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小規模宅地の特例の節税効果を解説!不動産相続の最重要特例!!【税理士監修】

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最終更新日: 2018年11月22日

相続税額の計算において大きな割合を占める土地の評価額ですが、その計算方法は複雑です。その要因の一つに小規模宅地の特例があり、適用要件が複雑であるため、戸惑ってしまう方も多いかと思います。本制度の概略をしっかりと把握して、適切な相続税計算を行いましょう。

小規模宅地の特例概要

小規模宅地の特例
小規模宅地の特例とは?

小規模宅地等の特例(以下、本特例)とは、亡くなった人が居住や事業に用いていた土地について、一定の要件を満たすことで相続税を計算する根拠となる「相続税評価額」を、最大で80パーセントまで減額できる制度です。つまり、相続税評価額が減額された分だけ相続人が納める相続税が安くなるという相続税への影響が非常に大きい特例です。

以下では、この制度の概要についてご説明します。

小規模宅地の特例ができた背景

まず、本特例ができた背景を説明します。

亡くなった方と同居、ないしは亡くなった方が所有する土地などで事業を営んでいた家族にとって、遺された不動産は今後の生活を送るうえで大変重要な資産です。これについて何も減額されることなく自用地評価として最大限の相続税が課された場合、その支払いのために遺族の生活がままならなくなる可能性もあります。ややもすると、相続税納税の資金を確保するために足元を見られた価額で売却せざるを得ないことになり、相続人は今後の住居や生活の糧を得るための事業用不動産を失うことにもなりかねません。本特例は、そのような事態に遺族が陥らないようにするための救済策となります。

小規模宅地の特例の重要性

続いて、本特例の重要性についてご説明します。

相続税は相続によって財産を取得した人であれば誰でも支払わなくてはならない性質の税金ではなく、相続税評価額が「基礎控除」の範囲内に収まれば納税する必要はありません。具体的には、相続税評価額が「3,000万円+600万円×法定相続人の数)」以内であれば、相続税は課税されないのです。仮に相続税評価額が基礎控除を上回ったとしても、資産に本特例の対象となる土地が含まれている方は、特例の活用により相続税評価額を減額し、基礎控除の範囲内に収めることが可能なのです。本特例を適切に活用できるか否かによって支払う税金の多寡は大きく変動します。相続税の基礎控除などに関してはこちらの記事「相続税は控除で節税できる?税理士監修で徹底解説!」で詳しく解説しています。

小規模宅地の特例の対象資産

本特例の対象は土地です。土地の評価額を減額する制度です。土地の上に建てられている建物の価値は本特例で減額できるものではありません。

本特例が適用できる土地は主に3種類です。ほかにも適用できる事例はありますが、大まかには以下のパターンとなります。

①亡くなった方、または生計を一にしていた親族が住んでいた土地

②亡くなった方、または生計を一にしていた親族が事業(賃貸を除く)を行っていた土地

③亡くなった方、または生計を一にしていた親族が賃貸事業(不動産貸付や駐車場貸付)を行っていた土地

生計を一にしていたとは同じ財布で生活を営んでいたということで、同居している場合は基本的に認められ、同居していなくても単身赴任していた方が亡くなった場合など、仕送りなどで常に生活費が送金されていた場合も該当します。

概略は上記の通りですが、国税庁のHPに公式の記載がありますのでご確認ください。:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4124.htm

小規模宅地の特例の対象者

本特例の適用対象は、相続人であれば誰でも適用対象となる訳ではなく、いくつかの要件があります。また前項で説明した3パターンの土地ではそれぞれ適用できる要件が異なります。これらについて今から説明していきます。

亡くなった方、または生計を一にしていた親族が住んでいた土地の場合

最もよくある小規模宅地の特例を適用するケースは住宅を相続するケースです。配偶者は要件無しで特例を利用できること、本特例を適用した倍併用できない特例があること、をご説明致します。最大で評価額を80%減額できるので、該当可能性がある方は、今すぐ税理士と相談を始めて今後のシミュレーションを行うことをお勧め致します。

特例を利用できる人

3パターンの人が利用可能です。

まず、”配偶者”は要件無しで本特例の対象者となります。亡くなった方か亡くなった方と生計を一にしていた親族が住んでいた土地であれば、配偶者が同居していた場合でも別居していた場合でも、本特例を適用することができます。

