雨樋には多くの種類があり、どのように選べばよいか悩む人も多いでしょう。家に合ったものを選ぶには、それぞれの特徴を理解することが大切です。
形状と素材の2面から分類される雨樋の種類を紹介します。修理や交換の費用もチェックしておきましょう。
形状から見る雨樋の種類
雨樋の形状には半円型や角型・特殊型の3種類があります。形によって異なる特徴を理解し、自宅に最も合う雨樋を見つけましょう。
「半円型」と「角型」が一般的
半円型の雨樋は日本の住宅に多く使用されており、比較的安く設置できます。和風の建築物によく見られるタイプで、ゲリラ豪雨に対応できるよう直径の大きな雨樋もあるのが特徴です。雨の多い地域には径が大きめなものを選びましょう。
角型は半円型よりも一度に多くの雨を流せるタイプです。完全に真四角の形状にしてしまうと四隅に汚れがたまりやすくなるため、ほとんどの製品で角が丸く整えられています。
使用される素材や長さによって値段は異なりますが、半円型で1本1,500円から・角型で1本2,000円からが相場価格です。
「特殊型」は雪国に多い
雪が多い地域では屋根の雪かきをするとき雨樋を傷付ける恐れがあるため、特殊な形をした雨樋を採用するのが一般的です。屋根の下に雨水が流れるような設計になっています。
特殊型の雨樋は複雑な形状に仕上げるため製造が難しく、相場は1本30,000円からです。半円型や角型と比較すると価格の高さがネックになります。
雨樋に使われる材質の種類
雨樋に使用される素材によって、価格やメリットが違ってきます。それぞれの特徴を理解して、管理しやすい雨樋を見つけましょう。
金属より安価な「樹脂系」
塩化ビニール樹脂は軽量で安価なため、雨樋に広く使用されている素材です。経年劣化の早さがデメリットではあるものの、近年では耐久性が高くなるように加工を施した製品もあります。
ほかの樹脂素材は塩化ビニール樹脂よりも耐久性に優れており、劣化しにくいのが特徴です。ただし塩化ビニール樹脂よりも価格が高くなります。雨樋1本あたりの値段は、以下の相場を参考にしましょう。
半円型 | 角型 | |
塩化ビニール樹脂 | 1,000~1,800円 | 2,000~2,800円 |
そのほかの樹脂 | 1,800~2,500円 | 2,800~3,500円 |
屋根材としても人気の「ガルバリウム鋼板」
ガルバリウム鋼板は金属素材の中では安価でさびにくく、耐久性に優れているため雨樋だけでなく、屋根材や外壁材にも使用されています。加工のしやすさを考えると、デザイン性の高い住宅に仕上げたい人にもおすすめです。
特に屋根材としてガルバリウム鋼板を使用している住宅では、雨樋も同じ素材にすると見た目の統一感が出やすいでしょう。ガルバリウム鋼板で作られた雨樋の相場は、1本あたり半円型で4,500~6,000円・角型で5,500~7,000円です。
さびにくい「アルミ」「ステンレス」
アルミニウム製の雨樋は、雨に強くさびにくいのが特徴です。軽量で一度に長い雨樋を作れるため、余計なつなぎ目ができません。ただしアルミニウムの雨樋は開発されたばかりで製品の種類が少なく、価格も高い点がデメリットです。
ステンレス製の雨樋もさびにくく強度がある性質から、強い力が加わっても壊れにくいのが強みです。つなぐときに加工するのは内側で境目が分かりにくく、スッキリとした印象に仕上がります。
ステンレス製はアルミ製の雨樋よりも価格は抑えられますが、値段は高めになってしまうのが一般的です。
風合いを楽しみたいなら「銅」も
銅の雨樋は耐久性が高いものの、とても高価な素材のため一般住宅ではあまり使われません。1本あたりの相場は半円型で9,000~11,000円、角型で11,000~13,000円です。
雨樋を設置したときは銅の色をしていますが、時間がたつと酸化によって深みのある青緑に変色します。時とともに風合いの変化を楽しみたい人は、選択肢に入れてもよいかもしれません。
意匠性の高い銅の雨樋は、荘厳な雰囲気が求められる神社や仏閣で多く使われています。
雨樋に不具合が出たらメンテナンスを依頼
雨樋の一部を修理するだけなら、自力での作業も可能ではあります。しかし高所での作業になり危険が伴うだけでなく、不具合の種類によっては解決が難しい場合もあります。雨樋の交換や修理は業者に任せた方が無難です。
プロに雨樋のメンテナンスを依頼したとき、かかる費用の相場を紹介します。業者選びにおすすめの方法も押さえておきましょう。
交換や修理の費用相場
平均的な造りの30坪住宅で雨樋のメンテナンスにかかる費用は、全部交換する場合に200,000~700,000円・雨樋の一部交換・修理する場合に10,000~100,000円が相場です。一部を修繕するだけであれば、一般的に10,000~30,000円で依頼できます。
ただし2階以上の高所作業では足場を組む必要があるため、足場代として100,000~200,000円が上乗せされてしまいます。屋根全体のメンテナンスとタイミングを合わせられるなら、一緒に頼んでしまった方が割安です。
台風やなだれ・豪雨などによって雨樋のメンテナンスが必要になった場合は、加入している火災保険が適用される可能性があります。補償範囲は保険会社によって変わってきますので、業者に頼む前に確認してみましょう。
業者選びには一括見積もりが便利
業者を選ぶときには一括見積もりサイトの活用がおすすめです。複数のサービス内容や料金を比較できて、納得のできる業者を見つけやすくなります。
1社にしか見積もりを依頼しなければ、提示された見積もり金額や作業内容が適正か判断しきれない可能性があるでしょう。言われるがままに契約してしまい、損をするという事態を招きかねません。
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雨樋は地域や家に合わせて選択を
雨樋には半円型や角型・特殊型の3種類があり、それぞれ特徴が違います。素材によってもメリットやデメリットが変わるため、形と素材どちらも考慮して選ぶのがポイントです。
地域や家の特徴の特徴にマッチするものを選べば、悩みを解消できるだけでなく外観上の失敗も防ぎやすくなるでしょう。
雨樋が壊れてしまった場合は無理に自分で修理しようとせず、業者に依頼するのがおすすめです。紹介した相場を参考に一括見積もりで依頼先を探せば、納得のいく業者が見つかりやすくなります。
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