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【追徴課税】申告漏れ、期限切れでも慌てない!加算税の計算方法

最終更新日: 2019年12月21日

確定申告ではうっかり記載漏れをしてしまい、本来納めるべき税金よりも少ない金額で申告するケースも少なくありません。もし追徴課税の対象になったとしたら、どれくらいの税金を納めなければいけないのでしょうか。

この記事では追徴課税の対象になったときの対処法と加算税の計算方法について解説します。

この記事を監修した税理士

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

 
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追徴課税とは

追徴課税
追徴課税について理解していますか?

追徴課税は確定申告時に納めた税金が本来納めるべき税金よりも少なかった際に、ペナルティとして納める税金です。

適正な確定申告をしていれば納めなくてもいい税金ですが、いったい追徴課税はどのような状況で対象になるのでしょうか。確定申告と追徴課税の関係について解説していきましょう。

追徴課税ってなに?

確定申告の適正さに疑問がある場合、税務署の職員によって税務調査が行われます。調査の結果によっては納税者が「修正申告」や「期限後申告」を行ったり、あるいは税務署が「更正」の処分を行ったりします。

この結果「加算税」や「延滞税」を納付することになるのですが、これらの税の総称を追徴課税と呼びます。

加算税

加算税は【過少申告や不納付に対してペナルティとして課せられる税金】です。納めるべき税金が過少であった要因により適用される加算税の種類が異なってきます。どのような加算税があるか紹介していきましょう。

過少申告加算税

期限内に申告と納税をしたが、本来納める額より少ない金額だった場合に課せられるのが「過少申告加算税」です。税率は10%ですが「期限内に申告した税額または50万円の多い方」の金額を超える部分は15%になります。

ただし税務調査の事前通知の前に修正申告をした場合は加算税の対象外となる場合もありますので、少なく納税したことに気づいたら早めに申告しましょう。

無申告加算税

確定申告の期限である3月15日までに申告を行わなかった場合には、無申告加算税が課せられます。税率は15%ですが「期限内に申告した税額または50万円の多い方」の金額を超える部分は20%です。

また過去5年以内に無申告加算税が課せられたことがある場合は25%、「期限内に申告した税額または50万円の多い方」の金額を超える部分は30%の税率が適用されます。

不納付加算税

従業員に給料を払っている会社や個人事業主は、源泉徴収をして給与を支払った月の翌月10日までに税金を納付することになっています。また従業員が10人未満の場合には、年2回(7月10日、1月20日)にまとめて納付することも可能です。

これらの期限までに納付しなかった場合、源泉徴収義務者である会社や個人事業主に不納付加算税と延滞税が課せられます。

税率は10%ですが、不納付加算税が5,000円に満たない場合は納付は免除です。

重加算税

重加算税は加算税の中でも悪質と思われるものに適用されます。二重帳簿や書類の改ざんなどの不正行為があり、かつ過少申告や不納付、無申告があれば、それらの加算税に加えて重加算税が課せられるのです。

税率は過少申告加算税または不納付加算税に関わることであれば35%、無申告加算税に関わることであれば40%にもなります。加えて過去5年以内に同じ税目に対して無申告加算税または重加算税が課せられていた場合は、さらに10%が上乗せされてしまいます。

延滞税

延滞税はローンの利息のような性格の税金です。加算税が適用されれば結果的に納付期限後に税金を納めることになるため、延滞税もセットで適用されることになります。

延滞税の金額は完納するまでの日数で計算され、具体的な計算方法は次の項目でご紹介していきますのでご確認ください。

いくらになる?金額の計算方法

追徴課税の税額計算は複雑
追徴課税の税額計算は複雑

もし追徴課税を納めることになったときに、どれくらいの税金を納めることになるのかを把握しておきましょう。ここでは追徴課税の金額の算定方法を解説します。

加算税の計算方法

加算税の計算方法を解説していきます。過少申告課税と無申告税をそれぞれみていきましょう。

過少申告課税

過少申告課税は修正申告のタイミングによって課せられる税率が異なります。それぞれの税率を次の表にまとめていますのでご参照ください。括弧内は「期限内に申告した税額または50万円の多い方」の金額を超える部分の税率を示しています。

修正申告をした時期 過少申告課税の税率
税務調査の事前通知前 対象外
事前通知後から税務調査終了までの期間  5% (10%)
税務調査終了後 10% (15%)

本来申告すべき納税額が200万円だった場合の例を考えてみましょう。40万円を納税していたのですが、事前通知書が届いたので急いで再計算をして過少申告に気づいて税務調査が行われるまでに納税したとすれば、次のような計算になります。

 

200万円-40万円(納付済)=160万円(不足する税額)

50万円×10%=50,000円

(160万円-50万円)×15%=165,000円

50,000+165,000円=215,000円(過少申告課税)

