和室の畳をフローリングに張り替えたいなら、ぜひDIYにチャレンジしてみましょう。好みの素材を使えば、理想の空間を自分の手で作り上げられます。フローリングの種類や特徴、張り替えの手順も詳しく解説します。
畳をフローリングにDIYする際に必要な物と費用
DIYを実行するためには、道具や材料が必要です。ほとんどの道具や材料は、ホームセンターで用意できるでしょう。それぞれにかかる費用の目安も紹介します。
必要な道具
畳の部屋をフローリングへ張り替えるために用いる、主な道具は以下の通りです。
道具 | 主な使用用途 |
丸ノコギリ | フローリングの切断 |
電動ドライバー | ネジ締め |
玄翁(げんのう) | 釘打ち |
サシガネ | 長さの測定や印付け |
ポンチ | 釘の打ち込み |
メジャー | 材料の長さ測定 |
カッター | フローリングの微調整 |
木製ハンマー | フローリング材のはめ込み |
ノコギリ | フローリングの切断 |
墨つぼ | 切断位置に印をつける |
カンナとノミ | フローリングの微調整 |
必須の道具は、全てそろえると約1万5,000~3万5,000円かかります。ノコギリ・墨つぼ・カンナとのみは、あると便利な道具で、これらは約4,000~1万円が費用の目安です。
必要な材料
畳の部屋をフローリングへ張り替えるために必要な、主な材料は以下の通りです。
材料 | 主な使用目的 |
断熱材 | 下地の厚さ調整と部屋の保温 |
根太(ねだ) | 床板を支える |
ベニヤ板【合板】 | フローリングの下地とする |
フローリング材 | フローリングの固定 |
カクシ釘 | フローリングの固定 |
フロア釘 | フローリングの固定 |
電動ドライバー用の木ネジ | フローリングの固定 |
断熱材と合板の費用は、1畳あたりそれぞれ約1,000~1,500円です。釘とネジも、それぞれ約1,000~1,500円分もあれば足りるでしょう。
フローリング材は種類により価格に大きな差があります。8畳の部屋を張り替える場合、費用の目安は約1万~7万円です。根太は、1mあたり約1万円かかります。
フローリングの素材と特徴
フローリングは無垢と複合の2種類に大きく分けられます。それぞれの違いや特徴を押さえておきましょう。
また、木材であるフローリングには、さまざまな樹種が使われています。その中でも人気がある、オークの魅力も併せて紹介します。
天然木100%の無垢
天然木100%の板だけを使って作られたフローリング材が「無垢フローリング」です。オーク・パイン材・スギ・ヒノキ・桐・ウォルナットなどが、素材に使われます。
柔らかな手触りや天然木特有の香りが魅力です。時間の経過とともに表情を変える、木目調の風合いで楽しめるでしょう。
木の種類により、傷が付きやすかったり変形しやすかったりすることがデメリットです。床暖房に向かない素材もあります。メンテナンス性も低く、小まめな手入れが必要です。
天然木で作られていることから価格は高めですが、木の種類によっては比較的安価で入手できるものもあります。
一般的に使われる複合
数枚の合板を重ね合わせて作られたフローリング材が「複合(合板)フローリング」です。機能性に優れ、価格も比較的安いため、広く一般的に使われています。
湿度や温度の変化に影響を受けにくく、割れたり変形したりしにくいことが魅力です。床暖房がある部屋にもよく使われています。
傷や汚れにも強いため、さまざまなタイプの部屋に向いています。メンテナンス性が高いこともメリットです。
複合フローリングは、表面の化粧材により、挽き板・突き板・シートの3種類に分けられます。無垢材と同じ質感を出したり、手入れをしやすくしたりと、それぞれに特徴があります。
人気の素材はオーク
フローリング材に使われる素材の中で、多くの人気を集めている樹種が、どんぐりの実を付ける木としても知られる「オーク(ナラ)」です。
明るい雰囲気のヨーロピアンオークに比べ、落ち着いた印象を与えやすいため、どのような部屋にも合うでしょう。日本では主流のフローリング材です。
「虎斑(とらふ)」と呼ばれる特徴的な模様を持ち、硬質ながら弾力も備わっています。醸造樽に利用されるほどの耐水性・耐久性を持ち合わせていることも魅力です。
