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外壁リフォームの費用相場は?検討時期とコスト減のコツも解説

最終更新日: 2023年04月16日

外壁リフォームは費用をおさえることが肝心です。8~10年でメンテナンスを行うために、1回ごとの費用をおさえる工夫は欠かせません。外壁リフォームの種類や相場、コストの抑え方やメンテナンスのタイミングなどを分かりやすく解説します。

外壁リフォームの種類と費用相場

外壁塗装の費用

外壁リフォームは「塗装」「重ね張り」「張替え」の3つの工法の中から、外壁のコンディションによって選びます。

塗装

外壁の塗装費用の相場は足場の費用を含めて80万~130万円ほです。費用相場の幅が広いのは、塗料の違いによるところが大きいと言えるでしょう。

  • アクリル系塗料 1,500~2,000円/1缶
  • ウレタン系塗料 1,700~2,200円/1缶
  • シリコン系塗料 2,200~3,000円/1缶
  • フッ素系塗料 3,800~4,000円/1缶
  • 遮熱塗料 4,000~6,000円/1缶

外壁用の塗料は耐用年数が長いほど価格も高くなります。なお塗装にかかる日数は10~14日間が一般的ですが、施工の時期によっても変わります。

関連記事:外壁塗装の塗料一覧!全種類(グレード)の耐用年数・費用の違い比較!選び方まで徹底解説します|ミツモア

重ね張り・カバー工法

外壁の劣化が激しい場合や、外壁材の耐用年数を迎えた場合は、塗装ではなく重ね張りでリフォームする方法があります。現在の外壁材の上から新しい外壁材を貼る方法で、カバー工法とも言います。費用相場は100万~220万円程度で、廃材が出ないため張替えよりもコストをおさえられ経済的です。

張替えに比べ工期が比較的短く、断熱性や防音性が向上する点もメリットです。一方で外壁の荷重が増すため、耐震性が若干劣ること、古い外壁材の状態が確認できなくなることなどデメリットもあります。

張替え

外壁材の張替え費用は170万~250万円が目安です。使用する外壁材によって価格に差があります。

外壁材ごとの費用相場は以下のようになります。

  • 窯業系サイディング:3,000~5,000円/㎡
  • 金属系サイディング: 4,000~5,000円/㎡
  • ALC:7,000~15,000円/㎡
  • タイル:9,000円/㎡

外壁材を張替えるメリットは、壁内部の点検が可能になることで防水シートの交換や断熱材を交換できる点や、外壁材の耐用年数が伸びる点です。

関連記事:戸建ての外壁材7種類とそれぞれの特徴を解説。色選びや費用相場も|ミツモア

外壁リフォームの費用をおさえるポイント

費用のポイント

定期的なメンテナンスを可能にするためにも、1回ごとの施工費用はできるだけおさえたいものです。外壁リフォームの費用をおさえるポイントを紹介します。

相見積もりを取る

工事費用の見積もりはかならず複数社から取りましょう外壁リフォームの費用は劣化の激しさや塗装面積によって違いがあります。相場はあくまで目安に過ぎず、見積もりを取らなければ正確な金額が分かりません。また1社だけしか見積もりを取らないと適正金額がつかめず、妥当な価格かどうかも判断しにくくなります。

相見積もりは2~3社で十分です。それ以上集めようとすると、時間がかかってしまい工期の遅れにもつながります。見積もりを取る際は、すべての業者に同じ条件を伝えます。

外壁リフォームの会社を自分で探すのは根気のいる作業です。ミツモアを利用すれば条件を入力するだけで、複数の外壁リフォーム業者から1度に見積もりが取れます。

外壁リフォームの見積もりを依頼する

季節を選ぶ

塗装業者の閑散期にリフォームを依頼するのも、費用をおさえるのに有効です。春と秋は塗装が乾きやすく、天候も安定しているため、依頼が集中しがちです。

夏は塗料が乾きにくい高温多湿に加え、ゲリラ豪雨や台風もあることから、工期が伸びやすく塗装に適した時期とは言えません。冬の閑散期に依頼して価格交渉に出るという方法もあります。

