「そもそも更新の期限って何年?」「更新を忘れてしまったらどうなる?」「建設業許可の更新費用っていくらかかる?」「更新に必要な書類とは?」「更新は行政書士に頼まず自分でできるもの?」などなど、建設業許可の更新についての基礎知識を、わかりやすく解説します!
建設業許可の更新は何年ごと?
建設業許可は一度取得すれば永久に有効なものではありません。決まった期限を過ぎると更新手続きを行う必要があります。
まずは更新は何年ごとにしなければならないかについて、詳しく説明したいと思います。
建設業許可の有効期間は?
建設業許可の有効期間は、前回の許可日から数えて5年間です。例えば平成25年6月1日が許可取得日とすると、その5年後の平成30年6月1日の前日の平成30年5月31日までが有効期間となります。
許可取得日がわからない場合、建設業許可取得の際に送られてくる許可通知書や、業者票にも有効期間が書いてあるので、参照するといいでしょう。
有効期間の最終日が土日祝日でも、有効期間は変わりません。その後も建設業許可を継続するためには、更新の手続きが必要です。そうすればそこからまた5年間、建設業許可が継続されます。
更新の要件を満たしているか確認しよう
許可の更新が認められるためには、当然その要件を満たしている必要があります。基本的に新規で許可を取得した時都の要件を更新時も維持できるかの確認になるので、新たにクリアしなければいけない要件はありません。
以下のことに気をつけておけばよいでしょう。
- 異動などで管理責任者・専任技術者が欠けていないかどうか
- 社会保険に加入しているか否か
2点目に関しては、社会保険への加入の徹底が各都道府県で行われているので 注意しましょう。
いつから更新の申請ができる?
いつから申請できるかは、都道府県によって異なりますが、大半は有効期限の3か月前(90日前)から可能になります。申請手続きは前回許可を受けた行政庁の窓口で行いますので、その行政庁に確認してみるといいでしょう。
なお、例を挙げると、東京都は、知事許可であれば期間満了日の2か月前から、大臣許可であれば期間満了日の3か月前から申請できます。
何日前までに申請すればいいの?
建設業許可の更新は、期間満了日の30日前までに申請しなければなりません。更新の審査に30日ほどかかり、有効期間満了日までに新しい許可通知書を取得できるようにするためです。
ただし、大臣許可の更新の際、更新と同時に一般建設業から特定建設業に変更する手続きや、許可業種を追加する手続きを行う場合には、期間満了日の6か月前までに申請しなければなりません。また審査中に追加書類を求められる場合もあります。
建設業許可の更新を忘れるとどうなる?
様々な書類を準備して、建設業許可を苦労してとっても、うっかり更新の手続きを忘れ、その許可が失効してしまうことがよくあるようです。更新を忘れて失効してしまうとどうなるでしょうか?丁寧に解説していきます。
建設業許可の更新するのに有効期間の30日前を過ぎてしまったら?
もし建設業許可の更新するのに有効期間の30日前を過ぎてしまっても、更新の申請が行えないわけではありません。
ただし行政によっては30日前を過ぎると始末書などが必要となり、余計な労力を使うことになります。その上、有効期間を一日でも過ぎてしまうと、申請は受け付けられません。
また有効期間の最終日が休祝日などで行政機関が休みの場合、その前の営業日が申請の期限になりますので注意が必要です。
更新の審査期間中の許可は有効?
有効期間の30日前を過ぎてから更新の申請をすると、審査期間中に許可の有効期間が切れてしまいます。この場合、前回の許可が直ちに無効になるのではなく、審査終了までは有効とみなされます。
審査が通って新しく許可が取れた場合、前許可の有効期限日の翌日が新しい許可の有効期間の初日です。
更新申請が間に合わなかったときは?
