各メーカーの「設計上の標準使用期間」を参考にすると、浴室換気扇の寿命は15年程度です。ただし一般的には8～10年ほどで壊れやすくなってきます。もし浴室換気扇が不調であれば、使用期間が8～10年未満なら修理、10年以上なら交換というふうに考えるとよいでしょう。
いま使っているのが壁付プロペラファンや、換気機能のみの天井埋め込みタイプであれば、浴室暖房乾燥機への交換を検討してみましょう。埋め込む場所に穴を開けたり、電気を通したりするための費用・工期は高額ですが、雨でも洗濯物を干せるなどメリットがあります。
各メーカーの「設計上の標準使用期間」を参考にすると、浴室換気扇の寿命は約15年です。
「設計上の標準使用期間」とは機器が安全に使用できるように定めている期間のことを指します。
ただし8～10年ほど経つと以下のような不具合が起きやすくなります。
これらの不具合が起こったら、まずは換気扇の掃除をしてみましょう。ゴミや汚れが詰まることで換気機能が弱まったり、異音が鳴ったりすることがあります。
ただし乾燥機能付きの浴室換気扇は、フィルター部分までしか掃除できないことも。その場合はクリーニングを依頼してみるのもよいでしょう。
掃除やクリーニングで改善しない場合は、浴室換気扇の買い替えを検討しましょう。
浴室換気扇が動かなくなったり不調だったりするとき、交換ではなく修理だけで済ませたいケースもありますよね。
ファンが回転しない場合や、スイッチが動作しない場合は、以下の費用相場で修理を依頼することもできます。
| 修理箇所 | 費用(本体価格＋交換工事) |
|---|---|
| 換気扇のモーター | 20,000～30,000円 |
| パイプファン(天井設置型の場合) | 20,000～30,000円 |
| タイマースイッチ | 10,000～15,000円 |
浴室の湿気を含んだ空気を吸い込むことで、モーターがサビてしまうことがあります。
しかしモーターの交換・修理をすると2～3万円と、そこまで安くない費用相場です。設置から8～10年ほど経っている場合は、まもなく寿命を迎える可能性もあるので、買い替えとあわせて検討しましょう。
浴室換気扇にはいくつか種類があります。新品に交換したい場合は同じタイプのものを取り付けると工賃が安く済みますが、思い切って高機能な浴室乾燥機を取り付けることも検討してみてはいかがでしょうか。
| 浴室換気扇の種類 | 本体価格 | 施工費用 |
|---|---|---|
| プロペラファン | 約7,000～12,000円 | 約8,000～12,000円 |
| シロッコファン | 約20,000～40,000円 | 約15,000～20,000円 |
| 浴室暖房乾燥機 | 約30,000～150,000円 | 約15,000～20,000円 |
浴室換気扇の種類ごとの本体価格と施工費用は、上記が相場です。
ただし「プロペラファンから浴室暖房乾燥機に交換する」など、取り外し・取り付け以外に設置工事が必要となる場合は高額になるので注意してください。
近年の一軒家やマンションではシロッコファンが一般的になってきています。天井埋め込み型で、円筒状の羽根が回る。
プロペラファンと比べて音も少なく、乾燥機付きや加湿ミスト付きなどの高機能な製品も多いのが特徴です。
また2003年以降は「換気システム」の導入が義務付けられて、窓を開けなくても室内の空気を入れ替えられるように建築されています。とくにマンションなどでは、天井裏のダクトを通してトイレや洗面所などとつながっていることも。
2つの部屋と換気システムを共有している場合は「2室換気」、3つの部屋と共有している場合は「3室換気」と言います。基本的には既存のもの同じ種類しか設置できないので、自分で浴室換気扇を購入する場合は注意してください。
2室換気や3室換気の浴室換気扇だと、1室換気に比べて本体価格が少し高くなります。
シロッコファンタイプは浴室の開口部に製品を埋め込む作業が必要です。そのため下記のようなケースの場合、追加で費用が発生する可能性があります。
プロペラファンは昔ながらの壁付タイプで、シンプルな構造ゆえに換気量が多いのが特徴です。
換気用の穴が壁に直接していて、プロペラが回ることで換気します。プロペラを外して掃除できるのでメンテナンスもラクです。
ただし屋外の風の影響を受けやすかったり、少し大きめの音が気になったりといったデメリットもあります。
