ペアガラスは結露防止や室温を保つ機能を備えていますが、状況によっては結露するケースもあります。
結露の原因と放置すると起こるデメリット、水滴が付いたときの対処法を紹介します。ガラス交換で対応する場合の費用もチェックしましょう。
ペアガラスに結露が発生する原因
一般にペアガラスと呼ばれる「複層ガラス」は、結露のしにくさが大きな特徴とされている窓ガラスです。しかし条件次第では結露してしまう場合があります。どのような原因が考えられるのでしょうか?
なおペアガラスは商標ですが、本記事では一般的な呼び方にのっとって「ペアガラス=複層ガラス」として扱っていきます。
屋外と室内の温度差
窓ガラスの室内側が結露してしまう主な原因として、屋外と室内の温度差が大きい環境が挙げられます。部屋の空気に含まれる水蒸気が窓の周辺で冷やされると、液体に変わって水滴が付くメカニズムです。
ガラスの間に空気層があり断熱性能の高いペアガラスでも、外があまりにも寒ければ室内側に結露が起こります。窓ガラス部分だけでなくサッシ部分も、水滴が付きやすい場所です。
サッシ部分は通常の窓とあまり構造が変わらないため、そこで発生した結露が窓ガラスに広がる可能性もあります。
室内の湿度上昇
室内側のガラスが結露しやすくなる原因には、部屋の湿度が高い環境も挙げられます。空気中に水蒸気として存在できる水分子の量は、温度が下がると少なくなるのが特徴です。元々湿度が高ければ乾燥した状態よりも、高い気温で結露してしまいます。
ペアガラスでも室内の湿度が60%を超えると結露しやすくなると言われていますので、結露が気になる場合は湿度をチェックしてみましょう。
結露が発生しやすい箇所はキッチンや浴室のほか、人が集まりやすい部屋(リビングや寝室)・観葉植物の近くなどが挙げられます。特に冬は加湿器を使う機会が多くなるため湿度が上昇しやすい時期です。
内部結露は封着剤の劣化が原因
室内側のガラス表面に付く結露とは違い、2枚あるガラスの間に結露が発生する現状を「内部結露」と呼びます。
ペアガラス内部は乾燥空気やガスが封入されている、あるいは真空にされているのが通常の状態です。正常な状態であれば水分が入ることがないため、結露は発生しません。
しかしガラスとサッシの間を埋めている封着剤が劣化すると、穴やすき間が空き水分が侵入してしまう場合もあります。ガラスの間に水分子が入り込めば室内側で起こる結露と同じく、冷えた外気によって水滴が付くのです。
封着剤が劣化したペアガラスは交換が必要なため、内部結露を発見した場合は早めにメーカーや業者に相談しましょう。
結露を放置すると起こる弊害
ペアガラス内部・室内側問わず結露を放置していると、生活面・経済面で弊害が起こります。具体的にどのようなデメリットがあるのでしょうか?結露対策の重要性をしっかり認識して、早めに対策を講じましょう。
カビやダニが繁殖する
結露を対策せずにいて窓周辺の湿度が高くなると、カビやダニが繁殖しやすくなります。どちらも多湿環境を好む微生物で、特に暖かい室内ではよく発生するのも特徴です。
カビやダニはアレルギー症状を引き起こす原因の一つです。鼻炎や肺炎・皮膚炎といった健康被害にまで発展するリスクもあります。
特に寝室の窓が結露している場合は早めに対策しなければなりません。ペアガラスに発生したカビが壁紙の裏まで浸食して、人が寝ている部屋に胞子をまき散らす事態にもなり得ます。
住宅や家財がダメージを受ける
結露を放置した湿った状態が続くと、建材が劣化してしまうのも注意したい点です。木造の住宅では木材腐朽菌が繁殖して、木を腐らせてしまいます。水分が多ければ金属のサッシにサビが付きやすいのも問題です。
ペアガラスに付いた結露は部屋全体の湿度を上げる原因にもなります。壁や天井といった設備だけでなく、家具や家電などの家財にも影響を及ぼしかねません。家具にシミができたり電化製品が漏電しやすくなったりと、経済面にもマイナスです。
集合住宅でひどい結露が起こると、水分が染み出して下の階までトラブルに巻き込んでしまう可能性もあります。
自力でできるペアガラスの結露対策