もし有効期間内に更新の申請が間に合わなかったときには、また一から許可を取り直さなければなりません。かつ許可の取り直しには、いくつかの問題が出てきます。
まずは、余計な費用がかかるということです。新規の申請は、知事許可9万円、大臣許可15万円の法定費用がかかり、また、行政書士の代行費用も、10万~15万円程度かかってきます。これらは更新の際にかかる費用よりもはるかに多い金額です。
許可の取り直しには財産要件を満たす必要も
更に必要なのが、一般建設業の財産要件として500万円以上の預金残高があること、もしくは決算書の貸借対照表の純資産の合計が500万円以上であることです。
更新の申請だけではこういった財産要件の確認はありません。毎年決算届を提出しているからです。新規申請の場合には改めて財産要件を満たしているか証明する必要が出てくるのです。
もし経営が悪化していて500万円以上の預金残高や純資産がないと、許可の取得ができなくなります。
また、許可を取り直している間は、当然建設業許可がないわけですから、許可が必要な仕事を受注することはできません。
建設業許可の更新、行政書士が出来る事
以上で見てきたように、建設業許可更新は期限が定められているがゆえ漏れなどがあると大変です。
そこで絶対に失敗できない書類の準備や作成について、行政書士にお願いすると安心です。建設業許可の更新手続きに関して、行政書士が出来ることについて説明します。
必要な書類の準備や作成
行政書士に依頼したらまず、直接打ち合わせをして、許可更新の条件を満たしているか確認したり、更新のために必要な書類の確認をしなければなりません。書類については、自身で用意しないといけないものもありますが、その他、面倒な工事経歴書を含む書類などは行政書士の方で作成してくれます。
書類一式を作成したら内容を確認し、必要箇所に捺印します。
書類の提出・更新の申請
行政書士が書類一式を管轄の役所に提出して、建設業許可更新の申請を行います。その後、更新されるかの審査が行われ、審査に通過すると、営業所に許可通知書が郵送されてきて、更新が完了されます。なお次年度の期限の管理もそのままその行政書士に一任できるでしょう。
建設業許可更新で準備するもの
建設業許可の更新をするため、具体的にはどんな書類が必要になってくるのでしょうか。また書類の入手方法や提出方法についても知っておく必要があります。そして許可の申請には書類一式を揃えるだけでなく、ほかにも条件があります。それらをまとめて解説します!
建設業許可の更新に必要な申請書と添付書類
建設業許可の更新に必要な書類は以下の通りです。
1, 必ず提出が必要な書類
書類 | 備考 | |
様式第1号 | 建設業許可申請書 | |
様式第1号別紙1 | 役員等の一覧表 | |
様式第1号別紙2(2) | 営業所一覧表(更新) | |
様式第1号別紙3 | 収入印紙等貼り付け用紙 | 大臣許可のみ必要 |
様式第1号別紙4 | 専任技術者一覧表 | |
様式第4号 | 使用人数 | |
様式第6号 | 誓約書 | |
様式第20号 | 営業の沿革 | |
様式第20号の2 | 所属建設業者団体 | |
様式第20号の3 | 健康保険等の加入状況 | |
様式第20号の4 | 主要取引金融機関名 | |
定款 | 法人のみ、前回のコピーで可 | |
様式第7号 | 経営業務の管理責任者証明書 | 別とじ、管理責任者ごとに作成 |
様式第7号別紙 | 経営業務の管理責任者の略歴書 | 別とじ |
卒業証明書(専任技術者分) | 別とじ、前回申請時のコピーで可、専任技術者について所定学科の卒業要件で証明する場合 | |
資格証明書(専任技術者分) | 別とじ。前回申請時のコピーで可、国家資格者・監理技術者について資格要件で証明する場合 | |
様式第12号 | 許可申請者(※)の住所、生年月日等に関する調書 | 別とじ、様式第7号別紙に記載のある者は不要 |
様式第14号 | 株主(出資者)調書 | 別とじ、法人のみ |
履歴事項全部証明書 | 別とじ、法人のみ |
※法人の役員等、本人、法定代理人、法定代理人の役員等
2, 必要に応じて提出する書類
書類 | 備考 | |
様式第11号 | 建設業法施行令第3条に規定する使用人の一覧表 | 支店を設ける場合 |
様式第9号 | 実務経験証明書 | 別とじ、専任技術者について実務経験要件で証明する場合 |
様式第10号 | 指導監督的実務経験証明書 | 別とじ、専任技術者について指導監督的実務経験の要件で証明する場合 |
監理技術者資格者証 | 別とじ、監理技術者の場合 | |
様式第13号 | 建設業法施行令第3条に規定する使用人の住所、生年月日等に関する調書 | 別とじ、支店を設ける場合 |
また、そのほかにも確認資料として、次のものが求められる場合があります。