プロペラファン(パイプファン)の場合は純粋に本体を交換するだけのことが多いため、比較的工事内容は容易です。
本体だけではなく外壁側に付いているフードなども交換する場合は、その分費用が高くなる可能性があります。依頼する際は、事前に金額などを依頼業者に確認するようにしましょう。
シロッコファンの場合は、乾燥機能だけのシンプルな「浴室乾燥機」と、乾燥機能や暖房機能がそなわっている「浴室暖房乾燥機」とに分かれます。
「浴室乾燥機」や「浴室暖房」というふうに別々の名前で呼ばれることもありますが、近年販売されている製品はほぼ乾燥・暖房どちらの機能もそなわっています。
ミストによる加湿機能や、オン/オフのタイマー機能、送風機能などさまざまな機能が付加されている製品も多いです。
本体価格は機能・性能によって大きく変わり、約30,000～150,000円と幅広い相場帯になっています。
そのため浴室暖房乾燥機を設置したい場合は、交換したい機種を先に決めておいてから交換を依頼するのがスムーズです。専門業者に希望する値段帯を伝えて、カタログ等から選んでもらうのもよいでしょう。
浴室換気扇を選ぶときは、取り付け可能なサイズや、消音性、便利な機能などを確認しておきましょう。
浴室換気扇を交換する場合は、既存製品と同じ寸法の製品を選ぶことが重要です。商品の型番などで検索し、下記2点の情報は必ず調べるようにしてください。
| 埋込寸法(開口寸法) |
|
| 接続ダクト径 |
|
もちろん別のサイズの浴室換気扇に交換することも可能ですが、その場合は埋め込み場所の拡張をするなど、追加工事が必要になります。工期や費用がかさむ可能性があるので、事前に施工業者と相談しておきましょう。
「換気扇を交換するために複数の製品を確認してみたが、どれが適合しているものなのか分からない」という場合は、施工業者に換気扇本体も用意してもらうことがおすすめです。
業者によっては、工事を依頼した際に適切な製品の提案をしてくれます。浴室換気扇にこだわりなどがなければ、業者に製品を選んでもらうのが一番間違いのない安全な方法ですよ。
古い換気扇に比べて新しい換気扇の多くは消費電力が抑えられています。下記の表で消費電力の一例を比較してみます。
| 2009年の製品 | 2020年の製品 | |
| 「強」で使用 | 15.20ワット | 7ワット |
| 「弱」で使用 | 4.50ワット | 3.50ワット |
古い製品と比べて新しい製品は、強で換気扇を回した時の消費電力が半分以下に抑えられていることが分かります。
浴室の換気扇は基本的に入浴後毎日使用すると思います。そのため浴室換気扇を新しいものに交換することで、多少なりとも年間の電気代を抑えられるでしょう。
新しい換気扇は古い換気扇と比べてモーターが静音化されており、作動中の騒音が抑えられた作りになっています。
| 2009年の製品 | 2020年の製品 | |
| 強で使用 | 43.50デシベル | 29デシベル |
| 弱で使用 | 31.50デシベル | 22.50デシベル |
こちらも強で使用する場合、約1.5倍の静音化が見込めます。
ちなみに40デシベルは雨などの自然音が聞こえるレベル、30デシベルはホテルの室内や深夜の郊外住宅地の騒音レベルです。
そこまでうるさいワケではありませんが、既存の浴室換気扇がうるさいと感じている方は静音性で新しい換気扇を探してみてもよいでしょう。
あくまで換気扇なので、大まかな仕様変更や便利な機能が搭載されたといった変更点はありません。しかし本体自体の仕様は昔の製品と比べて向上しています。
例えば
といった違いがあります。ちょっとしたことかもしれませんが便利な製品が増えているため、掃除などの手間を減らせるでしょう。
上記のような機能を有しており、手堅い製品といえるでしょう。
| 価格 | 5,480円(2022年6月現在) |
| 埋込寸法 | 177mm |
| 接続ダクト径 | 100mm |
VD-13ZC12の基本仕様として下記が挙げられます。
本体の防汚技術や高効率な部品など、独自の技術が多数搭載された製品となっています。
| 費用 | 5,440円(2022年6月現在) |
| 埋込寸法 | 210×351×286mm |
| 接続ダクト径 | 100mm |
VD-13ZFC12の基本仕様として下記のようなものが挙げられます。
同じ三菱電機の換気扇のため性能はほぼ同じですが、こちらは2室換気に対応した製品です。