ペアガラスの結露は生活上の工夫をすれば、ある程度対策できます。グッズを使って水滴に対処するのも一つの方法です。日頃の掃除に取り入れられる方法もあります。それぞれ具体的な方法を見ていきましょう。
換気をして湿度を下げる
屋内の湿度が高いと乾燥している状態よりも、結露が発生しやすくなります。定期的に窓まわりの空気を循環させて湿気を逃がしましょう。
換気を行う時間は1回当たり10分程度が目安です。部屋に窓が複数あるなら2カ所以上の窓を開けます。空気の通り道が作られ効率的に換気ができるためです。
全開にするのではなく一方向の窓から空気が通り抜ける状態を保つと、湿度が上がるのを抑えられます。
結露対策のグッズを使う
最近はAmazonや楽天市場といったネット通販で、結露対策用のグッズが販売されています。窓の広範囲に貼ることで結露をキャッチする「結露防止シート・フィルム」が代表です。
窓の下部に貼って結露が窓のフレーム部分に流れ落ちたり、水気が残ったりするのを防ぐ「吸水テープ」も手に入ります。他にも窓ガラスに界面活性剤を塗布する「結露防止スプレー」など多様な製品がありますので、用途に合わせて選びましょう。
シリカゲルを窓の近くに置いて乾燥した状態を保ったり、窓用ヒーターでペアガラスを温めたりすることで結露を防止する対策も有効です。加湿器を設置していないのに結露してしまう場合には、除湿機の導入もおすすめです。
中性洗剤で拭く
食器用洗剤などの中性洗剤で窓ガラスを拭くだけでも、結露対策が可能です。中性洗剤に含まれる界面活性剤が膜を作り、ペアガラスに水滴が付きにくくなるという仕組みです。最後にサッシ部分をエタノールで掃除しておけば、カビの繁殖も防止できます。
ただし結露がひどい場合には十分な効果を発揮できないため、何度拭いても水滴が付いてしまう可能性は考えましょう。繰り返し付く水滴は乾燥したタオルで小まめに拭き取る以外に方法がありません。
放置するとカビの原因になりますので、早めにメーカーや業者へ問い合わせた方がよいでしょう。
内部結露にはガラス交換で対応しよう
内部結露は室内側に付く結露とは違って、自力で対策できる現象ではありません。新しいペアガラスに交換しましょう。業者に頼む費用と依頼先を選ぶポイントを紹介します。
ペアガラスの交換にかかる費用
すでにペアガラスを使っていてガラスだけ新しいものに換えるなら、本体費用と工事費の合計で約5万円が相場です。サッシを取り換える必要がなく工事費は比較的安く済みます。
しかし周辺設備にもトラブルがある・新しくペアガラスを導入するという場合、サッシの交換も必要になり10万~20万円かかるのが一般的です。
業者に依頼するときは事前に状況を伝えて見積もりを取り、どの程度かかるのかをできるだけ詳しく提示してもらいましょう。
近年はペアガラスの交換を自治体が補助する制度もあります。対象となる条件は自治体によって変わりますので、活用を考えている場合は役所に問い合わせるのが確実です。自治体のホームページからも確認できます。
業者選びは一括見積もりで
ペアガラスの交換を行う上で業者選びは重要な工程です。しかし数多くの業者の中から最適な依頼先を選ぶのは、手間がかかるだけでなく精査も難しいでしょう。手軽に信頼できる業者を見つけたい人には、一括見積もりサービスの利用がおすすめです。
地域の業者とマッチングできる「ミツモア」では、郵便番号や施工場所の状況を回答していくと複数社から見積もりを取れます。業者とチャットでやり取りができる機能もあり、見積もりで不明な点があれば疑問を解消してから依頼が可能です。
ペアガラスであっても結露対策が必要
ペアガラスでも室内外の温度差や湿度や経年劣化によって、室内側や内部で結露してしまう場合があります。結露の放置はカビやダニの発生・住宅や家財へのダメージにつながるため、できるだけ早めに対策を打ちましょう。
自力でできる対策には換気やグッズを使った対処、中性洗剤を利用した拭き掃除が挙げられます。内部結露は交換でしか解消できません。一括見積もりサービスを活用して納得できる業者に作業を依頼するのがおすすめです。
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