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【税理士監修】合同会社と株式会社のメリット・デメリットを徹底比較!

最終更新日: 2019年12月17日

合同会社とは近年増えてきている会社形態です。今回はそんな合同会社のメリット・デメリットを株式会社との違いも踏まえながら解説していきます。

この記事を監修した税理士

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

 
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合同会社とは?株式会社との違いも解説

合同会社は株式会社と比べてここが違う
合同会社は株式会社と比べてここが違う

合同会社は、日本で設立可能な会社形態の一つです。比較的新しい会社形態なので、聞き馴染みのない方がいるかもしれません。

この合同会社はよく知られている株式会社と比べて、一体何が違うのでしょうか?合同会社と株式会社の大まかな違いに触れていきます。

合同会社は日本版LLC

合同会社は2006年の会社法改正により、それまでの有限会社に変わる会社形態として誕生しました。アメリカのLLCをモデルにしており、「日本版LLC」とされています。

認知度が徐々に高まっていることもあり、近年合同会社の設立数は増えています。

株式会社との違い

合同会社と株式会社の違いは、主に4つあります。

(1)経営の主体

合同会社は出資者=経営者となります。

一方の株式会社の出資者である株主は、経営者ではありません。株主と経営者が分かれているのが株式会社です。

(2)利益分配

合同会社は利益の分配を自由に定められます。

一方の株式会社は、合同会社のように自由に利益を分配できません。株主の出資額に応じて、利益を株主に分配します。

(3)設立の費用

次の「合同会社のメリット」でも触れますが、合同会社は株式会社よりも設立コストを大幅に抑えられます

(4)機関設計の違い

株式会社には取締役や監査役、会計参与などの機関を置かなければいけません。

一方の合同会社には、そのような機関を置く必要はありません。自由な組織設計を行えるのが合同会社です。

合同会社のメリット

合同会社のメリット
合同会社のメリット

会社を設立するときに合同会社を選ぶメリットには、主に次の5つがあげられます。

  • 設立費用の低さ
  • 迅速な意思決定
  • 高い節税効果
  • 出資者の有限責任
  • 利益分配の自由度の高さ

ここではこの5つについて詳しく解説しながら、合同会社の特徴をみていきます。

株式会社と比べて設立費用が低い

合同会社と株式会社とでは、会社設立にかかる費用が次の表のように異なります。

合同会社 株式会社
登録免許税 60,000円※1 15万円
公証人による定款の認証手数料 50,000円
定款の収入印紙 40,000円

(電子定款の場合は不要)

40,000円
定款の謄本手数料 約2,000円 約2,000円
合計 約10万2,000円

(電子定款の場合:約62,000円)

約24万2,000円

※1 資本金×0.7%が60,000円以上の場合、登録免許税は資本金×0.7%になる

株式会社よりも合同会社のほうが、会社設立にかかる費用は抑えられるのです。

意思決定がスムーズ

株式会社の場合、経営上の意思決定には株主総会の承認が必要です。それに対して株主総会のない合同会社は、社内で経営上の意思決定ができます。

株主総会の準備・開催・承認という過程を必要としないため、素早くスムーズな意思決定が行えるのです。

株式会社と同様の節税対策ができる

合同会社は株主会社と同じく、次のような税制上の優遇措置を受けられ、節税効果を得られます。

(1)法人税(比例課税)

  • 所得800万円以下で15%
  • 所得800万円超で23.2%

(開始事業年度が平成30.4.1以降に適用)