次に、”亡くなった方と同居していた親族”です。同居していた親族が同居していたその家屋の敷地を相続した場合評価額は最大80%引きとなります。同居していたかどうか、については税務署が実態を詳細に確認しますので、住民票を同じにしているだけ、亡くなる1週間前から同居している等、特例を使うために同居にみせかけたとしても、見抜かれるケースが大半です。少なくとも特例には、亡くなる前の期間について記載はありませんが、相続税の申告期限まで、つまり亡くなってから10か月間は同居しなければいけないと定められております。就いては、同期間に土地を売却してしまった場合も、特例を適用できなくなりますので、修正申告が必要となります。

最後に、”3年以上持ち家をもっていない親族”です。但し、常に対象ではなく配偶者および同居している親族がいない場合のみ特例を使用することができます。具体的には、父や母が持ち家に一人暮らしをしており、自身は3年以上賃貸物件や社宅、寮などに住んでいるケースです。現在、本件の適用要件の厳格化が発表されており、平成32年4月1日以降は適用が難しくなります。改正の背景としては、持ち家を持たない孫に相続させたり、持ち家に住んでいたが親族に売却し、あたかも3年以上持ち家に住んでいないかのように装い、特例を適用するケースが散見されたためです。本特例の趣旨は、居住用の土地を相続で失うのはかわいそうだ、というものなので、節税対策の抜け道のような使い方をできなくするべく、今後も様々な改正があるかもしれません。

対象となる土地の広さと減額割合

本特例においては、居住用の土地は”特定居住用宅地等”という種別となり、330平方メートル、つまり100坪まで80パーセント減額の対象となります。100坪を超える部分の評価額は減額の対象とならず、当初算定通りの価格にて相続税の対象となります。平成30年の日本全国の基準地価の平均値は約45万円/坪なので

単純な概算ですが100坪だと約4,500万円の価値となり、80%減となると約900万円となり、3600万円の減額が可能です。相続税の基礎控除額が”3000万円+600万円×法定相続人の数”なので、本特例を適用できるかどうかで、基礎控除の枠内に相続税評価額を抑えられるかどうか、決まるケースが多数あることをご理解いただけたかと思います。

二世帯住宅を相続するケース

先述の通り、同居している親族は本特例の対象となりえます。しかし、同一住所の二世帯住居であっても区分マンションのように区分所有登記をしている場合には本特例は受けられないことに注意してください。二世帯住宅については、建物内部で行き来できないと適用を受けることができないなど建物の構造による要件がありましたが、平成26年以降の相続については要件が緩和され建物内部で行き来できない完全分離型の2世帯住宅でも適用が可能になっています。

住居にかかわる土地に関するおさらい。

本特例は複雑なので、再度言わせてください。居住用の土地に対して、小規模宅地の特例を適用できる人は、

  1. 配偶者
  2. 同居していた親族(同居の判定は厳しい)
  3. 3年以上持ち家を持っていない親族(ただし適用要件は複数あり)

の三通りとなります。本説明はあくまでも概略なので、本当に適用できるかどうかについては、税理士とよく相談してください。

事業を行っていた土地の扱い

亡くなった方、または生計を一にしていた親族が事業(賃貸を除く)を行っていた土地についても、事業存続に支障をきたさないため小規模宅地の特例の対象となっております。事業存続のため、というのが目的ですので、要件もそれに見合った内容となっていますので、それを解説致します。

小規模宅地の特例を使える人

事業を誰が行っていたかで2パターンありそれぞれのパターンで特例を使うために2つの要件が御ございます。この2つを共に満たす親族が相続する場合に限り、小規模宅地の特例を適用することができます。

パターン①亡くなった人が事業を行っていた場合

◎事業承継要件

該当の土地にて営まれていた事業を相続税の申告期限までに引継ぎ、かつ、その申告期限までその事業を営んでいること。

◎保有継続要件

該当の土地を相続税の申告期限まで有していること。

パターン②亡くなった人と生計を一にする親族が事業を行っていた場合

◎事業承継要件

相続開始の直前から相続税の申告期限まで、その土地で事業を営んでいること

◎保有継続要件

該当の土地を相続税の申告期限まで有していること。

つまり、亡くなった人が事業を行っていた場合は、しっかりと事業を承継し継続すること、生計を一にする親族が該当する土地で事業を行っていた場合は、しっかりと事業を継続することが条件となっております。

対象となる土地の広さと減額割合

本特例の文中では、事業用の土地は”特定事業用宅地等”という種別となり、400平方メートルまで80パーセント減額の対象となります。

居住用特例と事業用特例の併用が可能?

