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外壁リフォームの費用相場は?検討時期とコスト減のコツも解説

最終更新日: 2024年11月11日

日々劣化する外壁、あまり普段気にしないだけにリフォームするべきかどうか不安に思われる方も多くいらっしゃいます。好き好んで外壁リフォームをしたいという方は正直少なく、できるだけ費用を抑えてやりたいという方が多いことも事実です。

この記事ではそもそも外壁のリフォームは必要なのか、必要な場合どういった工事が必要なのか、その費用はどのくらいかかるのかといったことについて解説していきます。

外壁リフォームは必要?

外壁リフォームは家の外観を美しく保つだけでなく、家全体の寿命を延ばすためにも重要なメンテナンスの一環です。戸建て住宅の景観や耐久性を保つために、ある程度の期間ごとに外壁リフォームは必要になります。

外壁リフォームが必要な理由①:外壁の劣化防止

外壁は日々、紫外線や雨風、温度変化にさらされ続けており、徐々に劣化していきます。特に、ひび割れや塗装の剥がれ、カビや苔の発生が見られる場合、それを放置すると建物内部へのダメージが広がる可能性があります。

外壁リフォームを行うことで、こうした劣化の進行を防ぎ、家の耐久性を保つことができます。劣化を早期に対処することは、後に発生する大規模修繕のリスクを減らし、コストを抑える効果も期待できます。

外壁リフォームが必要な理由②:防水機能の維持

外壁には建物内部に雨水が侵入しないよう、防水機能が備わっています。しかし、年数が経つとその機能が低下し、ひび割れや隙間から雨水が入り込んで建物内部に湿気が溜まったり、最悪の場合中に水が浸水してくることがあります

その結果、構造材が腐食したりカビが発生したりしてしまい、建物の構造部分まで劣化してしまい建物全体のリフォームが必要になってしまいます。防水機能を維持してご自宅の耐久性を上げるためにも、外壁リフォームは必要になります。

外壁リフォームが必要な理由③:断熱・遮熱性能の維持

外壁リフォームは、断熱性や遮熱性を改善するために必要です。特に築年数が経過した住宅では、断熱性能が低下していることが多く、夏は暑く冬は寒くなってしまいます。

結果としてエアコンなどの電気代が高額になるという弊害もあります。外壁リフォームを施して最新の断熱材や遮熱塗料を使用することで、室内の温度を快適に保ち、光熱費の削減も期待できます。

外壁リフォームが必要な理由④:景観の維持

外壁は日々劣化することで、色褪せや汚れが目立ってくるようになり家全体の見栄えが悪くなってしまいます。特に、塗装の劣化によって外観が損なわれることで、見栄えだけでなく家の資産価値の低下にも影響します。ご自宅の売却を視野に入れている場合、美観を保つためのリフォームは欠かせません。

外壁リフォームが必要な劣化症状

外壁リフォームが必要とはいえ、リフォームによっては費用が数十万円〜数百万円とかなり高額になります。

そのためリフォームが本当に必要かどうかを判断するためには、劣化が目立っているかどうかを確認しつつ相談を進めるようにしましょう。

ここで紹介するような劣化症状が目立ってきた場合は、リフォームの検討をするべきでしょう。

外壁のセルフチェックで見るべきポイントは以下の6つです。

  • 色あせ・変色
  • チョーキング現象
  • ひび割れ(クラック)
  • 藻・コケ・カビ
  • 浮き・はがれ
  • コーキングの状態

色褪せ・変色

外壁塗装の劣化の始まりは「色褪せ」「変色」で分かります。塗装の色褪せや変色の原因は、紫外線による日焼けです。塗料がもろくなっていく前の段階と見てよいでしょう。

すでに防水能力が低下しつつあるので、外壁のメンテナンスを検討し始めるタイミングでもあります。日々の変化に気づきにくいこともあり、施工当時の画像と比べるなどの工夫も有効です。

なお、色褪せや変色が起きている時は外壁塗装などのリフォーム方法がおすすめです。

チョーキング現象

チョーキング現象は外壁を手のひらで擦った際に、チョークのような白い粉が付着するという現象です。これは塗料の結合力がなくなりつつある証拠で、塗料の耐用年数が近づいてきたときに起こります。

塗料は樹脂に顔料や接着剤が混ぜてあり、それぞれが強く結合しているのですが、外気や日光にさらされていくうちに劣化します。チョーキング現象が起き始めると、塗膜の保護力や防水性が著しく低下するため、早めの対策が必要です。

チョーキングが起きている際は、外壁の塗料が劣化しているため外壁塗装をし直すのがおすすめになります。

ひび割れ(クラック)

