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換気扇の仕組みを解説!24時間換気システムと換気扇の違い

最終更新日: 2024年06月28日

換気扇は種類ごとに仕組みが違い、それぞれに特徴があります。

この記事では「換気扇と24時間換気システムってどう違うの?」「どのくらいの頻度で手入れしたらいいの?」といった疑問にもお答えしていきます。

換気の果たす役割についてしっかりと理解したうえで、適切に換気扇を利用することが必要です。

換気扇の仕組みを解説!【種類別】

換気扇の仕組み プロペラファンとシロッコファンの違い

トイレの換気扇もキッチンの換気扇も、代表的には「プロペラファンタイプ」「シロッコファンタイプ」の2種類があります。それぞれの換気扇の特徴を紹介します。

プロペラファンタイプ

プロペラタイプ

「プロペラファンタイプ」は昔ながらの換気扇で、古い家屋によくあるタイプです。

  • 見た目:扇風機に似ており、モーターの周りに4〜6枚の羽根が付いています。
  • 仕組みこの幅広の羽根が回転することで、ダクトを通さずに直接的に排気を行います。プロペラファンタイプの換気扇は、設置する壁が屋外に面している必要があります。そのため、戸建住宅で使われることの多いタイプです。
  • 特徴:排気量が多くて換気効率が高い反面、回転音はやや大きめになります。比較的リーズナブルで簡単に取り外せる上に、手入れもしやすい点がメリットです。

シロッコファンタイプ

「シロッコファンタイプ」の換気扇はマンションや最近の家に多く見られます。

  • 見た目:タイヤのようなフォルムで、たくさんの縦長の羽根が筒状に取り付けられています。
  • 仕組み:ダクトを通して空気の排気を行います。プロペラファンと違い換気扇の設置場所が屋外に面している必要がないため、集合住宅や対面キッチンに適しています。
  • 特徴:プロペラファンに比べて丈夫で、比較的回転音も静かです。さらに電力消費量が少ないため電気代の節約につながるのもうれしいポイントでしょう。

24時間換気システムの仕組みを解説!

近年の建物は換気扇の他に「24時間換気システム」が取り付けられている場合がほとんどです。

普通の換気扇と何が違うのかわからない、という方もいますよね。ここからは24時間換気システムの仕組みについて解説をします。

24時間換気システムとは

24時間換気システムとは、住居全体の空気を入れ替える換気システムのことです。

換気扇というと、キッチンやトイレの「トイレの換気扇を回したらトイレだけ換気される」というようなイメージを抱きますよね。これは「局所換気」といいます。

24時間換気システムは局所換気とは違い、1つの装置で全部の部屋を換気できる仕組みになっています。

昔の家は木材の隙間や窓から自然に換気ができました。しかし現代の住居は気密性が高く、建材・家具の化学物質が外に排出されにくくなっています。この化学物質によって倦怠(けんたい)感・めまい・頭痛といった症状が起こる「シックハウス症候群」という健康被害が問題になりました。

このシックハウス症候群による健康被害を解決するために、2003年7月1日施行の改正建築基準法により設置を義務付けられたのが、「24時間換気システム」です。

つまり、2003年以降に建てられた家なら必ず24時間換気システムがついているということですね。

24時間換気システムを稼働すると、2時間ほどで室内全体の空気を入れ替えることができます

24時間換気システムの仕組み

マンションの換気の流れ
マンションの換気の流れ

24時間換気システムでは、給気・排気を自動的に行います。1つの装置ですべての部屋を換気するため、室内には部屋をまたいで空気が通るような換気経路が備わっています。

例えば、屋外に面した壁から取り入れられた空気が、ドアの隙間や廊下を通ってリビング・寝室・浴室・トイレなどを経由していく流れです。

一方新鮮ではない空気は、部屋ごとの換気扇などから室外に排気されます。

これにより居住者が特別な換気対策を行わずとも、室内の空気を常に新鮮に保つことができるのです。

3種類の換気方式

24時間換気システムには給気・排気の方法に応じて、大きく3種類あります。

給気は室内に空気を取り込むこと排気は屋外へ空気を排出することです。

ファン(機械)によって給排気をするのか、換気口を通した自然な給排気をするのかで種類が分かれています。

第1種換気方式

  • 給気:ファン
  • 排気:ファン
  • 給気・排気の両方に機械を使うので換気効率は最も高い。しかし電気代、メンテナンス代などのコストがかかる。

第2種換気方式

  • 給気:ファン
  • 排気:自然
  • 機械で空気を取り込み室内の気圧を高めることで、排気口から自然に空気を排出します。住宅で採用されることはあまりありません。

第3種換気方式

  • 給気:自然
  • 排気:ファン
  •  機械で空気を排出し室内の気圧を下げることで、給気口から自然に空気を取り込みます。多くの住宅で採用されている方式です。

24時間換気システムは常につけておくべき?