国税庁サイトより

出資者は有限責任である

出資者が合同会社へ出資する場合、出資者の責任範囲は有限責任です。会社に万が一の事態が起こったとしても、出資者の責任は自身の出資額の範囲内で行われます。

そのため出資によるリスクを抑えられ、比較的出資が行われやすくなるのです。

利益配分を出資金にかかわらず自由に決めることができる

合同会社の利益配分は、出資比率に準じる必要がありません。社員間で自由に利益配分ができ、その内容を定款に定めることになります。

そのため出資額ではなく、貢献度や能力に合わせた自由な利益配分が可能です。

合同会社のデメリット

合同会社のデメリット
合同会社のデメリット

会社を設立するときに合同会社を選ぶデメリットには、主に次の4つがあげられます。

  • 社会的認知度の低さ
  • 上場不可
  • 限定的な資金調達方法
  • 社内の人間関係が経営に影響を及ぼしやすい

ここではこの4つについて詳しく解説しながら、合同会社の特徴をデメリットからみていきます。

認知度が低い

合同会社は2006年に新設された、比較的新しい会社形態です。そのため、まだ株式会社のような知名度がありません。この知名度の低さから、

  • 採用の際に人材が集まりにくいことがある
  • 他社との取引で不利になることもある

ということが考えられます。

上場できない

合同会社は株式を発行できません。そのため株式上場もできず

  • 会社の判断基準の一つとなり、社会的信用を得られやすい
  • 投資家から大規模資金調達ができる

という株式上場のメリットを受けられません。

資金の調達方法が限られる

合同会社は株式の発行ができないため、資金の調達方法は株式以外に限られます。例えば

  • 社員からの出資
  • 金融機関からの融資
  • 補助金や助成金
  • クラウドファンディング

などにより、資金を調達することになります。

社員同士の対立が経営に影響する

合同会社は株式の発行ができない=株主総会がない分、経営上の意思決定はすべて社内で行われます。そのため、社内での人間関係が経営に直接影響を与えやすくなってしまうのです。例えば

  • 経営上の意思決定
  • 利益配分

などでのトラブルが起きやすくなってしまいます。

合同会社は年々増え続けている

合同会社は年々増え続けている
合同会社は年々増え続けている

合同会社はまだ歴史の浅い会社形態とはいえ、その設立件数は新設時以来、上昇傾向を続けています。一体なぜ合同会社は増えているのでしょうか?

実際に合同会社として活動している企業も例にあげながら、合同会社が増えている理由を解説していきます。

合同会社の数は年々増加中

次のグラフは合同会社の設立数をまとめたものです。

政府統計の総合窓口よりデータ抜粋
政府統計の総合窓口よりデータ抜粋

このグラフによると合同会社は徐々に増えており、2017年の設立件数は、2006年新設の時と比べて約8倍です。合同会社の設立件数は上昇傾向にあることがうかがえます。

合同会社が人気の理由

合同会社の設立件数が増えている理由として、主に次のようなことが考えられます。

  • 合同会社という会社形態を知る人が多くなった
  • 合同会社のメリットを活かせる人が、合同会社を設立するようになった
  • 有名企業が合同会社を設立するようになり、合同会社の認知度が高まってきた

これらの理由により設立件数が上昇していると考えられます。

あの有名企業も合同会社

合同会社という法人形態をとっているのは、新しく立ち上げられた会社ばかりではありません。国内外で名の知られた有名企業(または日本支店)の中にも、合同会社があるのです。

例えば次のような企業が、日本で合同会社として活動しています。

  • アマゾンジャパン
  • グーグル
  • Apple Japan
  • 西友
  • ユニバーサルミュージック
  • 日本アムウェイ
  • クロックス・ジャパン
  • ギットハブ・ジャパン
  • エクソンモービル・ジャパン
  • ノキアソリューションズ&ネットワークス
  • コダック
  • ワーナーブラザーズジャパン
  • P&G

株式会社のメリット

株式会社のメリット
株式会社のメリット

ここまでは合同会社をみてきましたが、一方の株式会社はどうなのでしょうか?株式会社を選ぶメリットには、次の5つがあげられます。

  • 社会的認知度の高さ
  • 資金調達方法の幅広さ
  • 高い節税効果
  • 出資者の有限責任
  • 利益分配の自由度の高さ

ここではこの5つについて詳しく解説しながら、株式会社の特徴をメリットからみていきます。

認知度が高い

現在日本で活動している会社の形態は、「株式会社」・「有限会社(新設はできない)」・「合同会社」・「合資会社」・「合名会社」の5種類です。

この中でもっともよく知られているのは、やはり「株式会社」です。認知度や信頼度の高さは、株式会社のメリットの一つといえます。

資金調達の方法が増える

合同会社と比べると、株式会社は幅広い方法で資金を調達できます。その一つの例が株式です。

株式会社の場合、次のような株式による資金調達が行えます。

  • 新株発行
  • 株式上場
  • 転換社債型新株予約権付社債(CB)

