室内ドアの閉まりが悪くなってきても、「どう直したらよいのか分からない」「業者を呼んだ方がよいのか判断が難しい」と悩む人は多いでしょう。室内ドアが閉まりにくくなる主な原因と、自分でできる範囲の修理方法、業者に頼んだ方がよいケースを説明します。
室内ドアが閉まりにくいとき考えられる原因4つ
室内ドアの閉まりが悪くなる主な原因は4つあります。蝶番ネジの緩みや、ラッチとストライクのずれ、ドア枠やドア本体のゆがみ、ドア周辺の床の浮気・反りです。ドアは毎日使う場所なので、早めに原因を特定して解決しましょう。
蝶番のネジが緩んでいる・固すぎる
室内ドアが閉まりにくいとき、まず考えられるのは蝶番の不具合です。以下の症状が見られるなら、ドアの蝶番ネジが緩んでいるか、固すぎる可能性があります。
- ドアがドア枠や床にこすれて閉まりが悪い
- 閉まったドアとドア枠の一部に隙間が目立つ
- 閉めるときの動きが固い、または緩い
もし蝶番ネジが原因なら、ドアの傾き方に合わせてネジを調整するだけで、閉まりの悪さが直るかもしれません。蝶番ネジはドアを使っている内にだんだん緩んできます。放っておくと症状がひどくなるので、早めに対処しましょう。
ラッチとストライクの位置がずれている
ラッチとストライク(ラッチ受け)の位置がずれて、うまくはまらない場合も、ドアの閉まりが悪くなります。
室内ドアのラッチとは、ドアを閉めた状態に固定するための突起です。ドアノブの動きと連動して出たり引っ込んだりする構造になっています。ドア枠にセットされたストライクにラッチがはまることで、ドアを閉められます。
ずれの原因は、蝶番の緩みかもしれません。ラッチのすべりが悪くなり、きちんと作動しなくなっていることも考えられます。修理には、ストライクの位置を調整して、ラッチとかみ合うようにする必要があります。
ドア枠や扉がゆがんでいる
蝶番やラッチの調整でドアの閉まりが直らないときは、ドア枠やドア自体が歪んでいる可能性があります。
ドアのゆがみを確認するには、ドア枠の形状をチェックします。上枠が下がっていないか、左右の枠が平行か、左右の枠がねじれていないか見てみましょう。
もしドア枠や扉が歪んでいるなら、自分で直すのは難しいので、プロである業者に頼んで修理してもらうのがおすすめです。ドアやドア枠ごと交換する場合も、詳しい内容を相談できるメリットがあります。
ドア周辺の床に浮き・反りがある
ドアが床にこすれて閉まりにくい場合は、床の浮き・反りが不具合の原因として考えられます。
例えばフローリングに合板が使われている場合は、表面がはがれてしまうことが珍しくありません。無垢材の場合は、木材の自然な伸縮によって、床の一部が盛り上がってしまうこともあります。
フローリング全体が盛り上がっていたり波打っていたりするなら、下地や芯材が腐食している可能性が出てきます。修理には専門スキルが必要なため、無理にDIYするよりも早めに業者に頼んだ方がよいでしょう。
室内ドアが閉まりにくいときの修理方法
素人でもできる比較的簡単な修理方法は、蝶番ネジの調整と、ストライクの調整です。最近の蝶番やストライクには、調整ネジが付いていて、位置修正しやすい製品が珍しくありません。蝶番ネジとストライクの調整方法を見ていきます。
蝶番のネジの調整方法
用意するものは、ネジに合ったサイズの手動プラスドライバーと軍手、ドアの下に敷く床防護のマットです。以下の手順で調整してみましょう。
- ドア枠とドアがぶつかる場所を確認
- ドア本体側の蝶番の固定ネジを1回転分緩める
- ドアがぶつかる場所に合わせ、調整ネジを回して調整
- 緩めた固定ネジを締める
- ドアの開閉がスムーズかテストする
製品によって、蝶番の構造は少しずつ違います。固定ネジ・調整ネジの位置や詳しい調整方法は、ドアの説明書やメーカー公式サイトでチェックすることが大切です。
ストライクの調整方法
調整前に、ストライクを固定している上下のネジが締まっていることを確認します。もし緩んでいれば、締め直すだけで問題が解決するかもしれません。
調整できるタイプなら、ストライクの中央にある調整ネジ、または上下の固定ネジを少しだけ緩めると、ストライクが上下左右に動くようになります。
ストライクの位置を調整した後、ネジを締めて固定します。詳しくはドアの説明書やメーカー公式サイトで確認しましょう。
ストライクが調整できないタイプなら、ストライクの位置自体を変える方法もありますが、素人には難しい作業です。
室内ドアの修理費用
室内ドアの修理費用は、部品交換のみのケースと、ドア交換のケースに分けられます。それぞれについて、シチュエーションごとにかかる費用の目安を紹介します。修理費用を安く抑えるコツも、合わせて見ていきましょう。
部品の交換にかかる費用
室内ドアの部品交換にかかる費用を紹介します。蝶番の修理費は約5,000~3万円、部品代は上下セットで約1万円が相場です。蝶番やストライクの調整のみを頼む場合は約1万5,000~3万円になります。
総合的な住宅トラブルに対応する火災保険に加入している場合は、利用して費用を下げられないかチェックしましょう。ドアの不具合が『不測かつ突発的な事故による汚損・破損』と認められれば、補償の対象になります。
室内ドアごと交換にかかる費用
部品交換でも直らないときや、ドア枠のストライク・ドア本体のゆがみは、ドアやドア枠ごと交換する必要が出てきます。
ドア本体の値段と修理費、古いドアの処分費などを合計すると、ドア交換の費用は約10万~14万円が目安です。ドアの種類をグレードアップする場合は、さらに高くなる可能性もあります。
ドア枠ごと交換する場合は壁の工事費用もかかるため、目安は約10万~35万円です。壁工事がいらないカバー工法なら、目安は約9万~14万円です。
室内ドアが閉まらないときは原因に応じた対処を
室内ドアの閉まりが悪いときは主に4つの原因が考えられます。蝶番のネジが緩んでいる場合や、ラッチとストライクの位置がかみ合っていない場合は、簡単な調整で解決するかもしれません。
しかし、ドア開閉の細かな調整や、ドア・床の交換は業者に頼んだ方がよいといえます。多少は費用がかかっても、経験豊富な専門家の方が、時間をかけずに正確に直せるからです。
室内ドアの修理方法と、DIYできるかプロに頼むかの見分け方を知り、適切に対処しましょう。