これにより本来納めるべき税金の不足金額160万円に加えて、過少申告課税215,000円延滞税を納めることになります。

無申告課税

無申告税は過少申告課税よりも税率が高いのが特徴で、申告のタイミングと税率の関係は次の通りです。括弧内は「期限内に申告した税額または50万円の多い方」の金額を超える部分の税率を示しています。

修正申告をした時期 無申告課税の税率
税務調査の事前通知前  5%
事前通知後から税務調査終了までの期間 10% (15%)
税務調査終了後 15% (20%)
5年以内に無申告課税を課せられた 25% (30%)

ここでは本来納める税額が200万円であるにもかかわらずまったく確定申告をしていなかったケースで、税務調査によって指摘され納付した場合の税額を計算してみましょう。

 

200万円の内50万円が15%、残り150万円が20%の税率になります。

50万円×15%+150万円×20%=375,000円(無申告課税額)

これにより本来納めるべき納税額200万円に加えて、無申告課税として375,000円延滞税を納めることになります。

なお過去5年間に無申告加算税または重加算税の対象になっていない税目は、申告期限から1カ月以内に申告をし、かつ既に全額を納付していれば、無申告加算税が免除されることがあります。

重加算税

重加算税は不正行為が認められる場合に課せられる税金であることから、非常に高い税率が設定されています。税率は対象となる税目によって区分され、区分の仕方は以下の通りです。括弧内は「期限内に申告した税額または50万円の多い方」の金額を超える部分の税率を示しています。

対象となる税目 重加算税の税率
過少申告課税・不納付加算税 35% (45%)
無申告加算税 40% (50%)

ここでは本来納める税額が200万円であるにもかかわらず、無申告のまま不正に隠匿していたために重加算税の対象になった場合の税額を計算してみましょう。

 

200万円のうち50万円が40%、残り150万円が50%の税率になります。

50万円×40%+150万円×50%=950,000円(重加算税額)

これにより本姓納めるべき納税額200万円に加えて、重加算税として950,000円延滞税を納めることになります。

延滞税

延滞税の額は申告期限の翌日から完納する日までの日数に応じて次の数式で算出されます。

(本来の税額×延滞税の割合×完納までの日数)÷365日

延滞税の割合は期間ごとに次のように定められています。

  1. 納期限の翌日から2月を経過する日までの期間については、年「7.3%」と「特例基準割合+1%」のいずれか低い割合
  2. 納期限の翌日から2月を経過する日の翌日以後については、年「14.6%」と「特例基準割合+7.3%」のいずれか低い割合

納付期限から2カ月を超えると一気に税率が2倍になります。本来納付すべき税額が200万円で、納期限後90日後に全額納付した場合の計算は以下の通りです。

 

200万円×7.3%×60日÷365日=24,000円

200万円×14.6%×30日÷365日=24,000円

24,000円+24,000円=48,000円(延滞税額)

これにより本姓納めるべき納税額200万円に加えて、延滞税として48,000円加算税を納めることになります。

追徴課税になってしまった!とるべき行動は?

追徴課税は納付する意思を示すことが大事
追徴課税は納付する意思を示すことが大事

確定申告の記載ミス等によって追徴課税を納めることになってしまった場合、誤った対応をしてしまうとさらに困難な状況に追い込まれることになります。

万が一追徴課税になってしまったときには、どのように対応をするのが適切であるのかを解説していきましょう。

無視は厳禁!納付する意思を見せる

追徴課税は税務署の指摘に基づき修正申告を行った後、税務署から納付書を発行してもらう流れになります。

納付を放置すると督促状や催告書などの書面が届くことになりますが、これを無視して税務署に一切連絡を取らないのが最悪の対応です。

無視を続けていると、最終催告書差押予告書などの書面が届き、ほどなく預金口座や財産の差押え等により強制的に回収が行われます。差押えは、裁判を経ることなく執行できるので、抵抗する手立てはまったくありません。

追徴課税の納付が困難な状況であれば、まずは税務署に相談をして納付する意思を示すことが重要です。

納付期限はいつ?時効はあるの?

追徴課税はできるかぎり速やかに納付する必要があります。さらに最終催告書や差押予告書が届けば猶予はありません。国税徴収法基本通達で次のように定められているからです。

「滞納者がこの督促を受けた場合で、その督促のため督促状又は納付催告書を発した日から起算して10日を経過した日までにその督促に係る国税を完納しないときは、差押えをすることができる」

また税金に関しては時効による免除はありません。つまり税金は完納するまでゴールはないのです。

不服申立ができる

税務署の更正処分が納得できない場合は、処分の取り消しや再調査を求めて「不服申立」を行うことが可能です。

不服申立には「再調査請求」と「審査請求」の二つの方法があります。それぞれどのような制度なのかを解説していきましょう。

再調査請求

再調査請求は更正処分の通知を受けた翌日から3カ月以内に、税務署長または国税局長に対して処分の見直しを求める手続きです。

しかし更正処分決定者と見直しを判断する者が同一であることから、更正処分の決定が覆ることはほとんどありません。

審査請求

審査請求は更正処分の通知を受けた翌日から3カ月以内に国税不服審判所長に処分の見直しを求める手続きです。国税不服審判所は税務署とは別の行政機関であることから、異なった立場から主張を受けてもらえるというメリットがあります。

