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建設業許可証とは? 資格取得のタイミング、条件から費用まで

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作成者: Yuki Kai

建設業許可とは?

2020年のオリンピック東京大会を目前にして、建設業界は人手不足。大手のゼネコンは、高い技術力をもった建設業者を各地で探しています。そんなときに、求められるのが、建設業許可です。

地元に密着し、地域で小規模の工事を行ってきた会社にとっては、不要だったもの。いざ、取得するとなると、準備すべき書類など、わからないことも多いでしょう。さらに、取得の仕方によっては、その後、事業を承継する際に問題になることもあります。

会社のステップアップにつなげられるよう、建設業許可証を取得するタイミングや必要な費用、不安を解消してくれる相談先など、失敗しないポイントをご紹介します。

建設業許可はなぜ必要なのか?

建設業許可証とは、建設業許可をうけている会社や個人事業主であることを証明する書類です。建設業許可の資格が取得できれば都道府県などに申請して取得できるようになります。

実は、建設業許可は取得しなければ工事ができない、というものではありません。500万円以下の工事を施工する場合は、許可は不要です。そのため、建設業許可証をもたずに、長く工事をしている、という建設業者も少なくありません。許可がないからといって、信頼できない工事をしている、ということはなく、きちんと工事をしてくれる会社も多いのです。

では、なぜ、建設業許可という制度ができたのでしょうか。

建設業許可とは建設業法により定められている資格制度です。建設業法の主な目的は2つです。

目的①発注者の保護

建設業には、一般消費者などの発注側に、工事の品質や安全性が判断できない、という特徴があります。家が傾いているとか、建てたばかりなのに雨漏りがひどい、といったレベルなら判断できますが、耐震基準など安全基準が満たされているか、などは見ただけではわかりません。そこで、発注側を守るために瑕疵担保責任制度など、完成後も数年間製造責任を持つなどの制度があるのです。

目的②適切な建設工事の確保

また、建設業は、さまざまな専門技術が必要で、1つの会社がすべての工事を行うのではなく、それぞれ専門分野の会社に工事を発注することも少なくありません。こういった請負契約の場合も、適切な工事を行ってくれる会社かどうかを判断する必要がありますが、その基準は、すぐにはわかりません。

しかも、工事に必要な費用は、高額。適切な工事が行われなかったからといって、すぐに別の会社でやりなおし、というわけにはいきません。

そこで、この会社は適切な工事をしてくれる、ということを誰かが保証、認定する必要ができたのです。長期の製造責任にも応えられるよう、会社はすぐに倒産してしまうような経営力の会社では困ります。当然、高い技術力も必要です。これらを建設業許可の資格として国が要件を定め、許可証を出すことで、一定以上の力をもつ会社を安心して選び、工事を任せられるようにしているのです。

安全基準の偽装や、手抜き工事など、公共工事やビル建設にまつわるスキャンダルがニュースになっている昨今、消費者の中には、建設業界に対してよいイメージを持っていない人も多いでしょう。そんなとき、建設業許可証で国から認められている建設業者であることを提示できれば、不安を払拭できることもあります。

もちろん、建設業許可資格の取得には、手間も費用もかかります。「自分たちは500万円を超えるような仕事はやっていない」、と安心していても、建設業者が不足している今、ある日突然、大きな仕事がふってくるかもしれません。建設業許可資格は、すぐに取得できるものではないので、チャンスを逃してしまった、ということにもなりかねません。自分たちにとってのメリット、デメリットをしっかり考えておきましょう。

建設業許可を取得するメリット

建設業許可証を申請するメリットは大きく3つです。

1 500万円以上の工事が受注できる

建設業許可を取得しなくても工事は受注できます。しかし、建設法では500万円未満の工事に限定(建設工事は1500円未満)されているので、大きな仕事や、規定を超えるか超えないか、という工事は受けられません。金額を気にせず、工事が受注できるようになれば、営業活動にも力が入りますし、事業拡大や安定化にもつながります。

