床材は部屋の雰囲気を左右する重要な部分です。この記事では床材にはどんな種類があるのか、素材ごとのメリットやデメリットを詳しく解説します。床材選びで重視したいポイントや、リフォーム業者を決めるときにチェックしたい点も説明しましょう。
主要な床材の種類をチェック
床材として使われる商品は主に3つのタイプがあります。それぞれの素材や構造などの特徴について見ていきましょう。自分のニーズと照らし合わせると、適した床材を選びやすくなります。
フローリング
床材として代表的なのがフローリングです。木の質感は温かみを感じさせ、掃除もしやすく機能性に優れています。フローリングは落ち着いた雰囲気を醸し出せるため、リビングや寝室など、ゆったりとくつろぎたい場所・寝室といった部屋に最適です。
フローリングは大きく分けて「無垢フローリング」と「複合フローリング」の2タイプがあります。無垢フローリングは文字通り天然の木材をそのまま使っており、複合フローリングは合板に木のシートを貼り付けた床材です。
無垢タイプは天然木の香りや手触りを楽しめます。ただ傷や温度変化による収縮などが起きやすく、定期的なお手入れは欠かせないでしょう。複合タイプは貼り付ける素材によって種類が分かれており、価格帯や機能ごとに幅広い選択肢があります。
クッションフロア
クッションフロアとは塩化ビニール素材をベースとして、厚さ1.8mm~3.5mm・幅2m程度に作られるシート状の床材です。シートに継ぎ目ができにくく水分をはじく性質から、キッチンや洗面所といった水回りの床によく使われます。
クッションフロアは敷くだけで簡単に設置できるため、他の素材に比べて安価でリフォームができDIYでも人気の高い床材です。
クッションフロアには屋内用だけでなく、土足対応タイプもあります。構造面でほとんど違いはありません。土足対応タイプは表面のクリアがより丈夫になっていたり、滑りにくさを高める加工をされていたりする点が主な違いです。
フロアタイル
フロアタイルは塩化ビニールで作られるタイル状の床材です。天然木調や石材調など、まるで本物と見分けがつかないような質感を再現できます。
高級感あふれる室内空間を演出できる点が魅力です。デザイン性が豊かで耐久力が高いため、カフェやバーなど店舗やオフィスの床材としてもポピュラーです。
フロアタイルの構造は表面のクリア層から順番に、デザインが施されているプリント層・裏面の基材の3層が続きます。厚さは約2.5mmが標準で柔らかく折り曲げやすい特性から、施行もしやすいのが特徴です。
同じ塩化ビニール素材という面ではクッションフロアと似た部分もありますが、フロアタイルは1枚ずつ床に貼り付ける必要があり手軽さの面では劣ります。
本物志向なら無垢フローリングがおすすめ
自然の木をそのまま使用した無垢フローリングは、人工物には出せない質感や機能などメリットが豊富にあります。逆に天然素材ゆえの気になる部分もありますが、本物を求める方なら満足度の高い床材といえるでしょう。
自然な風合いやぬくもりが楽しめる
無垢フローリングの大きな特徴として、天然素材ならではの色合いや質感があります。本物の木でしか演出できない木目の美しさは、室内空間の価値を高めてくれるでしょう。
時間の経過を味方にできるのも天然木の利点です。経年とともに木目の色や風合いが変化し、やがてアンティーク家具のように深みのある上質さを醸し出します。
触れたときや歩いたときも無垢フローリングのよさを体感できるでしょう。木材の内部には人間の血管のように無数の導管があり、空気層がほどよい硬さを実現します。
特にスギなど内部に空気を多く含む木は、冬場に足元の冷えを和らげる効果も期待できる無垢材です。
調湿作用がある
無垢の木は自らの水分を適度に保つ調湿作用があります。周囲の湿度が高いときは水分を吸収し低いときは放出することで、人間が快適に感じる60%前後の湿度をキープするのが特徴です。
よく「木は呼吸する」と言われますが、実際に呼吸しているわけではなく水分を吸ったり吐き出したりする調湿機能を指しています。
無垢のフローリング材は調質機能を備えているため、外的環境による湿度の変化や結露を防ぎ快適な空間づくりをサポートします。ただし何も表面処理をしない無垢材は過度な水分に弱く、塗装による皮膜で保護する必要があるでしょう。
傷や汚れ、変形に注意
無垢フローリングは自然の質感を楽しめる一方、傷や汚れ・変形が起きやすい点がデメリットです。特にヒノキやスギなどの柔らかい針葉樹は、硬いものを落としてできたへこみや液体によるシミが目立ってしまいます。
表面はむき出しではなくウレタンやオイルによる塗装を施しますが、強い衝撃には耐えられません。また天然木だからこそ起こる変形も注意が必要です。
無垢フローリングの製造工程では強制的に木を乾燥させ、水分の含有率を12~15%程度まで低下させます。それでも金属や樹脂のように均一な配分は難しくなります。水分の偏りが無垢材の曲がりを引き起こす原因です。
