シロッコファンの特徴は？ターボファン、プロペラファンとの違い

キッチンで利用される換気扇にはいくつか種類があり、特徴や取り付けられる場所が異なります。その中のひとつ、シロッコファンとは、どのような換気扇なのでしょうか。シロッコファンの特徴や、ほかの換気扇との違い、換気扇の選び方について解説します。

シロッコファンとは？

「シロッコファン」とは、そもそもどのような換気扇を指すのでしょうか。ここからは基本知識として、シロッコファンの特徴を解説していきます。

たくさんの羽根がある筒状の換気扇

シロッコファンは羽根が筒状に配置された換気扇で、回し車やタイヤに似たフォルムが特徴的です。縦に細長いスプーン状の羽根がたくさん付いていることから、別名「多翼ファン」とも呼ばれます。

従来のプロペラファンは空気を切るように排気を行う「軸流式」でしたが、シロッコファンはこのスプーン状の羽根が遠心力を生むことで空気を押し出す仕組みの「遠心式」です。

また耐久性に優れていて汎用性があるため、最近では多くの住宅で採用されている人気の換気扇でもあります。

キッチンや浴室などで使用される

シロッコファンは基本的に、キッチン・浴室などの換気機器に取り付けて使用されているのが特徴です。

キッチンであれば、ガスコンロを上から覆うように設置されているレンジフードという換気機器に取り付けるのが一般的となっています。

そのほかにも天井埋込型換気扇・浴室暖房乾燥機など、さまざまな場所に取り付けができ、汎用性の高い換気扇といえるでしょう。

シロッコファンのメリット・デメリット

最近多くの住宅で使用されているシロッコファンは、他の換気扇と比べて優れた点が主に3つあります。

• 静音
• ダクトの狭い場所でも安定して排気が可能
• 場所を問わず設置可能
• 外の風の影響が少ない

シロッコファンは室内の空気をダクトを通して排気するため、屋外の風から受ける影響が少ないだけでなく、屋外と接していない部屋にも設置が可能です。気密性の高い住居・集合住宅などで活用されています。

シロッコファンのデメリットは、吸引力が他の換気扇と比べて劣る点が挙げられます。しかし空気を送り出す力は強いので、換気力全体としては劣っていません。

ターボファン・プロペラファン（軸流）との違い

シロッコファン以外の代表的な換気扇は、「ターボファン」と「プロペラファン（軸流）」の2つです。3つの違いや特徴を表にまとめてみました。

羽根の枚数と向き

シロッコファン、ターボファン、プロペラファン（軸流）は、羽根の形状・枚数・向きが異なります。

• シロッコファン

パワーではほかの換気扇に劣るものの、空気を送り出す力に優れ、ダクトなどの狭い場所にも安定して排気ができます。回転音も静かです。

• ターボファン

筒状の換気扇という点でシロッコファンに類似していますが、羽根は幅広で枚数が少なく、後ろ向き・斜めに付いています。回転が速いためシロッコファンと比べて風量が強く、換気効率が高いのが特徴です。

• プロペラファン（軸流）

は扇風機に似た構造で、羽根はほかの2つと比べて枚数が少なく、大きいです。パワフルな風量でコストパフォーマンスも高いものの、回転音は大きめでしょう。

取り付け可能な場所が異なる

3種類の換気扇は取り付け可能な場所がそれぞれ異なります。それぞれの換気扇で推奨される取り付け場所は以下のとおりです。

• プロペラファン：戸建住宅
• ターボファン：戸建住宅の2階以上・低中層マンション
• シロッコファン：高層マンション

プロペラファンはダクトを通さず排気を行うため、集合住宅や2階以上での利用には向きません。マンションなどで利用するのであれば、ターボファンかシロッコファンをおすすめします。

特にシロッコファンは外気の影響を受けにくいため、高層マンションでの利用にも最適です。ただし住宅の構造によっては取り付けができない場合もあるため、不安なときはプロの業者に確認をしましょう。

キッチンの換気扇選びのポイント

キッチンではどのタイプの換気扇を選ぶべきでしょうか。ここからは換気扇選びのポイントを詳しく解説していきます。

ファンの掃除のしさすさ

換気扇の掃除のしやすさは、羽根の枚数で決まるといっても過言ではありません。羽根の枚数が多ければ多いほど、掃除にかかる手間と時間は増していくでしょう。

掃除のしやすいファンの順番は、プロペラファン＞ターボファン＞シロッコファン です。

どのタイプの換気扇も自身で洗う際は、洗剤を吹きかけてお湯に漬け置きした上で、ブラシ・スポンジを使って汚れを落としていきます。

使用状況によっては油汚れがひどく、掃除が大変となるケースもあります。掃除が面倒に感じる人は業者に依頼するのもひとつの方法です。

こちらの記事では、換気扇の手入れの詳しい方法や頻度について説明してあるので、ぜひご覧ください。

自動お掃除機能の付いたレンジフードも登場

最近のレンジフードは自動お掃除機能が付いているタイプも存在します。おすすめのレンジフードを2つ紹介します。

①パナソニックの「ほっとくリーンフード」

• 高速回転により自動的に換気扇の油汚れを落としてくれる
• 換気扇の掃除は10年に1度で良い

②クリナップの「洗エールレンジフード」

• お湯をセットするだけで換気扇を自動洗浄してくれる
• 掃除が必要ない

これらのレンジフードなら、羽根の枚数が多く掃除に時間がかかりがちなシロッコファンも、ストレスなく利用できるでしょう。

スタイリッシュさを求めるなら小型のシロッコファン

小型のシロッコファンもあります。大きいシロッコファンと比べて換気効率は劣りますが、目立ちづらいのでお部屋になじみやすいのがメリットと言えるでしょう。

パナソニックの製品だと、値段はおおよそ5,000円です。他のシロッコファンと比べて手ごろな価格な点も嬉しいポイントです。

住環境に合った換気扇を選ぼう

レンジフードに取り付けて利用するシロッコファンは、外気の影響を受けにくく、集合住宅などでの利用に適した換気扇です。また回転音も静かなため、使い勝手が良いのもうれしいポイントといえます。

掃除はやや面倒なものの、自動お掃除機能の付いたレンジフードを併用すれば、手間と時間を大きく削減できるでしょう。換気扇にはそれぞれに強み・弱みがあるため、住環境に合ったものを選ぶことが重要です。

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