補助金を使う

また外壁塗装する際に、補助金や助成金を受け取れる地方自治体もあります。助成金や補助金の対象となるためには、以下のような条件を満たす必要があります。

  • 同一の助成金・補助金制度を過去に利用していない(一部の制度を除く)
  • 自治体内に塗装を行う住居がある
  • 税金の滞納がない
  • 暴力団関係者等が世帯員にいない
  • 塗装工事が始まる前に申請済みである

補助金や助成金は10万~20万円が平均的な金額です。遮熱塗料や断熱塗料など、自治体が指定する、省エネ効果の高い塗料を使うことで、対象になることが可能です。すべての自治体で行っているわけではないので、お住いの市区町村役場で確かめておきましょう。

外壁塗装費用の補填に火災保険を使えるケースもあります。

火災保険は火事だけでなく、台風や強風、落雷など自然災害にも使えます。外壁が自然災害によって破損した場合は、加入している損害保険会社に相談してみましょう。

関連記事:【2022年版】外壁塗装の助成金・補助金は誰でも貰える?受け取り条件や地域・申請方法を徹底解説!|ミツモア

屋根やベランダなども一緒にリフォームする

屋根やベランダも外壁塗装と同じように耐用年数やメンテナンス周期があります。

  • スレート屋根 8~10年
  • 瓦屋根(セメント瓦) 10~15年
  • 金属屋根(ガルバリウム鋼板) 15~20年
  • ベランダの床面防水 5~10年

外壁塗装は高所作業です。施工箇所の高さが2mを超える場合は足場の使用が法律で義務付けられています。

参考:労働安全衛生規則第二編第九章第一節 墜落等による危険の防止

そのため天井の高い平屋や、2階建て以上の建物は、高所作業のたびに足場を組まなければなりません。まとめてメンテナンスを行うことで、足場の設置が一度で済み、結果的に費用をおさえる効果が期待できます

外壁リフォームを検討する時期はいつ?

住宅点検をする男性

外壁のリフォームは表面を覆っている塗装の耐用年数と、外壁材の耐用年数で周期が異なります。リフォームを検討するタイミングについて解説します。

一般的な外壁リフォームの周期

外壁リフォームの周期は、新築の外壁で8~15年と考えるのが一般的です。再塗装後の場合は、そのときに使われた塗料のグレードによって、周期が変わります。リフォームの周期は使われている塗料の耐用年数から、考えるとよいでしょう。

外壁塗装の塗料にはウレタン塗料、フッ素塗料などさまざまな種類があり、それぞれ耐用年数が異なります。塗料の耐用年数は、大手塗料メーカーのホームページでも公開されており、おおむね10~20年となっています。

定期的なリフォームが必要な理由

外壁塗装の劣化は雨水が外壁内部へ侵入し、雨漏りの原因になるばかりか、湿気やカビ、腐食など建物にダメージを与える原因になります塗装のツヤがなくなるのは、塗装が劣化し始めたためで、防水効果が低下しているサインです。外壁の変化は目視だけでなく、実際に触ってみることが大切です。

「メンテナンスフリー外壁」は、メンテナンスが不要という意味ではないので、扱いには注意しましょう。「メンテナンスフリー外壁」とは、耐久年数の長い素材を使った外壁材のことです。外壁材自体は30~40年と長持ちしますが、表面の塗装の耐用年数は8~15年のものがほとんどです。したがってメンテナンスフリー外壁の場合でも、定期的なメンテナンスが必要になります。

建材別に見る特徴と耐用年数

建築中の住宅

住宅の外壁に使われている、一般的な外壁材の特徴と、耐用年数を紹介します。それぞれの特徴について把握しておきましょう。

モルタル

モルタル壁の耐用年数はおよそ30年です。塗装は8~10年を目安に塗り替えるのが一般的です。モルタルは水とセメント、砂を混ぜて作られており、吹き付けや左官仕上げ、リシンなどさまざまな仕上げ方があります。

サイディングボードのように目地が必要ないため、コーキング補修が不要です。モルタルの主成分のほとんどはセメントのため、防水性が低くひび割れを起こしやすいというデメリットがあります。表面に塗装を施すことで、防水性を保っており、塗装が劣化するとモルタル壁に水が浸入しやすくなります。