2 公共工事の入札に参加できる

公共工事には、それほど規模が大きくないものもあります。しかし、公共工事を受注するためには、競争入札参加資格を申請しなければならず、そのための条件になっているのが建設業許可なのです。公共工事の入札に参加できるようになれば、景気に左右されず、一定の仕事量が見込めるようになります。また、工事代金の不払いや回収遅れなどのトラブルがないので、安心して仕事に取り組めます。さらに、公共工事を受注したという実績は信用にもつながります。

3 信用があがる

建設業許可証を持っている、ということは、取得のために国が規定している「経営力」「技術力」「資金力」という点で、一定の条件をクリアした、ということでもあります。そのため、銀行の融資も受けやすくなり、他社との差別化にもつながります。

一方でデメリットもあります。それが、建設業許可証の取得までには、費用や時間がかかること。取得後は工事実績の報告などの義務があり、事務作業が増えることなどが挙げられます。

それでも、会社の経営安定や売上アップを狙っているなら、大きなメリットにつながるのが建設業許可資格の申請。仕事の幅を広げ、有利に仕事を受注するためにも、デメリットも理解した上で、しっかり検討しましょう。

建設業許可の種類①

建設業許可には2種類あります。まず1つめは「知事許可」と「国土交通大臣許可」です。この2つの許可の違いは、営業所の場所をどこに設定するかで許可の発行先が変わる事です。

営業所とは…「常時建設工事の請負契約を締結する事務所」を指します。工事事務所や作業所は含まれません。また、営業所であっても、契約を本社名で行う場合も、建設業許可における営業所にはなりません。

国土交通大臣許可…2つ以上の都道府県に営業所がある場合

知事許可…営業所が1つの都道府県内にある場合。2つ以上の営業所がある場合でも同じ都道府県内であれば、知事許可です。

ちなみに、建設業許可のとりやすさは、どちらも変わりません。また、知事許可だけを持っているからといって他県で工事ができない、ということもありません。東京都知事許可であっても、神奈川県や千葉県で工事をすることができます。

建設業許可の種類②

建設業許可のもう1つの種類は「特定建設業許可」と「一般建設業許可」です。

特定建設業許可…元請として工事を受注し、4,000万円以上(建設一式工事の場合は6,000万円以上)を下請けに出す会社が取得します。自社ですべて工事を行う場合や、下請けで工事を行う場合、下請に出す金額が4,000万円を超えない場合は不要です。

一般建設業許可…2つの組み合わせで取得した設業許可証には「都道府県知事・一般建設業許可」などと記載されます。

1つの会社で2つの許可を取得することはできません。

建設業許可が必要になる業種

建設業の許可は工事の種類(業種)別に申請します。建設業許可が必要になる建設業の業種は29種類。同時に複数の業種を取得することもできます。それぞれ、専門の知識と技術が必要な分野に分かれており、業種を超えて工事を請負うことはできません。

