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スタートアップに税理士は必要?依頼するメリットやタイミング、選び方のポイントとは

最終更新日: 2024年09月04日

スタートアップ企業にとって、税務をサポートしてくれる税理士の存在は重要です。しかし税理士の必要性や依頼するタイミング、選び方については多くの経営者の方が悩むところではないでしょうか。

企業の成長段階や規模に応じて、適切なタイミングで税理士を付けることで、より大きなメリットを得られます。しかし、全てのスタートアップに税理士との顧問契約が必須というわけではなく、事業内容や売上規模によっては、スポット依頼や自力での対応の方が適している場合もあります。

「自社に税理士は必要だろうか?」
「税理士に相談するタイミングについて知りたい」

このようなお悩みを抱えている方に向けて、本記事ではスタートアップが税理士に依頼すべきケースや、依頼するメリット、費用相場などについて詳しく解説します。選ぶ際のポイントや依頼するタイミングについてもわかりやすくまとめたので、ぜひ参考にしてみてください。

スタートアップに税理士は必要?

女性の窓口

スタートアップ企業が税理士を付けるべきかどうかは、現在の事業規模や今後の成長見込みによって異なります。直近で大きな売上が期待されるなら、早めに税理士を依頼しておくとスムーズです。しかし一方で、しばらく小規模で事業を続ける場合などは、資金を圧迫しないために自分で対応するという方法もあります。

このように、スタートアップが税理士に依頼するメリットの大きさは企業によってまちまちです。とはいえ、自社に税務や会計に関する知識が乏しい場合、長期的な視点で見れば税理士を付けることが有益となることが多いでしょう。

また、現状は税理士を雇う必要がない場合でも、事業が拡大すれば税理士に依頼する必要が出てきます。

スタートアップが税理士に依頼するタイミングは?

握手

では、スタートアップが税理士に依頼すべきタイミングはいつなのでしょうか。

一般的な節目として、「大きな売上が見込める場合は会社設立時」「小規模な事業から始める場合は会社設立1~2年後のタイミング」が挙げられます。

大きな売上が見込める場合は会社設立時

会社設立時や、個人事業主から法人に切り替える際は、税理士に依頼を検討すべきタイミングであるといえます。

会社の設立には多くの手続きや書類作成が必要です。しかし、これらを一つ一つ自分で処理するには手間がかかり、ミスなく対応することも難しいものです。そんなとき、税理士に相談することで経営に専念できる環境を整えられます。多くの税理士事務所は社労士や行政書士といった他の士業と連携していることが多く、法人の設立に必要な手続きや書類作成も包括的にサポートしてくれます。

また、設立時には決算期を決める必要がありますが、これは後々簡単に変更できるものではありません。税理士のアドバイスを受けることでベストな決算期を選択でき、長期的に見ても有利な経営が期待できるでしょう。

特に初期段階から大きな売上が見込めるのであれば、税理士を早期に依頼して節税対策を始めることは、大きなメリットとなります。

小規模な事業から始める場合は会社設立1~2年後のタイミング

会社設立時は一つの節目ですが、少額な売上の場合はすぐに税理士を依頼する必要がない場合もあります。売上が少なければ使える資金も少なく、また税理士の介入による節税などのメリットもそこまで大きくないためです。

ただし、次第に成長し、安定した売上を上げられるようになると、税理士のサポートが必要となる場面が増えてきます。設立後1~2年が経過して売上が安定し始めたときや、初回の確定申告の時期などは、税理士への依頼を検討するタイミングであるといえます。

特に売上が1,000万円を超えるようになると、消費税の申告が必要になります。そのため、会計業務が一層複雑化します。税理士に依頼することで、正確な申告や適切な控除を受けられるようになるでしょう。

ただし、確定申告前の依頼には注意が必要です。税理士の繁忙期である1月から2月にかけては依頼が集中し、税理士事務所によっては費用が通常の倍になることも。また、この時期は新規を受け付けていない事務所もあるため、早めの相談が大切です。

スタートアップが税理士に依頼するメリット

会議

ここからは、スタートアップが税理士に依頼するメリットをご紹介します。

  • 本業の拡大に集中できる
  • 節税効果が期待できる
  • 資金調達をサポートしてもらえる

それぞれ解説していきます。

本業の拡大に集中できる

スタートアップの経営では、限られたリソースをいかに効率的に活用できるかが重要です。創業直後は特に本業の拡大に集中すべき時期でもあるといえるでしょう。

煩雑な手続きを税理士に任せることで、的確かつスムーズに税務処理を行えるようになり、経営者や社員は本業に集中しやすくなります。

また税務処理は専門性が高く、何かと時間を取られることが多いものです。税理士に任せるコストこそかかるものの、それ以上の利益を生み出す可能性があると考えられるでしょう。

節税効果が期待できる

スタートアップの時期は資金繰りが厳しいことが多く、税金の支払いも慎重に管理しなければなりません。税理士に依頼すれば、節税対策の有益なアドバイスもしてくれます。税金を支払いすぎることなく、必要経費に計上できる項目を漏れなく処理できるようになるでしょう。

また、過剰な節税対策によって法を犯すリスクも回避できるため、安心して事業を進められるようになります。

資金調達をサポートしてもらえる

スタートアップにとって、資金調達は企業の成長を左右する重要な工程の1つ。

税理士を付けることで資金調達に関するアドバイスやサポートを受けられ、金融機関からの融資や助成金、補助金の申請などもスムーズに進められます。

スタートアップで税理士への依頼に向いていないケース

パソコンで考える様子

企業の成長のためには税理士のサポートが欠かせませんが、すべてのスタートアップ企業が税理士を雇うべきとは限りません。以下では、スタートアップで税理士への依頼に向いていないケースについて解説します。

