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【税理士監修】合同会社の役員報酬の決め方を詳しく解説!

最終更新日: 2019年10月28日

やっとの想いで合同会社を設立し、ひと安心という経営者の方もいらっしゃることでしょう。合同会社を設立すると役員報酬を決めなければなりません。しかし、いざ役員報酬を決めるといっても設定額や手続きがわからない方も多いと思います。本稿では合同会社の役員報酬に関して詳しく説明していきます。

是非最後までご覧ください。

この記事を監修した税理士

多田紘大税理士事務所 – 兵庫県

大手監査法人で多様な業種、規模の上場企業、非上場企業の監査業務に従事。併せて、同じ監査法人でコンサルティング業務(決算早期化支援、内部統制構築支援、システム導入支援等)を実施してきました。その後、大手監査法人を退所、独立開業。独立開業後は中小企業、個人事業主を中心に税務に関して全般的にサービスを提供しています。

給与と役員報酬は何が違うのか

給与と役員報酬の違い
給与と役員報酬の違いを明確にしよう!

合同会社を設立すると役員報酬を決めなければならないことは前述させて頂きました。では、私達に馴染みのある給与と役員報酬は何が違うのでしょうか?実はそれぞれルールが異なり、間違えて給与を支払う感覚で役員報酬を支払った場合、税金の面で損をしてしまうことがあります。

給与の仕組み

給与 給料
該当項目 基本給、賞与、通勤手当、家賃補助 基本給

給与とは勤め先から従業員が受け取る基本給、賞与、通勤手当、家賃補助などの全ての金額を指し、給与を得ると税法上、給与所得となります。

引用元:給与所得|国税庁

また現物給付といい、会社からお金ではなく物品をもらった場合も給与として扱われます。一方給与とよく混同される給料ですが、これは給与のうち基本給だけのことを指します。

役員報酬の仕組み

役員とは法人の取締役、執行役、監査役などの、法人の経営に従事している人のことです。法人の役員は会社の経営に必要な能力の対価として役員報酬が支払われ、労働の対価として支払われる給与とは扱いが異なります。

給与と役員報酬の異なる点

役員報酬は不相当に高額でなければ、法人税法上全ての額を損金に算入することができます。損金とは費用の一部で、確定申告で法人税の計算を行う際、税金を減らすことが可能になります。

しかし役員報酬を全額損金に算入する場合、報酬が毎月同額でなければなりません。業績が一時的に伸びて役員に賞与を支払う場合は、損金算入できません。

役員報酬の決め方・手続き

役員報酬の決め方
役員報酬の決め方には一定のルールがある!

ここからは役員報酬の決め方についてお伝えしていきます。役員報酬は全額損金算入できるため、なるべくたくさん役員報酬を出して節税対策を行いたいと思う方もいらっしゃることでしょう。ところが役員報酬を決める際はルールに従い、上手く活用していかなければ税金の支払いで損をしてしまうことがあります。

※本文では定期同額給与、事前確定届出給与、利益連動給与のうち定期同額給与についてのみ扱っております。

役員報酬を決める時期

役員報酬は基本的に事業年度開始の日(新規設立にあっては法人設立の日)から3ヶ月以内に決定しなければなりません。2019年10月1日に法人を設立した場合、同年12月31日までに役員報酬を決定する必要があります。役員報酬も給与同様に源泉徴収を行うため、徴収した日の翌月10日に所得税を納める必要がありますが源泉所得税の納期の特例に承認に関する申請を行うことで、この手間を省くことができます。

参考:源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請|国税庁

役員報酬の決め方

役員報酬は条件を満たすことで全額損金算入できることはお伝えしましたが、高すぎる場合は注意が必要です。なぜならば役員報酬を上げれば上げるほど、役員の所得税や社会保険料も同時に上がり、節税のために役員報酬を上げたけれど、結果として役員が負担するお金が多くなっては本末転倒です。

そのためには、売上予測をしっかりと立て、月の粗利益、固定費などを算出し、利益予想を行うなど綿密な計画が必要です。また会社に利益を残したい場合は、役員報酬を抑えるなどの工夫も必要です。

役員報酬をうまく使うためには

役員報酬を高く設定しすぎると、返って会社の支払う社会保険料が上がるとともに、自分自身(合同会社の代表社員)の税金の支払いが高くなることがあります。ここでは自分の税金を少しでも抑える方法を紹介していきます。

iDeCo(個人型確定拠出年金)

iDeCoとは、2017年に始まった私的年金作りのための制度です。最大の特徴は、掛け金全額が所得控除となることです。会社役員は最大月額23,000円まで拠出でき、年間で276,000円所得控除を受けることができます。

