玄関の引き戸を新しいものにリフォームしたい、もしくは開き戸を引き戸にリフォームしたいとお考えの方は、次のようなことが気になるのではないでしょうか。
「引き戸にはどのような種類があるのだろう?」
「引き戸にリフォームするメリットは何だろう?」
「リフォームする際にはどのような点に気をつければいいのだろう?」
引き戸には主に、片引き戸、引き違い戸、引き分け戸、引き込み戸などの種類があり、それぞれ形状や必要なスペースが異なります。また引き戸には、開き戸にはないメリットがたくさんあります。
この記事では、玄関の引き戸リフォームを検討されている方のために、引き戸の種類からメリット・デメリット、リフォームのポイントまで詳しくご説明します。
玄関の引き戸の種類
玄関引き戸にはさまざまな種類があります。主な引き戸の種類とその特徴について説明します。それぞれの特徴を理解し、自分の家にぴったりな引き戸を選んでください。
片引き戸:片側方向に開閉する
片開き戸は、片側方向に開閉するタイプの引き戸で、最もスタンダードな形式です。
スペースを有効活用できるため、小さな玄関にも適しています。シンプルな構造のため、取り付けやメンテナンスも比較的簡単です。
デザインのバリエーションも豊富で、自宅の外観やインテリアに合わせて選ぶことができます。
片開き戸はコストパフォーマンスが良く、多くの家庭で採用されています。
引き違い戸:レール2本、戸2枚
引き違い戸は、2本のレールの上をそれぞれ2枚の戸がスライドするタイプの引き戸です。
開閉時に戸が重なり合うため、スペースを効率的に利用できます。また、開口部が広く取れるため、大きな荷物を出し入れする際にも便利です。
左右どちらにも開閉できるので使い勝手が良く、あらゆる玄関のデザインや配置に対応できます。
デザインや素材の選択肢も多く、ガラスを使用したものや防犯性能を高めたものなど、さまざまなニーズに応じた製品があります。
引き分け戸:レール1本、戸2枚
引き分け戸は、1本のレールの上に2枚の戸が左右にスライドするタイプの引き戸です。
中央から両側に開くため開口部が広く取れ、開け閉めしやすいことが特徴です。見た目もスタイリッシュで、現代的なデザインの家に良く合います。
またレールが1本で済むことから、設置やメンテナンスが比較的簡単です。
ただし、中央部分に戸が集まるため、若干のデッドスペースが生じる場合があります。そのため、設置場所や使用状況に応じて選ぶことが重要です。
引き込み戸:戸部分が収納される
引き込み戸は、壁の中に戸袋と呼ばれるスペースを確保し、戸部分が収納される仕組みの引き戸です。
開けたときに戸が完全に収納されるため、開口部をフルに活用できます。デザインとしてもスマートで、モダンな住宅に良くマッチするでしょう。
ただし、設置するには戸袋を作るためのスペースが必要であり、リフォーム時に追加工事が必要となる場合があります。また引き込み戸は構造が複雑なため、定期的なメンテナンスが必要です。
玄関の引き戸リフォームの費用相場
玄関引き戸のリフォーム費用は、引き戸の種類によって異なります。
片開き戸や引き違い戸のリフォーム費用は比較的安価であり、15万円〜30万円程度が相場です。
一方、引き分け戸や引き込み戸は構造が複雑なため、30万円〜50万円程度かかることがあります。
また、断熱性や防音性の高い製品を選ぶ場合や、スマートキーの取り付けを行う場合には、さらに費用がかかることがあります。
事前に費用の目安を確認し、予算に応じたリフォーム計画を立てることが重要です。
玄関の引き戸リフォームのメリット
玄関のドアを引き戸にリフォームすることには、多くのメリットがあります。主なメリットは下記のとおりです。
それぞれの詳細を説明します。
出入りしやすい
引き戸は開き戸と違いスライドするだけで開閉できます。ドアを開けるときに周囲の物を避ける必要がないため、出入りしやすいことが特長です。
特に、ベビーカーや車いすを使用する際や大きな荷物を持っているときには、引き戸の出入りのしやすさが役立つでしょう。また風が強い日でも、風に煽られることなく安定して開閉できるため、安全性も高いです。
引き戸は利便性が高く、家族全員が快適に使用できます。
玄関のスペースを有効に使える
引き戸は開け閉めに必要なスペースが非常に小さいことから、玄関の空間を有効に活用することも可能です。
開き戸の場合はドアを開閉するためにスペースが必要ですが、引き戸の場合はスペースがいりません。そのため玄関のレイアウトの自由度が高く、限られたスペースを最大限に活用することができます。
例えば、玄関に収納家具やインテリアを設置するときも、引き戸であればドアの開閉を気にする必要がありません。
開けたままにできる
引き戸は開けたままにできる点もメリットの一つです。
開き戸の場合、開けたままにするにはドアストッパーなどで抑えなければならないことが多いですが、引き戸はそのままの状態で固定できます。特に買い物帰りに多くの荷物を持っているときや、家の中と外を頻繁に行き来する場合に役立つでしょう。