窓を開けて換気

結論から言うと、24時間換気システムは常につけておくべきです。

しかし、悪天候の日は雨や雪の侵入が心配だったり、ずっとつけていたら電気代が高くなるのではないかと不安だったりしますよね。

ここでは、24時間換気システムの普段の使用で気をつけるべきことを解説していきます。

雨や雪の日は給気口を閉じてもよい?

天気が悪い日や、外気がとても冷たい日は、給気口から雨や冷気が入ってきそうで閉めておきたくなりますよね。

台風などのひどい悪天候の日は、雨が打ち付けられて入ってくる可能性もあるので閉じても問題ありません

ただし、梅雨のような湿気の多い時期や、外の気温が低い時期に給気口を閉めっぱなしにしておくと、結露の原因になることもあります。

雨風の影響があるとき以外は、基本的に給気口を開けておきましょう。

正しく手入れをしよう!

24時間換気システムの給気口・排気口・換気扇は、利用しているうちにホコリ・ゴミ・花粉・PM2.5などがフィルターに詰まってしまいます。そのまま放置すると、換気効率が下がったり汚れた空気を取り込んでしまいますよね。

本来の換気効率を維持するためには、定期的な手入れが必要です。

24時間換気システムは1カ月に1度程度の頻度で手入れをしましょう

給気口のフィルターについては、2年に1度を目安に新しいものに交換しましょう

ちなみに給気口・排気口の手入れの手順は以下の通りです。

  1. 換気扇の電源を切り、カバーとフィルターを外す
  2. 内部やフィルターについた汚れやほこりを拭き取る
  3. フィルターを優しく洗いカビが発生しないように陰干しをする
    水洗いができない場合は、フィルターの汚れを掃除機で吸い取る

ただしメーカーによっては手入れの仕方が異なる可能性もあるため、事前に取扱説明書を確認しましょう。

電気代はどのぐらいかかる?

24時間換気システムの電気代は部屋の広さ・換気方式・住まいの地域によって異なるものの、24時間常に換気をしていた場合でも1カ月当たり100〜500円ほどが相場です。

多くても年間約6,000円ほどにしかならないので、健康や環境のメリットを考えると、基本的には常に稼働させておくほうがよいでしょう。

最近は省エネ性能に優れた換気機器もあり、導入すれば電気代をかなり抑えることも可能です。

換気の重要性

換気の最も重要な役割は、空間の清潔さを保ち、居住者の健康を守ることです。

2003年7月からは改正建築基準法で24時間換気システムの設置が義務化されているほど、室内の空気を清潔に保つことは健康にとって重要であるといえます。

現在は新型コロナウイルスの感染リスクからも、換気の重要性について言及されることが少なくありません。

他にも換気には、部屋の湿度を下げることでカビ・ダニなどの繁殖を防ぐ効果や、いやな臭いが部屋にしみ付くのを防ぐ脱臭効果があります。

窓やドアを開けることによる自然換気や換気扇だけでは、十分に換気できているとは言えません。24時間換気システムは、私たちの健康と快適な生活を守ってくれる欠かせないシステムなのです。

参考:生活環境におけるシックハウス対策|厚生労働省
参考:建築:建築基準法に基づくシックハウス対策について – 国土交通省

換気の仕組みを理解し適切に運用しよう

室内を換気して空間の清潔さを保つことは、居住者の健康面でも重要です。

24時間換気システムは、利用者が特別な操作をせずとも自動的に給気・空気循環・排気を行ってくれます。法律によって義務化される2003年より以前の住居にも、十分に導入する価値がある換気システムです。

換気の重要性を十分に理解して、住環境に最適な換気の仕組みを作ることで、快適な生活空間を手に入れましょう。

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