- エアコンの電気代を節約したい
- 温度と電気代の関係が気になる
- すぐにできる節電方法が知りたい
そんなあなたのために、この記事では15通りの節電方法を紹介します。エアコンを効率よく使って、電気代をグッと抑えましょう。
外出時のエアコンはつけっぱなしにした方が節電になる?
エアコンは起動時に多くの電力を使うため、30分以内の外出であればつけっぱなしにした方が節電になるでしょう。数時間以上外出する際は電源を切った方が節電になります。
エアコンの節電目安は何度?
環境省が推奨するエアコンの温度は冷房で28度、暖房で20度です。設定温度を1度変えると、消費電力が10~13%変わります。
エアコンの節電を考えるうえで大切なのは次の3つのポイントです。
- エアコンの出力
- 室温や湿度などの室内環境
- エアコンの運転効率
ポイントをきちんとおさえておかないと、効果のない節電対策をしてしまったり、場合によっては体調を崩してしまったりする可能性もあります。しっかり確認していきましょう。
節電の3つのポイントと具体例
エアコンの節電をするときに考えるべきことは下記の3つです。
考えるべきこと | 具体例 |
①エアコンの出力を抑えた運転をする |
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②室内環境を整える |
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③エアコンの運転効率を上げる |
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エアコンには最大出力がありますが、出力が上がれば上がるほど、当然たくさんの電気を使います。
この出力を抑えれば消費電力が減り、省エネにつながります。設定温度を調節したり、自動運転を利用したりすると、出力を必要最低限にすることができますよ。
またエアコンが使う電力量は温度や湿度などの室内環境に大きく左右されます。カーテンや加湿器を使用するなど、すぐにできることでも消費電力を抑えることが可能です。
そしてエアコンの運転効率が高いと、同じ電力を使っていても部屋の冷え方や温まり方が全く変わってきます。サーキュレーターを使用したり、窓の開閉を最小限にしたりすることで、運転効率を上げることが可能です。
【大前提】節電で体調を崩さないように気を付けよう
エアコンの節電を意識するあまり、体調を崩してしまわないように注意しましょう。
特に夏場は熱中症になってしまう危険性もあるので、絶対に無理は禁物です。当たり前の話ですが、気温や室温は体調に大きな影響を与えます。充分注意してください。
節電して生活を豊かにしようとしているのに、節電が原因で体調を崩してしまったのでは本末転倒です。快適さと節電がちょうどいいバランスになるよう意識しましょう。
一年中有効な節電方法
設定温度の調整や自動運転の設定など、エアコンの出力を抑えるだけでも節電効果が期待できます。
対策自体は難しいものはなく、すぐにできることばかりなので、ぜひ試してみてくださいね。
設定温度を調整する
部屋の温度が冷えすぎたり暖まりすぎたりしたときは、設定温度を変更して調整しましょう。
「温度調整だけだと、そんなに変わらないのでは?」と思うかもしれませんが、冷房は設定温度を1℃高くすると約13%、暖房は設定温度を1℃変えると約10%も電力消費量が変わります。
温度は夏場は26℃~28℃、冬場は20℃~22℃を目安に、無理のない範囲で設定するとよいでしょう。
環境省が冷房と暖房それぞれで推奨する室温を発表しており、冷房は28℃、暖房は20℃の室温がおすすめされています。
とはいっても推奨された室温は、環境への配慮なども考えて設定されたものであるため、暑いまたは寒いと感じる方もいらっしゃいますよね。
その場合は後半で紹介する設定温度の調整以外の解決策を実践してみてください。
エアコンの設定温度の目安については、下記の記事でも詳しく説明しているので参考にしてみてください。
風量は「自動運転」を利用する
エアコンは自動運転が、もっとも節電効果が高いです。
意外に思われた方も多いと思いますが、弱風で運転すると快適な温度になるまで時間がかかり、電力が無駄になってしまいます。
自動運転は設定温度まで一番効率的な運転をするので、電力を無駄にすることなく、快適な温度になるというわけです。
窓や扉の開閉は最小限に
エアコンの運転効率を高めるため、窓や扉の開閉は最小限にしましょう。
頻繁に窓を開け閉めしたり、長時間開けっ放しにしたりしてしまうと、せっかくエアコンが冷やしたり暖めたりした空気が外に逃げてしまうからです。
