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【税理士監修】個人事業主は福利厚生費で経費を計上できない?

最終更新日: 2019年12月17日

大手企業に勤めている会社員の場合、福利厚生制度が充実しているという話はよく聞きます。

しかし、個人事業主の場合、自分や従業員として雇用している家族のための支出を福利厚生費として計上できるのでしょうか?

ここでは、個人事業主が福利厚生費を計上できる条件と福利厚生費として認められる支出の種類について解説していきます。

この記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

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個人事業主は福利厚生費を計上できない?

個人事業主 福利厚生費
個人事業主は福利厚生費を計上できない?

個人事業主であれば、誰もがなるべく多くの支出を経費として申告して節税したいはず。

しかし、従業員を雇用していなかったり、従業員が家族だけだったりという個人事業主の場合、残念ながら福利厚生費として経費を計上することはできません。

まずは、福利厚生費とは何かということから見ていきましょう。

福利厚生費とは?

福利厚生費とは、「従業員の生活と労働意欲を向上させるために会社が拠出する費用」です。つまり、従業員を雇用していることを前提で計上できる経費です。

福利厚生費は、交通費、慶弔見舞金を始め食事代やレクリエーション費用など、いわゆる福利厚生として多くの人がイメージするであろう内容です。

福利厚生費の条件は?

一般的に、福利厚生費として認められるには以下の2つの条件を満たす必要があります。

  • 全従業員が平等に利用できること
  • 社会通念上妥当だと思われる金額の範囲内であること

あくまで従業員が平等に利用できることが前提になるので、特定の従業員や役員しか利用できないような内容は福利厚生費としては認められません。

また、接待のような取引先との食事や旅行に関しては福利厚生費ではなく交際費として計上する必要があります。

個人事業主には福利厚生費が認められない?

先ほど述べたように福利厚生費とは原則従業員のための支出に対して認められる経費ですから、完全に1人で事業を経営している個人事業主の場合は、福利厚生費として経費を計上すること自体できません

また、家族経営で従業員が配偶者などの専従者のみという場合も、同様に福利厚生費を計上することはできません。自分自身への福利厚生という概念は無いためです。

個人事業主で福利厚生費を計上できるのは従業員を雇用している場合のみです。

また、従業員を雇用していたとしても、個人事業主が1人でとった食事の代金などに関しても福利厚生費とは認められません。従業員を含んで利用した支出についてだけ、福利厚生費と認められると考えておけば大丈夫です。

一人会社の社長の福利厚生費は?

一人会社の社長は、法人格と役員個人が別々とは言え、福利厚生費は認められにくいと考えられます。

したがって、飲食代や旅行費用を福利厚生費として計上した場合は「役員報酬」としてみなされることになるでしょう。不定期の役員報酬は「費用」にならないため注意してください。

取引先とのつき合いで生じた食事代や旅行費用は「会議費」や「交際費」など、適切な勘定科目で計上しましょう。また、社会保険料の事業主負担分である「法定福利」は「法定福利費」として計上できます。

食事代や旅行費は福利厚生費に認められる?

個人事業主 福利厚生費
これは福利厚生費として認められる?

福利厚生費として認められる内容とはどのようなものがあるのでしょうか。「従業員の生活と労働意欲を向上させるために会社が拠出する費用」といっても漠然としています。下記によく福利厚生費として計上される費用をご紹介します。

スポーツクラブ

会社によっては法人でスポーツジムと契約しているところもあるように、従業員の健康を維持するためにスポーツクラブの会員費を福利厚生費として計上するのは認められています。

ただし、個人事業主や専従者のスポーツクラブ費用は経費として計上できません

旅行

社内旅行のような従業員との旅行の代金を福利厚生費として計上するには一般的に以下の条件を満たす必要があると言われています。

  • 4泊5日以内であること
  • 旅行に参加した人が全体の50%以上であること

また、上記の条件を満たしていても社会通念上一般的ではないとみなされるような旅行、つまり贅沢すぎる場合には福利厚生費としては認められません。一般的には一人10万円までが経費として認められる目安となる金額です。

個人事業主の場合、従業員数名と事業主本人、専従者という構成であれば旅費を福利厚生費として計上することができます。

マッサージ

取引先との打ち合わせ等でマッサージを受けた場合は「接待交際費」として経費に計上できます。あくまでビジネス上の都合に該当した場合に限って経費にできるのであり、健康増進目的などプライベートでのマッサージ代は経費になりません。

また、整体師などマッサージ関係の仕事に従事している場合の研修費用や、職業であるスポーツ選手のマッサージ代などは「健康管理費」として経費に計上可能です。

食事代

従業員の食事代の場合、従業員が定時外の残業や休日夜間の勤務をした際にとった食事の代金を福利厚生費として計上できます。

また、一般的な昼食などの食事支給に関しては「食事代の半分以上を従業員が負担」「会社が負担する額が月3500円以下」を満たすことで代金を福利厚生費として計上できます。この場合の食事代とは、

  • 会社で仕出し弁当代金を発注している場合は、業者に払う代金
  • 社員食堂のように社内や職場で作る場合は、かかった材料費

のことを指します。

新年会や忘年会などのレクリエーション

全従業員が参加する前提の新年会や忘年会などの飲み会の費用は、福利厚生費として認められます。

気をつけないといけないのは、2次会以降の有志で開催された飲み会の費用は福利厚生費とは認められず、社内交際費として計上しないといけないことです。

健康診断

従業員の健康診断費用や人間ドック費用は福利厚生費として計上できます。しかし、個人事業主や専従者の健康診断費用や人間ドック費用は福利厚生費として計上できません。

ただし、個人事業主でも健康診断で病気が見つかり、治療を行なった場合には、その健康診断にかかった費用を医療費控除として申請することができます。

福利厚生費として計上できるかはケースバイケース!

福利厚生費は従業員のためのものなので、残念ながら一人で事業を経営している個人事業主には原則認められません。

家族以外の人を従業員として雇っているなら、福利厚生費を計上することができます。しかし、福利厚生費として計上できる支出が厳密に定義されているわけではないので、支出の内容によっては「これは福利厚生費として認められるのだろうか?」といった疑問が湧いてくることもあると思います。

なるべく多くの支出を福利厚生費として計上したいのなら、税理士に相談するのがおすすめです。

監修税理士のコメント

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

福利厚生費は節税には重要な勘定科目となります。 法人化した方が経費として計上できる福利厚生費の幅は広がります。 福利厚生制度を用いて節税したい場合、節税に強い税理士に相談すると良いでしょう。
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この記事の監修税理士

安田亮公認会計士・税理士事務所 - 兵庫県神戸市中央区

安田亮(公認会計士・税理士・CFP🄬)1987年香川県生まれ、2008年公認会計士試験合格、2010年京都大学経済学部経営学科卒業。大学在学中に公認会計士試験に合格。大手監査法人に勤務し、その後、東証一部上場企業に転職。連結決算・連結納税・税務調査対応等を経験し、2018年に神戸市中央区で独立開業。所得税・法人税だけでなく相続税申告もこなす。
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