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建設業許可のボーダーは500万?初心者にもわかる請負金額の仕組み

最終更新日: 2019年08月02日
建設業 許可 500万円・請負金額
初心者でも分かる建設業許可

建設業許可の請負金額の基礎知識

建設業を営む者は建設業許可を受けなくてはならないと、建設業法に定められています。ただし「軽微な建設工事」は例外とされており、建設業許可を受けることなく建設工事に着手することができます。

それでは軽微な建設工事とはなんでしょうか。これは工事請負金額や建物の面積によって判断されます。特に工事の一部を請け負う専門工事では、請負金額500万円未満が軽微な建設工事とされています。

つまり建設業許可の要否は、請負金額が大きく関わっているのです。そこでまずは請負金額の基本からおさえていきましょう。

請負金額とは何か?

建築工事の際には、よく「請負金額」という用語を用います。よく考えれば請負という行為に対して代金を支払うというのは、少し不思議な気がしませんか。

建築工事が他の一般的な商いと大きく違うところは、現物が存在しない時点で契約を交わすところです。食品、服飾、貴金属、不動産などほとんどの売買が現物の対価として現金を支払うのが通例です。ところが建築工事では目の前に現物がないにも関わらず、請負契約を交わし、さらには高額の契約の場合は前払金を支払います。

請負とは、「保証すること」が語源となっており、「責任をもって仕事の完成までを引き受けること」を意味しています。とはいえ、完成するまで支払金額が分からないようでは、発注者もおちおち契約はできません。一方請負側も契約もないのに工事を進めるわけにはいきません。このため請け負った側は、完成に至るまでの費用を予測して算出します。示された金額に発注者が同意して契約が交わされれば、これが請負金額になります。

建築一式工事とは何か?

軽微な建設工事は、建築工事一式と専門工事に分類して、以下のように定められています。

建築工事一式とは、マイホームであれば一戸建て住宅の完成までをひとつの会社や個人が請け負うことを意味します。たとえば、木造住宅に住みたい人が、A工務店に更地に家を建ててほしいと業務依頼をして、これを1,200万円で請け負ったとします。これが建築工事一式です。この場合、請負金額が1,500万円未満ですから、A工務店は建設業許可がなくてもこの工事を請け負うことができます。このように、建築工事一式と専門工事とでは扱いが異なってきます。それでは建築工事一式とはどんなことなのでしょうか。

一方A工務店は、雇用している職人が大工しかいないため、屋根工事、建具工事、電気工事などを下請けに発注します。これが専門工事です。

専門工事も屋根店、建具店、電気店などが、それぞれ500万円未満で請け負えば、建設業許可を要さずに請け負うことが可能です。

専門工事にはどんなものがあるの?

それでは、請負金額500万円未満の場合には建設業許可が不要な専門工事にはどんな種類があるのでしょうか。建設業法では、以下の29種類に分類されています。


工事請負契約は着工前に交わすものですが、工事途中で設計変更をすると請負金額はどうなるのでしょうか。
設計変更をしたら請負金額はどうなるの?

たとえば、バスルームの浴槽の大きさを一回り大きくして、仕上のグレードもアップするような設計変更が発生したとします。この場合は、元の請負契約を無効にして工事請負変更契約を新たに結ぶことなります。

また元の設計になんの変更も生じることなく、新たに別途工事が加わる場合は、元の請負契約は生かしたままで、別途、追加工事契約を交わすこともあります。たとえば、屋根に太陽光発電パネルを設置する工事が発生した場合などが、これに該当します。

建設業許可は500万円未満の工事ならいらない?

建設業 許可 500万円・請負金額
建設業許可は取らなくても良い?

専門工事の場合、請負金額が500万円未満の工事であれば建設業許可は不要です。大規模な工事であっても、いろいろと工夫をすれば、500万円未満に収まりそうな気もします。はたしてこの500万円には、請負金額のどのような要素が含まれるのでしょうか。また工夫次第で500万円以下に収める方法はないのでしょうか。

消費税は?

「請負金額が500万円に満たない場合」の500万円の内訳には、消費税も含まれます。

契約を分割すると?

建設業許可がない場合、元請との工事請負契約が500万円未満になるように分割してもらうことは可能でしょうか。

たとえば、A工務店からクロス張り工事を600万円で請負ったB内装会社が、1階クロス張り工事を400万円、2階クロス張り工事を200万円という二つの工事請負契約を交わしたとします。それぞれの契約は500万円未満なので、建設業許可がなくても工事はできるでしょうか。

建設業法では、「同一の建設業を営む者が工事の完成を二以上の契約に分割して請け負うときは、各契約の請負代金の額の合計額とする」と定められています。このため、この工事は契約を分割しても、建設業法上の扱いは600万円の工事となるため、建設業の許可がない会社は請け負うことができません。

材料を提供された場合は?