  • 土木工事業(土木一式)…元請業者の立場で総合的な企画・指導・調整のもと、土木工作物を建設(補修、改造、解体する工事を含む)する工事
  • 建築工事業(建築一式)…元請業者の立場で総合的な企画・指導・調整のもと、建築物を建設する工事
  • 大工工事業…木材の加工や取付により工作物を築造、または木製設備を取付ける工事。大工工事・型枠工事・造作工事など
  • 左官工事業…工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等を、こて塗り、吹付け、はり付ける工事。左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事など
  • とび・土工工事業…足場の組み立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄骨等の組立て等を行う工事、くい打ち、くい抜き、場所打ぐいを行う工事、土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事、コンクリートにより工作物を築造する工事、その他、基礎的ないしは準備的工事など
  • 石工事業…石材の加工または積方により工作物を築造し、または工作物に石材を取付ける工事。石積み工事、石張り工事、コンクリートブロック積み工事、コンクリートブロック張り工事など
  • 屋根工事業…瓦、スレート、金属薄板等で屋根をふく工事
  • 電気工事業…発電設備、変電設備、送配電設備、構内電気設備等を設置する工事。発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変電設備工事、構内電気設備(非常用設備を含む)工事、証明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事など
  • 管工事業…冷暖房、冷凍冷蔵、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、または金属製等の管を使用して水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事。冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更生工事など
  • タイル・れんが・ブロック工事業…れんが、コンクリートブロック等により工作物を築造し、または工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、またははり付ける工事。コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、スレート張り工事、サイディング工事など
  • 鋼構造物工事業…形鋼、鋼板などの鋼材の加工または組立てにより工作物を築造する工事。鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油・ガスなどの貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門・水門などの門扉設置工事など
  • 鉄筋工事業…棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、または組み立てる工事。鉄筋加工組立工事、鉄筋継手工事など
  • 舗装工事業…道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、採石等により舗装する工事。アスファルト舗装工事、コンクリート舗装工事、ブロック舗装工事、路盤築造工事など
  • しゅんせつ工事業…河川、港湾などの水底をしゅんせつする工事
  • 板金工事業…金属薄板等を加工して工作物に取付け、または工作物に金属製等の付属物を取付ける工事。板金加工取付け工事、建築板金工事 など
  • ガラス工事業…工作物にガラスを加工して取付ける工事。ガラス加工取付け工事、ガラスフィルム工事など
  • 塗装工事業…塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、またははり付ける工事。塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物塗装工事、路面標示工事など
  • 防水工事業…アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事。アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事など*建築系の防水工事のみで、土木系の防水工事は「とび・土工工事」に含まれる
  • 内装仕上工事業…木材、石膏ボード、吸音板、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事。インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内間仕切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事など
  • 機械器具設置工事業…機械器具の組立て等により工作物を建設し、または工作物に機械器具を取付ける工事。プラント設備工事、運搬器具設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊技施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車設備工事など*電気工事など専門の知識が必要な器具設置については、それぞれ専門の工事に区分される
  • 熱絶縁工事業…工作物または工作物の設備を熱絶縁する工事。冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事、燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事、ウレタン吹付け断熱工事など
  • 電気通信工事業…有線電気通信設備、無線電気通信設備、放送機械設備、データ通信設備などの設置工事。電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV電波障害防除設備設置工事など
  • 造園工事業…整地、樹木の植栽、景石のすえ付けなどにより庭園、公園、緑地などの苑地を築造し、道路、建築物の屋上などを緑化し、または植生を復元する工事。植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、屋上等緑化工事、緑地育成工事など
  • さく井工事業…さく井機械などを用いてさく孔、さく井を行なう工事、または、これらの工事に伴う揚水設備設置などを行なう工事。さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事など
  • 建具工事業…工作物に木製または金属製の建具等を取付ける工事。金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドア取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事など
  • 水道施設工事業…上水道、工業用水道などのための取水、浄水、配水などの施設を築造する工事または公共下水道もしくは流域下水道の処理設備を設置する工事。取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事など
  • 消防施設工事業…火災警報設備、消火設備、避難設備もしくは消火活動に必要な設備を設置し、または工作物に取付ける工事。屋内消化栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧・泡・不燃性ガス・蒸発性液体または粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力消防ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製非難はしご・救助袋・緩降機・避難橋または排煙設備の設置工事など
  • 清掃施設工事業…し尿処理施設またはごみ処理施設を設置する工事
  • 解体工事業…工作物の解体を行う工事

各業種で建設業許可資格を取得するためには、それぞれ異なる要件を満たす技術者が必要です。「将来、業種を拡大するかもしれない」などの理由で技術者がいない業種の許可を取得することはできません。業種は後で追加することもできるので、必要なものを選ぶようにします。