傷や変形は無垢材の性質によるため避けられません。しかし味わいとして楽しめる人には向いています。
おしゃれで便利な複合フローリングも人気
デザインと機能性・コストをトータルで考えた場合、複合フローリングは現実的な選択肢といえます。ここでは複合フローリングのメリット・デメリットについて掘り下げていきましょう。
メンテナンスが簡単で種類も豊富
複合フローリングは製品の多くが、表面にフッ素加工やUV塗装などの処理を施されています。メンテナンスの手間をかけずに済むのという強みは、住宅用の床材として複合フローリングが人気を集める理由の一つです。
複合フローリングは張り合わせる素材によって、さまざまなバリエーションを選べます。例えば樹脂製の化粧シートや本物の木を張り合わせたタイプなどが代表的です。
表面のデザインや色・材質によってさらに選択肢は広がります。住宅環境に合わせてベストな床材をチョイスできるのも、複合フローリングのメリットです。
無垢材のような表情が楽しめるものも
複合フローリングには大きく分けて、「挽き板」「突き板」「シート」の3タイプがあります。
挽き板は2mmほどの厚さに挽いた天然の木材を、ベースに貼り付けたものです。突き板は木材をナイフで薄くスライスしたものを貼り合わせたフローリング材で、シートは樹脂や紙の素材に木目調の印刷を施したものを指します。
中でも挽き板はまるで無垢材のような表面に仕上げることが可能です。天然木ならではの経年変化も期待できるでしょう。
突き板も挽き板ほどではないものの、自然に近い風合いや質感を楽しめます。無垢材ほど気を使わずに、近しい上質感を得られる複合フローリングはおすすめの床材です。
長期的な耐久性は無垢材に劣る
いくら複合フローリングが無垢材に近い質感を得られるといえど、耐久性の面では本物に敵いません。あくまで薄い木材を貼り付けている商品のため、見た目重視と認識する必要があります。
無垢材なら風合いとして楽しめる傷やへこみも、複合材に起こると単なる経年劣化と感じられるでしょう。
木材ならではの調湿効果がない・深い傷がついたら貼り直しになるという点が、耐久性の面で無垢材に劣る点です。長期使用で劣化すると表面が剥がれてくる事態も考えられます。
また複合フローリングで機能性を高めた場合、同じ面積の無垢材よりもコストが上がってしまう可能性がある点は検討が必要です。
水に強いフロアタイルやクッションフロア
塩化ビニールを素材とした床材として、クッションフロアとフロアタイルがあります。耐水性の高さという共通の特長があるものの、特性がやや異なるため違いを押さえておきましょう。
クッションフロアは目地から水が入りにくい
クッションフロアはサイズが大きいため、目地(つなぎ目)を少なくでき水分の侵入を防げます。トイレやキッチン・洗面所など、何かと水がこぼれやすい場所にも安心して使えます。
クッションフロアは表面と基材の間に発泡性の素材を挟み込んでおり、柔らかさから足腰への負担が少ないという強みも見逃せません。年配の人や小さな子どもが暮らす住環境なら、身体への負担が少ないクッションフロアの活用がおすすめです。
耐久性や質感はフロアタイルの方が上
クッションフロアは安価かつDIYで簡単に設置できますが、見た目の安っぽさは気になります。表面が柔らかく重い家具を置いているとへこんだり、痕が残ったりもするでしょう。
同じ塩ビ素材でも見た目の質感や耐久性では、フロアタイルのほうが優位です。フロアタイルはクッションフロアより厚みがあり表面が硬いため、木材や石材のエンボス加工でも本物のような質感を生み出せます。
できるだけ質感を高めつつ価格も抑えたい場合、フロアタイルはよい選択となるでしょう。寸法が小さく傷が付いたり汚れたりしても部分的に貼り替えれば済むため、ランニングコストも抑えられます。
床材を選ぶときのポイント
いざ床材をリフォームするときは、どのような視点で床材を選ぶとよいのでしょうか。ここでは「予算」「調和」という2つのキーワードを軸に、選択方法を解説していきます。
予算とのバランスを見て選ぶ
床材を選ぶとき予算と釣り合うかは重要な項目です。デザインや機能性はもちろん大切ですが、安い値段で済ませられるメリットは大きいでしょう。
無垢フローリングであれば1㎡当たり9,000円ほどが相場です。複合フローリングになるとおよそ6,000/㎡円まで下がります。ただし無垢材は木の種類によって・複合タイプは機能によって価格が変わる点に注意が必要です。
クッションフロアは厚いもので4,000/㎡円ほど、薄いタイプで2,500/㎡円ほどと安価に導入できます。フロアタイルも機能によって違いはあるものの、一般的には1㎡当たり3,000円台後半から8,000円台までの価格帯が相場です。
