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確定申告にマイナンバーカードは必要? e-Taxの申請準備を解説!

最終更新日: 2024年06月28日

確定申告の際に必要になるマイナンバーカード。初めて確定申告する人でまだカードを所持していない場合、必要と聞いて慌ててしまう人もいるのではないでしょうか?

マイナンバーカードなしの場合はマイナンバー通知カードでも大丈夫ですが、そもそも「通知カードが手元にない」という場合もあるでしょう。

この記事では、マイナンバーカードを作る方法や、通知カードもない場合の対処法について説明し、マイナンバーカードを使ったe-Taxの確定申告も紹介します。

この記事を監修した税理士

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

マイナンバー・マイナンバーカード・マイナンバー通知カードについて

マイナンバー・マイナンバーカード・マイナンバー通知カードについて
マイナンバー・マイナンバーカード・マイナンバー通知カードについて

2023年現在、人口の6割の方がマイナンバーカードを所持しています。まずはマイナンバーとは何か、マイナンバーカードはどのようなものかについて確認しておきましょう。

マイナンバーとは?

マイナンバーとは、住民票を持つすべての国民に与えられる個人番号です。行政の効率化と国民の利便性を高める目的で作られた制度で、主に確定申告など税金や社会保障、災害対策の場面で利用されています。

マイナンバーを導入することで、行政機関や地方公共団体などで情報の照合や入力に要する時間や労力が削減されるのがメリットです。添付書類を少なくするなど行政手続きも簡素化され、国民の負担も軽減されます。

また、正確な所得や行政サービスを受けている状況が把握しやすくなり、税の負担を免れる脱税行為・給付の不正受給などを防止。公平・公正な社会の実現に役立ちます。

マイナンバーカードとは?

マイナンバーカードはマイナンバーが記載されたカードで、マイナンバーを持つ者が任意に手続きを行って取得します。本人確認のための公的な身分証明書になり、自治体のサービスや確定申告で電子証明書を利用した電子申請(e-Tax)に利用できるものです。

マイナンバーの制度がスタートしたのは2016年1月。2020年時点では普及率は2割程度でしたが、2023年現在は約6割まで増えています。

確定申告ではマイナンバーの記載が必要ですが、カードがなくてもマイナンバー通知カードを見て記載できます。また、確定申告書には添付書類としてマイナンバーカードの写しが必要です。こちらも、マイナンバーカードがない場合は通知カード、もしくはマイナンバーの記載がある住民票と身分証明書の写しに代えることができます。

このようにマイナンバーカードがなくても確定申告は可能ですが、e-Taxを利用する場合は所持しておいた方が便利でしょう。e-Taxの利用でマイナンバーカードがない場合は税務署に行き、IDとパスワードでe-Taxを行うための届出をしなければなりません。しかし、マイナンバーカードがあればそのような手続きが不要です。

e-Taxとマイナンバーカードについては、このあとの項目で詳しく紹介します。

マイナンバー通知カードの発行は終了。その後の対応について

2016年にマイナンバー制度が開始するに先立ち、2015年10月から同年末までに、「マイナンバー通知カード」が住民票の住所あてに簡易書留で送られています。この通知カードはマイナンバーカードではありません。マイナンバーカードを所持していない人のなかには、この通知カードがマイナンバーカードだと勘違いしているケースもあります。

マイナンバー通知カードは市区町村が住民票を持つすべての住民にマイナンバーを通知する書類です。基本的な情報だけが記載されて顔写真は付いておらず、透かし等の偽造防止技術が施されています。自分のマイナンバーを確認するためのカードで、マイナンバーカードのような身分証明書の機能はありません。

本人確認をするときは通知カードの他に免許証などの身分証明書が必要です。確定申告でもマイナンバーカードの代わりにはなりません。

なお通知カードは2020年5月25日に廃止され、この日以降出生した人には「個人番号通知書」によりマイナンバーが通知されています。

通知カードに記載されている情報が住民基本台帳と一致している場合はマイナンバーを証明する書類として使えますが、転居などで情報が変わった場合は利用できません。通知カードの新規発行や紛失した場合の再発行も終了しています。