営業所附近見取図、様式第11号の2「国家資格者・監理技術者一覧表」、「監理技術者資格者証」、「登記されていないことの証明書」、身分証明書
建設業許可の更新には多くの書類が必要
以上のように、建設業の許可の更新には、たくさんの書類が必要になります。予め様式が決まっている書類や、取締役の身分証明書や登記されていないことの証明書など役所の窓口に行かないといけない書類もあるので、慌てることのないよう余裕を持って準備しましょう。
また、申請する都道府県の窓口によって取り扱いが異なるので、事前に必要な書類をきちっと確認することが重要です。
書類の入手と提出方法
書類の中には、指定の様式の書類でなければならないものがあります。最近は、行政庁のサイトでダウンロードできるので、窓口へ行く必要なく書類を入手することができます。もしパソコンがないときには、窓口へ行って書類を購入することも可能です。
平成27年4月1日から書類の様式が追加や改正されているので、過去の申請書類を参考にする場合は注意しましょう。
捺印が必要な書類には必要な箇所に捺印し、書類が全て整ったら、都道府県の窓口に提出。窓口では記入漏れや添付書類などのチェックを受けます。なお更新が完了すると、許可通知書が届きます。
知事許可は申請書の提出の際に審査を受けて書類が受理されているので、よほどのことがなければ更新許可が出るはずです。提出の際に問題なく書類を整えておくことが大切です。
他にも忘れてはならないのが「決算届」と「変更届」の提出
決算報告届や各種変更届を提出してないと、建設業許可の更新が出来ません。決算が終わってから4か月以内に決算報告届を都道府県庁に毎年提出しましょう。
さらに、会社の商号・資本金の額・役員に関する情報・ 営業所に関する情報・支配人に関する情報 などに変更があった場合には、30日以内に変更届を提出する必要があります。
経営業務の管理責任者に関する情報や専任技術者に関する情報、令3条の使用人に関する情報について変更になる場合は、2週間以内に変更届を提出しなければなりません。
もし決算届や変更届の中に提出していないものがあったら、まず最初にそれを提出しましょう。提出期限を過ぎていたとしても、始末書などが求められる場合はありますが、提出することができます。
建設業許可更新の行政書士の費用は?
建設業許可の更新には、多くの書類の提出と条件クリアが必要であることがわかりました。自分で書類の作成や提出をこなしきれない場合、行政書士に頼みたいでしょう。しかしその費用が気になると思います。
行政書士の費用と、さらに建設業許可を更新する際に国に納める費用についても解説します。
建設業許可を更新する際に国に納める法定費用
更新に必要な法定費用は知事許可が5万円、大臣許可も5万円です。
ただ、一般建設業と特定建設業は別々に計算します。例えば、建築一式は特定建設業、大工工事は一般建設業の許可という場合は、5万円+5万円=10万円になります。この金額は審査のために支払う手数料という名目なので、許可取得ができなくても返還されません。
法定費用の納め方・知事許可の場合
知事許可の場合、手数料は各都道府県が発行する証紙を購入して納付することがほとんどです。一部、現金納付のところもあります。証紙は申請する各都道府県の窓口で購入することができ、その証紙を許可申請書の別紙3貼り付け用紙に貼って納付します。
法定費用の納め方・大臣許可の場合
大臣許可の場合、手数料5万円分の収入印紙を購入し、許可申請書の別紙3添付用紙に貼って納付します。収入印紙は、都道府県窓口だけでなく、郵便局でも購入できます。知事許可は1つの都道府県内にだけ営業所がある場合で、大臣許可は複数の都道府県に営業所がある場合の許可ですので間違えないようにしましょう。
建設業許可更新を行政書士に代行したときの費用
大抵の場合、更新申請を行政書士に任せることになると思います。行政書士の報酬は、5万円~8万円程度が相場です。それよりも高すぎる場合には行政書士の変更を考えてもいいかもしれません。
なお日本行政書士連合会が5年に一度行っている報酬に関する調査によると以下のような結果が出ています。
依頼内容(建設業許可更新) | 報酬の最も多い価格帯 | 報酬の平均値 |
個人、知事 | 5万円~7.5万円未満 | 62,939 円 |
法人、知事 | 5万円~7.5万円未満 | 74,230 円 |
法人、大臣 | 5万円~10万円未満 | 112,299 円 |
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ここまで見てきたように、建設業許可の更新には予め準備が必要な書類や作成しないといけない書類が数多くあるので、自分で準備するのが難しい場合は、専門家である行政書士に依頼することをおススメします。
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