浴室乾燥機は基本的にどんな浴室でも、後付け可能です。ただし取り付けには「電気工事士」という資格が必要なのでDIYはできず、業者に依頼する必要があります。
この記事では、浴室乾燥機の後付けの費用相場や工期、安く抑えるコツを解説します。
浴室乾燥機の後付けにかかる費用相場
浴室乾燥機の後付け設置にかかる費用の相場は、本体代と工事費をすべて合わせて5~20万円です。
ただし取り付ける浴室乾燥機のグレードや、浴室の状況に合わせた追加工事の有無で費用が大きく変わります。
費用内訳 | 費用相場 |
浴室乾燥機の本体代 | 3~15万円 |
取り付け工事 | 3.5~5万円 |
操作パネル本体代+取り付け | 1~1.5万円 |
既設の換気扇取り外し・処分 | 0.5万円 |
(必要な場合)追加工事 ―配線工事、開口部のサイズ調整など |
1か所あたり1~2万円 |
(必要な場合)物干し竿の設置 | 0.5万円 |
その他費用(業者の出張費など) | 業者による |
浴室乾燥機の後付け工事費用が高くなるケース
工事費用は本体価格のほかに、配線工事や開口部の調整など必要な追加工事によっても高くなります。
【工事費用が高くなるケース】
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古い住宅だと、換気扇がなく窓を開けて換気するタイプの浴室もあります。
この場合は浴室乾燥機を取り付けるために穴あけや電気配線工事が必要なので、その分工事費用が高くなります。
また浴室乾燥機の稼働に必要な電気容量が不足している場合も電気配線の追加工事が発生します。
天井は浴室乾燥機の重さ+洗濯物+ポールの重さに耐えられないと変形・破損する可能性があるので、それを防ぐための補強工事を行うことも。
浴室乾燥機には「天井埋め込み」「天井取り付け」「壁掛け」の3タイプあります。状況にもよりますが「天井埋め込みタイプ」の浴室乾燥機の工事が最も大がかりになる可能性が高いです。
浴室乾燥機を安く後付けするためのコツ
浴室乾燥機の設置は少しでも安く済ませたいですよね。そんなときは以下の2点を工夫してみてください。
- 住宅リフォーム業者に直接依頼する
- 複数の施工店から見積もりを取り、比較して決める
住宅リフォーム業者に直接依頼する
浴室乾燥機を設置するとき、工事を依頼する先として家を建てたハウスメーカーが真っ先に思い浮かぶかもしれません。
しかしハウスメーカーは実際の工事を下請けのリフォーム業者に発注します。
すると「工事内容は同じなのに、ハウスメーカーが中間に入っている分費用が割高になってしまう」構図が生まれるのです。
ハウスメーカーを間に入れず、リフォーム業者に直接依頼したほうが、中間手数料が発生しない分安く依頼することができます。
複数業者から見積もりを取って比較する
複数のリフォーム業者から見積もりをもらって比較するのがおすすめです。
見積もりを複数見比べれば「高すぎる見積もり」「安すぎる見積もり」に気づけます。
そのため適正な金額で安心しておまかせできる業者を探せるでしょう。
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浴室乾燥機を後付けできない7つのケース
浴室乾燥機の後付けができない、または設置できても大がかりな工事が必要になるケースを7つ紹介します。
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もともと浴室に換気扇がない
古い住宅だと、浴室に換気扇がなく窓を開けて換気している場合があります。
浴室乾燥機は基本的に換気機能も備えているので、空気を入れ替える通り道がないと設置が難しいです。
そのため浴室乾燥機をつける場合は、追加で配線工事や換気ダクトの新設が必要になります。
浴室乾燥機を設置するスペース(40cm四方)がない
浴室換気扇を設置するには、少なくとも40cm×40cm程度のスペースが必要です。
例えば小さなユニットバスだと、ほかのパーツとの干渉を避けながらスペースを確保するのが難しい可能性があります。
換気扇の近くに照明がある
浴室乾燥機が発する熱によって、照明が不具合を起こす可能性があります。
基本的に換気扇の位置に浴室乾燥機を取り付けるので、換気扇と照明が近いと設置できません。