  • 売上が少ない場合
  • 経理業務が複雑・頻繁に変更が生じる場合

依頼のコストと得られるメリットを比較した上で、自社に税理士が必要かどうか見極めましょう。

売上が少ない場合

売上が少ない場合、税理士に依頼する費用が大きな負担となることがあります。特に創業初期で売上が少なく、手元の資金が限られている場合などは、自力で経理業務を行う方がコストメリットが高いかもしれません。

また、税理士のサポートを受けることで得られるメリットが費用に見合わない可能性もあります。小規模な事業であれば初めのうちは税理士に依頼せずに自分で処理を行い、売上が増加してから税理士を検討するのも一つの選択肢です。

経理業務が複雑・頻繁に変更が生じる場合

経理業務が複雑で、取引ごとに細かいルールや変更が多い場合、税理士への依頼がかえって大変になってしまうこともあります。例えば、取引先ごとに異なるルールがあり、それに応じて経理処理を変更する必要がある場合、税理士に全てを任せることは難しくなります。

このような場合は社内でしっかりと経理管理を行い、必要に応じて税理士に相談する方法を採っても良いかもしれません。外部の税理士に頼りすぎると経理業務がブラックボックス化するリスクもあるため、慎重に判断することが重要です。

スタートアップが税理士に依頼する場合の費用相場

電卓

スタートアップが税理士に依頼する場合の費用相場について解説します。税理士へ依頼する場合、顧問契約を結ぶ方法と、確定申告や決算申告のみをスポットで依頼する方法があります。

ここでは、それぞれの費用相場についてご紹介します。

顧問契約なら月額約2万~4万円

税理士との顧問契約を結ぶ場合、月額2万~4万円がおおまかな相場となります。

顧問契約では定期的な相談やアドバイスを受けられます。企業の規模や具体的な業務内容に応じて顧問料は変動するため、自社の状況に合わせて適切なプランを選ぶことが重要です。

また、決算申告や確定申告業務のような大きな業務が発生する場合、顧問料とは別で費用が発生するケースが一般的です。

確定申告書・決算申告書の作成費用は約10万~20万円

確定申告書や決算申告書の作成を依頼する場合、費用は約10万~20万円が一般的です

これらの書類は税務処理の中でも特に重要であり、性格に作成しなければなりません。税理士に依頼することでミスを防ぎ、適切な申告を行えるでしょう。

スタートアップには顧問契約とスポット契約どちらがおすすめ?

女性とパソコン

スタートアップ企業の経営者顧問契約とスポット契約のどちらにすべきか悩んでいる方も多いでしょう。ここでは、顧問契約とスポット契約がおすすめなケースについて解説します。

  • 踏み込んだアドバイスが欲しいなら顧問契約
  • コスト削減したいならスポット契約

踏み込んだアドバイスが欲しいなら顧問契約

踏み込んだアドバイスが欲しい場合は、顧問契約を結ぶと良いでしょう。税務に関する継続的なサポートを受けられるようになります。

特に税務調査が入った際に立ち会ってもらえる点や、年間を通して企業の状況を把握してもらえる点が顧問契約の大きなメリットです。定期的に相談に乗ってもらうことで、より戦略的に企業の成長をサポートしてもらえます。

顧問契約には月額のランニングコストがかかりますが、事業が成長するにつれてそれ以上のメリットを得られるようになるでしょう。

コスト削減したいならスポット契約

売上が少なく資金繰りが厳しい場合は、スポット契約がおすすめです。スポット契約なら必要なときだけ税理士に依頼し、コストを抑えつつも重要な税務処理を確実に行えるようになります。

例えば創業1期目の確定申告を依頼することで雛形を作成してもらい、次年度以降の参考にするといった活用もできます。まずはスポット契約で様子を見つつ、売上が伸びてきたら顧問契約も検討すると良いでしょう。

スタートアップに強い税理士を選ぶポイント

手に電球

ここからは、スタートアップに強い税理士を選ぶポイントについて解説します。

  • 依頼したい業務内容がプランに含まれているか
  • スタートアップ支援の実績があるか
  • 税理士との相性が合うかどうか

依頼したい業務内容がプランに含まれているか

まず確認しておきたいのが、依頼したい業務がプランに含まれているかどうかです。税理士への支払いは顧問契約の月額料をベースとしつつ、適宜オプション料金や決算申告書などの作成量が発生します。

料金の内訳や対応範囲は事務所によって異なるため、事前にしっかり確認しましょう

税理士事務所によっては、相談内容や回数に応じて追加料金がかかる場合もあるため、契約前にすり合わせておくことが大切です。

スタートアップ支援の実績があるか

一口に税理士といっても、それぞれ得意分野があります。スタートアップ支援に強い税理士を選べば、スタートアップ特有のトラブルや支援にもスムーズに対応してもらえるでしょう。

税理士によっては、小規模事業者向きの補助金や助成金についてのアドバイスをしてもらえる場合もあります。

税理士との相性が合うかどうか

税理士との相性が合うかどうかもチェックしましょう。特に顧問契約を結ぶ場合、長期的な付き合いとなります。いくら実績が豊富でも、相性が合わなければ信頼できる関係を築くのは難しいでしょう。

他の経営者にとっては優れたパートナーであっても、必ずしも自社と相性が良いとは限りません。初回面談の際の対応や、相談のしやすさ、コミュニケーションの取りやすさなども踏まえて検討してみてください。

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スタートアップ企業における税理士選びは、その後の成長に大きな影響を与えます。税理士の適切なサポートを受けることで、適切なタイミングで節税の提案や資金調達の支援をしてもらえるでしょう。

すべてのスタートアップ企業に顧問契約が向いているわけではありませんが、まずは費用対効果とメリットで検討してみるのも1つの手段。

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