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道路使用許可取得は行政書士に依頼!取得の基本から必要費用まで解説

道路使用許可の取得ができる行政書士を探す
最終更新日: 2023年09月27日

道路使用許可が必要な場合とは?

道路使用許可は、道路交通法に基づく許可です。道路交通法では交通の妨害になることを禁じているために、道路で何かをやろうとすれば許可が必要になります。それでは具体的に道路使用許可が必要なのはどんなケースなのかみていきましょう。

そもそも道路とは

道路交通法では「道路」を次のように定義しています。

  1. 道路法の道路(高速自動車国道、一般国道、都道府県道、市町村道)
  2. 道路運送法の道路(自動車の交通の用に設けられた道路で⒈以外のもの)
  3. 一般交通の用に供する場所(私道、広場、空地、公園内の道路など)

このため人や車が自由に通行できるところであれば、ほとんどが道路使用許可の対象になります。

なぜ道路使用許可が必要なのか

誰でも自由に通行できる道路なのに、なぜわさわざ道路使用許可が必要なのでしょうか。

道路交通法では、道路に交通妨害となる物品を置いたり、信号や道路標識の効用を妨げるような工作物を設置してはいけないとされています。

このため、道路を使用せざるを得ない工作物や社会慣習上認められた行事などに対して道路使用を許可しています。

道路使用許可が必要な場合

道路使用許可が必要なのは次の4点に該当する行為です。

  1. 道路において工事や作業をする行為
  2. 道路に石碑、銅像、広告板、アーチその他これらに類する工作物を設けようとする行為
  3. 場所を移動しないで、道路に露店、屋台店その他これらに類する店を出そうとする行為
  4. 道路において祭やロケーション等をする行為

町で普通にみかける道路工事や郵便ポスト、お祭りの屋台や神輿の練り歩きなど、実にさまざまなものが道路使用許可の対象になっていることが分かります。

道路使用許可を得る条件

道路 使用 許可
許可を得るには条件がある(画像提供:Mangostar/Shutterstock.com)

道路使用許可の対象になる行為に該当しても、すべてが許可になるわけではありません。

看板を設置するにしても、低い位置に取り付けたら、たちまち人や車がぶつかり大事故につながります。

それでは道路使用許可を得るにはどんな条件が必要なのでしょうか。

許可の基準

道路交通法第77条第2項において、次の3つのいずれかに該当するときは許可をしなくてはいけないとされています。

  1. 当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれがないと認められるとき。
  2. 当該申請に係る行為が許可に付された条件に従つて行なわれることにより交通の妨害となるおそれがなくなると認められるとき。
  3. 当該申請に係る行為が現に交通の妨害となるおそれはあるが公益上又は社会の慣習上やむを得ないものであると認められるとき

⒈のケースでは袖看板が該当します。道路占用許可の基準で車道では高さ4.5m以上の位置に設置されますから、車もぶつかるおそれもないし、交通標識の効用を妨害することもありません。

⒉のケースでは、道路上の工事やレッカー作業などが該当します。許可に際して付された条件どおりに作業することによって、交通への影響を極力減らします。

⒊のケースでは、神輿の練り歩き、メーデーの行進やマラソン大会などが該当します。交通妨害になるのは明らかであっても、社会的に認知されているものであれば道路使用許可が受けられます。

道路占用許可が必要

許可基準に合致するからといって、ただちに道路使用許可申請ができるわけではありません。

道路使用許可とよく似た名称の「道路占用許可」というものがあります。道路占用許可を要するものは、先にこちらの手続をして担当官公署に許可済の押印をしてもらうか、道路占用許可書の写しを添付しないと受付けてもらえません。