取り付けたい位置が平らになっていない
浴室天井の浴室乾燥機を取り付けたい位置が湾曲していたり、凸凹があったりすると、工事ができません。
点検口がない
浴室換気扇の取り付け工事は、天井の点検口を開けて天井裏で作業するケースも多いです。
点検口がない場合、業者によっては工事を断られることがあります。
分電盤の空きがない
浴室乾燥機はコンセントに差すのではなく、分電盤から直接電気回線をつなげて設置します。
分電盤に空きがない場合、そのままでは取り付けられません。上記写真の右下のように、空白のブレーカーがあれば空きがあるということです。
ただし追加で工事費用はかかりますが、分電盤の増設をすれば浴室乾燥機が取り付けられる場合があります。
賃貸物件やマンションの場合
賃貸物件の場合、浴室乾燥機の取り付け工事は大家さんや管理会社の許可がないとできません。
設備を変更する権利は建物の持ち主である大家さんにあるからです。
もし後付けができる場合は、以下のことを事前に大家さんに確認しておきましょう。
- 浴室乾燥機の取り付け工事は誰が手配するのか
- 工事費用は誰が支払うのか
- 賃貸の退去時に浴室乾燥機の取り外し(原状回復)が必要か
分譲マンションであれば、ほとんどの場合は後付けが可能です。
水回りのリフォームや電気工事についてルールが決められている可能性もあるので、事前に必ずマンション規約を確認しておきましょう。
設備工事なしで後付けできる浴室乾燥機はある?
天井に換気扇と点検口がある場合、壁掛けタイプの浴室乾燥機であれば大掛かりな工事なしで取り付けることができます。
ただし、この場合でもネジで留める必要があるので、天井を傷つけずに取り付けることはできません。
もし原状回復が必要な賃貸物件の場合は、自分の判断で後付けをするのではなく、必ず大家さんに確認を取りましょう。
大がかりな工事が必要ないとはいえ、物件に傷をつけてしまうことになるので、許可してもらえない可能性があります。
勝手にネジで穴を開けた場合、基本的に入居者側が修理費用を負担しなければなりません。
浴室乾燥機の後付け工事事例(費用・工期・工事内容)
ここでは実際に浴室乾燥機を後付けした場合どのような作業を行うのか・総額はいくらなのか、具体例を見てみましょう。
在来工法の浴室に壁掛け型の浴室乾燥機を後付け
以下のような作業を行います。
- 取り付けに必要な分の電源を分電盤(ブレーカーをまとめたもので脱衣所上部などにある)から外壁の通気口に向かって引き込む
- 壁にある換気扇を取り外す
- 屋外コンセントから伸びている配線を浴室乾燥機に繋いで取り付ける
- リモコンを脱衣所の壁に取り付ける
この場合、工事期間は1日、工事費用は総額で17万円ほどかかります。
0.75坪の浴室に天井埋め込み型の浴室乾燥機(電圧100V)を後付け
以下のような作業を行います。
- 天井にある換気扇を取り外す
- 天井裏から配線を通して浴室乾燥機と繋げて取り付ける
- リモコンを取り付ける
この場合、工事期間は半日、工事費用は合計9.4万円ほどかかります。
後付けする浴室乾燥機の選び方
浴室乾燥機にはさまざまな製品の選択肢があります。浴室の状況や換気口の数、動力方式によって少し特徴が異なります。
設備や重視する項目に合わせて適した製品を選びましょう。
浴室乾燥機のタイプには3種類あり、浴室の状況によって後付けできるタイプが変わります。
天井埋め込み型 | 既存の換気扇が天井についており、埋め込むスペースがあるとき |
天井取り付け型 | 既存の換気扇が天井についているが、埋め込むスペースがないとき |
壁掛け型 | 浴室の壁が室外に面していて壁に換気口がある、または穴あけ工事をするとき |
天井埋め込み型(ビルトイン)
天井埋め込み型は機械の部分が天井裏に格納されるので、見た目が最もスマートです。
製品の種類も豊富で金額幅も広いので、予算や目的に応じて希望に合うものを選びやすいでしょう。
ただし、このタイプは天井部分に埋め込むスペースがないと取り付けられません。
開口部(換気扇の設置部分)は工事で広げることも可能ですが、天井裏にスペースが足りないケースもあるので注意が必要です。
天井取り付け型
既存の換気扇を取り外したあと、または既存の換気扇の上からかぶせて取り付けるタイプです。