各業種の範囲については、細かい規定もあります。国土交通省のホームページには、建設業の業種と工事区分の考え方が記載されているので、事前に確認しましょう。

不動産業者、建築士の取得も増加

最近では、不動産業者や建築士が建設業許可を取得することも増えてきました。これは、不動産を売買する際、中古住宅をリノベーションしたり、管理物件のリフォームなどを自社で行うことで、コストダウンだけでなく、売上アップにもつながるためです。オーナーと蜜にコミュニケーションがとれる不動産業者だからこそ、管理物件の修繕のタイミングですぐに提案し、対応することもできます。

また、設計を主に行う建築士も、建物の建設までを一貫して受注できるよう、建設業許可を取得しています。戸建て住宅の設計から施工までを受注したい、内装工事の施工が増えている、などが主な理由です。

いずれの業種でも、仕事の幅が広がり、経営の安定化につながることを目的に、建設業許可を申請しているのです。そのほかの業種でも、信頼アップなどを目的に建設業許可証を取得することが増えています。建設業者でなければ取得できない、というものではないので、関連する業種では、検討してみてもいいかもしれません。

建設業許可証が必要になるタイミング

大きな仕事を受注するときに建設業許可証が求められます
大きな仕事を受注するときに建設業許可証が求められます

事業拡大や経営安定にもつながる建設業許可証の取得ですが、必ずしも取得しなければならないわけではありません。必要になるタイミングは以下のような場合です。

500万円以上の工事受注をするとき

建設業法では、500万円以上の工事(建設工事は1500円未満)を受注する場合は、建設業許可を取得していることが定められています。もし、違反して受注してしまった場合、3年以下の懲役、または300万円以下の罰金が科せられます。

一度違反してしまうと、5年間を経過するまでは建設業許可は取得できません。「ばれないだろう」と思わず、必ず、建設業許可証を取得してから、受注するようにしましょう。

元請け建設業者から依頼があったとき

公共工事が増加している背景もあり、大手や中堅の建設業者は、高い技術をもった下請け業者を常に探していると言われています。大きな工事を請負う際には、ほとんどの元請業者が建設業許可証の提示を求めています。法律上は建設業許可が必要ない、500万円以下の仕事であっても、「許可証がなければ仕事を出せない」と言われることも増えています。

いざ、仕事がもらえる、という場面で困ることがないよう、事前に、早めに取得している会社も増えています。

公共工事を受注したいとき

公共工事を受注する際には、各都道府県、市町村毎に、競争入札参加資格申請をする必要があります。これは、登記された法人であることや、経営状態が安定していることなどを証明する書類を添えて、申請するものです。ここで、資格を認められて初めて、公共工事の競争入札に参加できるようになります。

入札への参加資格申請の際には、必ず建設業許可証の提示が求められます。そのため、公共工事の設定価格が500万円に満たなくても、建設業許可が必要です。

事業承継のとき

建設業許可には、個人に対するものと法人に対するものがあります。個人事業主として建設業許可を受けている場合、たとえ、子どもがその事業を承継する場合でも、建設業許可を引き継ぐことはできません。そのため、新規で建設業許可の申請をすることになります。

建設業許可の要件には、経営の経験年数も入っているので、たとえ、同じ仕事を一緒にしていたとしても、経営経験年数が足りず、許可がもらえなくなる、ということもあるのです。

スムーズに事業承継するためには、建設業許可を法人化する、子どもが経営を補佐しているように登記するなど、かなり早い時期からの対応が必要です。体調不良など、いつ、どのように事業承継のタイミングがくるかわかりません。建設業許可証の申請の段階で、事業承継を考えた手続きをしておくよう心がけましょう。

建設業許可証取得に必要な条件

技術者だけでなく経営責任者がいることが要件
技術者だけでなく経営責任者がいることが要件

建設業許可証取得のためには、3つの条件があります。建設業許可申請は、他の業種の営業許可申請に比べ、条件が厳しいと言われます。どれか1つでも欠けていると、許可証は取得できません。

