浴室乾燥機を後付けする場合の費用は5万円前後~15万円弱が相場です。ただし、浴室乾燥機本体の形式や熱源タイプなどによっても大きく異なってきます。また、浴室の状態や設備などによって取り付けできないケースもある点に注意が必要です。


本記事では、浴室乾燥機を後から取り付ける際の費用はもちろん、安く抑えるためのコツや工事できるかどうかの基準などについても説明しますので参考にしてみてください。
浴室乾燥機の後付けにかかる費用シミュレーション
浴室乾燥機の費用【タイプ別】
浴室乾燥機の設置にかかる費用は、選ぶタイプによって大きく変わってきます。
主な浴室乾燥機の形状は、以下3つのタイプです。
- 壁掛け型:比較的設置が容易で工事費を抑えやすい傾向
- 天井埋め込み型(ビルトイン):天井と一体化している
- 天井付け型:天井埋め込み型よりは設置の自由度が高く費用も安価
これらのタイプごとの詳しい費用や特徴について、次から解説していきます。
壁掛け型
壁掛け型の浴室乾燥機は、その名の通り浴室の壁面に設置するタイプです。最大のメリットは、比較的設置が簡単で、天井裏のスペースなどを気にする必要が少ない点です。 既存の換気扇の有無に関わらず設置できる機種も多く、リフォームや後付けに適しています。
費用相場としては、本体価格と工事費を合わせて5万円~15万円程度が一般的です。ただし、高機能な機種や、電源の配線工事が別途必要になる場合は、もう少し費用がかかることもあります。
壁掛け型を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
- 設置スペースの確保:壁面に十分なスペースがあるか確認
- 電源の確保:近くにコンセントがない場合、電気工事が必要
- 換気機能:既存の換気扇と連動させるか、換気機能付きの機種を選ぶかを検討
壁掛け型は、特にユニットバスなどで天井工事が難しい場合や、費用を抑えたい場合に有力な選択肢となります。 手軽に浴室乾燥機の便利さを手に入れたい方におすすめです。
天井埋め込み型(ビルトイン)
天井埋め込み型(ビルトイン)の浴室乾燥機は、本体が天井内に収まるため、見た目が非常にすっきりとし、浴室空間を広く使えるのが大きな魅力です。 新築時や浴室全体のリフォーム時に導入されることが多いタイプです。暖房、乾燥、換気、涼風といった基本的な機能に加え、ミストサウナなどの付加機能を持つ高機能な機種も豊富に揃っています。
費用相場は、本体価格と工事費を合わせて10万円~25万円以上と、壁掛け型に比べて高くなる傾向があります。これは、本体価格が高機能なものが多いことに加え、天井を開口して設置する工事が必要になるためです。
天井埋め込み型を設置する上で考慮すべき点をまとめました。
- 天井裏のスペース:本体を設置するための十分な高さと広さが必要
- 設置場所の確認:梁や配管などの障害物がないか、事前の確認が重要
- 既存の換気扇:既存の換気扇の位置やダクトを利用できるか確認(場合によってはダクト工事も必要)
高機能なモデルが多く、デザイン性に優れているため、浴室の快適性や見た目にこだわりたい方に向いています。 ただし、設置には天井の条件が整っている必要があり、工事も比較的大掛かりになる点を理解しておく必要があります。
天井付け型
天井付け型の浴室乾燥機は、天井埋め込み型(ビルトイン)と異なり、本体を天井面に直接取り付けるタイプです。天井裏に十分なスペースがない場合でも設置できる可能性があり、埋め込み型に比べて工事が比較的簡単なのが特徴です。 見た目は埋め込み型ほどすっきりしませんが、壁掛け型よりも天井スペースを有効活用できます。
費用相場は、本体価格と工事費を合わせて8万円~20万円程度で、埋め込み型よりは安価で、壁掛け型よりは高価になることが多いです。既存の換気扇の開口部を利用して設置できる場合もあり、その場合は工事費を抑えられます。