そうすると室温が変わってしまい、またエアコンが頑張らなくてはならず、効率が悪くなってしまいます。同様に、換気扇などの使用も最小限にしましょう。
エアコンを使用するときは、室内の空気が逃げないよう配慮することが大切です。
場合によってはつけっぱなしがおすすめ
次のようなケースにあてはまる場合は、エアコンをつけっぱなしにすると節電効果が発揮できます。
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外気温と設定温度の差が激しい場合や、日中30分ほど出かける場合などはつけっぱなしにしておいたほうが節電効果が高いです。
先にもお話ししたとおり、エアコンは室温を下げたり、上げたりするときにもっとも電力を使います。
外気温との差が大きい場合や、ちょっと出かけるだけのような場合でもこまめに運転を止めていると「温度を下げたり上げたりする状況」が頻発することになり、多くの電力を使ってしまうのです。
ただし、24時間つけっぱなしが節電になるわけではありません。上記の場合以外はタイマー機能を使って必要な時だけ運転させ、無駄な運転は極力ひかえるようにしましょう。
長期間エアコンを使用しないときはプラグを抜く
長く使用しないときはエアコンのプラグを抜き、無駄な電力を消費しないようにしておきましょう。
「スイッチを入れていないんだから、電力は使っていないんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、エアコンはプラグが刺さっていると、リモコンの電波を受信するために常にスタンバイ状態になっています。
たとえ使っていなくても少しずつではありますが、電力を消費しているのです。
長く使わないのに電力を消費するのはもったいないので、プラグは抜いておくようにしましょう。
夏のエアコン節電方法
先程は季節に関係ない節電方法を解説しましたが、ここからは夏と冬に分けて節電方法をさらに解説していきます。
吹き出し口を上向きまたは水平にする
夏はエアコンの吹き出し口を上向きまたは水平にすることで、エアコンの出力を抑えることが可能です。
冷たい空気のほうが温かい空気より空気の密度が高く重いため、低い場所にとどまる性質があります。
水平またはやや上向きにエアコンの風向きを設定することで、冷えた空気が天井付近を通ってから床付近に降りてくるため、自然と冷気で対流が発生し、部屋全体を涼しくすることができるのです。
エアコンを使用する前に換気しよう
夏の夕方などには、外の気温よりも部屋の中が熱くなっていることがよくあります。そのようなときは、エアコンのスイッチを入れる前に窓やドアを開けて換気しましょう。
部屋の中の熱を外に逃がすことで室温を下げられるので、エアコンの出力を抑えることができます。
換気をする際は、対角線上にある窓を2ヶ所以上開けることが大切です。また風が入る窓より風が出ていく窓を大きく開けることでより効率のいい換気が可能になります。
窓が一つしかない場合は、開けた窓の前に扇風機を外に向けて設置することで、換気しやすくなります。
「外よりも部屋の中の方が暑い!」と感じたときには換気をしてからエアコンをつけるようにしましょう。
「弱冷房除湿」を利用する
「冷房」より「除湿」を利用した方が節約になると聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
除湿には「弱冷房除湿」と「再熱除湿」の2種類があり、電気代が安い方から次の順番になります。
①弱冷房除湿→②冷房→③再熱除湿 |
「弱冷房除湿」は「冷房」より消費電力量が少ないので、節電につながります。
一方、部屋の温度は「冷房」よりも下がりにくいというデメリットがあるため、利用する場面に合わせて使い分けるのがおすすめです。
除湿運転の詳細な電気代や使い方については次の記事でくわしく解説しているので、利用の際にはあわせてチェックしてみてくださいね。
冬のエアコン節電方法
ここからは冬に効果があるエアコン節電方法を解説していきます。夏とは節電方法が異なるので、それぞれきちんと区別していきましょう。
吹き出し口を下向きにする
エアコンの吹き出し口を冬は下向きにしておくことで、エアコンの出力を抑えることができます。
温かい空気は密度が小さく、高い場所にとどまる性質があるため、冬は下向きにしておくことで温められた空気が床を通って天井に向かいます。
そのため部屋全体にまんべんなくエアコンの温風が行き渡るわけです。
冬は加湿器を使用する
冬は加湿器を使うことで体感温度が上がり、少し低い温度でも暖かさを感じることができるようになります。
