毎日何度も出入りする玄関のドアには、開閉する度に少しずつダメージが加わっています。蝶番の緩みやラッチの劣化など、ドアが閉まりにくくなる原因はさまざまです。玄関のドアが閉まりにくいときに試せる対処法と、修理にかかる費用について解説します。
玄関のドアが閉まりにくいとき考えられる原因
家に出入りする度に開閉する玄関のドアは、経年劣化が起こりやすい場所でもあります。玄関のドアが閉まりにくくなる原因をチェックしましょう。
蝶番のネジが緩んでいる
ドア枠とドア本体をつないでいる蝶番のネジは、ドアの開閉を繰り返すことで少しずつ緩んでいきます。蝶番のネジの緩みはドアのがたつきにつながるため、スムーズに閉まらなくなる原因の1つです。
ネジが緩んでドアが動くと、開閉時にドアの動きが固く感じられるかもしれません。ドアが玄関のドアを閉めるのに力が必要だと感じたら、蝶番のネジが緩んでいるサインです。
蝶番のネジが緩んでいると、ドアががたついたりぶつかったりして、異音がすることも珍しくありません。放置するとドアだけでなく床が傷付く恐れもあるため、なるべく早めに対処しましょう。
ラッチの滑りが悪い
ドアに設置されているラッチはかんぬきとも呼ばれている部品で、バネの力を利用して動きます。ラッチがドア枠の金具に入ることで、ドアがカチッと閉まる仕組みです。
年月とともにラッチの滑りが悪くなると、ドアがきちんと枠に収まりにくくなってしまいます。ドアが最後までうまく閉まりきらないと、不便に感じることが多いでしょう。
ラッチはドアノブに合わせて動くため、開閉する度に少しずつ劣化していきます。滑りをよくするスプレーなどを使っても動きが改善しなければ、故障が考えられるため部品の交換が必要です。
ドア枠が歪んでいる
ドア枠にゆがみが生じていると、ドア本体と枠がぶつかってしまい、うまく閉まらなくなります。
閉めるのに力が必要だったり、ドアと床がこすれたりするならドア枠が原因かもしれません。ドア枠の上側や左右の幅など、ゆがみが起こる方向はさまざまです。
ドア枠のゆがみは、強い衝撃が加わるだけでなく経年劣化によっても発生します。自力でゆがみを修正するのは難しいため、業者に依頼してドア枠を交換してもらうのが一般的です。
ドア本体が反っている
ドアのなかと外との気温差が大きいと、一時的にドアが反ってしまう『熱反り』という現象が起こります。特に熱反りが起こりやすいのは、室内と外を隔てる玄関のドアです。
冬場は室内が暖房で暖まっているため、外との温度差が大きくなってドアが閉まりにくくなります。よく冷房を使う家庭の場合、夏と冬はドアの反りに注意が必要です。
あくまでも温度差による一時的な不具合なので、ドアの故障ではないことを覚えておきましょう。温度差が小さくなると反りも収まり、ドアが普通に閉まるようになります。
玄関のドアが閉まりにくいときの修理方法
玄関のドアが閉まりにくいと感じたら、まずは自力でできる修理にチャレンジしてみましょう。業者に依頼する前に、すぐに試せる対処法を解説します。
蝶番のネジを調整する方法
蝶番の緩みが原因の場合、家庭にあるプラスドライバーで固定ネジを調整します。ネジ穴がつぶれないよう、作業を始める前にサイズが合っているかを確かめるのも重要です。
蝶番には複数のネジが付いており、蝶番自体を固定しているネジやドアを動かす調整ネジなどが存在します。違うネジを締めるとかえって不具合が起こる可能性があるため、事前に説明書を見てどれが固定ネジなのかを確認しましょう。
蝶番の固定ネジを少しずつ締め、ドアを何度か開閉してスムーズに動くかどうかを確認します。このとき、誤って蝶番の調整ネジを回さないよう注意が必要です。
ラッチを滑りやすくする方法
ラッチの滑りをよくするには、スプレータイプの潤滑剤を用意して吹きかけるのがおすすめです。ただし使用する潤滑剤によっては破損につながる恐れがあるため、気を付けましょう。
ラッチにスプレーを吹きかける際は、シリンダー専用のものを選んで購入するのが基本です。スプレーがドア本体に付いたら、布などで忘れずに拭き取るようにしましょう。
スプレーを使っても改善しないなら、ラッチを受けるストライクという金具がずれている可能性もあります。自分でストライクのネジを締めて位置を調整したり、業者に修理・交換を頼んだりするのが無難です。
玄関のドアの修理費用
蝶番やラッチを調整してもドアが閉まりにくいなら、業者に修理を依頼するのが一般的です。玄関ドアの修理にかかる費用の相場を見ていきましょう。
玄関ドアの部品交換にかかる費用
蝶番のネジを締めても問題が解決しないなら、何らかの部品が劣化している可能性も考えられます。蝶番を修理したり調整したりする場合は、約2万円~4万円が費用の相場です。
部品を新品に交換する場合は、部品代を含めて約4万円~6万円ほどの費用がかかります。ドアに設置されている蝶番の数が多いと、修理費用も高くなる傾向があるのが特徴です。
蝶番を新しいものに取り換えるだけなら、さほど時間がかからず1日で工事は完了します。業者によっては、修理費用とは別に部品代を請求するケースもあることに注意しましょう。
玄関ドア全体の交換にかかる費用
玄関のドアを交換するには、ドアだけを交換するカバー工法と、ドア枠ごと交換する方法の2種類があります。新しいドアの設置費用に加えて、ドアの撤去費用が発生するのがポイントです。
カバー工法にはドアの設置費用と元のドアの撤去費用、加えて新しいドア本体代がかかります。カバー工法の場合は合計で15万円~25万円ほど見込んでおきましょう。
ドア枠ごと交換する場合、カバー工法よりも高額な料金が発生する可能性があります。カバー工法の相場にプラスして、ドア枠の取り付けに約4万円~5万円、コーキングに2万円程度かかるため、ドア枠ごとの交換には合計で約21万円~30万円必要です。
玄関のドアが閉まりにくい原因を見極めよう
毎日何度も開閉するからこそ、玄関のドアがうまく閉まらないと不便に感じる人が多いのではないでしょうか。玄関のドアが閉まりにくい原因は、部品の劣化やドア枠のゆがみなどさまざまです。
蝶番のネジが緩んでいたりラッチがなめらかに動かなかったりすると、開閉時に力を入れてドアを押す必要が出てきます。こうした原因であれば自力でも対処できるため、道具を用意して調整してみましょう。
部品の故障やドア本体の劣化が原因の場合、プロの業者に修理を依頼するのがおすすめです。費用の相場や工期を知って、玄関ドアの不具合に早めに対処しましょう。