紙やエクセルで行うのが一般的な経費精算。しかし紙の運用だと、申請や承認の中でミスが発生したり、申請ごとに手作業で処理を行う手間が発生したりします。
そんな課題を解決できるのが、経費精算システムです。この記事では経費精算システムでできることやメリットなど、基礎知識をわかりやすく解説します。
経費精算システムとは

経費精算システムとは、経費の入力や申請、承認といった経費精算の一連の流れを電子化して効率化できるシステムのことです。紙の領収書を手作業で管理する必要がなくなり、経費精算に伴うミスや手間を大幅に削減できます。
経費精算システムでは、発生した交通費や交際費などの経費を従業員がパソコンやスマホから申請したら、後は上司や経理担当者が内容を確認してワンクリックで承認が完了します。そして承認された経費は自動的に精算され、経理部門が会計処理を適切かつスムーズに行えます。
営業部門や総務部門が存在していて複数人で経費精算が行われる場合、経費精算システムはぜひ導入しておきたいシステムだといえます。
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経費精算システムのメリット
経費精算システムには、経費精算の効率化につながるさまざまなメリットがあります。「申請者」「承認者」「経理担当者」の3つの視点に分けて、経費精算システムのメリットを解説します。
申請者のメリット

経費精算システムを導入すれば、申請者は経費精算に必要な申請・依頼にかかる工数を大幅に減らせます。
経費精算書の記入にかかる手間を削減できる
経費精算システムを導入すると、紙で作成していた申請書類の作成がパソコンやスマートフォンで入力するだけで可能に。入力フォーマットを事前に設定しておけば、項目の選択や金額の入力をするだけで申請が可能になり、作成時間を大幅に削減できます。
また領収書を写真撮影すると自動入力できるOCR機能や、入力を外注できるオペレーター入力代行機能のあるサービスを利用すればさらに経費申請の手間を減らせます。
経費申請の承認依頼がWeb上で完結する
経費精算システムは承認依頼もWeb上で完結します。承認者へ直接会いに行く必要がなくなるため、承認依頼に割いていた時間を削減可能です。
また承認ルートを予め設定しておけば、申請内容に合わせて選択するだけで、簡単に承認ルートを切り替えることもできます。
交通費自動控除やICカード読み取りで交通費申請の手間が削減できる
経費精算システムによっては定期圏内の交通費自動控除やICカードの読み取りが可能。申請時の面倒な計算作業がなくなることで、大幅に手間を削減できるだけでなく、計算ミスを防ぐことも可能です。
経理担当者のメリット

経費精算システムを導入すれば、経理担当者は煩雑な仕訳や振込業務を自動化して、工数を大幅に減らせます。
自動チェック機能で記入ミス・漏れの確認作業を削減できる
経費精算システムに搭載されている申請内容を自動チェックする機能を利用すれば、記入ミスや漏れの確認作業を大幅に削減できます。
また申請書の必須項目や選択項目を事前に設定しておけば、申請者のミス自体を減らすことも可能です。
自動化で仕訳の作業から解放される
経費精算システムでは、事前に設定した勘定科目を従業員が申請時に選択することで、仕訳作業の自動化が可能になります。
また会計システムに合わせた形式で仕訳データを作成できるため、会計システムへの転記もスムーズに行えます。
振込データの自動作成で振り込み作業から解放される
経費精算システムでは、振込データ(FBデータ)が自動作成されて振込業務に活用できます。作成した振込データを銀行のFBシステムにアップロードすることで、複数の振込をまとめて行えます。
電子保存で書類管理にかかるスペースや手間を削減できる
電子帳簿保存法に対応した経費精算システムであれば、領収書の電子保存が可能です。膨大な領収書を保管する場所の確保や管理の手間から解放されることで、スペースや時間を有効活用できます。
承認者のメリット

経費精算システムを導入すれば、承認者は承認にかかる工数を削減できるうえに、承認漏れも減らせます。
承認や否認、差し戻しがボタンひとつで行える
経費精算システムでは承認作業がWebで行えるため、ボタンひとつで承認や否認、差し戻しができます。紙の申請書にハンコを押す作業や申請書類のやり取りが無くなることで、承認作業にかかる時間を大幅に減らせます。
場所や時間に縛られず、出先から承認作業ができる
経費精算システムはパソコンやスマートフォンで使用できるため、時間や場所に縛られず承認作業が可能。承認業務のために帰社する必要が無くなり、出先でのスキマ時間を有効活用できます。
通知で経費申請の承認漏れを防止できる
経費精算システムを導入すれば、対応が必要な申請を通知で教えてくれるため承認漏れを防止できます。また対応済み、未対応、差し戻しなどのステータスを一目で確認できるので、承認依頼の管理も簡単に行えます。
経費精算システムのデメリット

