHTMLソースコードを直接変更する操作が必要なくなります。

またHTMLの構造に詳しくないWeb担当者であれば、タグの設置のたびに外部ベンダーに依頼するケースも珍しくないでしょう。GTMを導入することでHTMLを触らずに管理できるので、運用コストの削減にもつながります。

クロスドメイントラッキングが行える

クロスドメイントラッキングとは、複数のドメインをまたいで一つのドメインとして解析することです。

例えばメインのWebサイトと違うドメインを持つランディングページの解析が、活用シーンとして挙げられます。

GTMを使えばメインサイトとランディングページのドメインを統合して、アクセス解析を行うのが容易です。両方のドメインに埋め込まれているトラッキングコードを修正するだけで、15分程度もあれば作業が完了します。

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GTMの導入に向けた準備

 

GTMは「アカウント」と「コンテナ」の2層で構成されています。コンテナで主な設定を済ませ、アカウントごとに分けましょう。

アカウントはコンテナを管理する1番上の階層です。一方コンテナは設定を行うサイトを表します。一つのサイトまたはドメインごとに、コンテナを分けるのが一般的です。

GTMのアカウントを作成する

GTMを利用するときは、まずアカウントの作成から始めましょう。手順は以下の通りです。

  1. Googleのマーケティングプラットフォームの、「タグマネージャー」のページにアクセスし、GTMアカウントを作成する
  2. GTMタグマネージャーの「無料で利用する」をクリック
  3. 次に「アカウント作成」のボタンを押す
  4. アカウント名・国・コンテナの設定(URL)を入力し、ターゲットプラットフォームを選択
  5. 最後に「作成」ボタンをクリック


以上でアカウントの作成は完了です。

参考:ウェブとモバイル用のタグ管理ソリューション – Google タグ マネージャー

コンテナを設定する

アカウントの作成が完了したら、コンテナの設定を行いましょう。コンテナを設置するとタグの出し入れが可能となります。コンテナの設定方法は以下の通りです。

  1. コンテナ名はサイトのドメインを入力
  2. 「コンテナの使用場所」は通常「ウェブ」を選択
  3. 「作成」ボタンを押すと利用規約が表示されるため、内容を確認の上「はい」をクリック


コンテナの設定は以上です。

GTMの設置方法と初期設定

アカウントとコンテナの作成が完了した後は、GTMコードをページに埋め込む作業です。GTMの設置方法と初期設定を解説します。

GTMのコードをページに埋め込む

コンテナの作成が完了すると、画面上に「Googleタグマネージャーをインストール」と記載された文字の下に、コードが表示されます。コードを適切な場所に追加しましょう。

上に記載されたGTMコードは、Webサイトのソース<head>の上部へ埋め込みます。下に記載されたGTMコードは<body>の直後に埋め込みましょう。

タグマネージャーを設定する

続いてタグマネージャーの設定を行います。「新しいタグ」に続いて「タグの設定」をクリックし、タグの種類から「カスタムHTML」をクリックしましょう。カスタムHTMLの欄にタグを追加します。

タグを追加したらトリガーの設定です。トリガーの中から「All Pages」をクリックし、最後に右上の「保存」ボタンを押します。基本的にタグ設置は同じ作業の繰り返しです。

Googleアナリティクスのタグを追加する

Googleアナリティクスのタグを設定する場合は、タグを登録する前に「変数」を用意します。変数とはGoogleアナリティクスの設定を、一式でまとめて保存できる方法です。計測タグを複数登録する場合、設定の共有が簡単にできます。

  1. 左側のメニューから「変数」をクリック
  2. ユーザー定義変数の「新規」ボタンを押して、新規登録画面を表示させる
  3. 変数の設定から、ユーティリティの「Googleアナリティクス設定」を選択する
  4. トラッキングIDにGoogleアナリティクスのプロパティIDを入力(トラッキングIDとは「UA-」から始まる英数字でGoogleアナリティクスに記載されています)
  5. 「変数名の変更」は任意の名称を入力
  6. 「保存」ボタンをクリック