「マイナンバー通知カードを紛失してマイナンバーがわからない」「確定申告書に添付が必要なマイナンバーの記載がある書類がない」という人は、マイナンバーカードを申請するか、マイナンバー入り住民票の取得が必要です

マイナンバーカードの発行依頼と入手方法

マイナンバーカードの発行依頼と入手方法
マイナンバーカードの発行依頼と入手方法

マイナンバーカードを持っていなくても確定申告することはできますが、この機会にマイナンバーカードを作るのがおすすめです。

マイナンバー通知カードを持っている場合でも、e-Taxを利用したい場合はマイナンバーカードを作るのがよいでしょう。ここでは、マイナンバーカードの発行依頼と入手の方法について紹介します。

交付申請書の郵送

確定申告に使うマイナンバーカードは、交付申請書を郵送して申請します。マイナンバー通知カードに同封されている交付申請書は、結婚や転居などで通知カードの情報が変わっている場合でも申請が可能です。

交付申請書が手元にない場合は、以下のページから手書き用の交付申請書と宛先などが印刷された封筒の型紙がダウンロードできます。

申請書に必要事項を記入し、顔写真を添付して郵送しましょう。記入方法は上記のページで確認できます。

交付申請書にはマイナンバーの記入が必要です。マイナンバーがわからない場合は市区町村の窓口に出向き、住民票を発行して番号を確認してください。そのうえで交付申請を行いましょう。

Webサイトからの申請

申請はスマホやパソコンからのWeb申請も可能です。それぞれの申請用サイトから、説明に従って順に操作します。次のような手順で進めましょう。

  1. メールアドレスを登録
  2. メールアドレスに通知される申請専用のサイトにアクセスし、デジタルカメラで撮影した顔写真を登録する
  3. 申請に必要な情報を入力して送信する
  4. 登録したメールアドレスに申請が完了した旨のメールが届き、申請完了

マイナンバー申請に対応した証明写真機「Ki-Re-i」が簡単!

確定申告に必要なマイナンバーカードの申請をする場合、証明写真機Ki-Re-iを使った直接申請が簡単なのでおすすめです。証明写真機「Ki-Re-i」は申請に便利なだけでなく、美肌加工や肌色補正ができるメリットもあります。

証明写真はスマホで撮影したものでも大丈夫ですが、「無背景であること」や「背景に影のないもの」など要件があるため注意が必要です。これを満たさないと申請が通らない可能性があります。

その点、「Ki-Re-i」では要件を満たした撮影が可能なので、申請が通らない心配はありません。

発行までの期間と受け取りの方法

交付申請から発行までには1ヶ月以上かかるため、確定申告の期間までに間に合うよう早めに申請しましょう。

申請から約1ヶ月すると、市区町村から交付通知書がハガキで届きます。通知書に記載された期限までに市区町村の窓口へ通知書と本人確認書類を持参し、マイナンバーカードを受け取りましょう。

通知書の他に必要な本人確認書類は次のうちの1点です。

  • 写真付きの住民基本台帳カード
  • 運転免許証・運転経歴証明書(交付年月日が平成24年4月1日以降のもの)
  • 旅券
  • 身体障害者手帳
  • 精神障害者保健福祉手帳
  • 療育手帳
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書
  • 一時庇護許可書
  • 仮滞在許可書

窓口で本人確認のうえ暗証番号を設定し、マイナンバーカードが交付されます。

マイナンバー通知カードなし!マイナンバーがわからない!紛失!どうする?

確定申告書の提出にはマイナンバーの記載や、カードの写しも必要です。マイナンバーを書かない場合は差し戻しになります。しかし、しまった場所を忘れたなど手元に通知カードがなく、マイナンバーが記載できないときはどうしたらよいのでしょうか?