まずは下準備をしよう
道具と材料がそろったら、フローリングを張る下準備をしましょう。畳を全てはがすことと、下地を作る前の状態確認・採寸が必要です。
畳をはがす
下準備で畳をはがす際は、畳の隙間にマイナスドライバーなどを差し込んで持ち上げれば、比較的楽にはがせます。
畳の隙間や下にたまっているホコリが、はがす際に舞いやすいため、ホコリを吸い込まないように作業中はマスクを着用しましょう。
はがした畳が不要な場合は、処分する必要があります。畳の処分費用は、1枚あたり1,000~2,000円が目安です。
状態の確認と採寸
畳をはがし終えたら、コンクリートの下地を隅々まで掃除しましょう。カビが発生している場合は、消毒用エタノールやブラシを使い、きれいにしておく必要があります。
部屋の隅にある木材の出っ張りや、コンクリートボンドの余りが固まった部分は、根太を置くのに邪魔であれば、道具を使って除去しましょう。
床がきれいになった後は、部屋の幅と奥行き、必要なフローリングの厚みなどを、メジャーで採寸します。
1回のみの採寸では正確に測れない可能性があるため、複数の個所を何度か採寸するなどして、できるだけ正確な長さを出しましょう。誤差があると、後から余計な手間がかかってしまいます。
下地の作り方
フローリングの下地作りは、フローリング張りDIYで最も重要な工程です。根太・断熱材・ベニヤ板を使い、基礎となる下地をしっかりと整える必要があります。
部屋のサイズに合わせて根太を置く
下地作りでは、最初に根太を設置します。採寸した部屋のサイズに合わせて根太をカットし、床材の向きに対して垂直に置いていきましょう。
根太は上部が水平になるように置くことが重要です。床にゆがみなどがある場合は、部分的に高さを調整しながら並べましょう。
根太の端を床の縁にぴったり付けてしまうと、床鳴りの原因になります。数ミリ空けて固定するのがコツです。
根太それぞれの幅がずれないよう、メジャーで測りながら平行に並べ、電動ドライバーで固定すれば根太の設置は完了です。
断熱材を敷き詰める
根太を取り付けた後は、根太の間に断熱材を敷き詰めていきます。隙間ができると床下から空気が入ってくるため、隙間ができないように詰めるのがポイントです。
断熱材は、カッターで簡単に切断できます。詰めた後、根太との間に隙間ができるようなら、断熱材を小さくカットしたものをさらに詰め込みましょう。
作業中に足場がなくなったときは、断熱材の上に乗らないよう、根太の上にベニヤ板を敷いて足場を作ります。
断熱材の上に乗ってしまうと形が崩れてしまい、保温効果が半減してしまいかねません。
ベニヤ板を設置する
床材を張る前に、ベニヤ板を設置します。ベニヤ板は、接地面を大きくし、フローリングをより強く固定するために、捨て板としての役割を担う材料です。断熱や湿気対策にも効果を期待できます。
最初に、丸ノコギリでカットしたベニヤ板を仮置きしていきましょう。部屋の中央付近から並べていけば、端のベニヤ板のサイズを調整しやすくなります。
ベニヤ板を置く際は、断熱材とベニヤ板それぞれの境目が重ならないように並べるのがポイントです。
それぞれのポジションが決まったら、墨つぼで目印を付けておき、改めてカットしたベニヤ板を木ネジで固定していきます。ネジの頭が出るとフローリングが浮いてしまうため、最後までしっかりと打ち込みましょう。
フローリングに張り替える方法
下地が整ったら、最終工程である張り替えに移ります。質の高い仕上がりになるよう、以下の手順をしっかりと確認しましょう。
いきなり張らずに仮置きで確認を
フローリングを張る際は、最初に仮置きし、配置と必要枚数をチェックしましょう。細かいサイズの調整も、仮置き時に行います。
柱の出っ張りなど、実際に並べて初めて気付くイレギュラーな部分もあるでしょう。部屋の端に合わせたサイズ調整を行う際も、仮置きすることで正確にカットできます。
仮置きした後は、どこにどの板を置いたのかが分かるよう、部屋の隅に寄せておきましょう。
フローリングの張り方
床板は、境界線が互い違いになるように並べるのが基本です。張り替える際は、隣同士の凸サネ(オザネ)と凹サネ(メザネ)をはめ込むようにして張っていきます。