モルタル壁は乾燥収縮によって割れやすい性質があり、サッシ近辺や外壁の継ぎ目などに、ひびが入ることがあります

弾性塗料による塗装が行われるのですが、経年により塗膜が弾力性を失い、壁面にひび割れが生じるのです。

ひび割れは「クラック」ともいい、割れ幅や深さによって「ヘアークラック」「構造クラック」に分かれ深刻度が異なります。

ヘアークラックは細いひび割れで、塗料を塗ることで解消されます。構造クラックは幅0.3mm以上、深さ4mm以上の深刻なひび割れです。放置すると壁面から建物内部へ水が入り込み、雨漏りの可能性が高まるため、早急な補修をしなければなりません。

藻・コケ・カビ

藻やコケ、カビは湿った環境を好みます。これらが外壁に発生している場合、外壁の内部に水が侵入しているかもしれません。

とくにモルタルやコンクリート壁、ALCボードのように、表面に無数の凹凸がある外壁は、水分が表面にとどまることで藻やコケが繁殖しやすくなります。

外壁の劣化も心配ですが、壁面内部の点検も行ったほうがよいでしょう。表面だけの修繕の場合は外壁塗装が、内部まで侵食している場合は張り替えやカバー工法が必要になります。

浮き・剥がれ

外壁の表面がところどころ丸くポコポコと浮いている状態になることがあります。これは塗面の小さな割れから、雨が侵入したことによる「浮き」です。浮きが進行すると塗装が剥がれはじめます。

外壁が露出し塗装されていない状態に近くなると、直接雨水や紫外線にさらされ続け、外壁の耐用年数も大幅に短くなってしまいます。

コーキングの状態

外壁のチェックと併せて行っておきたいのが、コーキングのチェックです。コーキングとはサイディングボードや、窓枠の目地にある樹脂性の充填剤を指します。硬いサイディングボードを地震などの衝撃から守り、建物への水の侵入を防ぐ役割があります。

コーキングに細かい亀裂が入っていると、すでに劣化が始まっているサインです。補修方法は「増し打ち」「打ち替え」があり、外壁材や打ち込む部位によって使い分けます。コーキングの寿命は5~10年ほどなので、外壁塗装と一緒にリフォームすると、足場費用が節約でき経済的です。

目的に合わせた外壁リフォームの方法

外壁リフォームにはさまざまな方法があります。修繕したい劣化症状ややりたいことによっておすすめのリフォーム方法は異なりますので、それぞれ見ていきましょう。

塗料の劣化を修繕するなら外壁塗装

チョーキング現象や色褪せなどで外壁塗料が劣化している場合は、外壁塗装をします。

外壁を洗浄して塗料を塗り直し、再度外壁の性能を高く保ちつつ景観を守ります。なお、塗料にはさまざまなものがあり、基本的に耐用年数(=寿命)が長いほど価格も高くなります。

外壁塗装にかかる日数は10~14日間が一般的ですが、塗料が乾きづらかったりする場合もあるので、施工の時期によっても変わります。

外壁材の寿命がきた場合は重ね張りかカバー工法

外壁の劣化が激しい場合や、外壁材の耐用年数を迎えた場合は、塗装ではなく重ね張りでリフォームする方法があります。これは現在の外壁材の上から新しい外壁材を貼る方法で、カバー工法とも言います。

張替えに比べ工期が比較的短く、断熱性や防音性が向上する点もメリットです。一方で外壁の荷重が増すため、耐震性が若干劣ること、古い外壁材の状態が確認できなくなることなどデメリットもあります。

外壁が大きく劣化している場合は張替え

外壁材が大きく劣化しており、家の構造部分まで劣化が及ぶ可能性がある場合は張替えを検討する必要があります。今の外壁材を除去して新しい外壁材を設置し、総入れ替えを行います。

外壁材を張替えるメリットは、壁内部の点検が可能になる点です。壁の内部にある防水シートの交換や断熱材を交換できる点や、一から外壁材を設置し直すのでご自宅の耐久性を伸ばせる点は魅力です。

外壁リフォームの費用相場

続いて、外壁リフォームをする際の費用相場を紹介します。それぞれの工事内容によって費用は大きく異なりますので、詳しく見ていきましょう。

外壁塗装の費用相場

外壁の塗装費用の相場は足場の費用を含めて80万~130万円ほどです。費用相場の幅が広いのは、塗料の違いによるところが大きいと言えるでしょう。

  • アクリル系塗料 1,500~2,000円/1缶
  • ウレタン系塗料 1,700~2,200円/1缶
  • シリコン系塗料 2,200~3,000円/1缶
  • フッ素系塗料 3,800~4,000円/1缶
  • 遮熱塗料 4,000~6,000円/1缶