それでは道路占用許可を許可を要するのは、どんなケースなのでしょうか。

道路占用許可は道路を継続して占用する場合に許可を要します。たとえば地上に設置する郵便ポストや道路に突出した袖看板が道路占用許可の対象になります。

その他工事用の足場が道路に突出する場合でも、道路占用許可を要します。

同じ工事でもレッカー車による高所作業は、その場に長期間滞在することがないため道路占用許可の対象にはなりません。

この場合、道路に関する許可は道路使用許可のみになります。

なお「道路占有許可」と「道路使用許可」の詳しい違いは以下の記事を参照してください。

参考:道路占有許可とはどんな許可?道路使用許可との違いや申請方法|ミツモア

許可条件が付く

道路使用許可は許可に際して、交通の安全と円滑を図るために必要な条件が付されます。

許可条件は、作業時間に関することや作業時間外の現場の状態、車両通行幅員の確保、交通誘導員の配置などが許可書に添付されて渡されます。

また口頭でも指導、指示事項がありますので、しっかりメモをしておきましょう。

またこの許可条件は、許可の期限が終了するまで変わらないというものではなく、道路交通法では許可を与えた後に新たな条件を付すことができると定められています。

このため交通渋滞が予測よりも長く続くような事態になれば、作業時間を短縮するなどの新たな条件が付されることもあります。

許可される期間は必要最低限度

作業内容、形態にもよりますが、道路使用許可で使用を許可される期間は原則6カ月以内で、その作業の完成に必要とされる最低限度の期間が許可されます。

その期間を超えて作業が必要になった場合は再度道路使用許可を取る必要がありますので注意しましょう

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道路使用許可書の書き方

道路 使用 許可
準備する書類は様々(画像提供:Lesterman/Shutterstock.com)

道路使用許可申請書類は所轄の警察署に提出しなければなりません。

まずは具体的に申請書の書き方や図面についてみていきましょう。

様式は都道府県警察本部のホームページからダウンロードできます。事前協議等もあり、最初の相談から申請までにも相当の時間を要しますので、様式は余裕をもってダウンロードして、必要な事項は下書きをしておきましょう。

道路使用許可申請書の記入方法

道路使用許可申請書
道路使用許可申請書
  1. 申請年月日……実際に提出する日を記入します。
  2. 提出先……管轄する警察所名を記入します。
  3. 申請者……個人であれば自宅の住所・氏名を記入します。(法人の場合は登記された住所と代表者名)
  4. 道路使用の目的……日よけテントの設置、○○ビル新築工事に伴う足場の設置など具体的に記入します。
  5. 場所又は区間……行為を行う敷地の地番を記入します。
  6. 期間……実際に道路を使用する期間を記入します。
  7. 方法又は形態……工事施工方法を記入しますが、書き切れない場合は「別添・道路使用計画書のとおり」と記入し、添付書類に工事概要を記入します。
  8. 添付書類……添付する図面や書類の名称を記入します。(案内図・平面図・道路使用計画書)
  9. 現場責任者……実際に現場につく現場責任者の会社の所在地、会社名、氏名を記入します。

道路使用許可書に添付する図面

添付する図面は、行為の種別ごとに次のように定められています。

  1. 道路工事の場合……位置図、工事周辺の見取図、道路断面図、交通調査結果の書面等
  2. 工作物の設置の場合……位置図、平面図、正面図、側面図、工作物の設計書等
  3. 露店や商品の陳列……位置図、周辺見取図、露店の形態を示した図等
  4. 祭りやイベント……道路使用計画書、道路及び周辺の見取図、道路使用の形態を記載した図等

図面に関する注意点

いずれの場合も地図の添付が必要ですが、コピーを使用する場合は、事前に著作権者(地図の出版社)に複写使用の確認が必要です。会社によっては許可を与えたものに証紙を発行する対応をしています。

工作物の設置では、工作物が設置された後の一般交通の通行動線を示した図面の提出を求められることがあります。また添付図書として現地の写真を求められる場合がありますので、あらかじめ現場及び周囲の状況を撮影しておきましょう。

提出部数

提出部数は2部です。1部を作成してもう1部はコピーによる作成でいいのですが、申請者の印は、それぞれ朱肉で押してください。

また申請書の備考欄に「申請者は、氏名の記載と押印に代えて署名することができる」とありますが、警察署の担当によっては署名していても認印を求める場合があります。署名の場合でも念のために認印は持参した方が無難でしょう。