多くのメリットが存在する経費精算システムですが、中にはいくつかのデメリットも考えられます。
経費精算のシステム化に抵抗を覚える従業員がいる
新しい経費精算システムの導入には、従業員の適応と習熟が欠かせません。
特に、技術的に不慣れな従業員にとっては、システムの使用方法を学ぶことが負担になるケースも考えられます。またこれまでの業務プロセスに慣れ親しんだ従業員は、新しいシステムへの変更に少なからず抵抗を覚えるかもしれません。
そのため、従来のプロセスをふまえたうえで利便性をさらに向上できるような事前設定が重要になってきます。従業員の申請から承認フローまでの条件設定や、従業員が選ぶ経費の項目と勘定科目の照合、仕訳データの出力設定など、自社の経費精算に沿った形で要件を定義して、初期設定を進めましょう。
システムの初期設定を自社で完結させるのは、困難を伴います。ベンダーによっては初期設定の伴走サポートを提供しているケースもあるので、社内外の強力を仰ぎながら進めていくとよいでしょう。
すべての経費精算業務をシステム化するのは難しい
経費精算システムを導入しても、すべての経費精算業務をシステム化するのは難しいです。
たとえば申請内容と原本の突合など、ある程度人力で行わなければいけない業務が残ります。他にも交際費を申請する際に、いつ・どこで・誰と・何のために会食したのか、など詳細な情報を手入力しなければいけないケースもあり、紙での記帳と比較して手間がそこまで大きく変わらないケースも考えられます。
自社にとって必要な機能要件を明確にしたうえで、搭載機能に過不足がない製品を選び、システム導入における成果の最大化を図りましょう。
経費精算システムの費用相場

経費精算システムの導入には、初期費用や月額費用などの導入コストがかかります。クラウド型の場合、利用人数に応じて月額費用が決まります。事業規模が大きい会社になればなるほど、運用費用は高額になります。
また製品によっては月額料金が固定制のものや従量課金制のタイプもあります。削減される業務量や時間をあらかじめ想定して費用対効果を算出し、自社にとって有利になる料金形態を選びましょう。
以下、費用相場を記載します、記事と合わせてご確認ください。
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経費精算システムの導入がおすすめの企業

「経費精算システムって本当に自社に必要なのか…?」とお悩みの方に向けて、導入がおすすめのケースを紹介します。
個人事業主や小規模事業者
1人で経費精算をおこなったり、兼務で経費精算の効率化を実現したい小規模事業者の導入が増えています。
OCR機能やクレジットカード情報の連携機能が、経費精算業務を大幅に削減しています。電子帳簿保存法やインボイス制度への対応ができるので法改正対応に不安な方も安心です。
営業部門の人数が多い企業
営業職は日々の活動で交通費や交際費など、多くの経費が発生します。経費精算の件数が多い中、すべてを手作業で処理するのは非効率です。
現場メンバーと経理部門双方の業務負荷を大きく削減できます。
経費精算のプロセスが複雑な企業
経費の申請や承認のプロセスが複雑な企業にも、経費精算システムは強くおすすめできます。
多くの部門や担当者が関与する場合、経費精算システムを導入することで、プロセスの簡素化と標準化を図ることができます。
コンプライアンスの強化が必要な企業
経費精算システムはコンプライアンス強化にも効果を発揮します。経費の不正使用や申請漏れなどのリスクを防ぎ、ルールに基づいた経費精算を徹底できます。
経費データの分析や活用が必要な企業
経費精算システムは経費データの分析や活用を進めたいケースにもおすすめです。
経費データを分析して経費削減や予算管理に活用したい場合、経費精算システムを導入することでデータの集計や分析が容易になります。
ペーパーレス化を推進したい企業
経費精算システムはペーパーレス化を推進したい場合にもおすすめです。
経費精算の電子化により、紙書類の削減やデータの一元管理が可能になります。経費精算システムを導入することでペーパーレス化を推進し、コストカットや業務効率化を図れます。
経費精算システムの選び方【シチュエーション別】