またベンチャーキャピタルなど、未上場の株式会社に投資を行う投資ファンドからの資金調達も視野に入れられます。

合同会社と同様の節税対策ができる

株式会社が受けられる税制上の優遇措置は、合同会社と同じです。法人税や消費税の免税制度などで、次のような大きな節税効果を得られます。

(1)法人税(比例課税)

  • 所得800万円以下で15%
  • 所得800万円超で23.2%

(開始事業年度が平成30.4.1以降に適用)

国税庁サイトより

(2)消費税の免税制度

法人設立後2年間、消費税の納税を免除される

<条件>

  • 資本金1,000万円未満
  • 前々年の事業年度の売上1,000万円以下、かつ前年の事業年度の特定期間※の売上や給与支払額1,000万円以下

※特定期間=法人は事業年度の前半6ヵ月間

出資者全員が有限責任

合同会社と同様に、株式会社への出資者の責任範囲は有限責任です。そのため、出資額を超える範囲で責任を負う必要がなく、出資後の万が一のリスクを抑えられます。

出資者にとってはもちろん、株式を購入してもらいやすくなるということから、有限責任は企業側にとってもメリットといえます。

株式会社のデメリット

株式会社のデメリット
株式会社のデメリット

会社を設立するときに株式会社を選ぶデメリットには、主に次の3つがあげられます。

  • さまざまな面で合同会社よりも費用がかかる
  • 役員に任期がある
  • 法による縛りの多さ

ここではこの3つについて詳しく解説しながら、株式会社の特徴をデメリットからみていきます。

設立の費用や解散、決算手続きに費用がかかる

「合同会社のメリット」でも触れたように、株式会社は合同会社と比べて、次のように設立費用がかかります

合同会社 株式会社
登録免許税 60,000円※1 15万円
公証人による定款の認証手数料 50,000円
定款の収入印紙 40,000円

(電子定款の場合は不要)

40,000円
定款の謄本手数料 約2,000円 約2,000円
合計 約10万2,000円

(電子定款の場合:約62,000円)

約24万2,000円

※1 資本金×0.7%が60,000円以上の場合、登録免許税は資本金×0.7%になる

また決算公告については

株式会社:年に1度、決算公告時に60,000円ほどかかる
合同会社:決算公告の必要がないため費用がかからない

役員に関しても

株式会社:重任登記費に10,000円かかる
合同会社:役員任期がないため、それに関する費用がかからない

というふうに、合同会社よりも費用がかかってしまうのです。

役員の任期がある

株式会社の場合、役員は2年の任期が設定されています。そのため、2年ごとに役員選任などにかかわるさまざまな社内外の手続きをしなければいけません。

当然それにともなう時間的・費用的な負担も増えます。

一方の合同会社の場合は役員の任期がなく、定款にしたがって自由に決められます。

会社の組織や運営に法のルールが多い

合同会社は組織や運営など、さまざまな面で経営の自由度が高い会社形態です。それに対して株式会社には、株主総会の開催・決議、取締役の権限・任期、決算公告義務など、さまざまな法律上のルールがあります。

そのため、合同会社と比べると、決して経営の自由度が高いとはいえません。

合同会社・株式会社を選択するときのポイント

合同会社・株式会社を選択するときのポイント
合同会社・株式会社を選択するときのポイント

合同会社や株式会社は、かならずしもその会社形態でなければいけないというものはありません。しかしそれぞれのメリット・デメリットからみて、向き不向きがあります。

ここでは、合同会社・株式会社にそれぞれ適しているのはどのようなケースなのかご紹介していきます。

合同会社を選択したほうがいい場合

合同会社に適しているのは、主に次のような場合です。

  • 株式会社のような法人格が必要だが、設立・維持コストを抑えたい
  • 決算公告や株主総会などの業務負担を極力なくしたい
  • 起業したいが、資本金が多くない
  • 個人の能力を前面に出したビジネスがしたい
  • 年商1,000万円以下で会社を経営したい(それ以上だと消費税の納税義務が発生する)