天井付け型を選ぶ際に注目したいポイントは以下の通りです。
- 設置場所の天井強度:本体の重量に耐えられるか確認が必要
- 既存の換気設備:換気扇の穴を利用できるか、新規にダクト工事が必要かなどを確認
- 天井の高さ:圧迫感が出ないか、設置後の天井高も考慮
天井埋め込み型の設置が難しいけれど、壁掛け型では物足りない、という場合に適しています。 埋め込み型と壁掛け型の中間的な選択肢として検討してみると良いでしょう。
浴室乾燥機の後付け費用【内訳】
浴室乾燥機を後付けする際の費用は、いくつかの要素で構成されています。総額だけを見るのではなく、その内訳を理解しておくことで、見積もりの妥当性を判断したり、予算に合わせて調整したりすることが可能になります。主な内訳としては、以下の項目が挙げられます。
- 本体代:浴室乾燥機そのものの価格
- 工事費:設置作業にかかる費用
- オプション費用:追加機能や長期保証など、必要に応じて発生する費用
これらの費用項目について、それぞれどのような内容なのか、費用の相場観とともに詳しく見ていきましょう。
本体代
浴室乾燥機の後付け費用の中で、最も大きな割合を占めるのが本体代です。 この本体代は、選ぶ機種の機能、性能、デザイン、メーカーによって大きく変動します。
安いものでは数万円からありますが、多機能なハイグレードモデルになると20万円を超えることも珍しくありません。価格に影響を与える主な要素には、以下のようなものがあります。
- 基本機能の種類:暖房、乾燥、換気、涼風の基本的な機能に加え、どのような機能が必要か
- 付加機能の有無:ミストサウナ、イオン発生、自動掃除機能など、プラスアルファの機能
- 熱源の種類:電気式かガス式か。ガス式の方が本体価格は高い傾向があります
- メーカーやブランド:信頼性やデザイン性で選ばれるメーカー品は価格が高めになるケースもあり
- 省エネ性能:初期費用は高くても、ランニングコストを抑えられる省エネモデルもあり
予算を抑えたい場合は、機能を絞ったシンプルなモデルを選ぶ、型落ち品やセール品を狙うといった方法も有効です。 ただし、安さだけで選ぶのではなく、必要な機能が備わっているか、長期的に見て満足できるかを考慮することが大切です。
工事費
浴室乾燥機の設置には、専門的な知識と技術が必要なため、必ず工事費が発生します。工事費は、設置する浴室乾燥機のタイプや、現在の浴室の状況によって変動します。 一般的な相場としては、3万円~10万円程度を見込んでおくと良いでしょう。
工事費に含まれる主な作業内容は以下の通りです。
- 既存設備の撤去:古い換気扇などが設置されている場合、その取り外し作業
- 本体の設置:浴室乾燥機本体の取り付け(壁掛け、天井付け、天井埋め込み)
- 電気配線工事:本体やリモコンへの電源接続、専用回路の増設(必要な場合
- ダクト接続工事:換気ダクトへの接続作業(天井設置タイプの場合)。
- リモコン設置:操作用リモコンの取り付けと設定
- 試運転と確認:設置後の動作確認
特に、天井埋め込み型の場合は天井の開口作業が必要になったり、新たに電気配線を引き込む必要がある場合は、工事費が高くなる傾向があります。 また、ユニットバスか在来工法の浴室かによっても、作業の難易度が変わることがあります。
オプション費用
浴室乾燥機の後付け費用には、本体代と基本的な工事費の他に、オプション費用がかかる場合があります。オプションは必須ではありませんが、より快適・便利に浴室乾燥機を使いたい場合に検討する価値があります。
オプションの例は以下の通りです。
- 高性能フィルター:花粉やPM2.5などに対応したフィルターで、空気清浄効果を高める
- 人感センサー:人の動きを感知して自動で運転を開始・停止する機能で、省エネに役立つ
- ミストサウナ機能:自宅で手軽にミストサウナを楽しめる(対応機種のみ)
- ワイヤレスリモコン:壁への取り付け工事が不要なリモコンに変更