マイナンバーカードをなくしてしまった場合についても気になりますね。ここでは通知カードがないときやマイナンバーカードを紛失したときの対処法について紹介します。

住民票を発行してもらう

マイナンバー通知カードは2020年5月で廃止されたため、再発行の手続きができません。手元になくマイナンバーがわからない場合は、マイナンバーカードの交付申請をするかマイナンバー入り住民票の発行申請をします。

カードは交付までに1ヶ月以上の時間がかかるため、確定申告の期日に間に合わない場合は即日発行できるマイナンバー入り住民票を取得しましょう。マイナンバー入り住民票はマイナンバーがわかるほか、通知カードの代わりに確定申告の添付書類にできます。

取得するには本人または同じ世帯の人が本人確認書類を持参し、市区町村の窓口で請求しましょう。

マイナンバーカードをなくしたら?紛失時にやるべきこと

確定申告に必要なマイナンバーカードは公的な身分証明書の役割をするため、なくした場合はすぐに個人番号カードコールセンター等に連絡して一時停止の手続きが必要です。

  • 個人番号カードコールセンター:0570-783-578
  • マイナンバー総合フリーダイヤル:0120-95-0178

どちらの番号も、カードの一時利用停止については24時間365日対応しています。

利用停止をしたら警察に遺失届を出し、受理番号を控えましょう。控えと身分証明書を持ち、市区町村の窓口でカード紛失届と再交付申請書を提出してください。

マイナンバーカードを使ってe-Taxで確定申告をする方法

マイナンバーカードを使ってe-Taxで確定申告をする方法
マイナンバーカードを使ってe-Taxで確定申告をする方法

確定申告はe-Taxを使い、ネットで申請することができます。パソコンやスマホを使い、自宅にいながら簡単にできる方法として人気です。

e-Taxにはマイナンバーカード方式とカードなしのID・パスワード方式があり、マイナンバーカード方式であればより便利にe-Taxが利用できます。

この項目では、マイナンバーカードを使ったe-Taxの確定申告について説明しましょう。

個人事業主の青色申告をe-Taxで申請するための準備

確定申告でマイナンバーカード方式のe-Taxを利用する場合、パソコンとスマホのどちらでも対応でき、それぞれ次のような機材が必要です。

  • パソコン:マイナンバーカードとICカードリーダライタ
  • スマホ:マイナンバーカードとマイナンバーカード読み取りに対応したAndroid端末

パソコンで申請する場合、マイナンバーカードの読み取りに対応したAndroid端末とWindowsのパソコンをBluetoothでペアリングすることで、Android端末をICカードリーダライタとして使うこともできます。

Webから申請する場合、使えるスマホはマイナンバーカード読み取りに対応したAndroid端末のみですが、e-Taxと連携している「マイナポータル」を利用すればiphoneからの申請も可能です。

青色申告をe-Taxで申請するメリットは?

e-Taxはさまざまな利点がありますが、特に個人事業主の青色申告では控除額が増える点が大きなメリットです。

法改正により、2020年(令和2年)分の確定申告から青色申告特別控除額の要件が変わりました。従来の65万円の控除を受けるための要件を満たした場合でも、2020年分の確定申告からは控除額が55万円になったのです。

その一方で、合計所得金額が2,400万円以下の人は基礎控除額が38万円から48万円に上がったため、実質的に控除額の変化はありません。

しかし、マイナンバーカード方式などでe-Taxを利用する場合、従来通りの最大65万円の控除が受けられます。窓口提出や郵送など他の方法に比べ、e-Taxなら10万円多く控除が受けられるわけです。

e-Taxの申請手順

e-Taxの申請には利用者識別番号(半角16桁の番号)の取得が必要です。次の3つのうち、いずれかの方法で取得しましょう。

  • WEBからマイナンバーカードを使ってアカウントを登録する
  • 国税庁の「確定申告書等作成コーナー」から開始届出書を作成・送信して取得する
  • マイナポータルを利用して取得する