窯業系サイディングボード

窯業系(ようぎょうけい)サイディングボードの耐用年数は約40年です表面塗装は7~8年間ごとのメンテナンスが必要です。セメント質と繊維質を板状にしたもので、サイディングボードの主流となっています。

成形が容易なためデザインの種類も豊富で、タイル柄や木目柄、石柄など建物のイメージに合わせた外壁が選べます。耐火性に優れている反面、耐水性がないため表面塗装のメンテナンスは定期的に行わなければなりません。窯業系サイディングボードは吸熱性が高く、室内の温度が高くなりがちになる点もデメリットの一つです。

金属系サイディングボード

金属系サイディングボードは耐用年数40年と長く、メンテナンスの周期は10~15年ごとが目安です。金属系サイディングボードには、ガルバリウム鋼板やアルミニウム合金塗装板があります。スチールなどの金属で表面加工されており、裏側に断熱材が入っています。

窯業系サイディングボードに比べひび割れに強く、断熱性・遮音性の高い点も特徴の一つです。ただし塩害に弱くサビが発生しやすい点や、衝撃によるへこみや変形を起こしやすい点がデメリットといえるでしょう。

木質系サイディングボード

木質系サイディングボードとは無垢材や集成材を表面加工し、耐火性を加えた外壁材です。耐用年数は40年ほどで、メンテナンス周期は8~12年が目安となります。木の性質を活かした、ぬくもりのあるデザインと高い断熱性が特徴です。

天然木材を利用したサイディングボードは、金属製や窯業系に比べ価格が2割程高くなる傾向にあります。また腐食に弱いためクリヤー塗装や、コーキングのメンテナンスを小まめに行う必要があります。

ALCボード

ALCボードとは軽量気泡コンクリートのことで、珪石(けいせき)、セメント、生石灰などを主原料としたサイディングボードです。ALCボードの耐用年数はおよそ60年と長く、メンテナンス周期は10~15年です。

一般的なコンクリートの約10倍と言われる断熱性の高さがあり、耐熱性・耐久性・遮音性にも優れています。無数の気泡があるため防水性が低く、つなぎ目が多いのがデメリットで、防水性の高い塗料を使うため、塗装費用が比較的高くなります。

セルフチェックで見るべき箇所

外壁のセルフチェックポイント

耐用年数は一般的なデータに基づいた目安です。実際は家の向きや日当たり、気候によりもっと早い時期に劣化が始まることがあります。

外壁のセルフチェックで見るべきポイントは以下の6つです。

  • 色あせ・変色
  • チョーキング現象
  • ひび割れ(クラック)
  • 藻・コケ・カビ
  • 浮き・はがれ
  • コーキングの状態

色褪せ・変色

外壁塗装の劣化の始まりは「色褪せ」「変色」で分かります。塗装の色褪せや変色の原因は、紫外線による日焼けです。塗料がもろくなっていく前の段階と見てよいでしょう。

すでに防水能力が低下しつつあるので、外壁のメンテナンスを検討し始めるタイミングでもあります。日々の変化に気づきにくいこともあり、施工当時の画像と比べるなどの工夫も有効です。

チョーキング現象

チョーキング現象は外壁を手のひらで擦った際に、チョークのような白い粉が付着するという現象です。これは塗料の結合力がなくなりつつある証拠で、塗料の耐用年数が近づいてきたときに起こります。

塗料は樹脂に顔料や接着剤が混ぜてあり、それぞれが強く結合しているのですが、外気や日光にさらされていくうちに劣化します。チョーキング現象が起き始めると、塗膜の保護力や防水性が著しく低下するため、早めの対策が必要です。

ひび割れ(クラック)

モルタル壁は乾燥収縮によって割れやすい性質があり、サッシ近辺や外壁の継ぎ目などに、ひびが入ることがあります。弾性塗料による塗装が行われるのですが、経年により塗膜が弾力性を失い、壁面にひび割れが生じるのです。ひび割れは「クラック」ともいい、割れ幅や深さによって「ヘアークラック」「構造クラック」に分かれ深刻度が異なります。