わたしたちは、同じ温度であっても湿度が高い方が暖かさを感じやすいのです。特に冬は乾燥し、部屋の湿度も低くなりがちです。しっかり加湿し、湿度を保つようにしましょう。
ただし、湿度が高くなりすぎると結露の原因になるので注意してくださいね。
室内環境を整えて節電
エアコンの節電効果を高めるためには、室内環境も重要です。いくらエアコンの出力を抑えて運転効率を高めたとしても、温度や湿度が高いなどで部屋の環境が悪いと、その効果が弱まってしまいます。
部屋の環境を整え、節電効果の出やすい環境を作っていきましょう。
カーテンを使用する
カーテンを上手に活用すれば、室温をコントロールしてエアコンの運転効率を高めることができます。
季節 | カーテンの使い方 |
夏 |
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冬 |
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夏はカーテンを閉め、窓から入る直射日光をブロックします。熱の侵入が約30%程度抑えられるので、そのぶん、エアコンの出力を抑えることが可能です。
冬は、夜はカーテンを閉めますが、昼間は開けておきます。夜は窓から入ってくる冷気をブロックして、昼間は部屋に日光を取り入れて室温を上げていきましょう。
室温が上がれば暖房効率も上がるので、より少ない電力で暖かい部屋をキープできるというわけです。
このとき遮熱カーテンを利用すると、冷暖房の必要性を下げられるのでおすすめです。
家族団らんの時間を増やす
意外に思われるかもしれませんが、家族団らんの時間を増やすことも節電につながります。
家族が各部屋でエアコンを利用するよりも、全員が1つの部屋に集まり、1つのエアコンを使用した方が電力消費は抑えられるからです。
特に冬などは人が多く集まれば人間の体温でも室温が上がるのでいい方法と言えます。節電もできて家族の仲も良くなる、一石二鳥の方法です。
エアコンの運転効率を上げて節電
エアコンの運転効率が上がると少ない電力でも温度の上げ下げができるようになり、節電効果が大きく高まります。
定期的なメンテナンスや簡単な掃除でも運転効率は大きく変わるので、ぜひやっておきましょう。
サーキュレーターを使用して空気を循環させる
サーキュレーターを使用して空気を循環させることで、エアコンの運転効率を高めることが可能です。
先ほども少しお話ししましたが、暖かい空気は高所に、冷たい空気は下に留まるという性質があります。
空気がそれぞれの場所にとどまったままだと室温に偏りができて運転効率が悪くなってしまうため、空気が混ざる流れを作ることでエアコンの運転をサポートできるのです。
季節 | サーキュレーターの置き方 |
夏 | エアコンを背にして風の通り道に置く |
冬 | エアコンの方に向けて置く |
具体的な設置場所ですが、夏はエアコンの風の通り道におき、部屋の空気の循環を助けます。下にたまりやすい冷気を循環させてあげましょう。
冬はサーキュレーターから出る風をエアコンに向け、高い所にとどまりがちな暖かい空気を部屋全体に循環させます。
サーキュレーターを上手に使い、運転効率を高めていきましょう。
エアコンをこまめに掃除する
エアコンのこまめな掃除を心がけておけば、運転効率の高い状態を維持できます。
エアコンの掃除箇所は主に、フィルターとエアコン内部の2つです。フィルターは2週間に1回は水洗いし、ゴミなどがたまらないようにしておきましょう。
フィルターにゴミが詰まった状態だと、5~10%の電力を余分に消費します。積み重なると大きいので、意識して掃除したいところです。
またエアコン内部は自分で掃除するのが難しく、プロにお願いすることになります。半年に1回ずつ掃除するのが理想ですが、お金もかかることなので、最低でも年に1回はやっておくと安心です。
室外機を掃除する
室外機の掃除もエアコンの節電に効果を発揮します。
表面の汚れは水拭きし、周囲に置かれている物がある場合は取り除いておきましょう。
室外機の表面や裏面に汚れがつくと空気の流れが悪くなり、運転効率が悪くなってしまいます。
また周囲に物が置かれていると熱放出がさえぎられてしまうため、必要以上の電力を消費する要因となるのです。
室外機の掃除については次の記事で詳しく解説しているので、あわせて参考にしてみてください。
エアコンを買い替える
お使いのエアコンが5〜10年以上使用されているものの場合、最新式のエアコンに買い換えるだけでかなりの節電になる可能性があります。
エアコンは長年使用していると経年劣化によって、だんだんと運転効率が落ち、電気代が増えてしまいます。
購入から5年後には新品の20~30%ほど消費電力が増え、10年後には50%も増えると言われているんです。