材料を元請けから提供されて工事をする場合はどうなるでしょうか。

建設業許可を有しないC電気工事店が、元請けのA工務店から提供された400万円の太陽光発電パネルを設置する工事を200万円で請負ったとします。このようなケースはどう判断されるのでしょうか。

建設業法では、「注文者が材料を提供する場合においては、その市場価格及び運搬費を請負金額に加えたものを請負金額の額とする」と定められています。この場合、材料費の400万円に請負金額200万円を加えた600万円が請負金額と判断されるので、建設業許可を有しないC電気工事店は請け負えないことになります。

無許可で500万円以上の工事をしたら罰則は?

それでは、建設業法の規定に違反して、無許可で高額の工事を請け負ったら、なにか処分はあるのでしょうか。

建設業法では、無許可で500万円以上の工事をした者には「三年以下の懲役又は三百万円以下の罰金」と罰則が定められています。

建設業許可は500万円以上の工事で必要になる

建設業 許可 500万円 請負金額
ボーダーは500万円

請負金額が500万円以上になると建設業許可が必要ですが、申請をすれば誰でも許可を受けられるのでしょうか。実は建設業許可は、いろいろな条件があって、誰でもすぐに許可を受けられるものではありません。それでは建設業許可を得るためには、どんな要件を備えないといけないのかみていきましょう。

経営業務の管理者がいるか?

個人の場合は、事業主が次のいずれかに該当しないと経営業務の管理責任者とは認められません。

  1. 許可を受けようとする建設業に関して5年以上経営管理責任者として経験を有していること。
  2. 許可を受けようとする業種以外の建設業に関し、6年以上管理責任者としての経験を有していること。
  3. 許可を受けようとする建設業に関し、6年以上経営業務を補佐した経験を有していること。

建設業に関して一定期間経営に携わった人か経営を補佐した経験の有る人でないと経営業務の管理者とは認められません。「経営業務を補佐した経験」とは個人事業主の場合は、事業主に次ぐ立場の者をいいます。同じ店に子どもが勤めていれば、その子どもは経営業務を補佐した経験を有していると認められます。

専任技術者が営業所にいるか?

建設業許可を得るためには、営業所に専任技術者をおく必要があります。専任技術者になるためには、以下の要件に該当しなければなりません。

  1. 許可を受けようとする業種の実務経験を大学卒業後3年以上、高校卒業後5年以上有する者。
  2. 学歴・資格の有無を問わず、許可を受けようとする業種について10年以上の実務経験を有する者。
  3. 許可を受けようとする業種に関して必要な資格を有する者。

専任技術者になるには、一定期間の実務経験が必要です。実務経験は、建設工事の監督をした場合や実際に施工に携わった経験のことです。工事現場での雑用係や事務仕事は経験に含まれません。

財産的基礎または金銭的信用を有しているか?

建設業許可を受けるためには、経営基盤がしっかりとしていることを証明する必要があります。具体的には次の要件を満たすことが求められます。

  1. 純資産の額が500万円以上あること。
  2. 500万円以上の資金調達能力があること。

資金調達能力は、担保にできる不動産などを有していることや預金残高などにより、金融機関から融資を受ける能力があることを証明します。

欠格要件に該当していないか?

過去に建設業に関する違反行為を行い処分を受けた人は、5年以上経過していないと建設業許可を得ることはできません。

建設業許可は取得しとけば間違いない?

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メリット・デメリットは?

建設工事に携わる限りは、建設業許可を受けることは非常に大切なことだということは分かりましたが、はたしてどのようなメリットがあるのでしょうか。そして本当にデメリットはないのでしょうか。

社会的信用が大きい

建設業許可を得るためには、様々な要件を備える必要があります。裏返せば、建設業許可のある会社や店はそれだけの要件を備えていることになります。客の立場からすると、やはりそうした背景から建設業許可ある店の方が社会的信用があるように思えます。

また何か問題が起きた場合でも、建設業許可を得た店だと都道府県の指導下にあるという安心感も、客の立場からすれば大きいでしょう。

業務依頼先が増える

近年、コンプライアンスの観点から建設業許可がない会社や店は下請けとして契約しない総合建設会社が増えています。また国や地方自治体などの行政機関の入札参加業者の条件も建設業許可は必須とされています。このことから、建設業許可があると様々な商機が広がることが分かります。

高額の請負工事ができる

建設業許可のない店は、常に請負金額が500万円未満の工事しかできません。なにかの縁で1,000万円超の仕事の依頼がきても、みすみす諦めなければいけません。こうした事態にならないためにも建設業許可は必要です。

本当にデメリットはないの?

建設工事に携わる限りは、建設業許可を取ることについてのデメリットは考えられません。無許可で営業を続けるよりは、建設業許可を取った方が、様々な利点があるのは明らかです。

ただ都道府県知事許可の一般申請の場合9万円前後の申請手数料が必要です。申請をして何らかの理由で不許可になっても、この申請手数料は返却されませんから、申請に際してはその点の注意は必要でしょう。

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ここまで建設業許可と請負金額500万円に関する解説をしてきましたが、いかがだったでしょうか。

建設業許可に際しては、数多くの書類を揃えたり、あれこれと書き込み事項もあります。手続が面倒だと感じられた方は、申請手続のプロである行政書士に業務依頼をされてはいかがでしょうか。

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