更正処分に不服があった場合、再調査請求か審査請求にするかは納税者の判断で選択可能です。また再調査請求を経て審査請求をすることもできます。

納付手続き

追徴課税は税務署が発行した納付書を添えて金融機関に現金で納付します。

e-taxを利用した電子納税も可能ですが、領収書は発行されません。また一部インターネット専用の銀行等で対応できない金融機関があるので注意が必要です。

どうしても納付できないとき

税金は国民平等の観点から、未納であるものを免除してもらえることはありません。たとえ自己破産をしたとしても、民間機関からの負債と異なり逃れることはできないのです。

したがって放置していれば、やがて財産が差し押さえられることになります。追徴課税が高額になってどうしても納めることができないときは「換価の猶予」と「納税の猶予」の2つの猶予制度を利用しましょう。

換価の猶予は【差し押さえられた財産の換金や新たな差押さえを猶予してもらえる制度】です。猶予期間中は延滞税の全額または一部を免除してもらえます。

納税の猶予は【追徴課税の納付を猶予してもらえる制度】です。猶予期間中は延滞税の全額または一部を免除してもらえます。

ただしいつまでも猶予してもらえるわけではなく、猶予期間はどちらも最大に延長して2年間とされています。

追徴課税の手順

追徴課税は税務署から届く不備の通知から始まる
追徴課税は税務署から届く不備の通知から始まる

誰しも追徴課税になる事態は避けたいところですが、万が一納める状況になった場合にはどのような手順で納付することになるのか探っていきましょう。

【納税者】税務署から申告の不備の通知がくる

確定申告をして数カ月もすると、税務署から「お尋ね」という通知がくることがあります。これは確定申告の内容に税務署が疑義を抱いている場合や不備があった場合に送付されてくるものです。これを無視しているといきなり厳しい処分が下されることがありますので誠実に対応しましょう。

税務署とのやりとりで誤りに気づいたら、少しでも早い対応をした方が賢明です。自主的に修正申告をすることで過少申告課税の対象から外れることがあります。

【納税者】修正申告の手続きをする

税務署とのやり取りの結果、申告の不備の通知が届いたら、修正申告の手続きを速やかに行います。

【税務署】追徴の納付書を発行する

追徴課税が決定したら、税務署から納付書が発行されます。

【納税者】金融機関で支払いをする

追徴課税は税務署が発行した納付書を添えて金融機関に現金で納付します。e-taxを利用した電子納税も可能です。

追徴課税にならないために

正確な確定申告こそが追徴課税にならない方法
正確な確定申告こそが追徴課税にならない方法

確定申告において、うっかりミスなどによって追徴課税になる事態を避けるにはどうすればいいのでしょうか。ここでは追徴課税にならないための方策を解説していきます。

売り上げの記録をしっかり残す

税務署は物品を納めた側と仕入れた側の双方から裏付けを取っていますから、明らかに売却したものを計上していないとたちまち指摘をされてしまいます。

少額の利益だからとおざなりにしていると、知らぬ間に金額が膨らんで多額の利益を申告しなかったという事態にもなりかねません。売り上げはその都度しっかりと記録をして、あとで帳簿と照合できるようにしておくことが重要です。

税務調査にならないようにきちんと申告をする

個人の小遣い稼ぎの範囲だと侮って確定申告を怠っていると、税務調査の対象になることがあります。税務署はお金を支払った側の調査もしていますから、明らかに一定の収入があるのに確定申告をした実績がないと税務調査の対象になってしまうでしょう。

また確定申告をしていたとしても、金額の記載が明らかに不審な場合も税務調査の対象になります。

脱税や違法行為はしない

脱税は明らかな犯罪です。発覚すると重加算税の対象となって多額の税金を納めることになるばかりでなく、刑事告発されることもあります。絶対にやめましょう。

申告漏れに気づいたらすぐに対処しよう

確定申告後に申告漏れをしていることに気づいたら、一日も早く修正申告をしましょう。自主申告をすることで過少申告加算税を免除してもらえることもあります。

確定申告を税理士に依頼する

確定申告を税理士に依頼すると内容に不備のない書類が作成されるので、税務調査の対象になる確率が大幅に下がります。万が一税務調査の対象になっても税務署の対応は税理士に任せられるので安心です。

監修税理士のコメント

菅野歩税理士事務所 - 宮城県仙台市宮城野区

会社が調査の対象となる場合は、黒字である、消費税の還付を受けた、利益の急増、多額の経費の計上などが原因で選定されることが多いです。個人事業主やフリーランス、相続税を納めた個人や、ネット取引などを行っている個人も税務署の税務調査を受けることがあります。税金を少なくできれば手元の資金が増え楽にになりますが、発覚すれば追徴課税で逆に余分な税金は支払うことになります。正しい税務申告をしましょう。
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