大切な衣類を綺麗に洗ってくれる洗濯機。しかし、同じ洗濯機をずっと使い続けていると、洗い上がった衣類から嫌なにおいがしたり、黒い汚れが付いたりすることがあります。
実は、このにおいや汚れは、洗濯槽内部にこびりついたカビなどが原因。そのため、衣類をしっかり綺麗にするには、洗濯機も定期的に掃除する必要があるんです。
そこでおすすめなのが、「酸素系漂白剤を用いた掃除方法」です。酸素の力でにおいや汚れを剥がし取ってくれるため、掃除後はすっきりとした洗濯機を取り戻せますよ。今記事では、そんな酸素系漂白剤の正しい使い方をご紹介します。
洗濯機の掃除が必要な理由
洗濯機が汚れる原因
一見綺麗に見える洗濯槽でも、その内部は結構な汚れが溜まっています。その汚れとは、主に以下の3つが原因です。
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洗濯槽は以上のものが蓄積されていくことによって、洗濯機の雑菌が繁殖し、頑固な黒カビが発生してしまうのです。
もし掃除しないとどうなる?
これらの汚れを放っておくと、以下のような被害が発生します。
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洗濯槽は以上のものが蓄積されていくことによって、洗濯機の雑菌が繁殖し、頑固な黒カビが発生してしまうのです。これでは、洗濯をすることでむしろ衣類を汚しているのと同じ。衣類をしっかり綺麗に洗うには、洗濯槽を清潔にすることが何よりも大事なのです。
「酸素系」と「塩素系」実際どっちがいいの?
酸素系と塩素系の違い
洗濯槽クリーナーには、「酸素系」の他に「塩素系」のものもあります。この2種類の主な違いは「原料」で、それによって洗浄力などにも違いがあるのです。
酸素系と塩素系の違い | 酸素系 | 塩素系 |
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成分 | 過炭酸ナトリウム | 次亜塩素酸ナトリウム |
特徴 | 発泡力で汚れを剥がし落とす。 | 強い洗浄力で汚れを溶かし落とす。 |
メリット | ・環境や手肌に優しい。 ・においが少ない。 | ・殺菌力が非常に強い。 ・使い方が簡単で、掃除時間も短い。 |
デメリット | ・掃除に時間がかかる。 ・塩素系よりも洗浄力は劣る。 | ・刺激が強く、環境や手肌へ影響してしまう。 ・塩素臭が気になる。 |
このように、酸素系は塩素系に比べて洗浄力は劣るものの、刺激が少ないことが特徴です。そのため、小さいお子さんがいるご家庭など、成分にこだわりのある方には特におすすめですよ。
酸素系と塩素系は使い分けが大切
酸素系と塩素系、どちらを使えばいいの…と悩んでいる人も多いはず。
酸素系と塩素系は、掃除の頻度のよって使い分けるのがおすすめです!
1か月に1回・・・酸素系
半年に1回・・・塩素系 1年以上掃除をしていない・・・酸素系+塩素系 |
1年以上掃除をしていない場合、酸素系漂白剤だけでは汚れをしっかり落とすことができない可能性が高いです。
この場合は、最初に酸素系漂白剤を使って汚れを大まかいに落とし、そのあと塩素系漂白剤を使って細かな汚れを落としていきましょう。
液体と粉末の違い(酸素系漂白剤)
洗濯槽の掃除は、専用の洗濯槽クリーナーの他にも「オキシクリーン」や「ワイドハイター」、「ブライト」などでも代用できます。これらも専用クリーナーと同じ酸素系漂白剤なので、代用しても同じように効果を発揮してくれますよ。
ただ、酸素系漂白剤には「液体タイプ」と「粉末タイプ」があります。これらは実は主成分が異なるため、以下のように特徴も違うのです。そのため、最初に「液体」と「粉末」の違いを抑え、自分に合った漂白剤を使用していきましょう。
液体と粉末の違い | 液体タイプ | 粉末タイプ |
---|---|---|
主な商品名 | ワイドハイター(液体) 手間なしブライト | ワイドハイター(粉末) オキシクリーン |
成分 | 過酸化水素水 | 過炭酸ナトリウム |
特徴 | 洗剤と一緒になることで除菌・殺菌効果が高まる。パワーが弱い分、刺激も少ない。 | 液体タイプよりもパワーが強く、その分洗浄力も刺激も勝る。 |
掃除方法 | 液体漂白剤の他に、粉石けん50gも一緒に入れる。 | 粉末漂白剤のみで掃除可能。 |
ドラム式洗濯機に酸素系漂白剤は使えない
刺激が少ないのが魅力な酸素系漂白剤ですが、注意点は「どの洗濯機にも使用できるわけではない」ということです。実は、酸素系漂白剤はドラム式洗濯機には使用することができません。その理由は、以下の3つ。
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酸素系漂白剤はつけ置きする必要があるため、すぐに排水されると効果を十分に発揮できません。さらに、洗浄途中で剥がれ落ちてきた汚れを取り除く作業もありますが、途中でドアを開けることができないドラム式ではその作業が不可能。
他にも、「給水センサーに泡が付いてエラーが出る」など、故障に繋がる可能性もあるため、ドラム式洗濯機では酸素系漂白剤を使用するのは避けましょう。
ドラム式洗濯機の掃除方法については以下の記事で詳しく紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
【図解】酸素系漂白剤を用いてお掃除!5ステップ
正しい掃除方法を徹底解説!