- 長期保証サービス:メーカー保証期間終了後も、修理保証を受けられるサービス
これらのオプションは、数千円から数万円程度の追加費用がかかることが一般的です。すべてのオプションが必要なわけではないので、ご自身のライフスタイルや予算に合わせて、本当に必要なものだけを選ぶようにしましょう。 見積もり時に、どのようなオプションがあり、それぞれいくらかかるのかを確認しておくと安心です。
浴室乾燥機の後付け費用が高くなる原因
浴室乾燥機の後付け費用は、機種や基本的な工事内容だけでなく、いくつかの要因によって予想以上に高くなることがあります。あらかじめ費用が高くなる可能性のあるケースを知っておくことで、予算オーバーを防いだり、代替案を検討したりすることができます。
費用が高くなる主な原因としては、以下の2点が挙げられます。
- 熱源をガス式にする場合:パワフルな温風がメリットで、初期費用は高くなる傾向
- 換気扇や照明などの位置により作業が煩雑化する場合:設置場所の状況によって追加の工事が必要になる場合も
これらの原因について、なぜ費用が高くなるのか、具体的にどのような状況で起こりうるのかを詳しく見ていきましょう。
熱源をガス式にする場合
浴室乾燥機には、電気を熱源とする「電気式」と、ガスを熱源とする「ガス式」があります。ガス式の浴室乾燥機は、電気式に比べて立ち上がりが早く、パワフルな温風で洗濯物を短時間で乾かせるという大きなメリットがあります。 特に、洗濯物が多いご家庭や、冬場の暖房効果を重視したい場合に人気があります。
しかし、一般的にガス式の浴室乾燥機は、本体価格が電気式よりも高価になる傾向があります。 さらに、設置にはガス配管工事が必要になる点が、費用を押し上げる大きな要因です。 浴室の近くまでガス管が来ていない場合は、新たにガス管を延長する工事が必要となり、その分配管工事費が追加で発生します。
ガス式を選ぶ際に費用が高くなる具体的な要因は以下の通りです。
- 本体価格:同程度の機能を持つ電気式モデルと比較して、本体価格が高いことが多い
- ガス配管工事:浴室までガス管を延長する必要がある場合、数万円以上の追加費用がかかる
- 給湯器との連携:暖房機能付きの場合、ガス温水式の給湯器との接続工事が必要になる場合がある
ガス式はパワフルさという魅力がありますが、初期費用(本体代+工事費)は電気式よりも高くなることを理解しておく必要があります。 ランニングコスト(ガス代)も考慮に入れ、長期的な視点でどちらがご家庭に適しているか検討しましょう。
換気扇や照明などの位置により作業が煩雑化する場合
浴室乾燥機の設置工事は、現在の浴室の状況、特に天井裏の状態や既存設備の配置によって、作業の難易度が大きく変わり、それに伴って費用も変動します。特に、天井埋め込み型や天井付け型を設置する場合、予期せぬ障害物やスペース不足によって作業が煩雑化し、追加費用が発生することがあります。
具体的に、どのような場合に作業が煩雑化し、費用が高くなる可能性があるかを見てみましょう。
- 天井裏のスペース不足 本体を設置するのに十分な高さや広さがない場合、天井の構造変更が必要になることも。
- 梁や障害物の存在 設置したい場所に天井の梁や既存の配管などがあると、位置をずらしたり、特殊な加工が必要になったりする。
- 既存の換気扇や照明の位置 乾燥機の設置場所と干渉する場合、既存設備の移設や撤去、配線の変更が必要になる。
- 電気配線の状態 古い配線や容量不足の場合、専用回路の増設や配線の引き直しが必要になり、電気工事費が増加する。
- 点検口がない 天井裏の状態を確認したり、作業したりするための点検口がない場合、新たに点検口を作成する費用がかかる。
これらの状況は、外から見ただけでは判断が難しいため、必ず事前に専門業者による現場調査(下見)を依頼することが重要です。 現場調査によって、設置の可否や必要な追加工事、正確な見積もり金額を知ることができます。安易に「標準工事費」だけで判断せず、ご自宅の状況に合わせた見積もりを取るようにしましょう。
