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養子縁組による相続税対策!孫でも養子になれる?【税理士監修】

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最終更新日: 2018年12月06日

相続税の負担を小さくするための方法として「養子縁組を活用する」という方法があるのはご存知でしょうか。

相続税は相続人が多いほど基礎控除額が小さくなる仕組みになっていますから、養子縁組によって相続人を増やすことで相続税も安くすることができるというわけです。

この記事では、養子縁組の制度説明から相続税節税の方法メリット・デメリットまでくわしく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

養子縁組とはどういう制度?

相続税 養子
養子縁組の仕組みとは?

養子縁組とは、「血縁関係のない人に対して、法律上の親子関係を発生させる」制度のことをいいます。

そして一度養子となった人は、遺産相続においても実子と同様の扱いを受けられるようになるのです。例えば、長男・次男の2人の実子を持つ人が、別の男性を養子として迎えたとしましょう。この場合、もとの長男・次男と養子は遺産相続ではまったく同じ相続分を取得することが可能となります。

なお、養子縁組を行うためには、養親となる人が未成年でないことや、養子となる人が養親となる人よりも年齢が下であることなどの条件がある点には注意しておきましょう。

2種類の養子縁組について

養子縁組には、大きく分けて「普通養子縁組」「特別養子縁組」の2種類があります。

この2つの差は、養子となる人と、その人の実の親(血のつながった父母)との関係がどのようになるかの違いにあります。

それでは、それぞれの養子縁組制度の概要について、くわしくご説明しましょう。

二重の親子関係に──普通養子縁組とは

普通養子縁組とは、養子となる人から見て実親と養親、両方の親がいる状態になる養子縁組のことをいいます。

つまり、普通養子縁組の場合、血のつながった実の親との法律上の親族関係を解消することなく、新しく養親との法律上の親族関係が生じることになるわけです。

そのため、普通養子縁組によって養子となった人は、養親が亡くなった時に遺産相続をする権利を得るだけでなく、実の親の相続についても遺産分割を受ける権利を持ち続けることになります。

元の親子関係を解消──特別養子縁組とは

特別養子縁組とは簡単に言うと、実の親との法律上の親子関係を解消する養子縁組のことです。

特別養子縁組によって養子となった人は、血縁関係のある実親との関係が切れることになります。そのため、実親が亡くなって相続が発生したとしても、遺産分割を受ける権利はありません。

また、特別養子縁組を行うためには厳しい条件が課されます。具体的には、実親が子を育てるのが難しいなどの状況があって、その実親との関係を解消するほうその子にとって利益があると家庭裁判所が判断した場合などです。

また、原則として養子となる人は6歳未満であり、新たに養親となる人は配偶者がいて25歳以上でなければならないといった条件もありますから、注意しましょう。

普通養子縁組と特別養子縁組 相続ではどちらがお得?

では、普通養子縁組と特別養子縁組は、相続時にどちらが有利なのでしょうか?

法定相続分は嫡出子(夫婦間に生まれた子)と非嫡出子(夫婦間に生まれていない子)の間に差はありません。

特別養子縁組が元の親からの相続権を失う代わりに、普通養子縁組の場合は実親、養親両方の遺産について相続する権利があります。ですから養子から見れば、普通養子縁組の方がメリットが大きいといえます。

ただし、相続時には資産だけでなく、借金についても相続することになるので注意が必要です。

「孫との養子縁組」が比較的よく行われる理由

相続に関連して養子縁組を行う例として、自分の孫に相続権を持たせるために養子縁組を行うことが比較的多く見られます。

なぜこのような養子縁組を行われるのか──その意味を理解するには、「代襲相続(だいしゅうそうぞく)」の仕組みについて理解しておく必要があります。

代襲相続とは、ある人が亡くなった時点で、相続人となるはずだった子供は既になくなっているものの、孫は生きているという場合に生じる相続の形です。

この場合、孫は子と全く同じ地位で遺産相続を受けることが可能になります。逆に言えば、相続が発生した時点で子と孫の両方が生きている場合には、孫は遺産相続をする権利を有しないことを意味します。

そのため、「自分の死後に子供と孫の両方に財産を遺したい」方は、孫と養子縁組をすることで財産を相続させようとするのです。また、これから述べていきますが、孫を養子にすることは相続税の節税にもつながります。

養子縁組を利用した節税方法とは

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養子縁組による相続税計算のメリットとは?