経営経験がある経営責任者

建設業許可資格には、「一定の経営経験がある」経営責任者が必要です。瑕疵担保責任があり、保証期間が長い建設業では、保証期間に会社が倒産してしまっては、発注者に迷惑がかかることになります。そのため、適正な経営を行う会社であることを証明するために、建設業の経営業務を、一定期間以上経験した人が、最低1人いることが要件になっています。

この場合の経営業務とは以下と規定されています。

・許可を受けようとする建設業に関し、5年以上経営業務の管理責任者としての経験を有していること。

・許可を受けようとする建設業に関し、経営業務管理責任者に準ずる地位にあって次のいずれかの経験を有していること。
①経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として5年以上建設業の経営業務を総合的に管理した経験
②6年以上経営業務を補佐した経験

・許可を受けようとする建設業以外の建設業に関し、6年以上次のいずれかの経験を有していること。
①経営業務の管理責任者としての経験
②経営業務管理責任者に準ずる地位にあって、経営業務の執行に関して、取締役会の決議を経て取締役会又は代表取締役から具体的な権限委譲を受け、かつ、その権限に基づき、執行役員等として建設業の経営業務を総合的に管理した経験

法人として建設業許可を申請する場合は、常勤の役員のうち1人、個人で申請する場合は、本人または支配人のどちらかが、上記に該当しなければいけません。この人を経営業務の管理責任者として、申請します。

もし、経営業務の管理責任者が退任した場合、後任がいない場合は許可を取り消されることになります。すぐに変更申請をすることになりますが、その場合、上記の条件に当てはまる人がいないとみなされることもあります。万が一を考えて、会社の組織を作っておくことが重要です。

資格と一定の経験をもつ専任技術者

建設工事の質を担保するための要件として設定されているのが、専任技術者の設置です。専任技術者は建設業許可を受けたいを建設工事ごとに必要です。「営業所ごとに専任の者を設置する」と定められているので、その営業所に常勤している技術者を記載しなければいけません。同一営業所であれば、2つ以上の業種で専任技術者になれますが、営業所が異なる場合は兼任できません。

万一、各営業所で専任技術者が不在になった場合、やはり、建設業許可が取り消されてしまいます。常に、必要な要件を満たした技術者が複数いるよう、考慮しておくことが重要です。

専任技術者の要件は、一般建設業と特定建設業で異なります。一般建設業の場合は、以下のいずれかに該当していることが要件です。

①学歴+実務経験
建設業許可を申請する業種について、指定学科修了者で高卒後5年以上若しくは大卒後3年以上の実務の経験を有する者(ただし、短大、高等専門学校は大卒とみなすが、民間の専門学校は学歴として考慮しない)

 ②実務経験
建設業許可を申請する業種について、10年以上の実務経験を有する者

 ③資格
建設業許可を申請する業種について、指定の資格を有する者

指定の学科や資格については、国土交通省のホームページに一覧が掲載されています。

また、実務経験については、複数の業種の実務経験期間を兼ねることができないことに注意が必要です。たとえば、塗装工事業と内装仕上工事業を兼業で10年以上の実務経験がある場合、それぞれの業種で専任技術者になることはできません。どちらか1つを選択することになります。

ただし、複数の業種の専任技術者になることを想定した要件緩和措置も検討され、一部が施行されています。申請にあたっては、最新の情報を国土交通省のホームページで確認するようにしましょう。

500万円以上の資金

建設業には、資材の購入や労働者の確保、機械の購入など、必要な経費が大きい、という特徴があります。そのため、建設業許可が必要な500万円以上の工事を請負うことができる財産的基礎があるかどうかも、許可の要件になっていま。