手続きを行うソフトを選び、申請データを作成して送信します。送信方法は以下のページを確認してください

申請を手軽にするためのオンラインサービスとソフト

申請データを作成するには、国税庁のサイトにある「確定申告書等作成コーナー」が便利です。

確定申告が初めてで難しいという方は、e-Taxに対応している確定申告用のソフトを利用するのもよいでしょう。おすすめのものを2点紹介します。

確定申告freee

簿記の知識がなくても簡単に操作できるソフトです。家計簿感覚で入力するだけで自動的に複式簿記の形に変換してくれるため、青色申告でも簡単に確定申告の書類が作れます。

マネーフォワード

銀行やクレジットカード、電子マネーなどさまざまなサービスとつながり、入力や仕訳を自動化できるクラウドサービスです。メールやチャットのほか、豊富なマニュアル・ヘルプ類など充実したサポートがあり、確定申告が初めての人でも安心して利用できます。

確定申告は税理士に依頼するのがやっぱり安心

確定申告は税理士に依頼するのがやっぱり安心
確定申告は税理士に依頼するのがやっぱり安心

個人事業主になって初めての確定申告は、マイナンバーカードの問題以外にもいろいろと不安があります。特に青色申告の場合は帳簿も複雑で、わからないことが多いでしょう。そんな人には、税理士に依頼するという方法もあります。

ここでは確定申告を税理士に依頼するメリットや、実際に依頼するための準備や手順、自分に合う税理士の選び方について紹介しましょう。

確定申告を税理士に依頼するメリット

事業を始めたばかりの時期は事業を軌道に乗せるため、本業に専念したいものです。面倒な日々の記帳や確定申告書の作成を税理士に任せれば、安心して事業に取り組むことができます。

税理士への依頼は当然ながらコストがかかりますが、依頼して空いた時間を事業にあてて売上が伸びることを考えれば、むしろ低コストともいえるでしょう。

また、税理士に依頼することはただ記帳や書類作成などの手間が省けるだけでなく、節税対策もできるというメリットがあります。経費にできるものについて的確に判断してくれるため、効率的な節税ができるでしょう。

税に関する相談もでき、事業開始から間もなくわからないことが多い個人事業主には助かることも多いはずです。

確定申告を税理士に依頼する準備と手順

税理士に依頼するといっても、確定申告の作成だけを頼むのか、毎月の記帳も依頼するのかなど方法はさまざまです。まず事前に面談し、具体的な仕事内容について相談しましょう。

税理士事務所には初回無料で相談を行っているところも多いため、そのような事務所を選ぶのもおすすめです。

まず報酬について見積もりを依頼しましょう。問題なければ契約をするという手順です。その後、領収書や通帳のコピー、請求書、マイナンバーなど必要書類を渡し、記帳や申告書の作成をしてもらいます。

確定申告の税理士はどうやって探す?

税理士といっても、得意としている業務、力を入れている業務はそれぞれ違います。顧問契約がメインで、確定申告書の作成だけでは請け負わない税理士もいるでしょう。

まず、自分が依頼したい業務を行っている税理士を探します。報酬についてはいくつかの税理士事務所に見積もり依頼をして、比較検討するのがおすすめです。

監修税理士のコメント

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

令和3年1月から、マイナポータルと連携することで、所得税の確定申告や年末調整について、控除証明書等の情報を一括取得し、該当の各控除欄に金額等が自動入力されるようになりました。マイナンバーカードが税務の分野においても様々な場面で使われるようになっています

この記事を監修した税理士

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

仙台市宮城野区岩切に事務所を構える税理士の菅野歩と申します。日々の経理業務、会計・税務業務など経営者の皆様のニーズに合わせた適切なサポートを全力で行い、わかりやすくご説明させていただきます。

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