「浴室乾燥機を導入したいけれど、電気代が心配」という方は多いのではないでしょうか。天候に関係なく、どんな衣類でもすばやく乾かせて便利な反面、ヘアドライヤーと同等の電気代がかかるともいわれます。
この記事では具体的な電気代の目安や節約のコツの解説、ほかの乾燥機との比較をしています!
浴室乾燥機の電気代は「1時間あたり約32.4円」
浴室乾燥機の電気代の目安は、1時間あたり約32.4円です。
電気代の計算
電化製品を動かすために必要な電気代は「消費電力×電力料金目安単価×使用時間」で計算可能です。
この仮定で算出すると、洗濯物を1時間乾かしたときの電気代は 1.2kW × 27円 × 1時間 = 32.4円 |
ちなみに浴室乾燥機の消費電力は製品ごとに異なりますが、だいたい1.1~1.3kW程度です。
- パナソニック:1.3kw
- シャープ:1.19kw
- 三菱電機:1.23kw
電気代の計算には、「全国家庭電気製品公正取引協議会」が2014年に定めた「電力料金目安単価」の27円/kWhを使用しています。
洗濯物1kgあたり乾燥に約1時間かかる
浴室乾燥機だけを使った場合、洗濯物1kgを乾かすのに約1時間かかるとされています。
一般的に、1日に発生する洗濯物の量は1人あたり約1.5kgといわれています。もちろん、毎日洗わない衣服を着た場合や、1日に何回も着替えた場合など、状況によって大きく変動します。
1か月間、毎日浴室乾燥機を使った場合の電気代の目安は以下の通りです。
1日あたりの使用時間 | 1か月(30日)の電気代目安 |
3時間 | 2,916円 |
4時間 | 3,888円 |
5時間 | 4,860円 |
6時間 | 5,832円 |
ちなみに衣類の種類ごとの重さの目安は以下の通りです。
種類 | 重さ |
ワイシャツ | 約200g |
ブラウス | 約100g |
セーター | 約500g |
ズボン・スカート | 約400g |
肌着 | 約130g |
下着 | 約80g |
靴下 | 約50g |
パジャマ上下 | 約500g |
バスタオル | 約250~500g |
フェイスタオル | 約50~70g |
浴室乾燥機はなぜ電気代が高い?
浴室乾燥機の電気代が高い理由は、消費電力の大きさと稼働時間の長さにあります。
浴室乾燥機の消費電力は、ドライヤーの強風モード(1200W=1.2kW)とほぼ同じです。
ドライヤーは1回の使用時間がわずか数分間なので、電気代をそれほど気にすることはないでしょう。しかし浴室乾燥機はドライヤーを何時間も続けて使っているのと同じ状態なのです。
その他機能を使った場合の電気代
浴室乾燥機には換気や暖房の機能もあります。それぞれの機能を使った場合の電気代を見ていきましょう。
換気機能:1時間あたり0.81円程度 |
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暖房機能:1時間あたり35.6円程度 |
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涼風機能:1時間あたり1円程度 |
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洗濯乾燥機を使った場合との電気代を比較
浴室乾燥機と洗濯乾燥機では、どちらの方が電気代が安いのでしょうか。例えばあるメーカーの洗濯乾燥機の場合、1回の乾燥にかかる電気代は以下の通りです。
- 縦型ヒーター式:59.4円
- ドラム型ヒーター式:50.8円
- ドラム型ヒートポンプ式:16.2円
浴室乾燥機の電気代は1回につき約100円なので、ヒーター式・ヒートポンプ式どちらの場合でも、洗濯乾燥機の方が電気代が安いです。特にヒートポンプ式では、6倍近い差があります。
浴室乾燥機の電気代を節約する8つのコツ
さまざまなメリットがある浴室乾燥機ですが、電気代が高いのはネックになりますよね。少しでも電気代を節約して使うコツを紹介します。