長く住みたい家ではフローリング・短期間で引っ越す予定があるなら塩ビ系など、今後の計画に合わせて選ぶと失敗が減ります。
部屋の雰囲気に合う床材を選ぶ
室内空間のイメージを決める上でも床材は大きな役割を果たす部材です。壁や天井・設置する家具・間取りとうまく調和する床材を選べば、心地よい雰囲気の部屋を演出できます。
まずは基本の「色」を決めるところからスタートしましょう。大きく分けて白系・黒系・中間色から選択するのが基本です。
白系にすると部屋全体が明るくなり、清潔感やフレッシュさを強調できます。色が薄いためホコリが目立ちにくく、幅広いインテリアに合わせやすいのもメリットです。逆に色の濃い汚れが見えやすく、経年による色あせや傷は気になります。
黒系を選ぶとクールで落ち着いた空間に仕上がります。傷や汚れが分かりにくいのも強みです。ただホコリは目立ちやすいため頻繁な掃除が欠かせません。
中間色は温かみのあるナチュラルさが特長で、比較的好き嫌いを選ばないカラーです。しかしインテリア次第では没個性で無難な雰囲気になってしまうリスクがあります。
床暖房を入れたい場合
床暖房を設置するときは大前提として対応している床材を選ぶ必要があります。例えばクッションフロアやフロアタイルに使われる塩ビ素材は、熱に弱いため基本的に床暖房には不向きです。どうしても塩ビ素材を選びたいときは床暖対応の製品を選びます。
フローリングも非対応タイプは床暖房の熱に耐えきれず曲がりや割れが発生しやすいため、間違って選択しないようにしましょう。
床暖房用のフローリングは熱に強い加工がされており、熱伝導性も高いため効率よく床を暖められます。かつては無垢フローリングは床暖房に向かないとされていましたが、現在では熱に強い床暖対応型の商品も発売されています。
リフォームでは業者選びも重要
ひと口にリフォーム業者といっても、会社によって得意とする対応は変わってきます。ニーズに合った業者を選ばないと満足できないばかりか、大きな失敗の原因にもなりかねません。業者選びで重要なポイントを解説します。
まずは自分のニーズを明確にしよう
リフォームに当たっては希望する工事内容や予算で、業者に求める要素を明確にする必要があります。リフォームを行う目的や具体的な希望点をリストアップしておくのがおすすめです。
床材ならネットで調べればさまざまなデザインを見られるため、事前にイメージに合う商品をはっきりと決めておきます。リフォーム後のイメージが具体的なほど、業者との打ち合わせもスムーズに進み満足度の高い工事につながるでしょう。
どのようなタイプの業者を選ぶかも重要です。リフォーム計画やローンなど資金計画まで一貫して引き受けるワンストップ型から、あくまで工事に特化した地元の工務店まで選択肢は多くあります。
自分のニーズが明確であれば適した業者を決めやすくなりますので、事前に洗い出しを行っておきましょう。
よい業者を見分けるチェックポイント
リフォームに失敗しないためには、まずは地元エリアの業者を見つけることが重要です。工事の種類にもよりますが、リフォームするなら複数回の打ち合わせをする流れになるため、できるだけすぐにアクセスできる業者だと便利です。
万が一リフォーム後に予期せぬトラブルが起きた場合も、遠方の業者だと駆けつけるのに時間がかかったり到着が数日後になったりする可能性があります。
見積もり時の確認も優良業者の見極めに大切です。見積もり書に日付や有効期限など、必要な内容がしっかり収められているかチェックしましょう。
工事内容を「一式」とまとめている業者は要注意です。悪徳業者は細かい表記を避け、相場より大幅に高い金額を提示する傾向にあります。
一括見積もりでスムーズに業者探し
リフォーム業者探しの効率化には、一括見積もりサイトの活用がおすすめです。特に集客力の高い見積もりサイトには優良な業者が集まるため、ユーザーの満足度も高くなります。いわゆるWin-Winの仕組みができているのです。
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疑問点は事前にチャットで質問できるため、不安を抱えたまま工事が進む心配もありません。床のリフォームを成功させたいならミツモアを大いに活用しましょう。
快適な家づくりは上手な床材選びから
床材の種類は主にフローリング・クッションフロア・フロアタイルの3種類です。それぞれメリットやデメリットが違いますので、この記事で紹介した特徴とニーズを比較して適したものを選ぶと失敗を減らせます。
予算とのバランスや室内空間との調和もよく考えた選択が、床材で快適な住環境を実現するためのポイントです。リフォーム業者に納得のいく施工を頼むためにも、事前に要望や計画をまとめておきましょう。
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