道路使用許可取得にかかる「費用」「期間」

道路 使用 許可
どれくらいで取得できる?(画像提供:I.C.E. PhotoStock/Shutterstock.com)

道路使用許可を取得するためには、どれくらいの費用を要するのでしょうか。また費用はどれくらいかかるのかについてみていきましょう。

事前協議

道路を使用した工事をはじめ、街頭演説、デモ行進、ティッシュ配りなど道路使用許可の適用範囲は広く、管轄警察署で初めて扱うような案件も少なくありません。

申請した行為が必ず許可になるとは限りませんから、必ず事前に管轄の警察署で協議をしましょう。

道路使用許可を取得する費用

道路使用許可申請の手数料は以下のとおりです。

各種申請 手数料
工事・作業 に関する申請 2,700 円
工事・作業以外 に関する申請 2,100 円

上の数字は警視庁が示している金額ですが、各都道府県の警察本部ごとにそれぞれ料金が異なっています。

したがってこの金額は目安ということになります。

申請に際しては予め証紙を購入して貼ることになりますので、手数料に関しては直接所轄の警察署にご確認ください。

許可に要する期間

申請を出せば1週間以内に許可がおります。おしなべて3日くらいです。

ただし初めての案件の場合は、事前協議をしたあとで申請という流れになりますので、小さな案件であっても行為着手日の2週間以上前から事前協議を始めた方がいいでしょう。

道路使用許可証交付時に必要なもの

道路使用許可証は管理簿台帳に受け取った日と名前を記入すると受け取れます。

警察署によっては認印が必要なこともありますから、必ず認印は持参しましょう。

道路使用許可の規制緩和と違反行為の厳罰化

道路 使用 許可
許可を取らないとどうなる?(画像提供:Armin Staudt/Shutterstock.com)

道路使用許可を取るのが面倒だからといって、大人数のアルバイトを雇い無許可で路上ビラをまいていたらどういうことになるのでしょうか。

警察に注意された段階で中止すればいいと軽く考えていると大変なことになるかもしれません。一方で規制を緩和する動きもあるようです。

どのような厳罰があって、どのような緩和があるのでしょうか。

地域活性化のための特例緩和

国の施策として、地域の活性化や都市の賑わいを創出を促す動きが活発化しています。

このため地域のイベントなどで社会的意義があると認められるものには、道路使用許可手続が円滑にいくような運用が実施されるようになっています。

路上イベントの特例緩和

地方公共団体が主催するものや支援するイベントに限り、道路使用許可の許可基準が緩和されるようになりました。

このため、これまで認められなかった「テント、パラソル、ステージ、やぐら、音響用機器」などの設置に対して道路使用許可がおりるケースが全国的に増加しています。

また道路使用許可と道路占用許可の双方が必要なケースでは、両許可に係る申請を一括して受付けます。

さらには管轄が違うなどで複数の道路使用許可が必要なケースでも、申請者の要望に応じて一括許可が可能になりました。

これらの特例は、地方公共団体が主催するものでなくても、地方公共団体が支援するという立場を明確にすれば適用されますので、まちおこし活動の一環として地元の役所を巻き込み、後援を取り付けることにより実現できます。

イベントを企画される際にはぜひ活用してください。

刑事処分があります

無許可で道路を使用した者ばかりでなく、許可条件から逸脱した者も処分の対象になります。

これらの者には「3カ月以下の懲役または5万円以下の罰金」の刑事処分を受けることになります。

行政処分があります

許可条件から著しく逸脱した場合には、許可の取り消しなどの厳しい処分が下される場合があります。

また工事やロケーションなどで道路を傷めたり勝手に工作物を設置した場合には、原状回復措置命令が出され、ただちに元の状態に戻すことが求められます。

道路使用許可申請に強い行政書士を探す

道路使用許可は行政書士に依頼できる

道路 使用 許可
許認可に強い行政書士がいる!(画像提供:Kzenon/Shutterstock.com)