変数の設定が完了したら、続いて計測タグを登録します。

  1. 左側のメニューから「タグ」をクリック
  2. 「新規」ボタンを押して、新規登録画面を表示させる
  3. タグの設定から「Googleアナリティクス」を選択する
  4. トラッキングタイプは「ページビュー」に選択し、Googleアナリティクス設定は先ほどの変数を選択
  5. トリガーは「All Pages」を選択
  6. タグ名に任意の名称を記載
  7. 最後に「保存」ボタンをクリック


以上でGoogleアナリティクスの設定は完了です。

GTM導入の注意点

タグを一元管理できてHTML編集が不要になるGTMにも、導入に当たる注意点があります。業務の効率化と正確なタグ管理のために、ポイントをしっかりと押さえておきましょう。

初期設定には時間と知識が必要

新規のWebサイトなら開設前にGTMの設定をしておけばよいのですが、既存サイトでは現在設定してあるタグの差し替え作業が必要になります。

既存サイトといっても全体で数ページしかなければ、作業負担はそれほど大きくありません。慎重な検討が必要になるのは企業が運営するオウンドメディアやECサイトなど、サイト全体で数百ページを超える場合です。

タグの差し替えが数百ページ全てとなると、相当な時間と労力が必要になってきます。サイト構成や現状のタグ管理・差し替えなど、全ての作業に掛かるコストを見極めて導入の要否を検討しましょう。

またGTMのタグを正確に設置するには、HTMLについて一定水準以上の知識が必要です。設置したタグが作動しているのか・吐き出されている数字は正しいのかなど、タグの動作を検証できるだけの知識も求められます。

タグの全てに対応しているわけではない

GTMはGoogle製であるため、同社の各種ツール・サービスと相性がよいメリットがあります。ただ現状では全てのタグをサポートしているわけではりません。自社で使いたいタグが使える状況にあるかどうか、公式サイトで確認する必要があります。

もし使いたいタグがサポートされていないのであれば、独自のタグや変数の定義を作成できる「カスタムテンプレート」を使うことで対応は可能です。カスタムテンプレートではGTMのテンプレートから詳細を定義できます。

参考:サポートされているタグ – Google公式タグ マネージャー ヘルプ

既存のタグはなるべく削除する

各種タグを統合して効率的に管理するのが、GTMの強みといえます。最大限にGTMのメリットを発揮させるためには、既存タグを極力削除してGTMに一本化するのがおすすめです。

例えばGoogleアナリティクスのトラッキングコードを残したままGTMを導入してしまうと、計測不能になったりユーザーの行動を誤って計測したりする恐れが出てきます。

逆にGoogleアナリティクスしかタグを使うものがない場合は、無理にGTMを導入する必要はないといえるでしょう。

Googleアナリティクスの最新版GA4であれば、GTMにデフォルトでタグが用意されているので、一本化を検討してみるのがおすすめです。

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GTMの最終確認

GTMの公開後も実際に正しく動作しているか、チェックする必要があります。タグの発火を確認するには、Google Chromeの拡張機能である「Tag Assistant Legacy (by Google)」をダウンロードしましょう。

ダウンロードした後は拡張機能を有効化します。動作を確認したいWebサイト上でアイコンに続いて左下の「Enable」ボタンをクリックし、ページを更新しましょう。

再度アイコンをクリックして「Disable」と表示されたら、正しくタグが発火されています。これでGTMの最終確認は完了です。

GTMを導入してタグ管理すっきり


GTMの基本と設定方法を紹介しました。GTMを使えば各種タグの管理が一元化されます。タグの差し替えや設定変更のときでも、HTMLに埋め込んだコードを直接触ることなくスピーディーな対応が可能となります。

アナリティクスを使ったアクセス解析やWeb広告のコンバージョンなどを行っていく必要があれば、タグ管理の煩わしさがないGTMを設定して、効率的な運用を目指しましょう。

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