重ね張り・カバー工法の費用相場

ね張り・カバー工法の費用相場は100万~220万円程度です。新しく設置する外壁材によって異なりますが、おおよそこの範囲内に費用は収まると思っておいて良いでしょう。

なお、カバー工法で最も人気な外壁材は金属系サイディングか樹脂系サイディングです。

  • 窯業系サイディング:3,000~5,000円/㎡
  • 金属系サイディング: 4,000~5,000円/㎡
  • ALC:7,000~15,000円/㎡
  • タイル:9,000円/㎡

外壁張り替えの費用相場

外壁材の張替え費用は170万~250万円が目安です。古い外壁材を除去して処分する費用もかかりますので、重ね張り・カバー工法よりも費用が高くなります。

外壁リフォームの費用をおさえるポイント

定期的なメンテナンスを可能にするためにも、1回ごとの施工費用はできるだけおさえたいものです。外壁リフォームの費用をおさえるポイントを紹介します。

相見積もりを取る

事費用の見積もりはかならず複数社から取りましょう。外壁リフォームの費用は劣化の激しさや塗装面積によって違いがあります。

相場はあくまで目安に過ぎず、見積もりを取らなければ正確な金額が分かりません。また1社だけしか見積もりを取らないと適正金額がつかめず、妥当な価格かどうかも判断しにくくなります。

相見積もりは2~3社で十分です。それ以上集めようとすると、時間がかかってしまい工期の遅れにもつながります。見積もりを取る際は、すべての業者に同じ条件を伝えます。

外壁リフォームの会社を自分で探すのは根気のいる作業です。ミツモアを利用すれば条件を入力するだけで、複数の外壁リフォーム業者から1度に見積もりが取れます。

季節を選ぶ

塗装業者の閑散期にリフォームを依頼するのも、費用をおさえるのに有効です。春と秋は塗装が乾きやすく、天候も安定しているため、依頼が集中しがちです。

夏は塗料が乾きにくい高温多湿に加え、ゲリラ豪雨や台風もあることから、工期が伸びやすく塗装に適した時期とは言えません。冬の閑散期に依頼して価格交渉に出るという方法もあります。

補助金を使う

また外壁塗装する際に、補助金や助成金を受け取れる地方自治体もあります。助成金や補助金の対象となるためには、以下のような条件を満たす必要があります。

  • 同一の助成金・補助金制度を過去に利用していない(一部の制度を除く)
  • 自治体内に塗装を行う住居がある
  • 税金の滞納がない
  • 暴力団関係者等が世帯員にいない
  • 塗装工事が始まる前に申請済みである

補助金や助成金は10万~20万円が平均的な金額です。遮熱塗料や断熱塗料など、自治体が指定する、省エネ効果の高い塗料を使うことで、対象になることが可能です。すべての自治体で行っているわけではないので、お住いの市区町村役場で確かめておきましょう。

外壁塗装費用の補填に火災保険を使えるケースもあります。

火災保険は火事だけでなく、台風や強風、落雷など自然災害にも使えます。外壁が自然災害によって破損した場合は、加入している損害保険会社に相談してみましょう。

屋根やベランダなども一緒にリフォームする

屋根やベランダも外壁塗装と同じように耐用年数やメンテナンス周期があります。

  • スレート屋根 8~10年
  • 瓦屋根(セメント瓦) 10~15年
  • 金属屋根(ガルバリウム鋼板) 15~20年
  • ベランダの床面防水 5~10年

外壁塗装は高所作業です。施工箇所の高さが2mを超える場合は足場の使用が法律で義務付けられています。

そのため天井の高い平屋や、2階建て以上の建物は、高所作業のたびに足場を組まなければなりません。まとめてメンテナンスを行うことで、足場の設置が一度で済み、結果的に費用をおさえる効果が期待できます。

外壁材別にみる特徴と耐用年数

住宅の外壁に使われている、一般的な外壁材の特徴と、耐用年数を紹介します。それぞれの特徴について把握しておきましょう。

モルタル

モルタル壁の耐用年数はおよそ30年です。塗装は8~10年を目安に塗り替えるのが一般的です。モルタルは水とセメント、砂を混ぜて作られており、吹き付けや左官仕上げ、リシンなどさまざまな仕上げ方があります。