ここからは、養子縁組で相続税を節税する、具体的な方法について解説します。

ただし本来、養子縁組は相続税の対策のために行うものではありませんから、相続の発生前後に養子縁組を行うことについてはさまざまな法律上の制限が設けられています。

そうした制限や、注意点についてもくわしく解説していきます。

相続人が増えれば基礎控除額が変わる!

相続税の計算における養子縁組の具体的なメリットを知るために、相続税の基本的な計算方法についておさらいしておきましょう。

相続税は、現金や不動産といった「プラスの遺産」から、借金などの「マイナスの遺産」を差し引きした財産の合計額に対して課税されます。

こうして計算した遺産の合計額のことを「正味の遺産額」と呼びます。

【正味の遺産額の算出方法】

正味の遺産額=プラスの遺産総額-マイナスの遺産総額

そしてこの「正味の遺産額」から、さらに相続税の基礎控除を差し引きした金額に対して、税率をかけることで相続税の金額は導き出されるのです。

税率をかける直前の遺産の総額のことを、「課税遺産総額」といい、次の計算式で算出します。

【課税遺産額の算出方法】

課税遺産総額=正味の遺産額-相続税の基礎控除

相続人の数が増えると相続税の基礎控除も大きくなる

ここで、「相続税の基礎控除」をどのように計算するかが問題となりますが、相続税の基礎控除は次の計算式で計算されます。

【基礎控除額の算出方法】

相続税の基礎控除=3000万円+600万円×法定相続人の数

法定相続人とは法律上相続する権利を持っている人のことで、子供や兄弟といった親族のことをいいます。

【例】法定相続人として子供が3人いる場合、相続税の基礎控除は次のように計算できます。

相続税の基礎控除=3000万円+600万円×3人=4800万円

相続税の基礎控除が4800万円あるということは、正味の遺産額が4800万円を超えない場合には、相続税は1円も発生しないことを意味します。

そして、この「法定相続人」には養子縁組によって親族関係になった養子も含めることができます。したがって、養子縁組によって法定相続人の数を増やすことが、基礎控除額の増加および相続税額減につながるというわけです。

養子の人数には制限があるので注意

前述の通り、養子縁組によって法定相続人の数を増やすことは相続税対策になります。しかしこれを無制限に認めてしまうと、全くの他人100人を養子にする…ということも可能になってしまいますよね。

そこで、このような事態を避けるために、養子に出来る人数の上限が設けられています。

  • すでに実子がいる人の場合:相続税の基礎控除に含めることができる養子の数は1人まで
  • 実子がいない人の場合:相続税の基礎控除に含めることができる養子の数は2人まで

養子縁組は本来的に相続税対策のための制度ではありませんから、このような仕組みになっているのです。

もちろん、この養子縁組の制限は、相続税の基礎控除を計算する上での制限にすぎません。自らの子として育てる目的でたくさんの養子を抱えることに、なんの問題もありません。

トラブルや相続税額が増えるケースも?養子縁組のデメリット

相続税 養子
養子縁組でデメリットが生じるケース

一方で、相続税を安くする目的で養子縁組した場合、トラブルに発展したりかえって負担が大きくなったりしてしまうケースもあります。

以下では、相続対策として行った養子縁組が、マイナスに働いてしまうケースについて具体的に説明しましょう。

養子縁組が争いの火種に?

