防犯意識の高まりから、窓ガラスに防犯ガラスを採用する家庭が増えています。防犯ガラスは効果的な防犯対策になりますが、費用面においてネックを感じている人も少なくありません。


防犯ガラスの値段の目安やメリットなどをわかりやすく紹介します。
防犯ガラスの値段の目安
防犯ガラス本体の値段は、ガラスの種類や防犯性能の高さによって変動します。代表的な防犯ガラスの値段を表形式でまとめました。(2025年4月16日 ミツモア調べ)
商品名(メーカー) | ガラスの大きさ | 参考価格 |
---|---|---|
セキュオ30(日本板硝子) | 1500mm×300mm | 23,000~25,000円 |
ラミセーフセキュリティー(AGC株式会社) | 1000mm×1000mm | 25,000円 |
フレミングJ(YKK AP) | 370mm×730mm | 33,000~56,000円 |
インプラス(LIXIL) | 1000mm×1000mm | 35,000~40,000円 |
日本板硝子「セキュオ」
日本板硝子が販売している「セキュオ」は、2枚のガラスの間に厚い中間膜やポリカーボネート板をはさみこんでいる合わせガラスです。こじ破りや打ち破りなどの侵入に対して高い抵抗力があります。
セキュオは以下の4つの種類があります。
- セキュオ30
- セキュオ60
- セキュオ90
- セキュオSP
セキュオ30でも十分な防犯機能がありますが、最もグレードの高い「セキュオSP」はポリカーボネート板があるため、穴を空けるまでに多くの時間がかかります。
AGC株式会社「ラミセーフセキュリティー」
ラミセーフセキュリティーは2枚の板ガラスの間に特殊フィルムが挟まれています。特殊フィルムが厚いので防犯性能が高い点が特徴です。
ラミセーフセキュリティーは「防犯性能の高い建物部品の開発・普及に関する官民合同会議」で定められた試験に合格しているCP認定品です。客観的な試験によって高い防犯性能が証明されています。
防犯ガラスへ交換するときの費用相場表
防犯ガラスに交換するときはガラスの本体価格だけでなく作業工賃が発生します。
ミツモアで防犯ガラス交換を行った場合の費用相場を表形式にまとめました。
交換するガラスのサイズ | ガラスの本体価格 | 作業工賃 | 合計金額 |
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窓ガラスサイズ(90cm×90cmまで) | 24,000~40,000円 | 6,300~9,900円 | 30,300~49,900円 |
ベランダ用標準サイズ(190cm×90cmまで) | 35,000~47,000円 | 9,900~14,000円 | 44,900~61,000円 |
ベランダ用大サイズ(210cm×135cmまで) | 40,000~55,000円 | 13,000~18,000円 | 53,000~73,000円 |
※ミツモアにおける窓ガラスの交換・修理サービスの見積もり価格から算出しています。(2024年1月1日~12月31日)
防犯ガラスに交換するときのポイント
防犯ガラスへ交換するときには2つの注意点があります。費用面や防犯性能に関わるポイントを確認しましょう。
防犯ガラスを選ぶときはCPマークに注目
防犯ガラスを選ぶ上で最も重要な指標となるのが「CPマーク」です。CPマークは、警察庁、国土交通省、経済産業省、そして民間の関係団体が合同で設立した「官民合同会議」が定める厳しい防犯性能試験に合格した製品にのみ表示が許可されます。
打ち破り試験:バールなどによる攻撃を想定し、5分以上侵入を防げること。
こじ破り試験:ドライバーなどによるガラスとサッシの隙間からの攻撃を想定し、一定時間耐えられること。
焼き破り試験:バーナーなどによる加熱攻撃を想定し、簡単に穴が開かないこと。
これらの試験は、実際の空き巣の手口を想定して行われます。空き巣は侵入に5分以上かかると、約7割があきらめるというデータがあります。CPマーク付きの防犯ガラスは、侵入を効果的に阻止できる可能性が高いことを示しています。
防犯ガラスとしている製品の中にはCPマークを取得していないものもあります。CPマークを取得していない製品は価格が安い場合もありますが、十分な防犯性能が保証されていない可能性があります。
高い防犯性能を必要としている場合は必ずCPマークの有無を確認するようにしましょう。製品カタログやメーカーのウェブサイト、ガラス自体に貼付されているラベルなどで確認できます。
値段は厚さやサイズによって変わる
防犯ガラスの値段は、主に以下の要素によって変動します。
値段が変動する要素 | 値段が変動する理由 |
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ガラスの厚さ |
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中間膜の厚さ |
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ガラスのサイズ |
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追加の機能 |
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予算と求める防犯性能、その他の付加機能を考慮し、最適なスペックの防犯ガラスを選ぶことが大切です。業者に見積もりを依頼する際には、どのグレードのガラスを使用するのか、サイズごとの価格などを明確にしてもらいましょう。