また引き戸を開けたままにすることで、換気も可能です。換気することで玄関の湿気や臭いを防ぎ、快適な環境を保つことができます。
ドアがぶつからない
引き戸はドアをスライドさせて開閉するため、開き戸のように人や物にぶつかるリスクがありません。特に小さなお子様やペットがいる家庭では安心です。
また、家具やインテリアを玄関付近に置く際にも、引き戸であればドアがぶつかる心配がないため、より自由にレイアウトできます。
玄関の引き戸リフォームのデメリットと解決策
引き戸には多くのメリットがありますが、一方でいくつかのデメリットも存在します。しかし適切な対策を講じることで、解決することが可能です。代表的なデメリットとその解決策は以下のとおりです。
気密性が低く断熱性や防音性が低い
引き戸は開き戸に比べてドアの上下に隙間があるため、気密性が低く、断熱性や防音性が劣ることがあります。
開き戸と比較すると冬場の寒さや夏場の暑さが室内に入り込みやすく、また外部の騒音も聞こえやすいです。
しかし、最近では断熱性や防音性の高い製品も登場しており、外気や騒音の問題を解決することが可能です。特殊な断熱材を使用した引き戸や、防音ガラスを採用した製品を選ぶことで、気密性を向上させることができます。
適切な製品を選んで、快適な住環境を実現しましょう。
隙間から虫が入りやすい
引き戸にはドアの上下に隙間があるため、虫が入りやすいというデメリットもあります。
虫の侵入を防ぐためには、網戸を取り付けることが効果的です。網戸を設置することで、虫の侵入を防ぎながらも、風の通りを良くすることや換気も可能になります。
また、隙間を埋めるためのパッキンやシール材を使用することも有効です。隙間を埋めれば、虫の侵入を防ぐだけでなく、気密性も向上させることができます。
引き戸のメリットを享受しつつ、虫の侵入を防ぎたいときはこれらの対策を検討してみてください。
防犯性が下がる
引き戸は、開き戸に比べて防犯性が劣る恐れがあります。ドアの隙間から工具を入れられて鍵を開けられてしまうリスクがあるからです。
防犯対策としては、3つの方法が考えられます。
まず、鍵を2つ設置することです。開錠にかかる時間が単純に2倍になることから不審者のターゲットになりにくく、防犯性が高まります。
2つ目はディンプルキーに変更することです。ピッキングに強い鍵を採用することで不正開錠のリスクを下げられます。
3つ目は防犯ガラスを使用した引き戸を選ぶことです。ガラス破りによる不審者の侵入を防ぐことができます。
複数の対策を組み合わせれば、より防犯性を向上させられるでしょう。
玄関の引き戸リフォームのポイント
玄関引き戸のリフォームには、いくつかの注意点があります。最適なリフォームを行い、快適な住環境を叶えるために、ぜひ以下のポイントを押さえてください。
工法によってかかる費用と時間が大きく変わる
引き戸のリフォームは、工法によって費用と時間が大きく変わります。
例えば「カバー工法」は、費用が抑えられ、工事も1日ほどで完了します。今ある引き戸の枠に新しい引き戸の枠を被せて取り付けるだけで、間口を壊す必要がないためです。ただし間口に合わせて新しい引き戸を選ぶ必要があり、選べる引き戸が限られてしまいます。
一方で間口の大きさを変える「はつり工法」は、カバー工法に比べて費用も時間もかかります。壁の一部を切ったり、削ったり大掛かりな工事になるためです。その代わり、新しい引き戸は自由に選ぶことができます。
自分の要望に合った工法を採用できるよう、施工を依頼する会社に相談するのがおすすめです。
カバー工法なら1日でリフォームできる
玄関引き戸のリフォームのなかでもカバー工法であれば、リフォーム工事は多くの場合、1日で完了します。
カバー工法とは、今ある引き戸の枠に、新しい引き戸の枠を被せて取り付ける工法のことです。壁を壊して間口を広げる必要がないため、住みながら短工期で新しい玄関引き戸にリフォームすることができます。
また費用も比較的安価に抑えられるため、手軽に玄関のリフォームを実現できることも嬉しいポイントです。
素材によりドアが重くなる
玄関の引き戸は、素材によりドアの重さが変わります。重いと開け閉めしづらくなるので、玄関引き戸のリフォームにおいて素材選びは非常に重要です。
古いタイプの引き戸は木製が多いですが、新しいタイプの引き戸はアルミ製が多く、ドアが重くなる場合があります。特に、断熱性や防音性を高めた製品は、素材が厚くなることがあり、ドアの重量が増す可能性があります。
ドアの重量が増すと開閉が重く感じられることがあるので、リフォーム前にドアの重量を確認し、家族全員が快適に使用できるかどうかを確認することが重要です。また、スムーズに開閉できるように、適切なレールや滑車を選ぶと良いでしょう。
断熱性や防音性を高めつつも、快適に使用できる製品を選ぶことがポイントです。
玄関の引き戸のリフォームはプロに相談しよう
玄関ドアを引き戸にリフォームする際には、種類ごとの特徴を理解してご自宅に合ったものを選ぶことがポイントです。
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