サネとは、床板の端にある凹凸です。片方には出っ張った凸サネ、もう片方には引っ込んだ凹サネがあります。
凸サネと凹サネを組み合わせることで、フローリングのずれを防げます。実際に張り替える際は、きしみなどを防ぐために、釘やボンドを使って1枚ずつしっかりとはめ込んでいきましょう。
また、床板をはめ込む際に木製ハンマーを使う場合は、叩いた部分が割れないように、必ず当て木を使うことが重要です。
まずは1列張ってみよう
仮置き後のカットをし終えたら、まずは1列目のフローリングを張ります。最初の列は、壁側に凹サネを向けるのが基本です。1列目の凹サネは、丸ノコギリで1㎝ほど切断しておきましょう。
より強度を増すために、フローリングを置くベニヤ板の上に、木工用ボンドを塗っておきます。
1列目を置いたら、凸サネにフロア釘を斜めに打ち込み、ポンチでしっかりと叩き込めば完了です。2列目以降も同様に、ボンドとフロア釘を使って、しっかりと固定しながら張っていきましょう。
フローリング同士がきれいに組み合わないときは、カンナや紙やすりなどを使って微調整します。無理にはめ込むときしみなどの原因になるため、注意が必要です。
最終列のはめ込み方
最終列は、すぐ前の列と一緒にはめ込みます。2列を残して張り終えたら、最後の壁までをしっかりと採寸し、2列分のサイズが合うように細かくカットしておきましょう。
残り2列を仮置きし、うまくはまりそうなら、ベニヤ板にボンドを塗っておきます。続いて2列の間が山なりの形になるように置き、中央の浮き上がった部分に体重を乗せてはめ込みましょう。
中央部分を押し込んでも山なりになる部分がある場合は、当て木を使って木製ハンマーでしっかりとはめ込みます。
最終列にカクシ釘を約40~50cm間隔で打ち、釘頭を整えれば完成です。
簡単にフローリングにする方法もある
畳をはがした状態から、簡単にフローリングを敷ける商品を2点紹介します。下地作りからフローリングの張り替えまでの作業が面倒な人におすすめです。
賃貸でもできるイージーロックフローリング
イージーロックフローリングは、ボンドや釘を使わずにフローリングが敷ける、はめ込みタイプのフローリングです。
置いてはめるだけで完成するため、賃貸で使っても原状回復を気にする必要がありません。場所を変えたい場合も、使いたい場所に持ち運べば、すぐにフローリングが敷けます。
畳やカーペットの上で使えることも魅力です。表面の仕上げ材にはオークの天然木を使用しているため、見た目や質感でも楽しめます。
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価格:6,200円(2020年現在)
敷くだけでデザインも楽しめるフロアタイル
フロアタイルは、施工の手軽さとデザイン性の高さが魅力的な床材です。塩化ビニル素材を使っているため、耐久性と耐水性に優れています。
パズルのように簡単に敷ける上、カッターで切りやすいことも特徴です。初心者でも楽にDIYできるでしょう。
飲み物などをこぼしても、拭き取った後に汚れがほとんど残りません。メンテナンス性が高く、天然素材のフローリングのようなワックスがけも不要です。
デザインは、木目調や石目調など、さまざまな模様が用意されています。クッションフロアに比べ、さらにリアルなデザインで楽しめるでしょう。
商品名:Takarafune フローリング 床デコ フロアタイル 接着剤不要 木目 床 防水シート 床材 貼るだけフローリングタイル 36枚セット
価格:7,980円(2020年現在)
プロに頼んで和室をフローリングにしよう
フローリング張りDIYで必要な道具や材料のほとんどは、ホームセンターで用意できます。フローリングを購入する際は、素材の違いや特徴を考慮して選びましょう。
しかし、下準備・下地作り・張り替えと進めていくのが時には負担になることもありますよね。慣れない作業に時間がかかることも多いでしょう。そんな時はプロの業者にフローリングの張り替えを依頼することをおすすめします。「ミツモア」なら、質問への答えをクリックするだけで、簡単に複数の事業者から見積もりと提案が届きます。
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