防犯ガラスのメリット
防犯ガラスは防犯効果を含めて3つのメリットがあります。
① 空き巣などの被害を減らせる
空き巣などの被害を減らせることは防犯ガラスを導入するうえで最大のメリットです。
警察庁の統計によると、一戸建て住宅への侵入窃盗(空き巣)の侵入手段として最も多いのは「ガラス破り」です。通常のガラスであれば、数秒から数十秒で破壊されてしまいますが、防犯ガラスは中間膜によってガラスが飛散・脱落しにくいため、破壊に時間がかかります。
CPマーク認定の防犯ガラスであれば、侵入に5分以上の時間を必要になることが証明されています。侵入に時間がかかればかかるほど、空き巣は人目に付くリスクや、住人に気づかれるリスクを恐れて犯行をあきらめる可能性が高まります。
また防犯ガラスは空き巣にとって侵入しづらいだけでなく「防犯対策をとっている家」という印象を与えます。そのため空き巣に狙われにくくする効果も期待できる点もメリットといえます。
② 窓ガラスが割れても飛散しにくいので安全
防犯ガラスは中間膜が破片を保持するため、万が一ガラスが割れても飛散しにくいという特長があります。
ガラスの破片が飛び散ると怪我の原因になるだけでなく、災害時には避難経路を塞いでしまう危険性もあります。特に小さな子供や高齢者のいる家庭では、ガラスの飛散は大きなリスクです。
防犯ガラスは万が一の際にも室内の安全性を高め、二次災害を防ぐ効果が期待できます。防犯性能だけでなく防災性能にも一定以上の効果があります。
③ 防音などの効果も期待できる
防犯ガラスは2枚のガラスと中間膜で構成されており、その構造上一定の遮音性能が期待できます。交通量の多い道路沿いの住宅や線路の近くなど、外の騒音が気になる環境は防犯ガラスに交換することで防犯性能だけではなく、防音性能を向上させることも可能です。
また製品によってはさらに防音性能を高めているものや断熱性能を高めている防犯ガラスもあります。防音性能や断熱性能を高めた高機能な防犯ガラスは高価ではあるものの、性能面を考えるとコストパフォーマンスが高い点が特徴です。
防犯ガラスの交換費用が高くなる2つの原因
窓ガラスを防犯ガラスへ交換する際、想定以上に交換費用が高くなることがあります。防犯ガラスへの交換費用が高くなるのは2つの原因があります。確認してみましょう。
① 防犯性能が高いガラスに交換する
より防犯性能が高いガラスに交換する場合は、ガラスの本体価格が高額になるため交換費用の総額も高くなります。
防犯性能が高いガラスの特徴は以下の通りです。
- 中間層の厚みが90mil
- 中間層にポリカーボネート板などを使っている
- ガラスの厚みが5mm以上
防犯性能は高ければ高いほど良いと考えがちですが、一般的な住居の防犯対策であれば中間層の厚みは60milで十分です。CPマークがついている製品を選べばさらに安心できます。
② 交換作業までに中間マージンが発生する
防犯ガラスの交換を依頼する際に、依頼先によっては中間マージンが発生して総工事費用が高額になることがあります。
中間マージンを発生させないためには、実際に施工する業者に直接工事を依頼することが重要です。施工業者を探すときは一括見積もりサイトを活用し、手間なく条件にあったお得なガラス交換業者を見つけましょう。
防犯ガラスの交換費用を安く抑える2つのコツ
防犯ガラス交換を依頼する前に、交換費用を安く抑えるコツを確認しましょう。
① 補助金を活用して交換する
一部の自治体では、住宅設備を防犯性能の高い製品に交換することで助成金を支給しています。たとえば葛飾区では、上限6万円で対象経費の2分の1を助成する防犯対策助成を行っています。
葛飾区の防犯対策助成では以下の10項目が対象の品目です。
- 防犯カメラ
- 録画機能付きドアホン
- 防犯性の高い錠
- 補助錠
- センサーライト
- センサーアラーム
- 面格子
- 防犯フィルム
- 防犯ガラス
- 防犯砂利
ほかにも窓のリノベーションに関する「先進的窓リノベ事業」を活用することも可能です。先進的窓リノベ事業では主に断熱性能を高めるガラス交換が対象ですが、断熱性と防犯性能が高い窓ガラスに変更することでも補助金の対象になります。
補助金は予算に達すると受付を締め切られます。補助金や助成金を活用して防犯ガラスへ交換するのであれば補助金等の受付可否についてチェックしましょう。
② 施工業者を一括見積もりで見つける
補助金や助成金を使えない場合は、施工費用をなるべく抑えることが重要です。一括見積もりサイトを活用すれば、安価に施工してくれるガラス交換業者を見つけられます。
一括見積もりサイトではガラス交換の枚数や交換する場所、施工の希望日などの質問に答えるだけで地域のガラス交換業者を含む複数社から見積もりが受け取れます。
一括見積もりをするときは取得できる見積もりの最大数を必ずチェックしましょう。受け取れる見積もりの数は多いほど選択肢が増えてよいと考えてしまいますが、見積もり数が多すぎると比較検討の手間がかかってしまいます。3~5社を目安に見積もりが届くサイトを使いましょう。
防犯ガラス交換は相みつで安くなる!
防犯ガラスは本体価格が高いため、交換費用を抑えて防犯ガラスへの交換にかかる総費用を節約しましょう。防犯ガラスの交換費用を抑えるには一括見積もりサイトで相見積もりをとると効率的です。
ミツモアでは簡単な質問に答えるだけで、最大5事業者からの見積もりが届きます。見積書だけでなく実際にその業者を利用した人からの口コミも簡単にチェックできるので、「この業者とこの業者で決め手に欠ける…」という時に判断基準にしても良いでしょう。