酸素系漂白剤を使用するときは、つけ置きする時間を設けたり、浮いてきた汚れをすくい取ったりする作業が必要です。そのため、「どのくらいの時間つけ置きするか」や「どのタイミングで汚れを取るか」などを事前に把握しておき、スムーズに掃除を進めていきましょう。
また、酸素系漂白剤はお湯を使うことでより効果がアップします。そのお湯の温度も大事なポイントとなるので、しっかり抑えておいてくださいね。
ゴミすくいネットを用意しよう
酸素系漂白剤を用いた洗濯槽掃除では、「ゴミすくいネット」が必需品となります。これは、途中で剥がれ落ちてきた汚れを取り除くためのものであり、この作業を行わないとしっかり洗濯槽を綺麗にできません。なお、ゴミすくいネットは100均などでも売られているため、安価で手に入れることができますよ。
その他、必要な道具は以下の通りです。掃除前に準備し、万全な状態で槽洗浄に取り掛かりましょう。
【必要な道具】
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【手順1】ゴミとりネットを外す
まず初めに、ゴミとりネットなどの取り外せる部品を外していきます。洗濯機の汚れは、洗濯槽の他にも様々な部品に付着しているため、取り外して個々に掃除していきましょう。また、部品が取り付けられていた本体側のジョイント部分にも汚れが溜まっているので、歯ブラシなどで磨いて綺麗にしてください。
【手順2】お湯と洗濯槽クリーナーを入れる
酸素系漂白剤を使用するときは、水ではなくお湯で洗浄していきます。これは、お湯を使用した方がより成分の活動が活発し、洗浄効果がアップするのが理由です。
ただし、お湯といっても熱湯は故障の原因になるためNG。最適な温度は40〜50℃程度の少し熱めのお湯で、満水まで溜めるのがポイントです。お湯が溜まったら、漂白剤を規定の量投入しましょう。
また、この時に洗剤や柔軟剤の投入口にもお湯を注いでみてください。投入口には、洗濯時に投入した洗剤が溶け残って固まっていることがありますが、お湯を注ぐことでこれらの汚れも除去することができますよ。
【手順3】洗濯機を回して放置
洗濯機を回して漂白剤を溶かしていきます。この時、「槽洗浄」コースがある場合はそちらを選択し、ない場合は「標準」コースを選択します。
ただし、標準コースを選ぶ場合はすぐに排水してしまわないよう、「洗い」のみを選択するようにしましょう。回す時間は一番短い時間でOKです。
回し終えたら、そのままの状態で放置します。放置している間に漂白剤の成分が働き、汚れをどんどん剥がし落としてくれますよ。放置時間は、最低でも2〜3時間、できれば一晩放置しておくのが理想です。
【手順4】出てきたゴミをすくう
ゴミすくいネットを使って、剥がれて浮いてきた汚れを取り除きます。少し面倒な作業ですが、この行程を怠ると汚れが詰まって排水されなくなることもあります。そのため、剥がれてきた汚れはすべて取り除く気持ちで頑張りましょう。
また、放置している間に底に沈んでしまった汚れもあるかと思います。その場合は、再度「洗い」のみで洗濯機を回し、攪拌されて浮いてきたところを取り除くようにしましょう。何度か「洗い→ゴミを除去」を繰り返し、汚れが見えなくなってきたら完了です。
【手順5】脱水
取り外しておいたゴミとりネットを装着し、脱水・排水を行なっていきます。ゴミとりネットを装着して脱水することで、手では取りきれなかった細かいゴミを除去することができますよ。
また、排水後に洗濯槽の底にゴミが付着していたら、綺麗に拭き取るようにしましょう。最後に、ゴミとりネット内のゴミも取り除いて洗濯槽掃除は終了です。
取り外し可能なものも掃除する
洗浄前に取り外した部品は、以下のように掃除しましょう。
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ポイントは、掃除後によく乾燥させてから本体に戻すことです。
もし水気が残ったまま本体に戻してしまうと、カビが繁殖しやすい環境が作られてしまい、せっかく掃除をしてもすぐにカビが生えることがあります。それではせっかく掃除をした意味がなくなってしまうため、きちんと水気を取り除くよう気をつけましょう。
使用する洗剤に記載されている用法を守る
酸素系漂白剤を使用した掃除方法は、大抵の場合上記の手順でOKです。しかし、使用する洗剤によって若干手順が異なる場合があるので、事前にパッケージに記載された用法を確認し、それに沿って掃除を進めていくようにしましょう。