具体例をあげると

  • BtoC事業(美容室、ホテル、EC事業など)
  • IT企業
  • 地域おこし事業

などが合同会社に適しているといえます。

株式会社を選択したほうがいい場合

株式会社に適しているのは、主に次のような場合です。

  • 会社や事業規模を早く大きくさせたい
  • 将来的には株式上場を目指したい
  • 資金調達手段を多く持ちたい

このような場合は合同会社ではなく、株式会社での設立が適しています。

合同会社・株式会社の大まかな設立手順

合同会社・株式会社の大まかな設立手順
合同会社・株式会社の大まかな設立手順

実際に合同会社や株式会社を設立するには、どのような手順を踏むといいのでしょうか?

どちらも手順はだいたい同じです。ここでは合同会社・株式会社の設立に必要な事柄や作成書類、申請手順について、簡単に解説していきます。

会社設立申請の参考にしてください。

会社の設立事項の決定

合同会社や株式会社を設立するためには、最初に次のような事項を決めなければいけません。

  • 商号(他社と被らないよう、事前に調べておいたほうがよい)
  • 本店の所在地、事業目的(将来的に行いそうな事業目的も入れておく/建設・宅建・介護などの許認可業種はかならず入れなければいけない事業目的がある)
  • 資本金の額(1円以上で設立できるが、会社の信用にもかかわるので、事業が軌道に乗るまで維持できる金額)
  • 社員構成

必要書類を準備・作成する

設立事項が決まったら、次の8つの書類を準備します。

  • 発起人、取締役の印鑑証明書(発行後3ヵ月以内のもの)
  • 会社実印(代表者印)
  • 定款
  • 発起人の決定書(決議書)
  • 就任承諾書
  • 払込みがあったことを証する書面
  • 印鑑届出書
  • 印鑑カード交付申請書

(株式会社のみ)公証人により、定款認証してもらう

株式会社の設立に限り、定款認証の手続きが必要です。会社の本店所在地を管轄する法務局または地方法務局の所属公証人が手続きを担当します。担当公証人と事前に

  • 定款案
  • 認証時の必要書類
  • 認証日
  • 認証手数料
  • 定款の受け取り用媒体(CD-R、USBメモリなど)

などを調整・確認しておき、後日定款認証をしてもらいます。

法務局へ登記申請をし、書類を提出する

会社の本店所在地を管轄する法務局に、登記申請書と必要書類を提出します。登記申請書は法務局サイトよりダウンロード可能です。

ここまでの会社設立の手続きは個人でもできますが、慣れていないと時間も手間もかかってしまいます。そういった場合におすすめなのが、税理士や司法書士といった専門家への依頼です。

会社設立の手続きだけではなく、それに関する相談にも乗ってもらえます。会社設立に詳しい専門家はミツモアで探せますので、ぜひご利用ください。

監修税理士からのコメント

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

合同会社の認知度は年々上がっています。そのため、躊躇せずに、若い方が合同会社を選んでいるので、いい傾向にあります。合同会社を株式会社に形態変更することも可能ですので、まずは、合同会社で、という感じで、スタートアップを始めてみると宜しいかと思います。
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この記事を監修した税理士

EMZ総合会計事務所 - 東京都港区六本木

東京港区で、11年目を迎えた会計事務所です。公認会計士2名・税理士2名が所属しています。個人、法人問わず、税務顧問を始め、確定申告、 経理アウトソーシング、会社設立、相続、など会計事務所を主軸に会計・税務のみに留まらないサービスをお客様にお届けしております。海外財産、海外不動産、仮想通貨など、複雑な申告もお任せください。
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