自分の将来の年金作りと同時に、節税効果も受けられるためiDeCoの活用は検討してみてもいいでしょう。

参考:iDeCoってなに?|iDeCo公式サイト

小規模企業共済

小規模企業共済は中小企業の経営者や役員の退職金制度のようなものです。月額1,000円~70,000円まで500円単位で拠出することができ、iDeCo同様に掛金全額が所得控除を受けることができます。

月70,000円拠出した場合は、年間で840,000円を所得控除できるため、節税効果は大きいと言えるでしょう。

参考:小規模企業共済とは|中小機構

社宅を利用して家賃を経費算入する

役員の住む家を法人契約で社宅扱いにし、貸与することで家賃の一定額を経費として計上することができます。役員報酬に家賃分を差し引くことで、役員報酬も抑えることができ、家賃の一部が経費として認められます。

参考:役員に社宅などを貸したとき|国税庁

役員報酬を変更したい場合

役員報酬を変更したい場合
役員報酬を変更する場合は社員総会を開催する必要がある!

会社の利益も伸びてきてそろそろ役員に対する報酬を上げたいと思う場合、自由に上げてもいいのでしょうか?実はここでもルールがあり、自由に役員報酬を上げることができません。

以下で細かく見ていくことにしましょう。

役員報酬を変更する際は議事録の提出が必要

役員報酬を変更する場合は、事業年度の開始日から3ヶ月以内に行い、必ず社員総会を開催し議事録も残すことになっています。議事録がなければ、税務署の調査が入った場合、役員報酬の損金算入が認められなくなる可能性もあります。

議事録を残す際、決定した役員報酬の金額、出席者の署名・印鑑(認印)、代表者の会社印が必要です。

事業年度開始から3ヶ月経過後に支給額増額した場合

事業年度開始から3ヶ月経過後でも所定の条件を満たせば、役員報酬を増額することができます。ただし常務取締役が専務取締役になるなど、業務の範囲が広がった場合などに限定されます。その際、臨時総会を開き、議事録を残すとともに、不当に高額な役員報酬でないことが必要です。

事業年度開始から3ヶ月経過後に支給額減額した場合

今期の売上が大きく減少し、従来の予想を下回るなど経営が悪化している場合などは、役員報酬を減額するこができます。ただし、業績や財務状況の悪化で経営責任をとるため、融資先の銀行との協議の結果やむを得ない等、避けることのできない状態でなければ役員報酬の減額は認められません。

役員報酬の減額は、最終手段として考えておきましょう。

役員報酬に関する注意点

役員報酬に関する注意点
役員報酬に関する注意点をしっかり確認!

ここまで役員報酬の決め方や手続きなどについてお伝えしてきました。

以下で役員報酬に関する注意点についてまとめていきましょう。

役員報酬は年度ごとにしか変更できない

役員報酬は特別な事情がない限り、事業年度の途中で変更することができません。ある年度が予想よりも利益が大きくなった場合、意図的に役員報酬を上げて節税対策を行うことを考える方も出てくるでしょう。

そのようなことを防ぐために、このようなルールが設けられています。

役員報酬をゼロにすることはできるのか

当期の売上の見込みがない場合、役員報酬をゼロにすることを考える方もいらっしゃるでしょう。実は役員報酬をゼロにすることは可能です。ではその場合、社会保険に加入する必要があるのでしょうか?

基本的に合同会社などの法人を設立した場合、社会保険の加入義務は発生します。ところが役員報酬がゼロの場合と、役員報酬が極端に少ない場合は、加入したくても加入できなくなるため注意が必要です。

みなし役員に注意!

役員報酬は1年間変更できないことはお伝えしましたが、給与であれば毎月変更するこは可能です。そのため、妻を従業員にして売上とともに給与を変動させることを考える方も出てくるかもしれません。ところが、妻がみなし役員と扱われるケースもあり、そのような場合は給与という形をとっていても役員報酬扱いとなり1年間変更することができなくなります。

税金逃れはできないということでしょう。

監修税理士のコメント

多田紘大税理士事務所 – 兵庫県

役員報酬(定期同額給与部分)は上述の通り、原則1年間変更することができません。そのため、役員報酬を決定するに際しては会社の資金繰り、利益計画、役員の手元資金の程度等様々な要因を総合的に勘案して慎重に決定する必要があります。

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