平成27年1月以降は完全に併用が可能になりました。つまり、最大で居住用地330平方メートル、事業用地で400平方メートルの適用が可能なので、730平方メートルの土地まで小規模宅地の特例が適用できます。

居住用地や事業用地と認められるためには、種々の条件があり、専門の税理士でも難しい領域の話ですので、併用の可能性がある方はなるべく早めに税理士に相談することをおすすめ致します。

賃貸事業(不動産貸付や駐車場貸付)用の土地

前項で事業用地に関する説明しましたが、賃貸事業を除くと記載しておりました。それでは賃貸事業の場合はどのような適用ができるのでしょうか。

賃貸事業を行っている土地への特例適用

賃貸事業の場合は、適用要件は事業用土地と同じで、事業承継要件と保有継続要件がございますがが減額幅が50%となります。減額幅は小さいですが、駐車場事業や駐輪場事業は最小限の初期投資で開始できるので、節税に対する費用対効果は大きいと言えます。マンションの一室や別荘などを持っている場合、種々要件はあるものの、賃貸事業を行っていれば特例の対象とすることができます。但し、空室の場合は認められませんので注意ください。

判断が難しい事例

例えば、屋根無しの貸駐車場であってもアスファルトや砂利などで舗装されている場合は貸付事業用宅地等として認定されます。しかし、何らの造作等を行っていない看板を立てただけのような貸駐車場は本特例の適用が為されず、何らも減額されず100パーセントの相続税評価額となった事例もあります。

このような微妙なケースにおいて、税理士に相談すればどの評価が適用されるか教えてもらえることはもちろんのこと、被相続人の生前に相談しておけば相続税の節税対策についても示唆してもらえます。

事前の準備で適切な相続を

以下では、本特例に限らず相続対策の難しさの一般論等について述べます。

相続の難しさ

円満な相続とは相続人間で揉め事が起きないこと、過大な相続税を支払わずに済むことなどが挙げられますが、そもそも相続には同じ事例が二つとしてないと言っても過言ではなく、ここに相続の難しさがあります。

とは云えど、先行事例はマニュアルにはなりませんが、参考にはなります。これは特に節税対策について顕著であり、多くの事例を見ている税理士のアドバイスは大変参考になります。

相続対策は生前に行うべし

生前に行うことが可能な相続対策は、不動産の売却等による資産の組み換えや有効活用、あるいは不動産や金融資産の生前贈与など多々あります。

そして、最も生前に行うべき相続対策は遺言を書くことです。遺言さえあれば、原則として被相続人の遺志通り相続争いの無い円満な相続が可能なのです。特に、何らかの事情で法定相続分とは異なる割合で財産を分割する場合は、特に顕著です。

税理士の専門性

相続に限定すると、税理士は税金に関する諸々の相談や相続人の代理人として税務署に相続税を申告する業務を依頼します。これらの業務は、税理士法の既定により税理士にしかできません。

ただし、税理士試験における相続税法は選択制です。この科目を受験していない税理士や、法人税や所得税が専門であり相続業務を経験していない税理士には相続に関する相談を行うことは好ましくありませんので、事前に税理士の専門分野を確認したうえで相談を行うようにしましょう。

なお、税理士試験を受験・合格していなくても国税庁OBのように税務を経験して税理士資格を付与された税理士は、申告・納税を受け付ける側としての実務経験を有していますので、現実的なアドバイスが期待できます。

税理士の探し方

では、あなたが希望するタイプの税理士を探す方法は何があるのでしょうか。

ひとつのご提案として、ミツモアを使ってみることをお勧めします。これにより、得意分野が多種多様な税理士からあなたに適した専門性を持つ税理士を探すことが可能です。

まとめ

お伝えしたい結論は、「相続対策あるいは相続手続きは、自分ひとりで行うべきものではない」ということです。特に相続に長けた税理士はその高い専門知識と多種多様な業務経験から、あなたに適したソリューションを必ず提供してくれます。相続は個別性が極めて強いため費用対効果の面は出てくるかもしれませんが、本特例の適用等に限らず一度税理士に相談してみることを強くお勧めします。