要件は一般建設業と特定建設業では異なります。

《一般建設業》
次のいずれかに該当すること。
・自己資本が500万円以上であること
・500万円以上の資金調達能力を有すること
・許可申請直前の過去5年間許可を受けて継続して営業した実績を有すること

《特定建設業》
次のすべてに該当すること。
・欠損の額が資本金の20%を超えていないこと
・流動比率が75%以上であること
・資本金の額が2,000万円以上であり、かつ、自己資本の額が4,000万円以上であること

建設業許可証取得までの流れ

建設業許可申請には膨大な書類が必要
建設業許可申請には膨大な書類が必要

元請業者から「○○までに建設業許可を取得してください」と依頼されるケースも増えています。建設業許可証が取得できるまでに、どのような書類が必要で、どのくらいの期間がかかるのでしょうか。必要な費用についても確認しておきましょう。

申請のために必要な書類

建設業許可の申請に必要な書類は、多岐にわたります。書類様式は、申請する都道府県のホームページなどに手引きが掲載されているので、参考にするとよいでしょう。申請書類様式のダウンロードもできます。

必要な書類は、大きくわけて
・申請書様式
・添付する法定書類
・管理責任者や専任技術者の証明資料
の3種類です。

<申請書様式>
・役員の一覧表 (法人のみ)
・営業所一覧表
・直前3年の各事業年度における工事施工金額
・使用人数
・誓約書
・経営業務の管理責任者証明書
・専任技術者証明書
・実務経験証明書(専任技術者を実務経験で申請する場合のみ)
・指導監督的実務経験証明書(特定建設業で専任技術者を実務経験で申請する場合のみ)
・令第3条に規定する使用人の一覧表(本社以外の営業所があり、その営業所に支店長など請負契約について一定の権限を有する人がいる場合)
・国家資格者等・監理技術者一覧表(大臣許可は該当する人がいない場合も作成。知事許可は該当する者がいなければ作成しなくてよい)
・許可申請者の略歴書(本人・法人の役員(監査役除く)全員)
・令第3条に規定する使用人の略歴書(本社以外の営業所があり、その営業所に支店長など請負契約について一定の権限を有する人がいる場合)
・株主(出資者)調書(法人のみ)
・財務諸表(直前1年分)
・営業の沿革
・所属建設業者団体
・健康保険等の加入状況
・主要取引金融機関名

<添付する法定書類>
法務局や税務署、市区町村役所などで取得するほか、自分で作成するものもあります。

・商業登記簿謄本又は履歴事項全部証明書(直近3か月以内)
・納税証明書
知事許可 法人:法人事業税・個人:個人事業税
大臣許可 法人:法人税・個人:所得税
※創業してから一度も決算期に到来しておらず、上記納税証明書が添付できない場合、
法人:法人設立(開設)届控え(写)
個人:個人事業開業届出書控え(写)
・500万円以上の銀行残高証明書(財務諸表で自己資本が500万円未満の場合)
・住民票の写し(経営業務管理責任者・専任技術者・令3条に規定する使用人分)
・登記されていない(成年被後見人・被保佐人ではない)ことの証明書(本人・役員・令3条に規定する使用人分)
・身分(成年被後見人・被保佐人に該当せず、破産者で復権を得ないものに該当しない)証明書(本人・役員・令3条に規定する使用人分)
・定款(写)(法人のみ)
・定款変更に関する議事録(写)(定款に変更がある場合)

<管理責任者や専任技術者の証明資料>
記載以外の書類でも証明が可能な場合があります。

・経営業務の管理責任者の「常勤」の確認(健康法検証の写し、直近の住民税特別徴収税額通知書など)

・経営業務の管理責任者の「経験期間」の確認
法人:商業登記簿謄本又は履歴事項全部証明書
個人:所得税確定申告書の写し

・経営業務の管理責任者の「建設業に係る経営業務を行っていたことの裏付け」の確認
法人:法人税確定申告書
個人:所得税確定申告書

・専任技術者の「常勤」の確認(健康法検証の写し、直近の住民税特別徴収税額通知書など)