浴室乾燥機を安く後付けするためのコツ
浴室乾燥機の設置は少しでも安く済ませたいですよね。そんなときは以下の2点を工夫してみてください。
- 住宅リフォーム業者に直接依頼する
- 複数の施工店から見積もりを取り、比較して決める
住宅リフォーム業者に直接依頼する
浴室乾燥機を設置するとき、工事を依頼する先として家を建てたハウスメーカーが真っ先に思い浮かぶかもしれません。
しかしハウスメーカーは実際の工事を下請けのリフォーム業者に発注します。
すると「工事内容は同じなのに、ハウスメーカーが中間に入っている分費用が割高になってしまう」構図が生まれるのです。
ハウスメーカーを間に入れず、リフォーム業者に直接依頼したほうが、中間手数料が発生しない分安く依頼することができます。
複数業者から見積もりを取って比較する
複数のリフォーム業者から見積もりをもらって比較するのがおすすめです。
見積もりを複数見比べれば「高すぎる見積もり」「安すぎる見積もり」に気づけます。
そのため適正な金額で安心しておまかせできる業者を探せるでしょう。
ただし自分でリフォーム業者をいくつも探して、何件も連絡をとるのは大変ですよね。
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自力で後付けできる場合もあるがおすすめできない
費用を抑える目的で「浴室乾燥機の後付けをDIYでできないか?」と考える場合もあるかもしれませんが、浴室乾燥機の自力での設置はおすすめできません。
その理由は、電気工事と水回りという、専門知識と技術が不可欠な作業が伴うためです。 特に電気配線工事は、「電気工事士」の資格を持つ人でなければ行うことが法律で禁じられています。無資格での工事は非常に危険です。
自力での後付け作業には、湿気の多い浴室での感電や漏電、火災のリスクが伴います。また、設置不良による水漏れで建物を傷めたり、本体が落下したりする危険性も無視できません。
万が一、故障や事故が起きてもメーカー保証や火災保険の対象外となる可能性が高いです。安全・確実に設置し、安心して使うためには、必ずプロの専門業者に依頼しましょう。
浴室乾燥機を後付けできないケースと対処方法
便利な浴室乾燥機ですが、残念ながらどのような浴室にも必ず後付けできるわけではありません。設置スペースや既存の設備状況によっては、取り付けが困難だったり、不可能だったりするケースがあります。具体的には、以下のような状況が考えられます。
- 設置スペースの不足:本体を取り付けるための十分なスペース(特に天井は約40cm四方)がない。
- 取り付け面の凹凸:壁や天井が平らでなく、安定した設置が難しい。
- 必要な設備の欠如:換気扇や点検口がない、または分電盤に空き回路がない。
- 照明との干渉:設置希望場所に照明器具が近すぎる。
- 自力設置のリスク:DIYでの設置は推奨されない。
これらのケースに該当する場合、どうすればよいのでしょうか。それぞれの状況と対処法について、詳しく解説していきます。
浴室乾燥機を設置するスペースがない(40cm四方目安)
浴室乾燥機、特に天井に取り付けるタイプ(埋め込み型・天井付け型)は、本体を設置するためにある程度のスペースが必要です。機種によって多少異なりますが、一般的には最低でも40cm四方程度のスペースが天井にないと、物理的に設置することができません。
壁掛け型の場合も、壁面に本体を設置するための平らなスペースが必要になります。十分なスペースが確保できない場合、残念ながら希望するタイプの浴室乾燥機は設置できません。
スペースが足りない場合に考えられる対処法はいくつかあります。
- 壁掛け型への変更を検討する
- 小型・薄型モデルを探す
- 設置場所の変更
まずは専門業者に現場を見てもらい、設置可能なスペースがあるか、どのタイプの機種なら設置できるかを確認することが重要です。