サイディングボードのように目地が必要ないため、コーキング補修が不要です。モルタルの主成分のほとんどはセメントのため、防水性が低くひび割れを起こしやすいというデメリットがあります。表面に塗装を施すことで、防水性を保っており、塗装が劣化するとモルタル壁に水が浸入しやすくなります。

窯業系サイディングボード

窯業系(ようぎょうけい)サイディングボードの耐用年数は約40年です。表面塗装は7~8年間ごとのメンテナンスが必要です。セメント質と繊維質を板状にしたもので、サイディングボードの主流となっています。

成形が容易なためデザインの種類も豊富で、タイル柄や木目柄、石柄など建物のイメージに合わせた外壁が選べます。耐火性に優れている反面、耐水性がないため表面塗装のメンテナンスは定期的に行わなければなりません。窯業系サイディングボードは吸熱性が高く、室内の温度が高くなりがちになる点もデメリットの一つです。

金属系サイディングボード

金属系サイディングボードは耐用年数40年と長く、メンテナンスの周期は10~15年ごとが目安です。金属系サイディングボードには、ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金塗装板があります。スチールなどの金属で表面加工されており、裏側に断熱材が入っています。

窯業系サイディングボードに比べひび割れに強く、断熱性・遮音性の高い点も特徴の一つです。ただし塩害に弱くサビが発生しやすい点や、衝撃によるへこみや変形を起こしやすい点がデメリットといえるでしょう。

木質系サイディングボード

木質系サイディングボードとは無垢材や集成材を表面加工し、耐火性を加えた外壁材です。耐用年数は40年ほどで、メンテナンス周期は8~12年が目安となります。木の性質を活かした、ぬくもりのあるデザインと高い断熱性が特徴です。

天然木材を利用したサイディングボードは、金属製や窯業系に比べ価格が2割程高くなる傾向にあります。また腐食に弱いためクリヤー塗装や、コーキングのメンテナンスを小まめに行う必要があります。

ALCボード

ALCボードとは軽量気泡コンクリートのことで、珪石(けいせき)、セメント、生石灰などを主原料としたサイディングボードです。ALCボードの耐用年数はおよそ60年と長く、メンテナンス周期は10~15年です。

一般的なコンクリートの約10倍と言われる断熱性の高さがあり、耐熱性・耐久性・遮音性にも優れています。無数の気泡があるため防水性が低く、つなぎ目が多いのがデメリットで、防水性の高い塗料を使うため、塗装費用が比較的高くなります。

外壁リフォームの流れ

外壁リフォームできれいになった住宅

リフォームの流れをつかんでおくと、工事の進み具合が分かりやすくなります。費用の点もさることながら、ご近所の手前、施工主は工事のスケジュールを知っておく必要があります。

現場確認から作業完了まで

外壁工事が始まる前に、近隣の住人へ挨拶を済ませるとともに、おおよその工期を伝えておきます。近隣の車などにも養生が必要なケースも少なくありません。

外壁塗装の工事の流れはおおむね以下のようになります。

  1. 足場・外壁シートの設置
  2. 壁面の高圧洗浄
  3. 乾燥
  4. 下地調整
  5. 養生
  6. 外壁下塗り
  7. 外壁中塗り
  8. 外壁上塗り
  9. 養生取り
  10. 確認作業
  11. 足場撤去

高圧洗浄で付着した水分が乾くまでに3~4日かかるのが一般的です。季節にもよりますが下塗り・中塗り・上塗りはそれぞれ1日かけて行われます。

工期は戸建て住宅で10~14日、湿度の高い時期や雨天が続くとさらに日数がかかります。工事のスケジュールは「工事工程表」で確認できます。

作業内容が細かく記されているので、具体的な日数や進行状況を知りたい場合は業者に見せてもらいましょう。

外壁リフォームに届出は必要?

リフォーム工事を行う際、一定の条件にあたる建物の外壁工事には「建物確認申請」が必要です。

「建物確認申請」は建築物の安全性を考え、建築物と敷地に必要な最低基準を定めた建築基準法によります。鉄骨2階建て・木造3階建てなどで「4号建築物以外」の建物は申請が必要になります。

4号建築物以外の建物で外壁塗装を行う場合、確認申請は不要です。

外壁リフォームは下調べが重要

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一戸建ての家屋の寿命は30~80年、その間に外壁のリフォームは3回以上行われることになります。外壁リフォームは入念な下調べと、良心的な施工業者を見つけることが重要です。

ミツモアの一括無料見積もりを利用すると、自分に合った業者を簡単に見つけることができます。ぜひミツモアを利用して、外壁リフォームをプロに頼んでみではいかがでしょうか。

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