また、酸素系漂白剤はステンレス以外の金属と反応してしまうため、洗濯機によっては「酸素系漂白剤の使用不可」となっていることもあります。知らずに使用してしまわないよう、事前に取扱説明書などで確認することを忘れないようにしてください。
おすすめの酸素系漂白剤3選
一口に「酸素系漂白剤」と言っても、店頭には様々な種類の商品が売られています。そのため、どの漂白剤を選べばいいのか悩んでしまう方も多いですよね。
実は、同じ酸素系漂白剤でも商品によって特徴が異なります。そのため、「自分に合った商品」というのはそれぞれ違ってくるのです。そこで、今回は3種類の酸素系漂白剤の特徴をご紹介します。成分や掃除時間など、“重視したいところ”で比較して選んでみましょう。
シャボン玉
価格 | 850円 |
特徴 |
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オキシクリーン
価格 | 982円 |
特徴 |
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ワイドハイター
価格 | 508円 |
特徴 |
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普段からできる予防法
洗濯槽を清潔に保つには、定期的な漂白剤での掃除が欠かせません。しかし、掃除の他にも洗濯槽の汚れを抑える方法があるのです。それは、「カビが繁殖しやすい環境を作らない」ということ。
カビは、温度・湿度・汚れの3つの条件が揃うことで繁殖します。しかし、逆に言えばこの3つのうちどれかが欠けるだけで繁殖することはないんです。
そこで、「普段からできる洗濯槽の汚れ防止策」を3つご紹介します。どれもすぐに実践できるものなので、今から意識的に取り入れてみましょう。
【予防法①】洗剤を適量を超えて使用しない
普段の洗濯時、給水された水の量に合った洗剤量を守っていますか?もしも余分に洗剤を投入しているなら、余計に洗濯槽を汚してしまっている可能性が高いです。
なぜなら、水の量に合った洗剤量を守らないと、溶け残った洗剤が汚れとなって付着してしまいます。さらに、その洗剤カスはカビの栄養分ともなるため、見えないところでカビがどんどん繁殖している恐れもあるのです。
「洗剤を多めに入れたほうが洗浄効果がアップしそう」と思う気持ちもとてもよく分かりますが、洗濯槽を清潔に保つには「規定の量」を守ることが大切。規定通りの洗剤量でもしっかり衣類を綺麗にすることができるので、安心して決まった量の洗剤を投入してくださいね。
【予防法②】洗濯槽の中に衣類を入れっぱなしにしない
1日着ていた衣類には、ホコリや皮脂汚れなどの見えない汚れがたくさん付着しています。もしも、その汚れた衣類を直接洗濯槽の中に放り込んでいるのなら、今すぐにやめることをおすすめします。
なぜなら、汚れた衣類を洗濯槽に入れて放置するのは、カビを呼び寄せているのと一緒だからです。衣類に付着した汚れはカビの栄養分となりますし、衣類を槽内に入れて放置しておけば槽内の湿気が上昇します。
この湿度が高くて栄養分のある状態というのは、カビにとってかなりの優良物件。すぐにでもカビが住み着いてしまう原因となるため、脱いだ衣類は洗濯カゴに入れるなどして対応しましょう。
【予防法③】洗濯機のふたを開けておく
水を使って衣類を洗う洗濯機。洗濯終盤には衣類を脱水する行程はありますが、この時に洗濯槽内の水気もなくなっているかというとそうではありません。衣類の水気は脱水機能によって飛ばされるのですが、その飛ばされた水気は洗濯槽の裏側に残っています。そのため、洗濯槽内は常に湿気が高い状態なのです。
湿気が高いということは、カビが繁殖しやすいということ。そこで、洗濯終了後には洗濯機の蓋を開けて内部を乾燥させるようにしましょう。
もしも、小さいお子さんがいて蓋を開けておくのは心配という方は、数時間だけでも蓋を開けておく時間を作るのがおすすめです。また、洗濯機に「乾燥機能」がある場合は、そちらを使用するのも効果的ですよ。
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「長年放置していた頑固な洗濯機汚れを落としたい」「市販の洗濯槽洗剤では効果が感じられなかった」などという方は、プロに洗濯機掃除を依頼するのがおすすめです。しかし、プロに頼むと言っても、初めて利用する方はいろいろと不安な点がありますよね。
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