基本的に既存の開口部を活かして取り付けるので、工事が最小限で済み、工事費用がおさえられます。
製品の選択肢が少なく、見た目もやや圧迫感がある点はデメリットです。
壁掛け型
換気ダクトを通さないので、比較的工事が簡単です。
ただしこのタイプは浴室が屋外に面した位置にないと取り付けられません。
雨や風の影響を受けないようにするために、屋外側にウェザーカバーを取り付ける必要もあります。
浴室の窓が大きいと、乾燥機を設置するスペースが十分に確保できないことも。
自宅の換気口の数から選ぶ
浴室乾燥機の換気機能は、トイレや洗面所と換気システムを共有する構造になっていることがあります。
その場合は換気システムにつながった換気口の数に対応する製品を選ばなくてはいけません。
浴室のみの換気であれば1室換気タイプ、浴室とトイレ・洗面所のどちらかが共有していれば2室換気タイプ、3か所まとめて換気するものは3室換気タイプです。
室内の換気システムの仕組みについては以下の記事を参考にしてください。
パワーとコスパ、どちらを重視するか【動力方式】
浴室乾燥機の動力方式にはトータルで見てお得な電気式と、より強力で乾燥時間が短く済むガス温水式があります。
方式 | 特徴 | 1時間あたりの費用 |
電気式 |
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約30~50円 |
ガス温水式 |
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約50~100円 |
ランニングコストは製品や使い方によっても変わります。
コストと乾燥効率のどちらを優先したいのかを踏まえ、電気式かガス温水式にするかを決めましょう。
電気式でもそれなりのコストはかかりますが、以下の記事では電気代をおさえるコツを詳しく解説しているので参考にしてみてください。
どんな機能が欲しいか
浴室乾燥機によって備わっている機能は違います。
一般的に高機能な浴室乾燥機はそのぶん本体価格が高いです。
しかしながら、長く愛用することを踏まえて必要な機能がしっかり備わっているものを選ぶのがベストですよ。
以下におすすめの機能をまとめました。
機能 | 詳細 |
換気機能 | 湿気や臭いがこもるのを軽減できる |
涼風機能 | 浴室全体の空気がひんやりとするので、のぼせ防止にも効果的 |
暖房機能 | 浴室全体を温めるのに便利 |
空気清浄機能 | カビの発生を抑えるのに効果的なので、掃除が楽になる |
省エネ機能 | 電気代を抑えたい方に人気 |
おすすめの浴室乾燥機3選
マックス/浴室換気乾燥暖房器 BS-133HM-K
- 電気式(100V)
- 天井埋め込み型
- 3室換気タイプ
浴室乾燥機で有名なメーカー「マックス」。動作音が静かでストレスになりません。3室換気タイプとしては金額もお手頃です。
パナソニック/浴室換気乾燥暖房器 FY-24UW5
- 電気式(200V)
- 壁掛け型
- 1室換気タイプ
パナソニックの壁掛け型浴室乾燥機です。ルーバーから温風を送るので、送風の向きをエアコンのように自在に調整することができます。操作は付属のワイヤレスリモコンで行います。
ノーリツ/浴室換気乾燥暖房器 BDV-4106AUKNC-J3-BL
- ガス温水式
- 天井埋め込み型
- 3室換気タイプ
ガス設備の有名メーカー「ノーリツ」の浴室乾燥機。ガス温水式はランニングコストが高い印象がありますが、この製品にはランニングコストをおさえてしっかり乾燥してくれる「エコ乾燥モード」が搭載されています。通常より時間がかかるので、夜間やお出かけ中に使うのがおすすめです。
浴室乾燥機の電気代とガス代を抑える方法
ここでは、浴室乾燥機の電気代とガス代をなるべく抑える方法をご紹介します。
せっかく取り付けた浴室乾燥機ですから、お財布に優しい使い方をしたいところです。
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常に換気をしておく
浴室の中の空気がこもってしまうと、それを乾燥させるために動力を使うことになります。
不要な空気まで乾燥することになるので、浴室乾燥機に負荷がかかってしまい、電気代・ガス代の増加に繋がってしまいます。