ヘアークラックは細いひび割れで、塗料を塗ることで解消されます。構造クラックは幅0.3mm以上、深さ4mm以上の深刻なひび割れです。放置すると壁面から建物内部へ水が入り込み、雨漏りの可能性が高まるため、早急な補修をしなければなりません。

藻・コケ・カビ

藻やコケ、カビは湿った環境を好みます。これらが外壁に発生している場合、外壁の内部に水が侵入しているかもしれません。とくにモルタルやコンクリート壁、ALCボードのように、表面に無数の凹凸がある外壁は、水分が表面にとどまることで藻やコケが繁殖しやすくなります

外壁の劣化も心配ですが、壁面内部の点検も行ったほうがよいでしょう。

浮き・剥がれ

外壁の表面がところどころ丸くポコポコと浮いている状態になることがあります。これは塗面の小さな割れから、雨が侵入したことによる「浮き」です。浮きが進行すると塗装が剥がれはじめます。

外壁が露出し塗装されていない状態に近くなると、直接雨水や紫外線にさらされ続け、外壁の耐用年数も大幅に短くなってしまいます

コーキングの状態

外壁のチェックと併せて行っておきたいのが、コーキングのチェックです。コーキングとはサイディングボードや、窓枠の目地にある樹脂性の充填剤を指します。硬いサイディングボードを地震などの衝撃から守り、建物への水の侵入を防ぐ役割があります。

コーキングに細かい亀裂が入っていると、すでに劣化が始まっているサインです。補修方法は「増し打ち」「打ち替え」があり、外壁材や打ち込む部位によって使い分けます。コーキングの寿命は5~10年ほどなので、外壁塗装と一緒にリフォームすると、足場費用が節約でき経済的です。

関連記事:外壁塗装が劣化しているサインは?主な症状とメンテナンス費用を解説|ミツモア

外壁リフォームの流れ

外壁リフォームできれいになった住宅

リフォームの流れをつかんでおくと、工事の進み具合が分かりやすくなります。費用の点もさることながら、ご近所の手前、施工主は工事のスケジュールを知っておく必要があります。

現場確認から作業完了まで

外壁工事が始まる前に、近隣の住人へ挨拶を済ませるとともに、おおよその工期を伝えておきます。近隣の車などにも養生が必要なケースも少なくありません。

外壁塗装の工事の流れはおおむね以下のようになります。

  1. 足場・外壁シートの設置
  2. 壁面の高圧洗浄
  3. 乾燥
  4. 下地調整
  5. 養生
  6. 外壁下塗り
  7. 外壁中塗り
  8. 外壁上塗り
  9. 養生取り
  10. 確認作業
  11. 足場撤去

高圧洗浄で付着した水分が乾くまでに3~4日かかるのが一般的です。季節にもよりますが下塗り・中塗り・上塗りはそれぞれ1日かけて行われます。

工期は戸建て住宅で10~14日、湿度の高い時期や雨天が続くとさらに日数がかかります。工事のスケジュールは「工事工程表」で確認できます。

作業内容が細かく記されているので、具体的な日数や進行状況を知りたい場合は業者に見せてもらいましょう。

外壁リフォームに届出は必要?

リフォーム工事を行う際、一定の条件にあたる建物の外壁工事には「建物確認申請」が必要です。

「建物確認申請」は建築物の安全性を考え、建築物と敷地に必要な最低基準を定めた建築基準法によります。鉄骨2階建て・木造3階建てなどで「4号建築物以外」の建物は申請が必要になります。

4号建築物以外の建物で外壁塗装を行う場合、確認申請は不要です。

外壁リフォームは下調べが重要

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一戸建ての家屋の寿命は30~80年、その間に外壁のリフォームは3回以上行われることになります。外壁リフォームは入念な下調べと、良心的な施工業者を見つけることが重要です。

ミツモアの一括無料見積もりを利用すると、自分に合った業者を簡単に見つけることができます。ぜひミツモアを利用して、外壁リフォームをプロに頼んでみではいかがでしょうか。

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