・専任技術者の「経験期間」の確認(社会保険の被保険者記録照会回答票の写し、健康保険被保険者証の写し、源泉徴収票の写しなど。実務で申請する場合のみ)

・専任技術者の「申請する建設業種の実務に従事していた裏付け」の確認(実務経験証明書、所得税確定申告書、勤務先の法人税確定申告書など。実務で申請する場合のみ)

・専任技術者の「資格」の確認(資格者証)

・令3条に規定する使用人の常勤の確認書類(健康法検証の写し、直近の住民税特別徴収税額通知書など)

・営業所の確認書類(営業所の案内図、営業所の写真(入り口と内部)、建物謄本又は賃貸借契約書の写し)

・健康保険等に関する確認書類(保険料領収書の写し)

提出が必要な書類は、会社の状況によっても異なります。事前に、都道府県の担当窓口に確認すると安心です。

官公庁や銀行から取得する書類は、有効期間が設定されています。書類作成には予想以上の時間がかかりますので、書類作成完了のタイミングを図りながら、書類を取得するようにしましょう。

申請書類は、正本1分、副本が1~3部、必要です。部数は都道府県によって異なる場合もあるので、申請先に確認しておきましょう。

建設業許可取得に必要な費用

建設業許可の申請時には知事許可の場合は手数料が、大臣許可の場合は登録免許税が必要です。手数料と登録免許税は一般建設業許可と特定建設業許可のそれぞれで必要です。例えば、建築一式工事で特定建設業許可、電気工事で一般建設業許可を申請する場合は、それぞれに手数料や登録免許税を支払うことになります。

・知事許可の場合 9万円
・大臣許可の場合 15万円

業種を追加して申請する場合も手数料5万円が必要になります。

申請から取得までの期間

建設業許可申請から許可資格を得るまでの期間は、一般的に以下の通りです

・知事許可の場合 約45日
・大臣許可の場合 約120日

あくまで、申請書を提出してからの期間なので、実際に申請しようと思ってからの期間はもっと長くなります。

申請書作成は、自分で行った場合、1~3カ月程度必要といわれます。できるだけ早く取得したいのであれば、申請書を少しでも早く作成することが重要です。

許可がおりた場合、建設業許可通知書が送られてきます。再発行されない書類なので、大切に保管しておきましょう。通知書がきて初めて、建設業許可証明書が取得できるようになります。建設業許可証明書とは、公共工事の入札参加や取引先の求めに応じて、申請して取得するもの。すぐに発行されるわけではなく、2週間程度かかることが多いようです。

最近では、建設業許可通知書のコピーを、建設業許可証明書に代えることを認めている業者も多いようなので、通知書はなくさないようにしましょう。

建設業許可は決算報告や更新が必要

建設業許可は、資格を得て終わり、ではありません。適切な経営が継続しているか、毎年決算報告の提出が義務付けられています。また、有効期限は5年なので、5年ごとに、許可の更新が必要です。更新手数料は5万円です。

更新時も、申請時に提出した様式と同じものが必要です。更新の申請期間は有効期限満了の30日前まで。更新の審査期間が30日程度かかるためです。

有効期間の30日前をすぎても更新の申請は行なえますが、有効期間を1日でも過ぎると申請は受け付けてもらえません。直前に慌てずにすむよう、事前に準備しておきましょう。

建設業許可証取得が相談できる行政書士

建設業許可申請が相談できる許認可のプロが行政書士
建設業許可申請が相談できる許認可のプロが行政書士

多くの書類作成が必要な建設業許可申請。現場での仕事をしながら作成するのは、簡単ではありません。これまで作成したことがないような書類作成や、今後の展開を考慮した記載方法のポイントなど、わからないこともたくさん。そんなときに強い味方になってくれるのが行政書士です。

行政書士とは?