相続トラブルの多くが、相続人同士の「誰がどの遺産を相続するか」を巡って起こる争いです。

ごく簡単にいえば、相続人の数が増えれば増えるほど、相続トラブルが生じてしまうリスクは高まるといえます。

当然ながら血縁関係が全くない人間を養子として相続人に加えることは、血縁関係がある相続人の感情を刺激することにつながる恐れがあります。

養子縁組を相続税対策として活用する場合には、養子にする意図を他の相続人に対してよく説明して理解を求めると同時に、具体的な遺産分割の方法については遺言を残しておくのが良いでしょう。

ただし遺言の作成に当たってはさまざまなルールがありますから、実務知識にくわしい専門家に相談することをおすすめします。

養父死後の養子縁組解消には、「死後離縁」が必要

養子縁組を行った後に養子と養親のどちらかが養子縁組を解消したいと考えた場合には、「離縁」という手続きで法律上の関係を解消することが必要です。そして離縁を行うためには、養親と養子の協議が必要になります。

ところが養親と養子のどちらかがすでに亡くなっている場合、協議は不可能です。

その場合、「死後離縁」という方法によらなければ、養子縁組を解消することはできません。

死後離縁とは家庭裁判所の許可を得て養子縁組関係を終了させるという方法で、その手続きは非常に複雑です。このように、いったん養子と養親の関係になったら、簡単には親族関係を解消することはできません。養子縁組を行う際には慎重に慎重を重ねたうえで決断しましょう。

相続人数が減って税額が上がるケース

養子縁組により相続税の基礎控除額を増やすことで、相続税の負担額を減らすことにつながるのは前述しました。

ところが、相続税の節税のために行った養子縁組が、かえって相続税の負担額を増やしてしまうケースもあるのです。

例を挙げて説明しましょう。あなたの相続人として配偶者である妻と兄(故人)の子である甥2名がいるとします。

この場合、あなたの法定相続人となるのは妻1名および、代襲相続によって相続権を受け継いだ甥2名の合計3名です。すると相続税の基礎控除額は4800万円(3000万円+600万円×3人)ということになりますね。

次に、同じ状況であなたが甥の内1人を、養子縁組によって自分の養子にしたケースを考えます。

この場合、あなたの相続人となるのは妻と養子の2名ということになり、相続税の基礎控除は4200万円(3000万円+600万円×2名)ということになってしまいます。

このように、養子縁組によって基礎控除額が減る(相続税の負担額が増えう)ケースもあるので、養子縁組を選択する際には慎重に判断する必要があります。

節税目的とみなされると、税額控除が認められない

養子縁組は相続税対策として有効な方法ですが、本来は節税対策のために存在している制度ではありません。

実際に、国税庁の公式ホームページによれば、「相続税の負担を不当に減少させる結果と認められる場合、その原因となる養子縁組は認められない」という説明がされています。

もしも税務調査の際などに税務署職員から節税目的の養子縁組と見なされた場合には、先述した基礎控除の計算方法が認められないケースもありますから注意が必要です。

孫が相続人だと税率が上がる?

法律上、自分の死後に相続人の資格を持たない人間へ財産を分け与える方法としては、相続の他に「遺贈(いぞう)」という方法があります。

遺贈を簡単に説明しますと「相続人でない人を遺言によって相続人に指定すること」です。

日本の法律では、亡くなった人が遺言を残している場合には、その遺言の内容が法律よりも優先される仕組みになっており、このような形で財産を分け与える方法のことを遺贈と呼ぶのです。

任意の相手に財産を分け与えられる遺贈ですが、注意点として「遺贈によって財産を取得した人は支払うべき相続税の負担額が2割増し」になることが挙げられます。

遺贈によって財産を得る人は、法律上の相続人ではありません(全くの他人ということも考えられます)。法律上の相続人と差を設けるために、税額が大きくなるようなルールとなっているわけですね。

