キッチン上部の壁に吊り戸棚を後付けする場合の、費用相場について紹介します。吊り戸棚は撤去する際も費用がかかるため、メリットとデメリットについて把握した上で設置を検討しましょう。設置する場合のベストな位置についても解説します。
キッチンの吊り戸棚の後付け費用
吊り戸棚の後付けには、どのくらいの費用がかかるのでしょうか。撤去費用も併せて見ていきましょう。
吊り戸棚本体の価格と工賃の合計
吊り戸棚の後付け費用は、本体価格と取り付け工賃及び追加費用の合計で決まります。追加費用がかからないと仮定した場合、7万~40万円が目安と考えてよいでしょう。
吊り戸棚本体の価格帯は、主に昇降機能の有無によって3段階に分けられます。
種類 | 料金相場 |
---|---|
昇降機能がないノーマルタイプ | 1万~4万円 |
手動の昇降機能付き | 6万~12万円 |
自動昇降機能付き | 20万~30万円 |
取り付け工賃の相場は5万~10万円ですが、設置場所によっては下地補強などの内装工事が必要になり、その場合相場よりも高くなります。また自動吊り戸棚の設置には、取り付け工賃の他に電気工事が必要なため、その費用も追加されます。
撤去費用
吊り戸棚を壁から外すだけなら、撤去費用のみなので1万5,000~2万円が相場です。しかし撤去した後は、吊り戸棚の処分費用や、壁紙やクロスの張り替え費用が発生します。
処分費用については、取り外し作業費に含まれているケースも多いため、あらかじめ業者に確認しておきましょう。
作業範囲により、壁紙・クロスの張り替え費用は異なります。現在キッチンに張ってあるものと同じ壁紙やクロスがあれば、吊り戸棚があった場所のみの張り替えで済みますが、ない場合はキッチン全体を張り替えることになります。
壁紙・クロスの張り替え費用相場は、幅約3m以内の部分張り替えで8,000~1万円、約3畳のキッチン全体の張り替えで2万5,000~3万円です。
キッチンに吊り戸棚を設置するメリット
吊り戸棚の設置を考えている場合、メリットとデメリットを把握した上で検討する必要があります。まずは吊り戸棚を設置するメリットについて解説します。
収納場所を増やせる
デッドスペースを有効活用しながら収納場所を増やせる点が、吊り戸棚設置のメリットです。
キッチンに食器棚やラックなどを置いて収納場所を増やそうとしても、スペースが限られており、難しいケースもあるでしょう。現状空いているスペースに無理に置くと、調理や片付けの邪魔になってしまう可能性もあります。
吊り戸棚ならデッドスペースになりがちな、キッチン上部の壁に設置できるため、新たに置き場所をつくる必要がありません。
キッチンライトで手元を照らせる
キッチンの照明が天井にしか付いていない場合、シンクの配置によっては自分の体が影になり、手元が暗くなりがちです。
しかし吊り戸棚の下部にキッチンライトを設置すれば、光を遮るものがなく、手元を明るく照らせます。
キッチンライトは流し元灯や手元灯とも呼ばれ、近年はLEDを使用したスマートなデザインや、手を触れずに点灯・消灯できるセンサー付きなど、種類も豊富です。吊り戸棚と同時に設置することで、キッチンがより使いやすくなるでしょう。
子どもの手が簡単に届かなくなる
吊り戸棚はキッチン上部に設置するので、子どもの身長では簡単に扉に手が届きません。このためお菓子や缶詰など、子どもに勝手に触られたくないストック食材を隠しておくのに便利です。
また包丁やキッチンバサミ、フードプロセッサーなど、子どもが触るとけがにつながりやすい調理器具の収納にも適しています。
吊り戸棚の設置により、子どもが勝手にお菓子を食べてしまったり、危険な調理器具を触ってけがをしたりするリスクを減らせます。
キッチンの吊り戸棚設置のデメリット