行政書士とは、役所に提出する書類を代理人として作成する国家資格をもった人のことです。特に許認可を申請するための書類は、専門的な知識が必要なものも多く、建設業許可申請書類も作成し、提出も代行してくれます。

建設業許可申請を行政書士に依頼するメリット

行政書士に依頼できる書類作成は、建設業許可だけではありません。公共工事の入札参加に必要な経営事項審査書類や、法人設立などの許認可書類の作成も依頼できます。

建設業許可申請を行政書士に依頼する最大のメリットは、申請期間が短くなること。会社の状況にあわせた書類を作成、準備してくれるので、何度も役所などに行く必要がないだけでなく、短期間で申請書類を提出できます。行政書士に書類作成を依頼した場合、大体2週間程度で書類を作成してくれるので、知事許可であれば、約2カ月で建設業許可証を取得できるようになります。

また、専任技術者の変更時の変更届、毎年提出が必要な決算届、5年毎の更新手続きなども依頼できます。建設業許可関連の手続きを、すべて依頼しておけば、提出忘れで許可を取り消される心配もなく、安心して本業に専念できるのです。

もちろん、書類作成時は、会社の形態や、今後の展開などを考慮しながら、さまざまなケースに応じてトラブルにならないよう配慮した作成をアドバイスしてくれます。多くの会社が直面する事業承継時の問題も、事前に対応してくれるので、安心です。

自分たちでは気づかない、細かい配慮がされた書類作成は、行政書士に依頼する際のメリットです。

依頼費用の相場

建設業許可申請の書類作成を行政書士に依頼する場合の費用は、10~20万円程度が多いようです。

その後の更新管理等を無料でやってくれる行政書士もあります。その他の書類作成の定期的な依頼など、さまざまな条件によって、相談にのってくれることもあります。

信頼できる行政書士を選ぶポイント

建設業許可は申請して、建設業許可証を取得して終わり、ではありません。その後も書類作成が必要な場面は多く、行政書士とは長いお付き合いをしている会社も多いようです。

そのため、安心して長く依頼できる行政書士を探したいもの。そのポイントは、コミュニケーション力や対応力など、一般的なビジネススキルに加えて、建設業についての専門知識や経験があるか、も判断基準になります。建設業許可申請は、行政書士が担当できる許認可申請の中でも、専門的な知識が必要とされるもの。得意不得意が現れやすいので、実績を確認しておくとよいでしょう。

また、建設業許認可についても法改正が頻繁に行われています。定期的に許認可申請を行っている行政書士であれば、最新の知識に基づく書類作成が期待できます。毎月どのくらいの手続きをしているか、などを事前に聞いてもいいでしょう。

他の士業とのネットワークを、付加価値として打ち出している行政書士もいます。保険関連や社会保険労務士、売掛金回収は弁護士など、さまざまな問題に直面した際に対応できる士業を紹介してくれれば、安心してまかせられます。

さまざまなケースを想定し、対応が期待できる行政書士か、を判断することで、長くお付き合いできる行政書士と出会える可能性は高まります。

まとめ ミツモアで行政書士を探そう

ミツモアなら、経験豊富な行政書士が見つかります!
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業務拡大や売上アップのために、今後必要度が増す建設業許可証の取得。すぐに取得できるものではないからこそ、あらかじめ検討して、申請の準備をしておくことが大切です。でも、通常の現場業務を行いながら、自分で申請するには、膨大な書類の作成、準備など、とても大変。スムーズな許可資格取得のためには、行政書士に依頼することもポイントの1つです。

ミツモアには、建設業許可申請などの豊富な実績を持つ行政書士が多数登録しています。必要な許認可の内容だけでなく、その後に依頼したい内容などもフォームに登録いていけば、最大5社から無料で見積もりがもらえます。その後、メールで、気になることを相談したり質問していけば、長くお付き合いできる行政書士がきっと見つかりますよ!

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