道路使用許可の手続にいく時間がない、書類の書き方が分からないという方は、行政書士に手続代理を依頼することをおすすめします。

手続代理を依頼したらどのようになるのかみていきましょう。

手続代理は行政書士の独占業務

行政書士法の定めにより、報酬を得て官公署に提出する書類を作成するのは行政書士しかできないことになっています。

たとえば看板を設置する際に、看板製作会社の社員が道路使用許可の手続も合わせてやるといっても法律上それは禁じられています。

また店舗の確認申請をしてくれた建築士が道路使用許可のも合わせてやるといってもできません。

建築士が官公署に手続ができるのは、建築に関することのみであって、看板に関する手続はできないのです。

このため道路占用許可の手続代理を依頼できるのは、行政書士ということになります。

行政書士はどこまで手続をしてくれるのか

道路使用許可に関しては、行政書士が事前協議から許可申請書作成、提出まですべておこないます。

依頼者の依頼を受ければ、道路使用許可証をお渡しするまでが行政書士の業務です。

ビラまきの道路占用許可も行政書士に

新装開店をお知らせする街頭ビラまきやティッシュ配りも道路使用許可を要します。

配っている最中に警察から中止を求められることもありますから、きちんと手続をしておいた方がいいでしょう。

この際の手続も、行政書士に依頼すればスムーズに許可を得ることができます。この手続に際しては実際に配るビラやティッシュの見本を道路使用許可申請書に添付して提出します。

行政書士の資格があればいいのか

行政書士は単に行政書士の試験に合格したからといって業務ができるわけではありません。

都道府県の行政書士会に事務所登録することによって、はじめて業務ができるのです。

きちんと事務所登録された行政書士であるかどうかは、日本行政書士連合会のホームページで確認することができます。

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道路使用許可手続を行政書士に依頼したときの費用は?

道路 使用 許可
費用について知りたい!(画像提供:JHK2303/Shutterstock.com)

それでは行政書士に道路使用許可申請を依頼した際の費用はどれくらいかかるのでしょうか。全国の平均値や実勢価格などについてみていきましょう。

報酬額は全国共通ではないのか?

同一報酬を定めると独占禁止法に抵触するおそれがあるので、それぞれの事務所で自由に報酬額を定めています。

全国の行政書士の平均報酬額は?

報酬については、日本行政書士連合会が5年に一度全国の行政書士にアンケート調査をしています。

最新調査である平成28年1月のデータによると、道路使用許可の報酬額の平均値は78,097円という結果が出ています。また最も集中したの報酬額帯は4万~6万円でした。

手続き名 行政書士報酬平均
道路占有許可・道路使用許可申請 78,097 円
参考:日本行政書士会連合 報酬額の統計 平成27年度報酬額統計調査の結果

実際の報酬額は?

ティッシュ配りから道路工事、看板の設置まで道路使用許可の業務の難易度に幅があるため、実際の報酬額もまちまちであるのが実情です。

全国の行政書士の報酬額をピックアップしたところ、道路使用許可に関する業務の報酬額については、5万円~6万円が最も集中している報酬額帯でした。

どうすれば報酬額が分かるの?

行政書士の報酬額は、事務所に掲示することが義務づけられています。またホームページを公表しているほとんどの行政書士事務所が報酬額も公開していますから、容易に調べることができます。

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ミツモアでは、地域ごと、サービスごとにおすすめの行政書士をピックアップ、紹介しています。

どんな行政書士がいるか知りたい方は以下のリンクを参照ください。

参考:道路使用許可・占有許可の行政書士【口コミ・料金で比較】|ミツモア

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ここまで道路使用許可について、いろいろお話をしてきましたが、いかがだったでしょうか。道路使用許可の申請手続が煩雑だと感じられた方は、手続の専門家である行政書士に依頼されてはいかがでしょうか。

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