そして孫を養子にして相続させた場合は、実質的に遺贈によって財産を取得させるのと同じです。そのため、相続税の2割加算が適用されることになります。
なお、死亡した親(孫から見て)の相続権を引き継ぐ代襲相続の場合には、相続税の2割加算はありません。

【監修税理士からのアドバイス】

二見達彦税理士事務所 - 東京都中央区新富

養子縁組による相続税の節税を考える場合、他の相続人とのトラブルに発展する恐れがあるので注意が必要です。また、相続税対策と見なされると控除が認められないケースもありますので、円滑に相続を進めるためにも税理士の知恵を借りることをお勧めします。その際は、相続案件を多く扱った経験を持つ税理士を選ぶようにしてください。
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養子縁組した方がよい?税理士に相談してみては

相続税 養子
養子縁組による相続税対策は税理士に相談を

相続が発生するときに一定額以上の遺産がある場合には、その遺産に対して相続税を負担しなくてはなりません。

自分の家族に財産を少しでも多く残したいと考えている人にとっては、「少しでも節税したい」というのが本音だと思います。

ここまで相続税の負担を少しでも軽くするための方法として、養子縁組について説明してきました。しかし、相続税対策としての養子縁組には法律上の制限があるほか、手続きの進め方に不備があるとトラブルに発展してしまう可能性もあります。

相続税の負担を小さくするための具体的な方法についてアドバイスを受けたい方は、相続税対策を専門にしている税理士に相談することも検討してみてはいかがでしょう。

養子縁組をした方がよいのかどうかといったアドバイスはもちろん、最新の税務知識を生かしたさまざまな節税方法を提案してくれるはずです。

税理士にお願いするメリット

税理士に相談・依頼する最大のメリットは、「あなたの悩みに対して適切な回答を提供してくれる」ことです。

税理士は、あなたに相続税対策の方法を提案するにあたって、家族の財産の状況やご家族との関係の在り方などについての詳細なヒアリングを行います。

それらの情報に基づいて、あなたが遺産分割によって実現したい状況に少しでも近づくよう、トラブル回避や節税など最適な解決策を提案してくれるのです。

節税方法の中には、税法の実務知識がないと実質的に利用できないものも少なくありません。遺産の金額および相続税の負担額も大きくなる可能性が高い人ほど、税理士に相談するメリットは大きいといえます。

税理士にお願いするデメリット

税理士に相続税対策を依頼するデメリットとしては、まず税理士に対して支払う顧問料や成功報酬が必要である点が挙げられます。

そしてすべての税理士が必ずしも相続税対策に精通していないという点にも注意が必要でしょう。税理士にもそれぞれ得意とする分野があるので、相続税に関する業務経験が乏しい税理士に依頼してしまうと税金の払いすぎにつながる恐れもあります。

相続税について税理士に相談する際には、必ず遺産相続についての実務経験が豊富な税理士を選択するようにしましょう。

まとめ 養子縁組・相続の相談はプロにおまかせ!

相続税 養子
相続税対策は専門の税理士を選ぼう

ここまでで相続についての問題は税理士に相談するのが適切であることは理解できても、「実際にどの税理士が相続に強いのかわからない」という方もいらっしゃると思います。

そんな時は、専門家への見積もり依頼を代行してくれる「ミツモア」というサービスを検討してみてはいかがでしょうか。

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複数の税理士事務所から見積もりを取った上で比較すれば、費用の面でもサービス品質の面でも安心して相続税対策ができるでしょう。

【監修税理士 紹介】

二見達彦税理士事務所 - 東京都中央区新富

東京都中央区の「二見達彦税理士事務所」代表税理士。創業支援に強い税理士として、立ち上げ段階にある企業の設立手続きから資金調達、 株式公開までサポートしている。 相続税に関する知識や経験も豊富で、事務所ホームページ上では相続税の手続きや注意点を記したコラムを掲載するなど、 税務知識の普及にも注力する。
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