取り付け希望の箇所に凹凸がある
浴室乾燥機を安全かつ確実に設置するためには、取り付け面(壁または天井)が平らであることが重要です。 もし取り付けたい場所に凹凸や段差があると、いくつかの問題が発生する可能性があります。
まず、本体を安定して固定することが難しくなります。 不安定な設置は、振動や騒音の原因になるだけでなく、最悪の場合、本体が落下する危険性も伴います。また、壁や天井との間に隙間ができると、そこから湿気が内部に入り込み、故障やカビの原因になることも考えられます。見た目にも隙間が悪目立ちしてしまうでしょう。
取り付け希望箇所に凹凸がある場合、以下のような問題が考えられます。
- 不安定な固定:振動、騒音、落下の危険性
- 隙間の発生:湿気の侵入による故障やカビ、見た目の悪化につながる
- 密閉性の低下:換気や暖房の効率が悪くなる可能性
対処法としては、下地処理を行って設置面を平らにすることが考えられますが、これには追加の費用と手間がかかります。あるいは、凹凸のない別の場所に設置場所を変更するという選択肢もあります。状況によっては、凹凸が原因で設置自体が困難と判断される場合もあります。
換気扇や点検口、分電盤の空きなどがない
浴室乾燥機の後付けには、本体以外にもいくつか必要な設備があります。これらの設備が整っていない場合、設置ができなかったり、追加の工事が必要になったりします。
特に重要となる設備とその役割は以下の通りです。
- 換気扇(または換気口) 多くの天井設置型乾燥機は、既存の換気扇の開口部やダクトを利用して取り付けます。換気扇がない場合は、換気機能付きの機種を選ぶか、新たに換気扇または換気口を設ける工事が必要です。
- 点検口 天井裏に設置するタイプの乾燥機の場合、配線やダクト接続、将来的なメンテナンスのために天井裏を確認する必要があります。点検口がないと、作業が非常に困難になったり、状態を確認できなかったりするため、新設が必要になる場合があります。
- 分電盤の空き回路 浴室乾燥機は消費電力が大きいため、多くの場合、専用の電気回路が必要です。分電盤に空き回路がない場合は、分電盤の交換や増設といった追加の電気工事が必要になり、費用も時間もかかります。
これらの設備がないからといって、必ずしも設置を諦める必要はありません。換気扇や点検口の新設、分電盤の改修工事を行えば設置できる可能性はあります。 ただし、いずれも追加費用が発生するため、予算を考慮して検討する必要があります。
換気扇近くに照明がある
天井設置型の浴室乾燥機は、既存の換気扇の位置に取り付けることが一般的です。しかし、その換気扇のすぐ近くに照明器具が設置されている場合、浴室乾燥機の取り付けが難しくなることがあります。
主な理由としては、物理的な干渉が挙げられます。浴室乾燥機の本体は、換気扇よりもサイズが大きいことがほとんどです。そのため、照明器具が近すぎると、乾燥機の本体とぶつかってしまい、設置スペースが確保できない可能性があります。
また、干渉しないまでも距離が近すぎると、以下のような問題が起こる可能性も考えられます。
- 照明の熱による影響:照明器具が発生する熱が、浴室乾燥機の本体やセンサーに悪影響を与え、誤作動や故障の原因になる可能性があります。
- 気流の阻害:照明器具が空気の流れを妨げ、乾燥や換気の効率を低下させる可能性があります。
- メンテナンス性の低下:乾燥機と照明器具が近いと、電球交換やフィルター掃除などのメンテナンスがしにくくなることがあります。
対処法としては、照明器具を別の場所に移設するのが確実ですが、これには電気工事が必要です。あるいは、薄型の浴室乾燥機や、より小型の照明器具を選ぶことで干渉を避けられる場合もあります。設置場所自体を、照明から離れた位置に変更することも考えられますが、ダクトの位置などの制約も考慮する必要があります。
浴室乾燥機を設置できないときはどうする?