導入シチュエーション別で、経費精算システムの選び方のポイントを解説します。
従業員の経費申請を効率化したい場合
従業員が経費申請するときの手間やミス削減を目的にするなら、領収書のスキャン機能やICカードの連携ができる経費精算システムがおすすめです。
また経費項目の自動判別や入力補助機能があると、さらに効率化を進められるでしょう。
経理業務の効率化を図る場合
仕訳や給与計算など、経理業務の効率化に重きをおいている場合は、自社で利用している会計ソフトとスムーズに連携できる経費精算システムを選びます。
経費データから自動的に仕訳できる自動仕訳機能を搭載している製品だと、なおベターでしょう。
会計ソフトのシリーズ製品として提供されている経費精算システムなら連携性もバッチリです。
経費精算の対象が少ない場合
ほとんどが交通費などで経費精算の対象が少ない場合は、出張費や交通費など特定の経費に特化した経費精算システムがおすすめです。
経路計算や定期券対応機能が充実したシステムを選ぶと便利です。
複雑な承認プロセスがある場合
複数の承認ステップが必要で承認プロセスが複雑な場合は、ワークフロー機能が充実した経費精算システムが必要です。承認ルールや基準の設定が柔軟にできる製品を選びましょう。
外出・出張が多い場合
従業員の外出や出張が多い場合は、スマホで申請から承認までを完結できる経費精算システムがおすすめです。
会社のデスクに戻って申請や承認を行う必要がなくなるので、締切ギリギリにまとめて経費精算が行われるケースも削減できます。
経費管理の透明性・コンプライアンス強化を図る場合
経費管理の透明性担保やコンプライアンス強化を目的とする場合は、申請や承認のログ管理ができる経費精算システムを選びましょう。
定期的な監査やコンプライアンスチェックにも、スムーズに対応できる環境が整います。
以下の記事では、経費精算システムの各製品を特徴や機能などの観点からタイプ別で比較しています。くわしい選び方のポイントも解説しているので、ぜひあわせて参考にしてみてください。
代表的な経費精算システム

導入社数が3,000社を超える代表的な経費精算システムを3製品紹介します。実際にどのような製品があるのか、みていきましょう。
楽楽精算

「楽楽精算」は業種や規模を問わず累計導入社数20,000社(※1)に導入されてきたクラウド型の経費精算システムです。画面レイアウトを変更でき、自社のフローを活かしやすいなど、自由度の高い設計が特徴です。同社の調査では、紙やExcelでの経費申請や承認に比べ、作業時間をおよそ80%削減できる効果(※2)も判明しています。
経費の自動仕訳や振込データ自動作成など、経理担当の業務負担を軽減する自動化機能も搭載。30以上の会計ソフトとの連携実績もあります。
※1 2025年9月時点
※2 社員数100名の場合の年間の導入効果(株式会社ラクス調べ)
マネーフォワード クラウド経費

「マネーフォワード クラウド経費」は会計ソフトで有名な株式会社マネーフォワードが提供する経費精算システムです。
従業員数ごとに異なる料金プランが設定されており、従業員数が多くてもアクティブユーザー数の分までしか従量課金されません。従業員が少ない場合でも基本料金にプラスする形でオプションが追加されていくため、必要機能に絞ってお得に利用できます。
またいつでも経費を申請できるスマホアプリを提供しており、スマホで申請から承認までが完結。外回りや出張時にすぐ経費申請ができるため、スピーディーな経費精算が可能になります。
Concur Expense

「Concur Expense」は利用者数8,000万人を超えるグローバル対応の経費精算システムです。全世界で利用されており、21か国語以上の言語に対応。多通貨にも対応しており、経費精算書が申請された国に応じて日当や出張手当、通貨を自動的に変更できます。
Suicaなどの交通系ICカードや、PayPayなどのQRコード決済アプリの利用履歴から、自動で経費精算することも可能です。またホテル手配やタクシー配車など、さまざまなサービスとも連携して交通費や交際費を申請できます。手作業入力の手間を大幅に削減して、業務効率化が実現します。
まとめ

経費精算の一連のプロセスをまるごと電子化できる経費精算システム。
経費精算システムを導入すれば、申請書の作成や領収書の添付、承認者への回覧など、従来の紙ベースの経費精算業務でかかっていた多くの手間と時間を削減できます。
経費精算の効率化を推進するためにも、経費精算システムの導入を前向きに検討してみてはいかがでしょうか。
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