| 費用 | 8,170円(2022年6月現在) |
| 埋込寸法 | 218×443×330mm |
| 接続ダクト径 | 100mm |
Panasonicのプロペラファンタイプ(パイプファン)の商品です。壁付でも天井埋め込みでも使用することができます。
上記のような機能を備えています。
| 費用 | 4,168円(2022年6月現在) |
| 埋込寸法 | なし |
| 接続ダクト径 | 100mm |
特徴としては
上記のような機能を備えています。
| 費用 | 4,252円 |
| 埋込寸法 | 155×205角 |
| 接続ダクト径 | なし |
ここからは交換の流れと、修理の流れを浴室換気扇の種類別に解説していきます。
ちなみに天井埋め込み型(シロッコファン)は、いま天井に電気が通っていない場合、電気工事が必要となります。電気工事には資格が必要なので注意してください。
次に浴室換気扇を修理する場合の流れを紹介します。
浴室換気扇の本体に不具合が生じた場合、各メーカーに依頼して修理をすることが一般的です。
メーカーによる修理対応の流れ
メーカーは補修用の部品を保有しているため、不具合が発生している箇所の部品を交換するなどして修理をします。
しかし補修部品の保有年数は各メーカーで決まっており、製品の製造打ち切りから6~8年前後であるケースが一般的です。年数が古い製品に関しては部品がなく、修理対応不可となることも。その場合は交換が必要です。
不具合の原因が本体以外にあった場合は、交換の時と同様に電気工事業者などに依頼することで対応可能です。
電気工事業者などによる修理対応の流れ
製品本体以外の不具合の具体例としては下記があります。
このような場合は、スイッチの本体交換や再配線によって修理をします。
換気扇の交換・修理はDIYでできるケースも少なくありません。しかし電源接続作業が含まれることも多く、その際には第二種電気工事士の資格が必要です。
基本的には工事業者などに依頼をし、工事をしてもらうと認識しておきましょう。
交換する浴室換気扇の種類によって手順は多少変わってきます。それぞれ解説していきます。
シロッコファンタイプを交換する場合、このように作業が少し複雑になり難易度が高くなります。電源の配線などをするには電気工事士の資格も必要となるため、必ず工事業者に依頼するようにしましょう。
プロペラファンタイプの交換は工事内容が比較的容易なので、ご自身でも取り付けをすることは可能です。しかし配線に触る作業が必要な場合は上記同様、電気工事士の資格が必要となります。工事業者に交換を依頼しましょう。
古い浴室換気扇を交換しようかどうか迷っている場合は、あらためてお風呂場の換気扇の重要性を考えてみましょう。
浴室は家屋内でもっともカビが生えやすい場所です。お湯を使うことで高温多湿な状態になり、水滴にカビ菌が付着することで根を生やします。
もちろん普段から掃除しておくことも大切ですが、カビが嫌うもののひとつとして「乾燥」が挙げられます。きちんと空気を循環させて、室内の湿度をなるべく低く保つことがカビ予防に大切なのです。
そのため浴室換気扇を回しておくことで、カビの発生を抑えることにつながります。浴室の使用後はもちろんですが、24時間稼働させておくのがオススメです。
入浴後には石鹸の残りカスや髪の毛、皮脂などが浴室に付着してしまいます。
浴室は密室になりやすいので、これらがニオイの原因となってこもりやすく、換気しないと次に入室したときに悪臭を感じてしまうことに。
浴室を気持ちよく使うためにも、換気扇を使用することが大切です。
浴室で発生しやすい湿気やカビは、住宅の建材を傷めてしまう原因になります。とくに木材は腐食しやすく、湿気やカビにさらされ続けると劣化が早まるのです。
そのため浴室換気扇を利用することで、浴室が乾燥して、湿気やカビによる建材へのダメージを防ぐことにもつながります。
浴室暖房乾燥機なら、さらに多くのメリットが得られます。
現在使っているのがプロペラファンや換気機能のみの浴室換気扇であれば、浴室暖房乾燥機に交換するのも検討してみましょう。
「自分の家の浴室換気扇はいくらで交換工事できるんだろう」「交換が必要なのかプロに見てもらいたい」という場合は、ぜひミツモアを利用してみてください。
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