①洗濯物の間隔を空けて風通しをよくする
衣類を干すときは、適度に間隔を空けましょう。ぎゅうぎゅうに詰めて干すと、風の通り道がなくなり、乾くのに時間がかかってしまいます。これはベランダや室内に干すときも同じですね。
とはいえ洗濯物の総量はなかなか減らせません。浴室に突っ張り棒を設置して干せるスペースを増やしたり、すぐに乾く衣類を室内干しにしたりして、なるべく洗濯物間のスペースにゆとりを持たせましょう。
洗濯物を側面から見たとき、洗濯物の先端がアーチを描くように干し、空気にふれやすくするのもポイントです。
②乾きにくい洗濯物を温風の当たる位置に干す
洗濯物の配置にもコツがあります。パーカーやニットなど、乾燥に時間のかかる厚手の衣類は、温風が直接当たる送風口の近くに干しましょう。
インナーやポリエステル素材の服のように比較的乾きやすいものは、端っこの風が当たりにくいところに配置します。
③浴室の余分な水気を拭き取ってから干す
浴室内が湿気の多い状態だと、余分な水分を乾かすのに時間がかかってしまい、余計に電気代がかかります。特に入浴したあとに洗濯物を乾かしたいときは注意しましょう。
水切りワイパーやタオルで浴室の天井や壁、鏡についた水分を拭き取りましょう。乾燥機能を作動させる前に、換気モードにして乾かすのも効果的です。
入浴や掃除の直後に使う場合は残った水滴を拭き取り、しばらく換気運転して湿気を追い出してから干すようにしましょう。
④フィルターをこまめに掃除する
浴室乾燥機のフィルターがホコリで目詰まりすると、温風がうまく行き渡らず乾燥効率が悪くなります。ホコリがたまるとカビが発生する原因にも。衣類にカビをまき散らす状態になってしまうのは恐ろしいですよね。
フィルターは定期的に掃除して、温風がしっかり送られる状態を保ちましょう。
お手入れの方法は簡単。フィルターを外して掃除機で吸い取り、水洗いをします。しっかり乾かしてから再度取り付けましょう。
一般的に、フィルター掃除は3~6カ月に1度が目安とされています。しかし乾燥機能を多用する場合は、衣類の繊維がホコリとなってたまりやすいため、1~2カ月に1度は掃除することをおすすめします。
⑤室内干しで少し乾かしてから浴室乾燥をする
少し手間はかかってしまいますが、室内干しと浴室乾燥を併用することで、浴室乾燥機の稼働時間を短縮することができます。
最初に室内に干してなるべく洗濯物を乾かしてから、1~2時間浴室乾燥をかけてカラッと仕上げましょう。
室内干しをするときは、部屋にエアコンをつけておいたり、サーキュレーターや扇風機を当てたりするとより乾きやすくなります。
⑥サーキュレーターや扇風機を併用する
サーキュレーターや扇風機を使い、浴室内に風の流れを作るのもおすすめです。ヘアドライヤーのように動きのある温風が当たることで、衣類を早く乾かせます。
ただし浴室が濡れた状態で電化製品を使うのは危険です。しっかり水気を拭き取ってから持ち込むか、浴室のドアを細く開けて外からすきまに向かって送風するようにしましょう。
⑦(オール電化ではない場合)気温の高い日中に干す
室内と屋外の温度差が大きいほど、浴室内の温度を上げるのに時間がかかります。乾燥までの時間が長いほど、当然電気代も上がってしまいます。
時間帯によって電気代が変わるプランでなければ、日中に干して乾燥時間を短縮するのがおすすめです。
⑧(オール電化の場合)電気代が安い夜間に乾燥機を使う
時間帯によって電気代が変わるプランを利用している人は、安い時間帯に集中して使いましょう。深夜電力を安く設定しているプランであれば、夜中に浴室乾燥を使うことで大幅な節約効果が期待できます。
例えば東京電力の「夜トク8(エイト)」なら、22時〜翌7時までの電気料金は21.16円に設定されており、夜遅くに帰宅する人にとっては夜間の電気料金がお得なプランです。逆に昼間の料金は高く設定されているため、浴室乾燥機を使用する場合は注意しましょう。
浴室乾燥機・洗濯乾燥機・ガス衣類乾燥機、お得なのは?