衣類をすばやく乾燥させることが目的の場合、ドラム式洗濯乾燥機やガス衣類乾燥機、衣類乾燥除湿器などのアイテムも有効です。
洗濯乾燥機(ドラム式)のメリット・デメリット
導入費用 | 15~30万円(本体代) |
1回あたりのコスト (洗濯物5kg) |
約25円 |
1回あたりの乾燥時間 (洗濯物5kg) |
約2~3時間 |
シワのつきにくさ | △ |
メリット | 洗濯から乾燥まで一気にできる |
デメリット | 衣類にシワがつきやすい、傷みやすい |
とにかく洗濯を時短したい、多少シワになっても良いから干す手間をなくしたいという方には「洗濯乾燥機」がおすすめです。電気代も浴室乾燥機に比べて安いです。
ガス衣類乾燥機のメリット・デメリット
導入費用 | 15~25万円(本体代+工事費) |
1回あたりのコスト (洗濯物5kg) |
都市ガス:約35円 LPガス:約63円 |
1回あたりの乾燥時間 (洗濯物5kg) |
約1時間 |
シワのつきにくさ | △ |
メリット | 乾燥にかかる時間が圧倒的に短い |
デメリット | 設置場所の壁に穴あけ工事が必要 |
戸建で洗濯機の周りの壁に穴あけ工事ができるのであれば、「ガス衣類乾燥機」もおすすめです。洗濯物が圧倒的に短時間で乾きます。
衣類乾燥除湿機のメリット・デメリット
導入費用 | 2~5万円(本体代) |
1回あたりのコスト (洗濯物5kg) |
約72円 |
1回あたりの乾燥時間 (洗濯物5kg) |
約3~4時間 |
シワのつきにくさ | ◎ |
メリット | 消臭機能が充実している どこでも部屋干しが可能 |
デメリット | タンクに溜まった水を定期的に捨てる必要がある |
浴室乾燥機の後付けは難しいけれどシワなくきれいに乾かしたい、干す手間はかかってもいい方には「衣類乾燥除湿機」という選択肢があります。
部屋に置いて洗濯物の下で稼働させるだけで、送風・除湿を駆使してすばやく衣類を乾かしてくれます。
エアコン+サーキュレーターや扇風機でも乾燥が早くなる
|
部屋干しの場合、手持ちのサーキュレーターや扇風機とエアコンを工夫して使うだけでもかなり乾きが早くなります。
あまりお金をかけたくない方はぜひ実践してみてください。
洗濯物を干した部屋でエアコンを除湿モードに設定し、サーキュレーターや扇風機の風を洗濯物の真横または真下から当てます。
こうすると、部屋の湿気が除かれ、空気の循環が生まれるので、外干しの状態に近づいて乾きが早くなるのです。
浴室乾燥機の後付け工事事例(費用・工期・工事内容)
ここでは実際に浴室乾燥機を後付けした場合どのような作業を行うのか・総額はいくらなのか、具体例を見てみましょう。
在来工法の浴室に壁掛け型の浴室乾燥機を後付け
以下のような作業を行います。
- 取り付けに必要な分の電源を分電盤(ブレーカーをまとめたもので脱衣所上部などにある)から外壁の通気口に向かって引き込む
- 壁にある換気扇を取り外す
- 屋外コンセントから伸びている配線を浴室乾燥機に繋いで取り付ける
- リモコンを脱衣所の壁に取り付ける
この場合、工事期間は1日、工事費用は総額で17万円ほどかかります。
0.75坪の浴室に天井埋め込み型の浴室乾燥機(電圧100V)を後付け
以下のような作業を行います。
- 天井にある換気扇を取り外す
- 天井裏から配線を通して浴室乾燥機と繋げて取り付ける
- リモコンを取り付ける
この場合、工事期間は半日、工事費用は合計9.4万円ほどかかります。
後付けする浴室乾燥機の選び方
浴室乾燥機にはさまざまな製品の選択肢があります。浴室の状況や換気口の数、動力方式によって少し特徴が異なります。
設備や重視する項目に合わせて適した製品を選びましょう。
浴室乾燥機のタイプには3種類あり、浴室の状況によって後付けできるタイプが変わります。
天井埋め込み型 | 既存の換気扇が天井についており、埋め込むスペースがあるとき |
天井取り付け型 | 既存の換気扇が天井についているが、埋め込むスペースがないとき |
壁掛け型 | 浴室の壁が室外に面していて壁に換気口がある、または穴あけ工事をするとき |
また、浴室乾燥機を選ぶ他の基準は以下の通りです。
- 自宅の換気口の数から選ぶ
- パワーとコスパ、どちらを重視するか【動力方式】
- どんな機能が欲しいか
自宅の換気口の数から選ぶ
浴室乾燥機の換気機能は、トイレや洗面所と換気システムを共有する構造になっていることがあります。
その場合は換気システムにつながった換気口の数に対応する製品を選ばなくてはいけません。