かたや最新式のエアコンは性能も良く、節電効果も優れています。もし古いエアコンをお使いであれば、買い替えも検討してみるとよいでしょう。
エアコンの節電でやってはいけないNG例
エアコンの節電を考える際にやってしまいがちなNG例を紹介します。
電源のこまめなオン/オフや、最初から弱運転でスタートするのは、消費電力が余分に発生する原因となるので注意が必要です。
エアコンの電源を頻繁にオン/オフする
エアコンの電源を頻繁にオン/オフしてはいけません。
エアコンは室温が設定温度に到達するまでに、いちばん多くの電力を消費します。運転を止めると室温が大きく変わるので、再び多くの電力を消費して電気代が余分にかかってしまうのです。
冷え過ぎたり暖かくなり過ぎたりした場合は、電源のオン/オフで温度をコントロールするのではなく、設定温度を変更するようにしましょう。
最初から弱運転に設定する
最初から弱運転でエアコンを起動するのもよくあるNG例です。
エアコンを運転開始時から弱運転で使用すると、設定温度に達するまでに多くの時間がかかってしまうため、消費電力がかさむ原因となってしまいます。
節電を意識した使用をするのであれば、弱運転ではなく「自動運転」を活用しましょう。
24時間つけっぱなしにする
先述の通り、外気温と室内の温度差が激しい場合や、30分程度の外出の際にはつけっぱなしが効果的ですが、24時間のつけっぱなし運転はかえって逆効果です。
部屋を長時間にわたって留守にする場合は、エアコンの電源を切るように心がけてくださいね。
夏と冬ともに消費電力量が多い「エアコン」
夏場・冬場ともに消費電力量が多い「エアコン」。そのためエアコンの電気代を把握することは、節約において大変重要です。
いったいエアコンの電気代は、年間を通じてどのくらいかかっているのでしょうか。
年間にかかる電気代の目安
エアコンの電気代の目安を表にしてまとめました。
対応畳数 | 期間消費電力 | 年間電気代の目安(税込) |
6畳 | 693kWh | 18,711円 |
8畳 | 787kWh | 21,249円 |
10畳 | 846kWh | 22,842円 |
12畳 | 1,265kWh | 34,155円 |
14畳 | 1,302kWh | 35,154円 |
18畳 | 1,772kWh | 47,844円 |
20畳 | 2,021kWh | 54,567円 |
参考:家庭用エアコン(ルームエアコン)国内出荷実績|一般社団法人 日本冷凍空調工業会 |
表を見てもわかるように、エアコンの電気代は非常に高いです。そのため、これまでに紹介した節電対策を使い分けて、消費電力を抑えていくことが大切です。
エアコンの電気代の目安や計算方法については、次の記事で詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてくださいね。
関連記事:エアコンの電気代はどのくらい?期間別の目安や計算方法を解説!|ミツモア |
エアコンのおすすめ節約アイテムも紹介
ここまでは主に、エアコンの運転における節約方法を紹介してきましたが、もちろんそれ以外にもエアコンの節電に有効なアイテムがあります。
ここではおすすめの節電アイテムを夏場と冬場に分けて紹介します。
夏の暑さにおすすめな節電アイテム
夏の暑さにおすすめの節電アイテムは以下の3つです。
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冷感インナーや冷感敷きマットは、体から出る熱を拡散させる熱伝導の高い繊維を利用しているので、熱がこもりにくく、夏を涼しく快適に過ごすためには欠かせないアイテムです。
また、保冷剤を扇風機の羽に取り付け冷風を送ることできる扇風機保冷剤というアイテムもあります。エアコンを使わず、扇風機だけで過ごしたい!という方にはおすすめのアイテムです。
冬の寒さにおすすめでのアイテム
冬の寒さにおすすめの節電アイテムは以下の3つです。
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遮熱インナーは体温を維持する特殊な繊維を使用しているので、暖房器具の使用を控えることができ、節電につながります。
断熱フィルムは露結防止にも役立ち、室温を外気の変化から守ってくれます。取り付けも簡単なのでとても便利です。
湯たんぽはお湯を入れることで体を温めるおなじみのアイテムです。最近はおしゃれな湯たんぽもあるので、暖房代わりに活用してみてください。
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