衣類を室内で乾かす設備として、浴室乾燥機のほかに、洗濯機に乾燥機能がついた「洗濯乾燥機」や、ガスの力を利用して乾かす「ガス衣類乾燥機」があります。
どれが一番お得で快適なのかは、生活スタイルによって変わります。さまざまな観点から比較してみました。
1回あたりのランニングコストを比較
5kgの洗濯物を1回乾燥するのにかかるコスト(電気代・ガス代)を比較してみました。
乾燥機の種類 | 1回あたりの料金 |
浴室乾燥機 | 約162円 |
洗濯乾燥機 |
|
ガス衣類乾燥機 |
|
1回あたりのコストで考えると、乾燥1回あたりの料金が最も安いのはドラム式洗濯乾燥機(※ヒートポンプ方式)、最も高いのは浴室乾燥機という結果になりました。
浴室乾燥機の電気代は、前述の通り1時間あたり約32.4円です。洗濯物の量や素材によっても変わりますが、洗濯物1kgあたり1時間かかるとして、約5時間運転した場合のコストを算出しました。
洗濯乾燥機の電気代は、パナソニックのドラム式洗濯乾燥機と縦型洗濯乾燥機の電気代比較を参考にしました。上記の金額には、洗濯にかかる電気代も含まれています。
ガス衣類乾燥機はリンナイ製「乾太くん」のランニングコストを参考にしました。都市ガスの試算を東京ガス、プロパンガスの試算をリンナイが行っています。
導入にかかる費用を比較
新しく乾燥設備を導入するときは家電の本体価格や工事費などの初期費用がかかります。
乾燥機の種類 | 導入費用 |
浴室乾燥機 | 15~25万円程度(後付け・交換の場合)
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洗濯乾燥機(ドラム式、乾燥5~6kgモデル) | 15~30万円程度 |
ガス衣類乾燥機(5kgモデル) | 15~25万円程度
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導入費用はどれも一定の金額幅があります。浴室乾燥機とガス衣類乾燥機はだいたい同じくらい、洗濯乾燥機は本体価格によって大きく変わります。
浴室乾燥機はグレードによっては本体価格が20万円を超えるものもあり、上記金額よりも高くなる可能性があります。
最も金額幅が広いのは洗濯乾燥機です。本体価格は3つの中で最も高いですが、専用水栓につなぐだけで大がかりな工事は必要ありません。家電量販店のセール時期を狙えば安く手に入る可能性があります。
各乾燥機のメリット・デメリットを比較
ここまで導入にかかる費用と、使用にかかる費用を確認してきました。各乾燥機はそれぞれ強みを発揮する場面が異なるので、最終的には自分の生活スタイルに合わせて選ぶとよいでしょう。
乾燥機の種類 | メリット・デメリット |
浴室乾燥機 | 【メリット】
【デメリット】
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洗濯乾燥機 | 【メリット】
【デメリット】
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ガス衣類乾燥機 | 【メリット】
【デメリット】
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衣類乾燥以外に浴室乾燥機が役立つ場面
浴室乾燥機は衣類の乾燥機能に目が行きがちですが、ほかにもあると嬉しい便利な機能を備えた製品があります。
暖房・涼風機能で真夏・真冬も快適に入浴できる
入浴前に、浴室内を快適な温度にあたためてくれる「暖房機能」。真冬の寒い時期でも快適に入浴やシャワーの使用ができるだけでなく、急な温度変化で血圧が変動し、心臓や血管に急性の疾患が起こる「ヒートショック」を防止できます。
夏場は「涼風機能」で涼しい風を起こせば、のぼせてしまうのを防げますよ。真夏に風呂掃除をするときにも便利です。
換気機能で浴室のカビ防止
浴室は家の中でも特に湿気が多く、カビが生えやすい場所です。入浴した直後に「換気機能」を運転させ、しっかり内部を乾かしましょう。乾燥機能よりも威力が低く、電気代もそこまでかかりません。
浴室乾燥機を使うなら工夫して節約しよう
浴室乾燥機で洗濯物を乾かすと、1回当たり100円ほどの電気代がかかります。浴室乾燥機の出番が増える梅雨や花粉のシーズンには、電気代が高額になることも予想されます。
しかし浴室乾燥機は、換気機能や暖房機能などもあり浴室の環境をよくしてくれることも事実です。乾燥機能を使う場合は、早く乾くように干し方を工夫したり、電気料金のプランを見直したりして、賢く利用することがおすすめです。
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