常に換気をして、風の通り道を作るようにしておきましょう。
厚手の洗濯物は中央に寄せる
厚手の洗濯物を乾かすためには、中央に寄せて干しておくのがおすすめです。
端に厚手のものを干してしまうと、なかなか乾かずに何度も乾燥機をかけなければならなくなってしまいます。
洗濯物が乾きやすいように、厚手のものは中央に寄せましょう。
フィルターをこまめに掃除する
フィルターの掃除も重要です。
フィルターが汚れていると、ホコリやゴミが詰まって乾燥させるための空気が流れ出しにくくなってしまいます。
スムーズに空気を循環させるために、フィルターの掃除はしっかりとしておきましょう。
湿気がたまらないように壁についた水滴は拭き取る
湿気はカビの元にもなりますし、乾燥の邪魔をする原因にもなります。
結露は拭き取って、乾燥のスピードを上げられるようにしてください。
浴室乾燥機を設置できないとき代わりになる乾燥アイテム
衣類をすばやく乾燥させることが目的の場合、ドラム式洗濯乾燥機やガス衣類乾燥機、衣類乾燥除湿器などのアイテムも有効です。
洗濯乾燥機(ドラム式)のメリット・デメリット
導入費用 | 15~30万円(本体代) |
1回あたりのコスト (洗濯物5kg) |
約25円 |
1回あたりの乾燥時間 (洗濯物5kg) |
約2~3時間 |
シワのつきにくさ | △ |
メリット | 洗濯から乾燥まで一気にできる |
デメリット | 衣類にシワがつきやすい、傷みやすい |
とにかく洗濯を時短したい、多少シワになっても良いから干す手間をなくしたいという方には「洗濯乾燥機」がおすすめです。電気代も浴室乾燥機に比べて安いです。
ガス衣類乾燥機のメリット・デメリット
導入費用 | 15~25万円(本体代+工事費) |
1回あたりのコスト (洗濯物5kg) |
都市ガス:約35円 LPガス:約63円 |
1回あたりの乾燥時間 (洗濯物5kg) |
約1時間 |
シワのつきにくさ | △ |
メリット | 乾燥にかかる時間が圧倒的に短い |
デメリット | 設置場所の壁に穴あけ工事が必要 |
戸建で洗濯機の周りの壁に穴あけ工事ができるのであれば、「ガス衣類乾燥機」もおすすめです。洗濯物が圧倒的に短時間で乾きます。
衣類乾燥除湿機のメリット・デメリット
導入費用 | 2~5万円(本体代) |
1回あたりのコスト (洗濯物5kg) |
約72円 |
1回あたりの乾燥時間 (洗濯物5kg) |
約3~4時間 |
シワのつきにくさ | ◎ |
メリット | 消臭機能が充実している どこでも部屋干しが可能 |
デメリット | タンクに溜まった水を定期的に捨てる必要がある |
浴室乾燥機の後付けは難しいけれどシワなくきれいに乾かしたい、干す手間はかかってもいい方には「衣類乾燥除湿機」という選択肢があります。
部屋に置いて洗濯物の下で稼働させるだけで、送風・除湿を駆使してすばやく衣類を乾かしてくれます。
エアコン+サーキュレーターや扇風機でも乾燥が早くなる
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部屋干しの場合、手持ちのサーキュレーターや扇風機とエアコンを工夫して使うだけでもかなり乾きが早くなります。
あまりお金をかけたくない方はぜひ実践してみてください。
洗濯物を干した部屋でエアコンを除湿モードに設定し、サーキュレーターや扇風機の風を洗濯物の真横または真下から当てます。
こうすると、部屋の湿気が除かれ、空気の循環が生まれるので、外干しの状態に近づいて乾きが早くなるのです。
浴室乾燥機の後付け業者選びは相見積もりで比較を
質問に答えるだけで最大5社から見積もりが届く
スマホやパソコンからかんたんな質問に答えると、自動で条件にぴったりのおすすめ事業者から最大5件の見積もりが届きます。
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料金・口コミ評判を比較して選べる
見積もりの料金を比べられるのはもちろん、過去にミツモアでお仕事を依頼した利用者からの口コミ評価も確認できます。
口コミからはサービスの質や人柄などがうかがえることが多く、金額以外の判断材料も得られるので安心です。
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