吊り戸棚設置はメリットばかりではありません。撤去にも費用がかかるので、取り付けてから後悔しないように、デメリットについても知っておきましょう。
キッチンに圧迫感が出る
吊り戸棚はキッチン上部のデッドスペースに設置できる点がメリットです。しかし同時に、キッチンに圧迫感が出ると感じるケースもある点は、デメリットといえるでしょう。
設置する高さによっては、背が高い人がキッチンに立ったとき、吊り戸棚に頭をぶつけることもあります。例えばシンク上に、妻が使いやすい高さで吊り戸棚を設置した場合、夫が調理や洗い物をする際に、頭をぶつけてしまうケースが考えられます。
またキッチンが対面式の場合、吊り戸棚の設置によりダイニングとの空間を遮ってしまい、開放感がなくなる点もデメリットです。
物が入れっぱなしになる
高い場所にある吊り戸棚は、物の出し入れが面倒になりがちです。特に棚の奥や上段は踏み台を使わないと手が届かないために、物を入れっぱなしにしてしまう人も少なくありません。
踏み台を持ってきたり、片付けたりする行為自体を面倒に感じる人もいるでしょう。物の出し入れがおっくうになって中身を放置しているうちに、吊り戸棚に何を収納したのかを忘れてしまうのも問題です。
食材の賞味期限が切れていても気付かなかったり、同じ物を新たに買ったりして、無駄にしてしまうことも考えられます。
物が落下してくる恐れがある
収納物が落下してくる恐れがあることも、吊り戸棚のデメリットです。物を出し入れする際に誤って落とすだけでなく、地震で扉が開いて落下することもあり、十分注意が必要です。
特にガラス製品や重い金属製品、陶器などが落下すれば、破損やけがにつながる恐れもあります。落ちると危険な物は収納しないか、棚の奥に入れるとよいでしょう。
細かい食品や道具類も、そのままではバラバラと落ちてくる可能性があるため、収納ボックスにまとめるなどの工夫が必要です。無闇に物を詰め込まず、きちんと管理する意識を持ちましょう。
吊り戸棚を設置するときのベストな位置
吊り戸棚は具体的に、キッチンのどのあたりに設置すればよいのでしょうか。ベストな高さや設置場所について解説します。
下端の高さは目線の10cm程度上
吊り戸棚は調理や片付けなどの作業時に頭をぶつけにくく、手が届きやすい高さに設置するとよいでしょう。具体的には吊り戸棚の下端が、目線よりも10cm程度上にくる位置がおすすめです。
取り付け前に、実際にキッチンを使う人が設置場所の前に立ち、手が届きやすく、収納物が見やすいかどうかを確認しましょう。
なお火災予防条例により、可燃物である吊り戸棚は、コンロから100cm以上(防熱板があれば80cm以上)離す決まりです。コンロから適正な位置を保ちつつ、使い勝手のよい位置に吊り戸棚を設置しましょう。
場所はコンロ付近でなければ自由
吊り戸棚は設置場所によって、使い勝手やキッチンの雰囲気が変わります。コンロ付近以外なら自由に設置できるので、もっとも使いやすいと思える場所を選びましょう。
シンクや作業台の上に吊り戸棚を設置すれば、作業時の動線が少なくなるので、利便性が上がります。カウンターキッチンでリビングからの目線が気になる場合、目隠し代わりに吊り戸棚を設置してもいいでしょう。
キッチン背面の天井付近に設置したり、壁の中ほどに取り付けてウォールキャビネットにしたりもできます。
吊り戸棚を後付けしてキッチンを使いやすく
キッチンに食器棚やラックを置くスペースを確保せずとも、デッドスペースを活用して収納を増やせる点が、吊り戸棚の魅力です。下部にキッチンライトを付ければ、手元が明るくなり、調理や洗い物などの作業も捗ります。
費用や設置場所の目安を参考に吊り戸棚を後付けして、キッチンの利便性を高めましょう。
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