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【税理士と源泉所得税】税理士への報酬は源泉徴収しないといけない?

最終更新日: 2019年12月26日

税理士に業務を依頼したら税理士費用が発生します。「税理士へ支払う費用は税理士から請求された金額をそのまま支払えばいい」と思っている方も多いのではないでしょうか?

しかし、税理士への支払いは源泉徴収をしなければならないので注意が必要です。

本記事では税理士への支払いに源泉徴収をしなればならない理由と計算方法について詳しく解説していきます。

源泉所得税とは?

源泉徴収税とは
源泉徴収税とは?

会社が税理士に支払う料金は報酬源泉徴収をした上で支払わなければなりません。これを源泉所得税と言います。「所得税」とありますが、源泉所得税と所得税の具体的な違いはなんでしょうか?

まずは源泉所得税の概要と、所得税との違いについてご説明します。

源泉所得税とは

源泉所得税とは、企業が従業員に代わって所得税を給料などから控除して収めることです。個人が毎年所得から所得税額を計算することは大変ですし、納税漏れにも繋がります。そのため、源泉徴収によって源泉所得税を従業員に代わって企業が収めるのです。

源泉所得税と所得税の違いは?

所得税とは納税者本人が収める所得税です。どちらも所得に対して課税される所得税を収めることには変わりありませんが、自分で収めれば所得税になり、企業が本人に代わって収めれば源泉所得税ということです。

つまり所得税と源泉所得税の違いは、誰が収めているのか違いとなります。

【注意】税理士への報酬も源泉徴収をしなければいけない

国内において給与等の支払いをする者は、その際に所得税を徴収する源泉徴収義務者となります。つまり、事業者が税理士に報酬を支払うときは、源泉徴収義務者として所得税を源泉徴収する必要がある、ということです。

源泉徴収義務者の源泉徴収義務について、所得税法204条に以下のように規定しています。

居住者に対し国内において次に掲げる報酬若しくは料金、契約金又は賞金の支払をする者は、その支払の際、その報酬若しくは料金、契約金又は賞金について所得税を徴収し、その徴収の日の属する月の翌月十日までに、これを国に納付しなければならない。

そして、所得税法204条2項には以下のように記載されています。

弁護士(外国法事務弁護士を含む。)、司法書士、土地家屋調査士、公認会計士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士、測量士、建築士、不動産鑑定士、技術士その他これらに類する者で政令で定めるものの業務に関する報酬又は料金

つまり、従業員を雇っている事業者が税理士へ報酬を支払った時には、税理士の報酬から源泉徴収をしなければなりません。

対象となる報酬と源泉徴収額の計算方法

源泉徴収税の計算方法
源泉徴収税の計算方法は?

税理士へ報酬を支払う際には源泉徴収する必要があることは分かりました。

では、源泉徴収額はどのように決めるべきなのでしょう?ここでは、支払いを正確に行うために源泉所得額の計算方法についても解説していきます。

源泉徴収の対象となる税理士の報酬は?

税理士報酬の内訳には様々な種類があります。しかし、全ての費用が源泉徴収の対象になるわけではありません。源泉徴収の対象となる税理士の報酬にはどのようなものが含まれるのでしょうか?

国税庁ホームページには、以下のイとロに該当する費用は源泉徴収の対象になる報酬・料金に含めなくてよいとされています。

イ 弁護士等に支払う金銭等であっても、支払者が国等に対し登記、申請をするため本来納付すべきものとされる登録免許税、手数料等に充てるものとして支払われたことが明らかな場合

ロ 通常必要な範囲内の交通費、宿泊費等を支払者が直接、交通機関やホテル等に支払う場合”

例えば、登録免許税や登記の際に支払う手数料などについては源泉徴収する必要はありません。また、事業者がホテルなどに宿泊費や交通費を直接支払う場合にも源泉徴収する必要はありません。これ以外の報酬については、報酬や費用から所得税を源泉徴収する必要があります。

源泉徴収額の計算方法

源泉徴収額の計算方法についても理解しておきましょう。源泉徴収額は以下のように計算します。

税理士への支払金額 源泉徴収税額
100万円以下(A) A×10.21%
100万円超 (A-100万円)×20.42%+102,100円

例えば税理士への費用が200万円の場合には源泉徴収額は以下のようになります。

(200万円−100万円)×20.42%+102,100円=396,300円

支払い金額によって計算方法が異なるので注意しましょう。

源泉所得税を納付しよう

源泉徴収税の納付時期
源泉所得税はいつ納付する?

源泉徴収をした税金は自社で納付しなければなりません。納付が遅れると追加徴税されることもあるため、事業者は納付期限についてきちんと把握しておく必要があります。

期限は支払った月の翌月10日までに納付しましょう

税理士へ支払った報酬にかかる源泉所得税は、翌月の10日までに納付しなければなりません。

しかし、源泉徴収者が納期の特例の適用を受けている場合には、毎月納付する必要はありません。

  • 1月〜6月までの源泉徴収税額:7月10日まで
  • 7月〜12月までの源泉徴収税額:翌年1月20日まで

給与の支給人員が常時10人未満である源泉徴収義務者が税務署へ申請書を提出することによって納付の特例の適用を受けることができます。「毎月、源泉徴収税を支払うのが面倒」という人は、納付の特例を受けるようにしましょう。

特例の適用を受けていない場合には毎月10日までに、特例の適用を受けている場合には上記の期限までに金融機関か所轄の税務署に支払いを行いましょう。