浴室のみの換気であれば1室換気タイプ、浴室とトイレ・洗面所のどちらかが共有していれば2室換気タイプ、3か所まとめて換気するものは3室換気タイプです。
室内の換気システムの仕組みについては以下の記事を参考にしてください。
パワーとコスパ、どちらを重視するか【動力方式】
浴室乾燥機の動力方式にはトータルで見てお得な電気式と、より強力で乾燥時間が短く済むガス温水式があります。
方式 | 特徴 | 1時間あたりの費用 |
電気式 |
|
約30~50円 |
ガス温水式 |
|
約50~100円 |
ランニングコストは製品や使い方によっても変わります。
コストと乾燥効率のどちらを優先したいのかを踏まえ、電気式かガス温水式にするかを決めましょう。
電気式でもそれなりのコストはかかりますが、以下の記事では電気代をおさえるコツを詳しく解説しているので参考にしてみてください。
どんな機能が欲しいか
浴室乾燥機によって備わっている機能は違います。
一般的に高機能な浴室乾燥機はそのぶん本体価格が高いです。
しかしながら、長く愛用することを踏まえて必要な機能がしっかり備わっているものを選ぶのがベストですよ。
以下におすすめの機能をまとめました。
機能 | 詳細 |
換気機能 | 湿気や臭いがこもるのを軽減できる |
涼風機能 | 浴室全体の空気がひんやりとするので、のぼせ防止にも効果的 |
暖房機能 | 浴室全体を温めるのに便利 |
空気清浄機能 | カビの発生を抑えるのに効果的なので、掃除が楽になる |
省エネ機能 | 電気代を抑えたい方に人気 |
おすすめの浴室乾燥機3選
マックス/浴室換気乾燥暖房器 BS-133HM-K
- 電気式(100V)
- 天井埋め込み型
- 3室換気タイプ
浴室乾燥機で有名なメーカー「マックス」。動作音が静かでストレスになりません。3室換気タイプとしては金額もお手頃です。
パナソニック/浴室換気乾燥暖房器 FY-24UW5
- 電気式(200V)
- 壁掛け型
- 1室換気タイプ
パナソニックの壁掛け型浴室乾燥機です。ルーバーから温風を送るので、送風の向きをエアコンのように自在に調整することができます。操作は付属のワイヤレスリモコンで行います。
ノーリツ/浴室換気乾燥暖房器 BDV-4106AUKNC-J3-BL
- ガス温水式
- 天井埋め込み型
- 3室換気タイプ
ガス設備の有名メーカー「ノーリツ」の浴室乾燥機。ガス温水式はランニングコストが高い印象がありますが、この製品にはランニングコストをおさえてしっかり乾燥してくれる「エコ乾燥モード」が搭載されています。通常より時間がかかるので、夜間やお出かけ中に使うのがおすすめです。
浴室乾燥機の電気代やガス代を抑える方法
ここでは、浴室乾燥機の電気代とガス代をなるべく抑える方法をご紹介します。
せっかく取り付けた浴室乾燥機ですから、お財布に優しい使い方をしたいところです。
|
常に換気をしておく
浴室の中の空気がこもってしまうと、それを乾燥させるために動力を使うことになります。
不要な空気まで乾燥することになるので、浴室乾燥機に負荷がかかってしまい、電気代・ガス代の増加に繋がってしまいます。
常に換気をして、風の通り道を作るようにしておきましょう。
厚手の洗濯物は中央に寄せる
厚手の洗濯物を乾かすためには、中央に寄せて干しておくのがおすすめです。
端に厚手のものを干してしまうと、なかなか乾かずに何度も乾燥機をかけなければならなくなってしまいます。
洗濯物が乾きやすいように、厚手のものは中央に寄せましょう。
フィルターをこまめに掃除する
フィルターの掃除も重要です。
フィルターが汚れていると、ホコリやゴミが詰まって乾燥させるための空気が流れ出しにくくなってしまいます。
スムーズに空気を循環させるために、フィルターの掃除はしっかりとしておきましょう。
湿気がたまらないように壁についた水滴は拭き取る
湿気はカビの元にもなりますし、乾燥の邪魔をする原因にもなります。
結露は拭き取って、乾燥のスピードを上げられるようにしてください。
浴室乾燥機の後付け業者選びは相見積もりで比較を
質問に答えるだけで最大5社から見積もりが届く
スマホやパソコンからかんたんな質問に答えると、自動で条件にぴったりのおすすめ事業者から最大5件の見積もりが届きます。
手作業で条件や日程が合う事業者を1件ずつ探す必要はありません。
料金・口コミ評判を比較して選べる
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